20代後半になると、正社員として採用されるのが難しくなります。
それには以下のような理由があるからです。
20代後半が正社員になるのが厳しい理由
- 「25歳・27歳・30歳」ごとに採用ハードルがグッと上がる
- 第二新卒(新卒後3年以内)の20代前半に区分されないため、未経験職へのチャンスが少なくなる
- 「卒業して3年以内の採用」は国から助成金が出るため、採用に積極的な企業が多いが、そこから外れると途端に厳しくなる→参考リンク:特定求職者雇用開発助成金(三年以内既卒者等採用定着コース)|厚生労働省
- 同年代のライバルは「管理職候補」などして地盤を固める時期で、他者と比べられやすい
20代後半の職歴なしの方は、おそらくこう思っているはずです。
「まだだ…まだ慌てている時間ではない…」
しかし、あえて言っておきましょう。
ぶっちゃけ「20代後半職歴なし」というだけで、もう半分ぐらい取り返しのつかない時期に来ております。
その厳しい現実を知っていただくためにも、20代後半の職歴なしの転職活動が厳しい理由と、具体的な対策をご紹介していきます。
30歳以上、30歳手前の方はこちらも参考に
20代前半と20代後半の職歴なしの違いは?
就職・転職・キャリア・人材市場について詳しくなると「20代前半と20代後半の扱いには差がある」ことがわかってきます。
全体的な傾向としては、以下の通り。
20代前半…既卒・第二新卒層として、未経験職でも採用されやすい。就活生の延長として扱われる。
20代後半…第二新卒からは外れ、同年代の人材とも比べられるため、経歴・経験を求められる年代。職歴なしの場合、非正規社員を選ばざるを得ないことも。
ハローワークなどの求人を見てみても、未経験からしっかり研修で教育してくれるような企業は20代前半までの募集が多く、20代後半はなかなか書類選考すら通りません。
それぐらい、若さは意外なほどに評価される要素なのです。
20代前半は「第二新卒・既卒」として未経験職へ就きやすい
20代前半の職歴なしの場合(あるいは短期離職者)、人材市場では「第二新卒・既卒」として分類され、就活生と同じぐらいに優遇されやすい立場となります。
事実、第二新卒・既卒の就職サポートを行っている業者は、就活生向けのサポートも並行している業者が多く、感覚としては「第二新卒・既卒は就活生の延長線上」と思っていただければわかりやすいかと思います。
この「第二新卒・既卒」ですが、狭い意味では「卒業後3年以内」が目安とされております。
その理由は単純で、卒業3年以内が就活失敗のフォローが出来る時期だからです。
そこから外れてしまうと、年齢を追う毎に採用されやすい求人が減り、正社員になるチャンスが減っていくのです。
この辺の事情は、企業・社会側の複雑な事情や慣習なども踏まえなければ理解できないので、以下の記事などをご参考ください。
関連:既卒・第二新卒が企業に歓迎される理由「若ければチャンスはある」は本当なのか?その真相に迫る!
20代後半以降は、問答無用で採用を控える企業が多くなる
20代後半以降の職歴なしの場合「25歳・27歳・30歳」という節目ごとに、採用されやすい求人が減る傾向があります。
「25歳」という区分は、おそらく「国の助成金の対象」となる、大学卒業時の22歳から3年以内から外れる年齢だからです。同様に、院卒の場合は+2年で27歳で合致します。
参考リンク:特定求職者雇用開発助成金(三年以内既卒者等採用定着コース)|厚生労働省
また、当サイトのスポンサーである「ウズキャリ」を運営する株式会社UZUZの経営者の方の書いた本でも、この年齢制限について説明されております。
年齢別に見ると、求人数がガクッと落ち込む年齢が三つあります。一つめは25歳、二つめは27歳、そして一番大きく求人数が落ち込むのは30歳です。 これは就活している既卒、フリーター、第二新卒の方にほとんど知られていないことです。
ある企業の工場が事業縮小のため閉鎖することになりました。そこで働いてい た従業員には、IT分野のエンジニアとして働き続けてもらおうと、職種を変えるための研修を実施したそうです。その研修で実施された確認テストの結果、27歳以上の方は26歳以下の方と比べて著しく点数が悪かったのです。 このような結果から、未経験の分野に適応できる年齢の目安として、「27歳」という年齢が採用の現場で広がったのです。
出典:「既卒、フリーター、第二新卒の 就活はじめの一歩」
この説明だけ読むとイマイチ納得いかないですが、実際問題として「年齢だけで判断して、書類選考で容赦なく不採用にする企業」が多数存在する以上は、現実を受け入れるしかありません。
以下の記事にも、より詳しく人材会社・採用企業側の事情を踏まえた解説を書いておりますので、ぜひご参考ください。
20代後半以降の職歴なしの方は合わせて読んでおこう!
20代後半からは「非正規雇用」の紹介も増える
また、20代後半の職歴なしとなると、既卒・第二新卒向けの就職支援サービスを利用しても「契約社員」「派遣社員(特定派遣社員)」の紹介が増えきます。
契約社員と派遣社員とは?
契約社員…正社員採用のリスクを抑えるために、試用期間として契約社員として採用する企業が増える。大手企業では、中途採用は契約社員から採用する企業が増えている。
関連:契約社員だと採用されやすい?中途採用で契約社員から働くメリットとは?
派遣社員(特定派遣社員)…雇用主が派遣会社となり、実際に働く現場は委託先となる社員制度のこと。
どちらも制度や仕組みを理解しておけば、企業側・求職者側どちらにもメリットのある制度ですが、まだまだ正社員終身雇用制度の考え方が根強く残る日本においては、今ひとつ理解されていない制度でもあります。
事実、一度採用されたら解雇しにくい正社員と比べれば、非正規雇用者は契約期間終了とともに解雇されるリスクもあるので、不安定な立場になることは間違いありません。
ただし、企業側もバカではないので、非正規雇用でも正社員と変わりない仕事をこなせたり、あるいは長期間しっかりと努力して成長している人材は、正社員として昇進してくれる制度もあります。
そのためには、新卒入社した正社員以上に、自発的に努力して仕事でも結果を出さなければいけません。派遣社員の場合なら、派遣会社と派遣先双方に対しての根回しも必要になってきます。
何かと誤解の多い非正規雇用ではありますが、しっかり制度や採用している企業側の事情を理解しておけば、メリットの多い制度でもあるので、事前に把握しておきましょう。
20代後半の職歴なしなら今すぐ転職活動しないとチャンスが逃げていく
以上、20代後半の職歴なしに関する、転職事情に関しての解説でした。
現実問題として、20代後半以降の職歴なしは、年を追う毎に正社員採用されにくくなるので、しっかり知っておきたい事実です。
正社員として採用されたいのであれば、今すぐ行動し、求人内容を妥協してでも正社員になれる求人に積極的に応募しましょう。
若さだけでどうにかなる20代前半の時期と違って、すでに年齢で人材価値を判断する企業からは「成長性や将来性がない」と判断される段階に来ているのです。
ですが、そうでない企業からは正社員採用されるチャンスはまだ残っていますので、早めに就職・転職活動に取り組みましょう。
20代対象の就職支援サービスを活用しておこう!
職歴なしの20代後半の方で、何が何でも正社員として採用されたい方は、既卒・第二新卒・フリーター向けの就職支援サービスのご利用をオススメします。
ただでさえ「20代後半職歴なし」というハンデを背負って就職・転職活動するのは厳しい状況ですので、プロに相談して採用される見込みの高い求人に狙いを絞って応募したほうが、採用される確率が上がるに決まっています。
人材会社の運営するサービスは、利用者が採用される見込みの高い求人を優先して紹介してくれるので、1人で地道に求人を探して応募していくよりも正社員採用されやすいです。
20代後半の職歴なしともなると、選択肢は限られてきます。
まだ取り返しのつくうちに、ぜひとも20代向けの就職支援サービスを有効活用しておいてください。