大企業勤めに疲れた方へ。そのしんどさ、放置し続けると一生続くかも…

「大企業勤めに疲れた…」
「大企業勤めの勝ち組なのになぜか人生が充実していない…」
「大企業の業務内容や対人関係がしんどい…」

こう悩んでませんか?

大手企業は「東証プライム上場企業」として、世間的には

  • 安定しているので将来安泰
  • 長年勤め続けるだけで高年収になる
  • 所属しているだけで周りに羨ましがられる勝ち組やエリート

というイメージが強いです。

しかし、それは必ずしも「自分に合った働き方ができる」「本当に自分がやりたいことができる」「精神面の安定を得られる」ことを意味するわけではありません。

むしろ「大手企業勤めという安定性やステータス」と引き換えに、自我や精神面の安定を捨てざるを得ないことも多いぐらいです。

そのため、世間的には安定しているとされる大手企業勤めでも「自分の人生、これでいいのか?」と悩んだとしても不思議なことではないでしょう。

大手企業に疲れたりしんどいと感じる原因には、そういった「会社が安定していることが必ずしも自分自身の安定や幸福につながらない」といった背景もあるものです。

この記事を最後まで読んで

なぜ、こんなにも
自分は疲れているのか?」を

探っていきましょう

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大企業で疲れてしまう瞬間やしんどいと感じる部分は?

なぜ、大企業勤めはこんなにも疲れることが多いのでしょうか?

中には「大企業勤めは仕事の退屈さやしんどさの代償として安定性と高年収を手に入れている」という言葉もあるぐらいです。

ここでは、大企業ならではの仕事で辛いと感じる部分を解説していきます。

また、仕事で必要以上に疲れてしまう場合、そこには何かしらの「見えない原因」があるものです。

「なぜ、こんなにも自分は疲れているのだろうか?」を探る意味でも、自分が置かれた状況と重ね合わせて読んでみるといいでしょう。

仕事量の多さがキツイ

大手企業は組織規模が大きいため、下記のような業務が膨大に発生します。

  • 他部署や取引先との連絡や調整(会議参加、挨拶回り、接待など)
  • 取引先や株主などのステークホルダー(利害関係者)との関係構築や説明責任
  • 社会からの目が厳しいため、従業員が法令遵守や企業倫理の維持に努めるための取り組み
  • 上記のための細かな調整や事務仕事が膨大

端的に言えば「何か作業をしたり物を作る時間よりは、社内外での調整や関係構築の時間」が多くなるのが、大企業の一つの特徴です。人によっては「あまりに無駄な仕事が多すぎる」と感じるぐらいです。

ただ、一言で「大企業」と言っても、所属部署や企業の性質でも変わってきます。

会社内でも「この部署はホワイトだけど、あの部署はブラックらしい」と、仕事の楽さが変わることがあります。

これは「他部署のしわ寄せが来やすい部署だから(営業事務や人事部、IT部門やカスタマーサポートなど)」「元々、業務内容がハードな部署だから(事務職・経理、営業部)」など、その部署に仕事が押し寄せる理由があります。

また、自社で何かを作ることで利益を上げている「大手メーカー」なら製造技術者が評価される社風が強いかもしれませんし、総合商社や広告代理店のような「取引先との関係構築が重要な業界」では取引先の接待で仕事を取ってくる営業部の影響力が強いなど、社内重要視される業務は変わるものです。

そのため「雑用はここに押し付けておけ」と過小評価される部署であったり、逆に「この件はあの部署が頼りになるから」と無理難題が舞い込んでくる部署もあります。

ここまでの話をまとめますと、

  1. 大企業は業務量が多くその範囲も様々
  2. 一定の部署に膨大な仕事が押し付けられることがある
  3. 結果、部署全体では処理しきれない仕事が
  4. その部署に所属していたら、仕事量が多すぎてキツイと感じる

結果として、不運にも「仕事が押し寄せる部署」に所属してしまうと、到底、自分たちだけでは処理しきれない膨大な仕事量を振られることとなります。

そのため、慢性的に「仕事が終わらないうちに次の仕事が押し寄せてくる」という状態に陥るのです。

また、その「終わらない量の仕事」の一つ一つが、経理のように「ミスが許されない仕事」であったり、営業のような「相手に気を遣う仕事」ですと、常に気を張ったり集中力を維持しなければなりません。

そうなると、日々の業務に「量と質」双方求められるわけですから、仕事が精神的にしんどいと感じても無理はないことでしょう。

複雑な対人関係へのストレス

大企業は組織規模が大きいため、関わる会社の数も、人の多さも多種多様となります。

たとえば、社内だけで見ても、下記のような面倒で複雑な対人関係やコミュニケーション方法が大企業では生じやすいです。

◯用語解説
社内政治:社内政治とは、組織内で特定の社員が出世や目的達成のために自らの影響力を行使することです。一般的には、組織全体の利益よりも自己利益のために用いられるケースが目立ちます。
派閥争い:派閥争いとは、組織内の複数のグループが権力や影響力を争うことです。政治団体や企業など、さまざまな組織で起こり得ます。組織内の権力を握りたいという欲求、組織内の資源や利益を自分のグループに獲得したいという欲求、派閥のリーダー同士の個人的な感情対立から起こります。
忖度要求:忖度要求とは、上司や権力者が、部下や立場が弱い人に、自分の意図を察して行動することを要求することです。

大きな組織では「忖度要求」、つまり「指示されなくても上層部が気に入るようなことができる」「言わなくても察して的確に動ける」という、いわば「上のご機嫌取りが上手いヤツ」「処世術が上手いヤツ」が優秀な人材と見られがちです。

これは、上にとって、下が失敗した時に「あいつが勝手にやったこと」という責任回避ができる「都合の良いヤツ」からです。

出世競争で他人を蹴落としたり出し抜くようなことが当たり前になっている会社ですと、この「忖度をして立ち回らないといけない」という雰囲気が、強いプレッシャーとなり、過大なストレスを感じる要素となります。

また「社内のどの人物と仲が良いか?」「どの社内の権力者の派閥に属しているか?」など、社内政治や派閥争いが仕事に影響する度合いが高いと、社内の対人関係にも余計に気をつかわないといけません。

言ってしまえば「社内の人間は味方ではなく、誰が裏切るかわからない敵」のような状態なわけです。

その中で、上手く味方を作るために根回ししたり、あるいは敵になりそうな人物を蹴落とすなど、巧妙な立ち回りや高いコミュニケーション能力が求められます。

こういった「面倒で複雑すぎる対人関係」も、器用に立ち回れない人にとって、過大な負荷がかかって無駄に疲れる要素に感じるでしょう。

「大企業勤め」という肩書きが重い

大手企業の定義は「東証プライム上場」となります。上場するためには高い法令遵守意識を保ったり、株主などの世間からの厳しい目に晒されることとなります。

そのため、大企業社員として世間体を保つため社内外で品行方正な立ちふるまいを求められたり、「大企業勤めだから」といって能力・人格面ともに厳しい目で見られることも多々あります。

こういった「あの有名企業所属だから」という色眼鏡で見られることに、疲れしまうこともあるかもしれません。

自分の意志や個性が封殺される辛さ

大手企業の多くは「トップダウン型」の組織構造となります。

トップダウン型組織とは、組織の頂点に立つリーダーが意思決定を行い、それを下位のメンバーに伝達し、実行していく組織形態です。日本語では「上意下達」という言葉で表現されることもあります。

そのため、大企業では「上の指示を疑うことなく実行できる人物」が好まれます。

仕事での評価、出世・昇給の基準も、純粋な仕事の能力やスキルだけでなく、前述の面倒な対人関係を上手く切り抜ける処世術があるかどうか、あるいはシンプルに「その会社に長く続けられるか?」という年功序列での評価基準も重視されます。

ですので、

  • 自分の個性や才覚を発揮したい人
  • 古いやり方を変えて新しいやり方に挑戦したい人
  • 対人関係ではなく仕事の成果や能力で評価されたい人
  • 自分のやりたいように仕事を進めたい人
  • 会社都合にプライベートまで振り回されたくない人

にとって、大手企業社員として生きることは「まるで自分の意志や個性を会社に支配されているようだ」と息苦しさを感じるかもしれません。

また、大手企業はグループ会社含めて全国・世界各地に拠点があることが多いため、自分の事情を一切考慮しない急な転勤命令に応じ、プライベートを犠牲にしないといけない場面とも出くわしやすくなります。

就職活動段階で「とりあえず大手企業に勤めておけば間違いない!」という価値観だけで会社選びをして新卒採用時された場合、「その会社が好きだから」という理由で選んだわけでなく、「安定しているから」「大手だから」という消極的な理由で働いているわけですから、働く上での逆境やストレスに耐え難くなる心理もあります。

何をしても怒られる無力感

大企業内でも終わっている職場に多いのが「何をしても無駄…」と社員に感じさせ、社員全体でもモチベーションが低下しているパターンです。

下記に、その例を示します。

  • 例1:名ばかりの「品質管理部門」に、品質とは関係ない資料の誤字脱字を叱責されて、毎回、無駄な業務を増やされる。
  • 例2:上司が細かいことにねちねち指摘してきたり、過度な叱責のために個別面談で呼び出しを行い、部下の自発性やモチベーションを削ぐ。
  • 例3:失敗した者を朝礼などで晒しあげるなどして、仕事しにくい雰囲気にする人物がいる。また、社員や職場のダメなところを指摘する割に、代案や根本的な改善案を示さない。
  • 例4:顧客(BtoBなら取引先、BtoCなら消費者)に理不尽なクレームや要求を受けるが、根本的な解決ができないため、相手の気が済むまで平謝りするしかない。

これらは、とくに職場内で影響力を持つ人物が「意味もなく叱責や批判する」ような人格であるほど、生じやす現象です。

影響力を持つ人物とは「上司や管理責任者などのリーダーポジション」だけでなく、「影響力ある人物が独自に配置したコネのある人物」「仕事の成果物を確認・承認して最終的なGOサインを決める管理部門」なども該当します。

こういった環境では「どうせ何をしても叱責や批判される…」と、無気力状態に陥り、やる気が出なくなります。

大企業勤めがしんどい時の対処法

ここまで紹介してきたように、大企業勤めでも「疲れる…」「しんどい…」と感じる要因は人それぞれです。

また、そのストレスに耐えられるかどうかも、その人のメンタルの強さだけでなく、所属している部署の業務量や本人の適性、愛社精神の強弱や働く動機など、実に様々な要因が複雑に絡み合って決まります。

そのため、一概に「これをすればすべて解決!」という魔法のような手段を求めるのではなく、地道に一つずつ「今の自分でもできそうなこと」から試してみて問題を解消していくことが大切です。

ここでは、そのためのヒントをお伝えしていきます。

仕事を抱えすぎないための工夫をする

仮に「仕事量が多すぎてキツイ…」と悩んでる場合、シンプルに「仕事を抱えすぎないための工夫」を知って実践するだけで、負担が減る可能性があります。

仕事を抱えすぎないための方法として、以下のような手段があります。

  • タスク整理/管理術を習得する
  • 他人を頼ったり相談する方法を身につける
  • サボったり手を抜く方法を覚える

仕事を抱えすぎないために
参考になりそうな書籍を
以下に紹介しています

仕事に追われない仕事術 マニャーナの法則・完全版
本書は2007年刊『マニャーナの法則』を大幅に改定したものです。同書は、画期的なタイム・マネジメントの書としてイギリスでベストセラーになった「Do It Tomorrow」の翻訳版。日本でも反響を呼び、人気ブログ「シゴタノ!」では「数ある時...

ただし、部署/会社単位で仕事量が多すぎて「常に残業ばかり」「仕事が終わる前に仕事が増える」という場合は、個人の工夫だけで改善しないこともある点には注意です。

個人で出来ることをやってみて
それでも状況が改善しそうにないなら
休職や退職などの手段を考えましょう

プライベートの時間で心身の回復を行う

仕事が忙しすぎると、ついついプライベートの時間を大事にしなくなりがちです。

食生活が乱れたり睡眠時間が減ると、メンタル面が不調になり、疲れやすくなります。

また、仕事だけに意義を見出そうとせず、「大企業だから安定しているし仕事はテキトーに…」と割り切り、趣味や副業に打ち込むという方法もあります。

もし、そこまで考える気力すらない時は、うつ病の可能性を疑って心療内科(メンタルクリニック)に通ったり、そこで仮にうつ病診断が出たら休職申請するのも手段となってきます。

でも、うつ病診断取ったら
会社で「使えない奴」と
腫れ物扱いされない?

このように不安になられる方もいるかもしれません。

しかし、それはそれでメンタルヘルスについての理解が広まった現代において、「未だにうつ病患者に偏見がある会社」「社員の心身面の安全を考えてない会社」と、会社に見切りをつけるかどうかの情報が得られるので、行動してみる価値はあるでしょう。

仕事のことだけに悩むのではなく
気持ちを切り替えて
心身の回復や健康の維持や
プライベートを充実させる方向に
頭を使うのも一つの手です

転職活動を通してキャリアを見直す

大企業勤めに心底ウンザリしているなら、転職活動を通して一度キャリアを見直すことも大切です。

今の仕事を続けるかどうか、転職するべきかどうか、人生の不安を減らしたり将来の選択肢を増やすためにも「転職する気がなくても転職活動してみる」というのは、有効な手段です。

たとえば、転職活動を通して求人情報を得たりプロの意見を聞くだけでも、

  • 大企業は年収が高いというが、本当にそうなのか?
  • 今の会社は、本当に安定していると言えるのだろうか?
  • 自分の経歴やスキルでもっと良い条件で働ける会社はないのだろうか?

という判断がしやすくなります。

もし、今の会社が恵まれているとわかれば仕事へのモチベーションも戻ってくることでしょうし、逆に今の会社の年収や待遇が悪いと確信したら現実的な視野で転職先を見つける選択肢も出てきます。

なんだかんだで大企業は
待遇面で恵まれてることも多いです。
用意周到に転職活動を行っておくことで
本当に辞めるべきか続けるべきか
間違いのない判断がしやすくなります

また、優れた転職サービスではプロから「他の会社の実態はどうなのか?」とリアルな情報や、自分の価値観に合った転職先の提案が聞き出せます。

たとえば、

  • 大手企業特有の年功序列が嫌→若手でも活躍したり役職がつくベンチャー気質の会社に転職する
  • 社内調整ばかりの業務にウンザリ→スキルを身につけてITエンジニアなどの将来性の高い技術職に転身
  • 仕事量が多すぎて疲れた→経歴やスキルを評価してくれるホワイト企業に転職したらあまりにも楽に感じた

といった転職成功事例も数多く存在します。

もちろん、そのためには「今の会社と比べてどうなのか?」「本当に求人情報通りの会社なのか?」を見極める必要があったり、場合によってはスキルアップしないとならないこともあります。

ただ、どの道を選ぶにしても「正しい現実を知る」という意味でも、転職活動を通して情報集めをしたり、自分のキャリアを見直さないといけません。

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著者・監修
スコシテン編集長

信念は「日本の生産性低い企業をなくす」「優秀なヤツはダメな企業で働いて自分を殺すな」 仕事について調べてたら謎に詳しくなったので「仕事が仕事」に。最近はDXコンサルティングや人材開発プロダクトのマーケティングに関わってます。

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