「ブライダル業界勤務だけど、将来性に不安を感じている…」
「ウェディング業界の衰退を現場で感じている…」
このようにお悩みの方も多いのではないでしょうか。
ウェディング・ブライダル業界と言えば、離職率の高い業界として有名です。
将来性の不安が指摘されているブライダル業界勤務の方の中には、
「将来のために転職を考えておきたい」
「ブライダル業界からの転職先を知っておきたい」
「ウェディング業界勤務を続けるために現状の問題点を知っておきたい」
…という方も大勢いらっしゃるかと思います。
そこで当記事では、各経済誌や統計データを参考に、ブライダル・ウェディング業界の今後の将来性について考えていきます。
ウェディング業界の将来性がないと言われる原因は?
ウェディング・ブライダル業界は、なぜ将来性が低いと言われるのでしょうか?
それには以下のような理由があります。
ウェディング・ブライダル業界の将来性が低い理由
- 少子化に伴う挙式数の減少
- 少人数婚の増加
- 「ナシ婚」増加による収益低下
- 若者の恋愛離れ・結婚離れ
とくに少子化による結婚式数の減少と、若年層の低所得化に伴う打撃は大きく、以下のグラフの通り、ブライダル・ウェディング業界の市場規模は年々縮小傾向にあります。
画像出典:「会社四季報」業界地図 2019年版
少子化に伴う挙式数の減少
ウェディング・ブライダル業界の将来性が低い理由としては、少子化に伴って結婚式の挙式数が年々減少傾向にあるからです。
以下の厚生労働省の統計データを見ればわかりますが、昭和47年をピークに年間の婚姻件数は約40万近く下がっております。
画像出典:https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/geppo/nengai11/kekka04.html
この先、少子化が進むことはあれど、増える見込みはないでしょうから、挙式数自体に絶対的な上限数のあるブライダル業界は衰退してしまうわけです。
少人数婚の増加
ウェディング・ブライダル業界が衰退傾向にあるのは、少人数婚が増加しており、一挙式の収益が落ちているからでしょう。
- 挙式、披露宴・披露パーティ総額は357.5万円
- 披露宴・披露パーティの招待客人数は69.4人で、年々減少傾向
- ご祝儀総額は232.8万円で、挙式、披露宴・披露パーティにおけるカップルの自己負担額は142.8万円
- 挙式、披露宴・披露パーティの費用として、親・親族から援助があった人は70.7%
出典:「ゼクシィ 結婚トレンド調査2018調べ」
以上の調査結果からわかることは、少人数婚が増えて一人あたりの単価は増えつつあるということです。
それが何を意味するかと言うと、
- 結婚式自体の単価は微増加傾向(景気の上向きの影響)
- 親族・家族の資金援助が受けられる層でないと式を挙げる余裕がない
…ということです。
つまり、ある程度の富裕層や、親族からの資金援助が受けられる層が結婚式を挙げているという実態が見えてきます。
後述の「ナシ婚の増加」と合わせて考えてみると、ウェディング・ブライダル業界も貧富の格差の煽りを受けている事情が見えてくるでしょう。
※そもそも、ゼクシィ購入層や回答者自体が結婚式に高い関心がある(=結婚式に対する費用を惜しまない)ので、そうでない人が結婚式離れを起こしている点には考慮する必要があります。
「ナシ婚」増加による収益低下
入籍したにも関わらず結婚式を挙げない、いわゆる「ナシ婚」増加も、ブライダル・ウェディング業界が衰退している原因のひとつでしょう。
ナシ婚を行う層の理由としては、
- 経済的事情
- セレモニー的行為が嫌
- おめでた婚
- 結婚式以外のことにお金を使いたい
…などが、大きな理由として挙げられております。
とくに経済的な理由は全体の2割以上を占めており、前述のように経済格差の影響が出ていることがわかってきます。
※アンケート調査で、経済的・金銭的理由を挙げずに他の回答を選んでいる層も含めると、実際はもっと多いかと思われます。
画像出典:みんなのウェディング「ナシ婚」に関する調査2018 ~ナシ婚層の実態~ | 株式会社みんなのウェディング
また、そもそも最初から挙式する気すらない層が存在していることがわかってきます。
ナシ婚の煽りを受けるのは、
- 低単価志向のブライダル会社
- 顧客単価上昇に取り組んでいない会社
…など、中産階級以下の顧客を対象とした展開をしているブライダル会社です。
ですので、ウェディング・ブライダル業界勤めで将来性に不安を感じている方は、会社の経営方針や顧客層などをしっかりと意識して、今後の厳しい状況に対応できるかどうかを判断したいものです。
若者の恋愛離れ・結婚離れ
ウェディング・ブライダル業界が衰退傾向にあるのは、少子化に加えて、若者の恋愛離れ・結婚離れが進んでいることも考えられるでしょう。
恋愛に使う費用を惜しむ若者が増えたり、恋愛以外の娯楽にお金を費やす人が増えるわけですから、潜在的な挙式の需要も低下しているわけです。
ただ、これに関してはネットの意見や、一部のコラムニスト・評論家の声が大きいだけであったりもするので、冷静に見極めておく必要があります。
見方によっては「独身世帯=潜在的な挙式見込者」とも言えるので、これはビジネスチャンスにもなり得ますので、今後の動向にも注目です。