「転職エージェントって何?」
「本当に信用できるの?」
「流れがわからないので使っていいか不安…」
このようにお悩みの方も少なくないことかと思います。
転職エージェントはビジネスであり、守秘義務もある以上、詳細な情報はあまり表に出てこないので、不安に思われる方がいても決して不思議ではありません。
この記事では、転職エージェントに関してのよくある質問や疑問にお答えしていきます。
転職エージェントの仕組みについて
Q.そもそも、転職エージェントって何?
プロのアドバイザーが面談した上で仲介役となり、転職先へのサポートをしてくれるサービスの総称のことです。
マーケティング上のネーミングで「エージェント」という言葉が使われていますが、多くの転職サービスでは仲介役にプロのアドバイザーが関わることになるので、厳密には国内の転職サービスの多くが「転職エージェント」と考えて問題ないでしょう。
実際には面談に至る前にも、自分の経歴に合わせて求人情報が届くので「転職サイト+面談サポート」という認識で使うと間違いないでしょう。
関連:転職エージェントの仕組み・特徴・メリット・デメリットを徹底解説!転職サイトとの違いは?
Q.プロに相談する意味はあるの?
おおいにありです。
1人で転職活動をすると、恐ろしく非効率的です。
簡単に言えば、このサイトに書いてある転職情報をすべて自分で集めた上で、さらに自分で実践するぐらいのレベルで大変です。
素直にプロに相談して、客観的かつ正確な情報を聞き出しましょう。
関連:仕事を辞める時の相談相手は誰にするべき?|上司、先輩、親、友人、ハローワーク別に相談する際のポイントを解説!
Q.どの転職エージェントがいいの?
転職エージェントおよび運営会社ごとに傾向や運営体制が違うので、一長一短です。
初心者であれば、全職種・全業界・全国の求人を取り扱っている「リクルートエージェント」「doda」の二社は鉄板でしょう。
関連:転職エージェントは使うべき?オススメはどこがいい?初心者向けに徹底解説!
また、外資系企業アデコの運営する「LHH転職エージェント」も同様に全職種・全業界・全国対応なので、こちらも要チェックです。
理系・製造系なら「メイテックネクスト」が製造業人材派遣会社の老舗で満足度も高めです。
国内人材派遣会社として社会事業と強いコネのある「パソナキャリア」は対応の丁寧さと親身さに定評あり。
Q.エージェントは複数利用してもいいの?
OKです。むしろ複数利用推奨です。
ほぼすべての転職エージェント公式サイト内の回答でも「他社エージェントとの併用可」と明記されているぐらいですから。
関連:転職エージェントは複数併用が鉄則!その理由と実際の活用の仕方をご紹介!
Q.転職サイト(求人検索型)との違いは?
超ざっくりと説明すると以下の通り。
転職エージェント→自分の経歴にマッチした求人を紹介してもらえる
一見すると上の方が選択肢は広いように感じますが、転職サイトは広告求人という都合上、人気求人は倍率が上がって採用確率が低くなるデメリットがあります。
就職活動と違い、転職の場合は今までの経歴やキャリアで選考に受かる求人自体が限られてくるので、転職エージェントの方が効率的です。
また、最近の転職サイトは「スカウト」「オファー」の搭載が当たり前であり、受け身で気楽に使えるように出来ています。
Q.非公開求人って何?
一般には公開されていない求人のことで、転職エージェントに登録して、なおかつ適性があれば閲覧できる求人のことです。
多くの転職エージェントでは約8割が非公開求人だと公表されています。
ただし、この「非公開求人」には以下のようなビジネス面での戦略がある点には注意。
- 本当に表に公開できない優良案件
- 非公開だけど、他業者では普通に公開している求人
- 求職者の注目を集めるためのオトリ求人
下のパターンは、受かる見込みの低い求人で、大企業や有名企業を餌に利用者を釣るためのものですね。
ですので応募する前に、他の転職エージェントや求人サイトを併用して、比較しておくと無難でしょう。
料金・利用の流れについて
Q.本当に無料なの?
国内の主要転職エージェントはすべて完全無料で利用できます。
これは転職エージェントを経由して人材を紹介することで、企業側が成果報酬を支払うビジネスモデルで成り立っているからです。
そのため、転職希望者は無料で利用できる仕組みなわけですね。
当サイトのオフィシャルスポンサーである「ウズキャリ」を運営している株式会社UZUZ様がyoutubeで、わかりやすく解説してくれております。
これはビズリーチが「企業・ヘッドハンターとのマッチングサイト(プラットフォーム)」というシステムで、根本的に他社の転職エージェントとビジネスモデルが異なるからです。
…とは言え、登録自体は無料、スカウト求人も届きます。
それで気に入ったら課金という、いわゆる「ソシャゲ形式」だとご理解いただけるとわかりやすいでしょう。
ちなみに余談ですが、このビズリーチのビジネスモデル自体は欧米発のビジネス専用SNS「LinkedIN(リンクトイン)」の流用…だと思われます。
さらに、そこからパクって独自機能を加えたサイトが「リクナビNEXT」「ミイダス」などであることからして、最近はSNS型の転職ツールが主流であることがわかるでしょう。
Q.面談を受けなくても登録できる?
すぐに面談を受ける気がなくても、登録自体は可能です。
そもそも、面談に確実に呼ばれる保証がなく、まずは求人受け取りから応募するという流れが一般的です。
ですので、長期での転職活動を見越して、求人紹介・情報取得目的だけでもOK。
「doda」のような転職サイト併合型のエージェントもあるので、面談に行くつもりがなくても、求人情報を受け取るためだけに利用しておく価値は十分あり。
ただし、本気で内定をもらおうと思ったら面談に参加したほうがスムーズに行く点は予め抑えておきましょう。
Q.今の会社にバレない?
自己管理を徹底しているならバレません。
前提として「メールアドレスは転職活動用のアカウントを用意しておく(スマホで通知出ないように設定)」「会社のパソコンから登録しない」などの基本を守っておけば、大丈夫でしょう。
転職エージェント側ではしっかりプライバシーに配慮して個室面談、書類のカバー添付などの対策が行われているので心配不要です。
ただし、担当者によっては日中連絡してくるケースもちらほらあるそうなので、必ず面談時に電話をかけてきては困る時間帯を指定しておくといいでしょう。
Q.個人情報の管理は信頼できる?
大手人材会社であれば管理は徹底しているでしょうから、まず問題ないでしょう。
…が、相手も人なので保証は出来ません。
現職の守秘義務や極秘情報などは、経歴面でプラスになると思っても伏せておくのが無難でしょう。
また、家族構成や住所についての記載も最小限に留めておき、担当者との面談前に余計な個人情報を提供しないようにしておくのも防衛策としては有効です。
面談について
Q.面談が不安です…
誰もが初対面の人と話すのは不安なものです。
登録や面談希望の際に「転職は初めて」「面談が不安です」「コミュニケーションに自信がありません」などと記入しておき、カウンセリング面に期待できそうな担当者に当たる確率を高めておくとベターかもしれません。
また、有給休暇を活用しておいて他の面談者の少ない=担当者の対応時間に余裕のある平日の面談を組んでもらうと、急かされずに済むかもしれません。
ノルマに追われて急かしてくる担当者というや、面談経験が浅い未熟な担当者もいるので、過度に期待しないようにしておきましょう。
また、あまりに今の仕事での心理的不安が大きい場合は、転職エージェントではなく厚生労働省のメンタルヘルスケアなどを活用して、対人面の不安を和らげておくといいかもしれません。
Q.面談はいつ呼ばれるの?
転職エージェント側の事情や時期にも寄ります。
早くて1~2週間の業者もあれば、一向に面談に呼ばれない場合もあるそうです。
エージェント側は多数の相談希望者を抱えているので、より優先的に面談を受けたいのであれば、以下の点に気を配っておくといいでしょう。
Q.面談ではどこまで話していいの?
今の仕事の悩みや愚痴から、転職先・年収の話など、なんでもOKです。
ただし、担当者によってはカウンセリング面が弱かったり、転職を急かしてくる場合もあるので、自分と相性が悪いと感じたら交換を申し出ましょう。
また、明らかにうつ病手前の状態で精神・肉体ともに消耗しているのであれば、転職エージェントではなく、まずは心療内科・メンタルヘルスに相談しておく方がいいでしょう。
Q.担当者って信用できるの?
あくまで転職エージェントは「ビジネス」ですので、過信は禁物です。
一端の社会人であれば、相手側の事情を読み取った上で、上手く信頼関係を築きましょう。
味方にすれば心強い存在であることは間違いありません。
関連:転職エージェントが信用できない場合の対処法。担当者がやる気がない・急かしてくる場合の対策とは?
関連:転職エージェントが使えない・合わない場合の対処法と考え方。担当者がクソならどうすればいい?
登録条件・経歴などについて
Q.学歴・経歴に不安が…
基本的に、学歴・経歴不問で利用できます。
とくに大手転職エージェントの場合は「とりあえず登録者を増やしたい」という意図で広告戦略を打っているので、登録だけなら誰でも可能です。
ただし、公開していないだけで業者ごとに目安の学歴・経歴の基準はあるので、実際に登録してみなければ判断不能です。
このあたりの事情は、以下の記事に詳しくまとめております。
最大手の「リクルートエージェント」と「doda」に関しては、かなり広い層の登録を受け付けているので、まずはこの二社を使っておくといいでしょう。
また、既卒・第二新卒・フリーター・ニート層は専門の転職エージェント(就職支援サービス)も充実してきているので、そちらもチェックしておくといいでしょう。
関連:既卒・第二新卒が企業に歓迎される理由「若ければチャンスはある」は本当なのか?その真相に迫る!
Q.職務経歴書(レジュメ)って用意しておいたほうがいい?
なくてもOKですが、ハイクラス系になるとアップロードの必要がある場合もあります。
Q.非正規から正社員への転職もOK?
可能です。
一般的なキャリアコースからは外れますが、非正規雇用者の数が増えてきているので、問題なく正社員求人を紹介してもらえるでしょう。
ただし、最近は正社員の中途採用に慎重な企業では「契約社員」からの採用を考えている企業が増えているので、契約社員形態も選択肢に入れておくといいでしょう。
関連:契約社員だと採用されやすい?中途採用で契約社員から働くメリットとは?
Q.年齢は何歳までOKなの?
何歳からでも可能です。
ただし、あくまで建前ですので、年齢が上がるに連れて紹介してもらえる求人が減ることは覚悟しておきましょう。
Q.過去に登録したことがあっても再登録できる?
可能です。
人材会社によっては登録データが残っていて重複する場合もあるので、ひとまず登録して確認しておきましょう。
ログイン形式でないエージェントの場合は、そもそも再登録しないと再度の利用が出来ない場合もあります(「LHH転職エージェント」など)。
その他の質問
Q.大企業や有名企業に応募できるの?
よく公式サイトトップに掲載している企業一覧や、メールマガジンで届く求人は「すべてオトリ求人」ぐらいに考えておき、期待しないほうがいいでしょう。
原則として転職エージェントでは、求人を選ぶ権利が与えられないので、利用者側の経歴や交渉力次第です。
どうしてもこだわるのであれば、受け持っている業界・職種がマッチしている担当者を見つけ出し、優先的に紹介してもらえるように根回しするなど工夫しましょう。
Q.転職エージェント使えば年収って上がるの?
あなたの適性年収や市場価値、あるいはその時の経済状況次第です。
今の年収が低すぎれば、上がる可能性は大いにありえます。
ただし、転職エージェント側は安定志向で「内定をもらいやすい転職先」を選んでくるので、交渉で年収が釣り上がることにはあまり期待しないほうがいいでしょう。
どうしても年収面にこだわるのであれば、ヘッドハンターの在籍するビズリーチで直交渉するのが確実でしょう。
Q.ブラック企業がないって本当?
厳密な定義での「ブラック企業=労働基準法違反をしている企業」は、まずないでしょう。
人材会社側も取引先として実態調査を行っているので、自己申告制の求人サイトやハローワークよりは少なめでしょう。
ただし、実態調査=営業訪問ですので、紹介先企業側がタイムカード改ざんなど行っていたりした場合、見極めは困難です。
とはいえ、内定後のアフターフォローやアンケート調査なども行っているので、あからさまなブラック企業に引っかかるリスクは減らせるでしょう。
Q.ホワイト企業が多いって本当?
あるかもしれませんし、ないかもしれません。
中途採用者を募集している企業は、相応の事情があるので面談時に相手側の事情を知っておくといいでしょう。
Q.紹介先企業側の社風や人間関係がわかるって本当?
求人サイトやハローワークよりは、そういった情報が事前に得られる点では本当です。
しかし、人間とは第一印象でわからないものですので、本当のところは自分の目と耳で確かめるしかありません。
Q.面談バックレたらブラックリストに載るって本当?
そういう噂もあるみたいですね。
大手の登録者数の多さと面談キャンセル数を想定すれば、いちいちそんな無駄な作業に時間を費やすとは思えません。
…が、どうしても面談に参加できない場合は、社会人としてしっかりと連絡を入れておきましょう。
Q.途中で転職活動やめてもいいの?
問題ないです。
適当に「今の会社でもう少しキャリアを積んでみることにしました。また機会があったらお世話になります」など、角の立たない断りの連絡を入れておきましょう。
同様に縁を切りたいエージェントにも同じ方法で断れば、強引な勧誘にも対処可能です。
Q.求人だけ受け取って、直接応募したほうがいいんじゃ…?
そこに気づくとは…やはり、天才か?
ぶっちゃけ、答えは「YES」です。
業者が一番困るやり方であり、人件費削減目当ての紹介先企業から提案してくることもまれにあるそうです。
ただし、転職エージェントしか保有していない非公開求人の場合、紹介先企業に常識を疑われる結果になるので、やめておく方が無難でしょう。
また、紹介先企業も短期的な利益で人件費を削ってくるということは、転職後も人件費を削ってくるモラルのない会社だと疑えるので、信用できるかどうかは利用者の判断次第です。
紹介してくれた転職エージェントや担当者を立てる意味でも、しっかりとエージェントを経由して応募しましょう。