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DTPオペレーターはデザインできない?DTPオペレーターを志望する場合の注意点とは?

DTPオペレーターとして働いている人の中には、

「デザインに関する仕事ができない…」
「地道な作業ばかりで辛い…」
「デザインに関係ない仕事も振られるので辞めたい…」

…とお悩みの方もいらっしゃるかと思います。

若手のDTPオペレーターには、デザイナーとして働くために入社したにも関わらず、デザイナーとしての仕事を振られないばかりか、営業や雑用として仕事ばかり振られる…という事態に遭遇してしまい、デザイナーとしてのキャリア形成ができない人の報告も少なくはありません。

この記事では、DTPオペレーターでデザインができないと悩む方のキャリアについて、参考になりそうな考え方や情報をお伝えしていきます。

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DTPオペレーターではデザイン業務ができないことが多い

DTPオペレーターの中には、デザイナーに憧れてデザイン業務をするために入社した方も多いと思います。

ですが、DTPオペレーターは直接デザインを担当するわけではないので、入社してみて「思ってた仕事と違った…」と後悔する人も少なくはありません。

というのも、DTPオペレーターとDTPデザイナーでは以下のような違いがあるからです。

DTPオペレーター:実践的な技術・正確に作業をする能力を求められる
DTPデザイナー:クライアントの要望を聞き入れ、企画やアイデアを出す能力が求められる

一般的に「デザイナー」と呼ばれる仕事は後者のイメージが強いかと思いますが、DTPオペレーターが実際に行うことは「上からの指示通りに作業してデザインを組み立てる仕事」だと考えるとわかりやすいかもしれません。

DTPオペレーターの仕事を続けてもデザイナーになれるわけではない

DTPオペレーターの仕事をしている方の中には、

「DTPオペレーターを続けているとデザイナーになれる?」
「DTPオペレーターとして働いてもデザインスキルが身につかないのでは?」

…と不安な方もいらっしゃるかと思います。

結論から言えば、会社の事業内容・規模次第ではDTPオペレーターを続けているだけではデザイナーになれないと考えておいた方がいいでしょう。

▼DTPオペレーターからデザイナーになれない会社の特徴

  • クライアントの要望に合わせて提案することがない会社
  • 下請けとしてクライアントのデザイン案を調整するだけの仕事が主な会社
  • 若手にチャンスを一切くれない会社

DTPオペレーターは直接的なデザインを担当することが一切なく、印刷やレイアウトに関しての細かい調整だけしかしない会社もあります。

その場合、会社自体がデザインに関する業務を行っていない可能性が高いので、デザイナーへのキャリアアップを考えている人は注意が必要です。

DTPオペレーターからデザイナーへのキャリアを考えてる人
以下の記事も参考にして転職も検討してみてくださいね

DTPオペレーターがつらい仕事になる原因とは?

まずは「なぜDTPオペレーターの仕事がつらくなるのか?」という原因から探っていきます。

元を正せば、DTP会社の元請けとなる広告業界・印刷業界・出版業界が不況だからだと言えます。

もともと、DTP職は印刷業の職人的な仕事だった歴史があったのですが、1990年代のMacOS普及によるDTPの概念の登場からスマホ普及による紙からWEBへの情報媒体の移行により、大打撃を受けることとなりました。それに対応しきれないまま、ドンドン疲弊しきった経緯があるわけです。

印刷・出版・広告業界が年々下降傾向

DTPオペレーターがつらい原因は、そもそもが元請けとなる印刷・広告・出版業界全般が年々業績がや市場シェアが下降し続けている業界だからです。当然、下請けとなるDTP制作会社は大打撃を受けます。

それに加え、DTPオペレーター・印刷業というのは成長限界産業でもあり、市場を広げにくい業種でもあります。なるべくして、ブラックな会社が増えていくハメになるわけです。

ネット通販印刷・WEB媒体による逆風のせい

印刷・出版・広告業界が下降していった理由は、紙からWEB媒体に情報産業が移行していったことや、ネット通販印刷による低単価発注が可能になったことなども理由です。

そもそも、DTP会社ですら中途半端にWEB制作を受注している会社も多いぐらいですからね。かと言って、WEB制作は今や自宅オフィスで誰でも出来る時代になったわけですので、焼け石に水です。

職人気質の仕事で価格交渉がドヘタクソ

印刷・DTP会社は職人気質が強い一方で、商売人気質はあまり強くありません。そのため、価格交渉やブランディング戦略には弱いところもあり、取引先から買い叩かれがちな業界でもあります。

大手印刷会社二社はなんとか業績を黒字にすることに成功しているものの、他の弱小印刷会社は軒並み赤字です。そして、ネット通販では低価格での発注も可能なこともあり、発注単価を上げるは難しいというデフレ構造に陥っているわけですね。

その上、ミスの許されない職人気質の正確な仕事が要求されるわけですから、これはもうつらくなって当然です。もともと、日本の製造・技術職自体が「良いものを安く」という安易な経営方針を選んでしまい、軌道修正出来ずに潰れていった前例がたくさんあります。

印刷業界・DTP職はまだまだ紙媒体の需要があるので持っているわけですが、この先労働環境はますます悪くなる一方でしょう。

現場で働く人の意識が低め

DTPオペレーターがつらくなる原因は、もともと待遇も悪い上にやる気のないデザイナーこぼれが集まる仕事だからと言えます。活気のない人が集まるわけですから、ますますネガティブな雰囲気が業界から企業にまであふれるわけですね。

若いうちに活気のない職場でやる気なく働くのは、とてつもない機会損失です。

「つらい…」「おかしい…」と思うのであれば、若いうちにDTP業界を抜け出す方法を考えておきましょう。

関連:意識の低い職場の特徴|意識の低い社員、向上心のない会社、モチベーションの低い職場の原因と対処法は?

関連:待遇が悪い職場の特徴。職場環境や労働環境が劣悪で雰囲気の悪くなりやすい会社に見られる傾向とは?

DTPオペレーターからの転職先は?

このように経済面・社会的な視点から見ても、DTP業界の先行きは暗いものだと言えます。現場で働く人たちの悲鳴を見れば、ますます暗い気持ちにもなってきますね。

そんなDTPオペレーターからの転職先は果たして存在するのでしょうか?

…もちろん、可能性はゼロではありません。

とくに最近は若手不足の業界が多く、20代であれば未経験職への転職もしやすい状況ですので、前向きに考えておきましょう。ただし、転職が厳しくなると言われる35歳以降の場合は、厳しい戦いになります。優秀な経歴や実績、あるいは資格などが必要になるので、転職を考えるにしても冷静に今の会社と比べておく必要があると言えるでしょう。

それでは、DTPオペレーターからの転職先の例についてご紹介していきます。

デザイナーなどのクリエイティブ系の会社を目指す

DTPオペレーターから転職するのであれば、やはりデザイナーなどのクリエイティブな業務範囲に関われる仕事をするべきでしょう。

現場の下積み経験さえしっかりこなしているDTPオペレーターであれば、デザイン制作会社などに転職できる可能性は低いわけではありません。

というのも、多くのデザイン会社でもDTPオペレーターの行う業務範囲を担当している人がいるからです。

ポートフォリオ作成にしても「一通りソフトが使える」とアピールできれば及第点として採用されますので、デザインやクリエイティブに苦手意識がある方でも、クリエイティブな業務も受け持っている会社へ転職しましょう。

製造業・工場勤務を考える

穴場ですが、製造業・工場勤務もDTPオペレーターに向いています。製造業も人手不足で人材確保に努めている業界で、なおかつ待遇もそこそこいいので、若いうちに転職しておくのもいいかもしれませんよ。

そもそも、DTP自体が製造業に近しい部分を持つので、転職先候補として考えておくといいでしょう。

未経験可能な職種を目指す

最終手段は、未経験からでも比較的転職しやすい職種を狙ってみることです。若いうちならとくに「営業」「販売」などの求人の採用確率は高めです。今までの経歴を捨てることになりますが、営業・販売の経歴が今後も役に立つことを考えると、思い切って未経験でも可能な転職先に就くのも大切な判断でしょう。

DTPオペレーターからWEBデザイナーへの転職は難しくない

DTPオペレーターから転職を考えている人には、印刷・紙媒体からWEBメディア媒体への転職を考えている方もいらっしゃるかと思います。

その場合、DTPオペレーターの以下のスキルや経験を活かせば、WEBデザイナーとして採用される可能性があります。

  • デザインの基礎を学んでいる(レイアウト・カラーリングの基本など)
  • llustrator・Photoshopの仕様経験あり
  • パソコン・プログラミングに一定の理解がある

また、DTPデザイナーがWEBデザイナーとしてキャリアアップするなら、以下のスキルを身につける必要が出てきます。

  • html・CSS・phpなどのWEBデザイン用のプログラミング言語スキル
  • WordPressなどのWEBメディア媒体用のCMSツールの操作法や仕様について

ただし、これらのスキルは勤務後に実践を通して習得していくことが多いので、DTPオペレーターとしてデザインの基礎スキルや実務経験さえあれば、WEBデザイナーへの転職の道は見つかるはずです。

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DTPオペレーターからの転職を成功させるコツは?

やや厳し目に言っておきますが、DTPオペレーターからの転職は厳しい戦いになります。というのも、転職で評価される要素は「自発性」「意欲の高さ」といった「今までどれだけのことに挑戦してきて、これから何に挑戦していくか?」という前に進む意志だからです。

残念ながら、イラストレーターやフォトショップを駆使して誰かの指示通りに仕事をこなすだけのDTPオペレーターは、転職に必要な要素が欠けていると言ってもいいでしょう。

ですが、諦めないでください。

行動すれば可能性はゼロではありません。

「正確さ」「効率の良さ」などが強みとなる!

転職では挑戦心や意欲の強さが評価されがちですが、DTPオペレーターであれば「正確さ」「効率に対する工夫」といった”縁の下の力持ち”であることを強みにしたほうが上手くいくでしょう。下手に「自発性があります」「挑戦心があります」と無理にアピールしても、実体験が伴っていなければ、まるで説得力がありませんからね。

ですので、いっそ逆を狙ってみた方が上手くいくことでしょう。

実際、すべての会社が「挑戦心ある人材」が欲しいかと言われると、そうではありませんからね。

「真面目に高い精度で作業をこなしてくれる」
「細かい効率化をはかれる人材」
「PC作業での長時間労働をこなしてくれる」

こういった要素を評価し、堅実な採用をしたい会社もたくさんあります。そしてそういう会社はあまり目立たないので、

残業時間や過酷な労働環境に耐えた実績も”強み”に変わる

「ブラック企業自慢」ではありませんが、やはり「ネガティブにグチグチブラック勤務の体験談を語る」人材よりは「私はこんな過酷な労働環境も耐えてきた」と胸を張って誇る人材のほうが採用される確率は高くなります。

また、おおげさに今のつらい職場の実態を語っておけば同情を誘えますし、少し残業時間の多い企業であれば「この人材はウチの過酷な労働環境も耐えてくれそうだ」と警戒心を解くこともできます。

余裕があれば資格習得・技術習得にも力を入れておこう!

DTPオペレーターの強みといえば「何事も誠実に真面目にこなせる」というところです。適当に仕事してたら、DTPオペレーターは勤まりませんからね。

ですので、資格習得・技術習得を行った上で、新たな転職先の活路を開くのも有効な手段だと言えます。とくに技術者搾取の激しい業界構造から抜け出すためには「DTPオペレーター+〇〇」という付加価値があった方がいいでしょう。

とくにDTPオペレーターと親和性の高い「WEBデザイナー(WEBコーダー)」は、プログラミング言語を学ぶだけで転職しやすくなる仕事で、紙面レイアウトの基礎が応用しやすい仕事です。しかもWEBデザイナーは人手不足の職種ですので、少し勉強すれば転職のハードルはそんなに高くありません。おまけにDTPオペレーターの経験を活かし、紙媒体への提案力や販路拡大の可能性も期待できますので、経歴が無駄になることもありません。

DTPオペレーターからの転職ならエージェント制を活用しておこう!

DTPオペレーターからの転職を考えるのであれば、まずは転職エージェントに相談して今の自分の経歴での現実的な選択肢を知っておきましょう。

あらかじめ言っておくと、DTPオペレーターから未経験職への転職先はあまり広くはありません。データ入力の仕事や事務職、あるいは今までの経歴と全く関係なく就けるような「営業・販売」などの仕事も多いです。

ただし、思いもよらない穴場の求人とも出会えるチャンスもあるので、相談して見るに越したことはありません。

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スコシテン編集長

信念は「日本の生産性低い企業をなくす」「優秀なヤツはダメな企業で働いて自分を殺すな」 仕事について調べてたら謎に詳しくなったので「仕事が仕事」に。最近はDXコンサルティングや人材開発プロダクトのマーケティングに関わってます。

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