「アニメーターの仕事辛い…きつい…」
「アニメーター辞めたい…」
こうお悩みではありませんか?
アニメーターの仕事は「原画」「動画」「仕上げ」と分かれ、スキルとしては「イラスト・線画」や「動画(アニメーション)」を担うこととなります。
アニメーターの作画技術には職人的な技術が要されますが、昨今のアニメ産業の一大化からもわかるように、その緻密な職人技は多くのアニメ視聴者に夢と希望を与えています。
一方で、アニメーターの薄給問題についてしばしばニュースで取り上げられることもあり、一部では「やりがい搾取なのでは?」と疑問の声も上がっています。
これはアニメーターのみならず声優なども同じ課題を抱えており、専門学校などを卒業して就職しても自立した生活を送れるほどの稼ぎにならず、アルバイトと両立するか実家の経済的支援が必要など、夢を追うのにお金も才能も必要な上に確実性のない厳しい現実に晒されます。
しかし、アニメ産業が世界規模で大きくなっていくにつれ、少しずつアニメーターの地位の向上や労働環境の良化、またコンテンツ産業全体の流れの変化なども起こっています。
そこで当記事では、アニメーターの仕事がきついと悩んでいる方や辞めたいと考えている方に向けて、アニメ業界全体の産業構造から将来性まで解説した上で、読者自身のスキルや経歴に合わせてより良いキャリアが歩めるために参考になりそうな情報をまとめてお伝えしていきます。
アニメーターの辛い部分やきついと感じる瞬間
アニメーターとして働く人々が直面する辛さやきつさについて考えてみましょう。制作現場では経済的な不安定さや報酬の低さに加え、長時間労働と過密スケジュールが肉体的・精神的な負担をもたらします。また、制作環境の厳しさや締め切りへのプレッシャーも大きなストレス要因となります。
経済的な不安定さと報酬の低さ
アニメーターを辞めて転職したいという一番の理由は、給料が安いことでの将来の不安でしょう。
一時期、テレビでも社会問題としてアニメーターの低賃金が問題となりました。
2chのスレッドでもアニメ業界の低賃金がしばしば取り上げられ、年収200万円台の報告も珍しくありません。
12 名前:名無しさん@引く手あまた[] 投稿日:2019/07/21(日) 11:56:31.93
火災スレで給料明細の画像出てたけど正社員で年収240万円くらいだったような13 名前:名無しさん@引く手あまた[] 投稿日:2019/07/21(日) 11:58:50.40
アニメ業界はブラックだし激務だけど給料は激安。
京アニだって例外ではない。
小さな会社だからね14 名前:名無しさん@引く手あまた[] 投稿日:2019/07/21(日) 14:47:02.52
マジ?去年の賞与6ヶ月分らしいが
20万に12ヶ月+6ヶ月しても360万はいくよなぁ15 名前:名無しさん@引く手あまた[] 投稿日:2019/07/21(日) 16:06:25.91
アニメ業界の給料が安いのは常識だよ
ようは金の為に働いてる人じゃないということ
いずれにしてもあんなに沢山の関係者を失った以上損失は計り知れないし、経営もヤバイだろ 京都アニメーションってどうよ? その1
Yahoo知恵袋で寄せられた相談でも、アニメーターとして15年働いても手取り月20万円という話も出ています。
配偶者がアニメーター、私は全然関係ない業界という立場です。
15年くらい業界にいるようですが、月20万程度の収入しかありません。徹夜で帰ってこないことも良くあります。
転職を考えています。今年22歳になる女です。現在はアニメーターとして働いています。この仕事に就いてから丸一年経ちましたが... - Yahoo!知恵袋転職を考えています。今年22歳になる女です。現在はアニメーターとして働いています。この仕事に就いてから丸一年経ちましたが正直金銭的な面で生活が厳しく転職を考えています。ア ニメーターは高校生の頃からなりたかった職業で昨年専門学校を卒業してや...
このようなネット上の情報を見ても、アニメーターは勤務経歴が長くても収入の上がりにくい仕事だと言えるでしょう。
長時間労働と過密スケジュールによる肉体的・精神的な負担
アニメーション制作には長時間の労働が求められます。過密なスケジュールや連日の残業によって、アニメーターは肉体的な疲労やストレスを抱えることがあります。
制作環境の厳しさと締め切りへのプレッシャー
アニメーション制作は厳しい制作環境の中で行われます。制作期間や締め切りに追われる中で、アニメーターは高い品質を求められるプレッシャーに直面します。
アニメーターに向いていない人や辞めて良かったと思える人の特徴は?
次に、アニメーターに向いてない可能性が高い人や、辞めても後悔せずに良かったと思えるような人の特徴を紹介していきます。
ここで紹介する特徴はあくまで代表的な例や考え方の一つで、必ずしもすべての人に当てはまるわけではありません。最終的には読者自身の資質や適性によりますので、参考程度にお読みください。
長時間の集中力を持続できない/創造性や想像力に欠ける
現実的にアニメーターとして生計を立てていくにあたり、スキルや素質の面で必要な適性です。
アニメーション制作には長時間の集中力が求められます。そのため、集中力を維持できずに作業効率が低下したり、創造性や想像力に欠けてアイデアを出しにくい人は、アニメーターとしての適性に欠ける可能性があります。
技術力や才能が要求される仕事
アニメーターと言えば、純粋に技術力や才能が要求される職人的な仕事です。
高い技術力や絵の上手さがあれば、仕事も選べる立場になりますが、そうでなければ一生下働きとなる可能性だってありえます。
ですので、周りと比べて、
「自分には才能がない…」
「まったく技術が向上しない…」
「大きな仕事が振られない…」
…と伸び悩んでいるのであれば、早期に見切りをつける勇気も大事です。
少なからず、薄給問題が表面化している以上は「やりたいことで食っていく!」というキレイゴトが通用しない業界ですので、辞めて他の待遇のまともな職種に就くことも、立派な選択肢だと言えます。
クリエイターとしての営業力やキャリア意識が希薄
下流のアニメーターが薄給なのは、イラストレーターとしての知名度・ブランド力が上がらない点にあるでしょう。
活躍しているアニメーターさんの名前や役職を見てみても、多くの方が以下のような特徴や個性を持っています。
- キャラクターデザインを手がけるアニメーター
- オリジナリティがあり、個人で仕事を引き受けているイラストレーター
- 原画制作・絵コンテなどの管理職的役割を担当しているアニメーター
これは一般職で言えば、
「自分で取引先と大きな仕事をする営業マンになるか?」
「会社で培った技術やコネを活かし、独立するか?」
「会社の仕事をコツコツこなし、管理職になるのか?」
…と言った、いわゆる”キャリアプラン”に該当します。
何が言いたいのかというと「ただ単に与えられた仕事をこなすだけでなく、将来的な方向性を考えて仕事をとっていく必要がある」ということです。
これについては、
- 今の会社の上司や先輩の話をしっかり聞いておく
- 業界内で活躍している人の経歴を調べておく
- 業界内で次に求められるであろうスキルを身に着けておく
…など、自分で考えて実践していく必要があります。
低報酬や不安定な収入状況に耐えられない
アニメーターの報酬は一般的に低いことが多く、不安定な収入状況に直面することもあります。経済的な不安定さに耐えられず、収入の面での安定性を求める人にとって、アニメーターを辞めてよかったと後悔せずに済む可能性があります。
アニメーターが薄給になってしまうのは「下請け=受注側」として、業界の中でも最下流の仕事に属するからです。
もちろん、この最下流ではなく「制作会社に所属するアニメーター」や「フリーランスとして個人的に受注するアニメーター」となれば、給料が上がる可能性はあります。
ですが、最下流の仕事を引き受けるアニメーターで居続ければ、残念ながら薄給のまま都合よく使われる未来が待っています。
少なからず、下請けの賃金が低い会社に勤めていて、先輩のアニメーターも薄給であれば、将来的に賃金が高くなる可能性は極めて低いと言えるでしょう。
これはアニメ業界限らずどの業界にも言えますが、下流の下請けの会社であればあるほど、他の会社に仲介料を差し引かれるわけですので、有名なアニメの制作に関わっていたとしても、給料は雀の涙ほど…となってしまうのです。
また、日本の企業全体で「経営や利益に関わらない雑務は派遣・下請けに低賃金で任せる」「企業本社でする必要のない仕事は子会社に投げる」など、効率面を重視する傾向が年々強まっているため、下請けの技術者であるアニメーターは割を食うハメになるのです。
ですので、仮にアニメーターのまま食っていくつもりであれば、まずは「下流の仕事から抜け出す」ことを意識する必要があります。
製作委員会方式などアニメ業界のビジネスモデルに疑念がある
アニメ業界では、製作委員会方式などのビジネスモデルが一般的です。このビジネスモデルに対して疑念を抱く人や、それによって制作環境や報酬面が悪化すると感じる人は、アニメーターとしての適性に疑問を抱くかもしれません。
アニメ制作の主な収益源と言えば「スポンサー」「関連商品(DVD・BDなど)」ですが、あまりビジネスとして利益効率がいいとは言えません。
ゴールデンタイムに放送している番組ならともかく、深夜アニメのようなマニアックなアニメは、あまり広告料を出してくれるスポンサーもつかないため、経営が苦しくなりがちなのです。
その割には、近年の作画・技術の向上に伴い、アニメーターは低賃金で高い能力を求められるという構造にもなっております。
ですので、作画にかける時間量とそこから得られる収益の配分が極めて低い…という、生産性の低い仕事になってしまうわけです。
このあたりの事情は、コンテンツマーケティング・クリエイティブ業全般に当てはまり、会社としても経営が難しい部分でもあります。
それでも上手く経営しているアニメ会社は、主に以下のような特徴を持ちます。
- ヒット作を多数排出し、ブランド力のある会社(ジブリなど)
- 知的財産権管理を軸にビジネス展開している会社(キャラ販促物の展開など)
- ホビー展開・メディアミックスなど、アニメ以外の収入源や業務連携の出来ている会社(サンライズなど)
アニメーターとして給料アップを目指すのであれば、こういった「ビジネス視点」も若いうちに身に着けておくといいでしょう。
アニメーターの将来性は?無理に働き続けた末路はどうなる?
アニメーターとして薄給に悩んでいる方は、おそらく「将来性」に悩んでいると思われます。
アニメ産業自体は成長事業なので将来性はあるとは言えますが、アニメーターの給料アップにつながるかどうかは別問題です。
過労や薄給については一部の優良アニメ会社によって改善の兆しは見られる
これが一般的な企業であれば、業界自体の将来性は高くなくても、最低限の給料は保証されますが、アニメーターとなればそうもいきません。
アニメーター業界で問題とされる過労や薄給については、一部の優良なアニメ制作会社が改善策を取り入れる動きが見られます。しかし、業界全体の状況はまだ改善の余地があり、労働環境や報酬面については懸念が残ることもあります。
アニメーション制作の自動化と技術の進歩
アニメーション制作においては、AIやCG技術の進歩により自動化が進んでいます。これにより一部の業務が効率化される一方で、アニメーターの役割や求められるスキルにも変化が生じる可能性があります。
アウトソーシングの増加と海外競争の影響
アニメーション制作のアウトソーシングや海外への制作委託が増加しています。これにより、国内のアニメーターへの仕事の流出や海外との競争が激化する可能性があります。将来的には国内外の競争環境がアニメーターの将来性に影響を与えることも考えられます。
コンテンツ飽和による可処分時間の奪い合いによりアニメの価値低下の懸念
アニメ業界関わらず、クリエイティブ系の職種・産業自体が競争の激しい業界です。
そのため、アニメ業界だけで将来を考えず、他のクリエイティブ業も意識しておく必要があります。
- YouTubeの登場で個人の動画制作者も容易にビジネス参入できる時代になった(=会社でアニメを作る必要がなくなってくる)
- スマホの普及でWEB・ITコンテンツが主流になってきている(=TVアニメの価値が相対的に下がってきている)
- メディアミックスにより、アニメだけに依存しないコンテンツマーケティングが主流に(=アニメを作って放送するだけではダメな時代)
ガンダムの制作者である富野由悠季氏も「YouTubeが~」と言及しておりますが、広い視野で見渡せば、アニメーターの競合相手は「クリエイティブ業・コンテンツマーケティング全般」になるわけです。
極端な話、アニメの放送が既存のTV局からネット動画配信が主流となれば、アニメーターの在り方も変わってくる可能性だってあります。
ですので、将来を考えるのであれば「アニメ業界で生き残る」だけでなく「アニメ業界以外にも対応できるスキルを身につける」「アニメ業界以外でも生き残れるキャリア方針を考えておく」ぐらい、広い視野が不可欠だと言えるでしょう。
アニメーターからの転職先は?給料を上げる方法は?
アニメーターからの転職やキャリアアップ(出世して役職が就いたり、転職してより高い地位に就くこと)を考えた際、さまざまな選択肢や可能性があります。
この項目では、アニメーターからの転職先やキャリアアップの例として考えられるものや代表的な例をいくつかご紹介します。自分がとくに興味を持ったものを目指しながら、新たな道を切り拓く参考にしてみてください。
作画監督/ディレクターなどの現場指揮業務に携わる
アニメーターからの転職先としては、作画監督やディレクターなどの現場指揮業務があります。これにより、クリエイティブなリーダーシップを発揮しながら給料を上げる機会が得られる可能性があります。
有名タイトルやアニメ制作会社と直接関わる機会を狙う
アニメーターとしての経験を活かし、有名タイトルや制作会社との関わりを求める方法もあります。これにより、プロジェクトや企画に関与することで給料を上げるチャンスが生まれるかもしれません。
アニメ産業以外のコンテンツ産業全般に視野を広げる
アニメーターから転職する場合、他のクリエイティブ職に転職すれば、雇用条件や給料面の改善が見込めるかもしれません。
具体的には、以下のクリエイティブ業は人手不足が目立ち、採用確率も高めです。
- WEB(ネットメディア、WEB動画作成会社)
- ゲーム業界(とくにソシャゲー関連)
これらの業界の中には「アニメの動画制作の経験者が欲しい」という企業も存在しますので、まずは専門の転職業者を利用して、自分の経歴やスキルが活かせる仕事がないか、探し出しておくといいでしょう。
オススメは、以下の2社です。
アニメーターからクリエイティブ系に転職する際のオススメ業者
マイナビクリエイター…若手向けのクリエイター特化の転職サポート。学生・未経験者からでも利用できる。WEB・IT・ゲーム業界の求人を多数取り扱っている。ポートフォリオの作成指導もあり。→マイナビクリエイターの解説記事
シリコンスタジオエージェント…ゲーム業界の専門の転職エージェント。自社がゲーム制作会社であり、ゲーム業界とのコネは強い。非正規社員の求人も扱っているためバイト経験からでも利用可能。関わりたいゲームタイトルから仕事を紹介してもらうことも可能。→シリコンスタジオエージェントの解説記事
どの会社もアニメーター向けというわけではないですが、アニメーターとしての経験を活かせる意外な転職先と出会えるかもしれないので、利用しておくに越したことはないでしょう。
一つの会社に依存せずに副業での収入を得る
アニメ業界で活躍している著名なクリエイターの経歴を見てみると、フリーランス、あるいは組織人であっても仕事の請負方がフリーランス的な人が多いことがわかります。
クリエイター業自体、フリーランス的な働き方をしている人が非常に多い職種ですので、地道に自分を売り込んでコネを作り、大きな仕事につながるための努力は必須だと言えるでしょう。
逆に言えば、受け身で会社に言われたとおりに仕事をこなすだけでは、ずっと下請けの地味な仕事ばかりを押し付けられるだけで、大きな仕事に関わるチャンスを得られず、給料も上がらないということです。
クリエイター・技術者にありがちな勘違いですが「仕事として金になる方法=ビジネス視点」が欠け落ちていると、よほど会社や人脈に恵まれない限りは、いつまでも都合よく搾取され続けるだけですので、アニメーターとして続けていくのであれば、今後の働き方・収入源もしっかり考えておく必要があります。
アニメーターのスキルや経歴が活かせそうな一般職に就く
20代の若いアニメーターの方で、アニメーターを辞めて他の安定した仕事に就きたい方は、既卒・第二新卒向けの就職支援サービスがオススメ出来ます。
理由としては、
- 経歴・学歴問わず、人柄やポテンシャル重視での採用を行っている会社の紹介が多い
- 定着率(=長く働ける率)重視の会社が多く、安定性がある
- ビジネスマナー講座やスキルアップ支援など、一般の正社員になるためのサポートも充実している
…など、今まで一般的な経歴を歩んでいない人でも、充実したサポートに期待できるからです。
また、利用者の中には「アニメ業界を目指していたが、夢が叶わなかった人」などの経歴を持つ人もたくさんおり、前例が充実している点も、アニメーターを辞めたい方にとっては安心できるポイントです。
アニメーターを辞めるか悩んでいるのであれば転職エージェントのご利用も
アニメーターを辞めようか悩んでいて、まだ具体的な方針が浮かばない人は、転職サービスでプロに相談しておくといいでしょう。