「底辺DTPオペレーターから抜け出したい…」
「DTPオペレーターとして低賃金・長時間労働で辛い…」
このようにお悩みでありませんか?
DTPオペレーターは出版不況や印刷業界の衰退により、年々人材や技術の価値が下がり、逆境に立たされている職種の一つだと言えます。
ただ、DTPオペレーターの中でも「DTPデザイナー」と呼ばれる、本質的なデザインスキルやクライアントへの提案力、またプロジェクト管理やデザインの全体設計レベルから関わっているのであれば、アートディレクターなどへのキャリアアップが見込めます。
一方で、DTPオペレーターの中でも「エディトリアルデザイナー」相当の紙面レイアウトしか行っていなかったり、文字通り「オペレーター」として、決まったテンプレートに文字や素材を流し込んで、後は印刷の際の微調整といった「作業」しか行ってない場合は、キャリアの将来性に不安が残るかもしれません。
だからといって、何も自分を「底辺だ…」と自虐する必要はありません。
大事なことは、自分自身のスキルや経験を客観的に見つめ直し、転職市場で評価されるスキルや実績、より活躍するために求められる人物像を把握し、キャリアアップしていくことです。
そこで当記事では、自らを底辺DTPオペレーターと嘆く方に向けて、DTPオペレーターの将来性で不安が残る点をおさらいしながら、逆境にどう立ち向かうべきか、お伝えしていきます。
DTPオペレーターが底辺職だと感じる原因は?
印刷業界全体が衰退傾向にあるから
印刷業界は衰退傾向にあります。デジタル化の進歩により、印刷物のニーズが減少しているため、印刷会社の業績が悪化しているのです。
これにより、現場で働くDTPオペレーターにもキャリア的に、以下のデメリットが生じます。
- 優良企業が少なくなる
- 年収が上がらない
- DTP技術の価値が低くなる
こういったデメリットによって、印刷関連の仕事に取り組む人々には将来的な不安を感じることとなります。
WEBデザイナーの需要が増しておりDTPデザイナーの需要が低下しているから
インターネットの普及によりWEBデザインのニーズが急増しています。 WEBデザイナーが求められる現代では、DTPオペレーターの仕事が減少傾向です。
たとえば、今までチラシやダイレクトメールで集客していた企業がWEB広告に移行すればそれだけDTPデザイナーの仕事は減っていくこととなります。
また、多くの有名雑誌の廃刊が続いたり、新聞紙の発行部数が減るなど、エディトリアルデザイナーなどのDTPスキルが求められる場面が減っています。
DTPオペレーターの作業が技術の進歩で価値が低下していく
DTPオペレーターの中でも、
- テンプレートに文字やカラーなどの要素を当てはめる作業(チラシなど)
- 効率化を求められない(スクリプトを活用するなど)
- 制作物に付加価値が提供できない(ブランディングなど)
- 印刷時の色味やレイアウトの微調整を行う作業(印刷物独自の手間)
といった単純作業が多い場合や、印刷物独自の職人的な微調整は、技術の発展やAIの登場などで将来的に価値が低くなると予想されます。
その証拠として、
- DTPオペレーターの仕事の多くが派遣社員形態での採用へ移行
- クラウドソーシングなどの外注サービスで低単価競争が著しい
- Adobeソフトに引けを取らないデザインソフトが低単価で普及
- ネットプリントの普及で印刷会社自体の需要も低下
など、DTPオペレーターの仕事の価値の破壊が既に始まってます。
派遣社員などの社内業務の外注化(アウトソーシング)による「技術の価値の低下=給料の低下」は事務職などのデスクワークでも発生しているのでDTPオペレーター特有の問題ではありませんが、それ以降は深刻な危機だと言えるでしょう。
たとえば「クラウドソーシング」と呼ばれる、インターネットを通して在宅ワーカーに仕事を発注できるサービスでは、以下のようなDTPデザイナーの業務実態により買い叩きが横行しています。
応募案件数:60件(ロゴ45、チラシ15。すべてコンペ)
採用作品数:4(ロゴ3、チラシ1)
実作業時間:240時間(30日×8時間)
獲得報酬:約6万円時給換算:250円
これは極端なケースかもしれませんが、クラウドソーシングでは会社で行われている「営業、契約手続き、取引先との信頼関係構築」といった業務もDTPオペレーター1人で行わないといけないため、報酬単価を上げる営業努力ができてないと、技術だけではほとんど価値が生み出せない状態になっているわけです。
さらに、これまでDTPオペレーターのスキルとして評価されていたAdobeソフトウェア使用スキルの価値の低下も深刻です。
AdobeCCのサブスクリプション化により、これまでプロツールとして使われていたツールが一般ユーザーでも手軽に使用しやすくなったり、AFFINITYのようなAdobeに対抗した低単価ソフトも出てDTPデザインの参入障壁が低下するなど、ライバルが多くなっているのもDTPスキルの価値低下につながってます。
また、ラクスルなどのオンデマンドプリントやネットプリントの登場により、素人でもテンプレートに入力するだけで簡単に印刷物が作れてしまうなど「これでもか!」というぐらい、DTPオペレーターの価値が落ちる技術革新や市場の変化が行っています。
dtpオペレーターのキャリアプランはどうする?転職先は?
DTPオペレーターの皆さんにとって、将来のキャリアプランや転職の先は重要なテーマです。以下にいくつかのアドバイスをご紹介します。
信頼できる取引先や金回りの良い業界で働く
取引先として信頼できるのは、会社規模や予算の大小も判断基準となりますが、いちばん大事なのは「DTPオペレーターにとって快適に作業に集中しやすい仕事の振り方をしてくれるか?」という点です。
ダメな会社や取引先と仕事していると、仕事の負担が増える割に給料や報酬は上がらないという事態が発生し、どれだけ頑張っても稼げないどころかむしろ頑張れば頑張るだけ損します。
実際のケースとして、クラウドソーシングであった以下の例を紹介します。
- 依頼文に曖昧な指示や要求が多い
- 必要な制作指示(フォーマット・ファイル形式など)の不足
- 訴求文・キャッチフレーズまでDTPオペレーターに考えさせる
- 画像などの素材を一切用意しない
- 著作権侵害の推奨
本来、こういったDTPオペレーターに仕事を振る前の詳細な要件の設定は、営業やディレクターの仕事なのですが、DTPオペレーター側に押し付けるクライアントも非常に多いです。
クラウドソーシングのように「出来るだけ安く早く」を要求するクライアントが多いプラットフォームや、自分にスキルがないばかりに低単価の案件ばかり受けようとすると、かえって、質の低いクライアントと仕事することになり、報酬も待遇も上がりにくいです。
一方、印刷物の需要がゼロになるわけではない以上、DTPが完全に無価値でなくなるわけでない点に注目です。
むしろ、この逆境の中でも継続して経営できている会社はそれだけ印刷物で価値を生み出しているわけですから、そういった企業と関われる仕事なら待遇も年収も上がる可能性が高いと言えます。
具体的には、未だ根強い影響力を誇るマス広告媒体に関わる「大手広告代理店」のグループ会社や取引先、また、高級和紙の活用や洗練されたデザインにより印刷物の付加価値を最大限に高めているブランドデザインを行っているような企業との仕事は、DTPスキルが高く評価される可能性が高いでしょう。
底辺DTPオペレーターから抜けすために使っておきたい転職サービス
DTPオペレーターとして稼ぐには信用できる相手が大事!
結論から言えば、やっぱり匿名同士の仕事だと、それなりの仕事しかできないという事が、身にしみてわかりました。
クラウドソーシング・テレワークにしても、たとえ顔も名前も知らない相手でも、お互いの能力や要求を把握しあって、信用を築かないとまともな仕事にならないんだなあ…と思い知らされました。
クラウドソーシングでコンペ案件に募集し続けるのって、求人情報もわからない就職先に履歴書なしで作品だけ応募しまくってるみたいなもんですからね。
デザイナーとして、そして人間としてまともにお仕事したいんなら、クラウドソーシングの利用はやめておきましょう。時間の無駄です。
DTPオペレーター向けの転職エージェントは?
DTPオペレーターは職業の性質上、ポートフォリオが転職活動に必須となったり、求められる技術やセンスが複雑となりやすいことから、クリエイター向けの専門転職エージェンを使っておくのがオススメです。
とくに運営実績が長くマスコミ業界とも強いコネのある「マスメディアン」は、宣伝会議という広告業界老舗の会社が運営しており、マス広告や印刷媒体の求人に強いサービスの一つです。
派遣社員などDTPオペレーターとして在宅ワークができる求人から、大手広告代理店と関われる案件まで老舗ならではの優良求人を保有しているため、自分に合ったキャリアを見つけるための参考になるアドバイスを受けられることでしょう。
WEB系の求人やゲーム業界のクリエイターの転職に強い「マイナビクリエイター」では、DTP系の求人も取り扱ってます。ただ、流行りの影響もあってWEBデザイナー求人が多めなので、WEBデザイナーへの転職も考えているDTPデザイナーがサブで使っておきたいエージェントです。
いずれも弊サイトを運営する中で、多くの人材サービスの情報や運営実態を精査した上で、変化する人材市場や採用ニーズに合わせたものを紹介しているため、自分のキャリアに合った転職サービスを有効活用し、ぜひ高年収人材を目指してみてください。
大手総合転職エージェントも併用しておくと万全
広告・WEB業界などのクリエイター特化型の転職エージェントと同時に、大手人材会社の運営する総合型転職エージェントも併用しておくと万全です。
総合型転職エージェントは「登録者の業種・職種、年齢や経歴は問わない」ため専門性は弱めになりますが、
- 求人数が圧倒的に多い
- 専用アプリがあるなど利便性に優れる
- 応募から選考までがスムーズ
- 担当者個人の専門性が高い場合がある
などのメリットがあります。
専門性についてはクリエイター向けのエージェントと比べて落ちますが、求人数が圧倒的に多く効率的に閲覧できたり、担当者個人レベルの専門知識や業界内情への理解が高い場合はサポートにも期待できるなど、使ってみなければわからない差があります。
昨今、「転職が当たり前」なキャリアな時代になっています。
ですので、転職エージェントなどを活用しておき、プロからアドバイスを受けたり、日頃から求人情報を得て年収の高い人材像を知っておくことは、長い目で見てメリットばかりです。
ぜひ、この機会に転職エージェントのご利用を検討してみてください。