デザイナーが卒業後即フリーランスになることは可能か?正社員としての実務経験なしの私が真相を語る

ども!フリーランスデザイナーのジョニーと申します!現在27歳です!

「フリーランスデザイナーとして、自分の才能がどこまで通用するか試したい!」

そう思われる、現役デザイン学生も多いことでしょう。

とくに最近は現役大学生ブロガーや、在学中に起業する若者の情報発信も盛んですね。

「フリーランス!」
「起業!」
「やりたいことだけやる!」
「好きなことで稼ぐ!」
「正社員に縛られない!」

そう息巻く若者も多いでしょう。

ですが、同じような考えで卒業後即フリーランスデザイナーになった僕から、助言しておきます。

悪いことは言わん、新卒学生は絶対に就職しておけ。

ネット上には成功したフリーランス・起業家の輝かしい成功談があふれています。

しかし、その陰には途中で折れた者もたくさんいます。そして、そういった人はわざわざ自分の失敗談をネットで公開しようだなんて思いません。僕も、たまたま副業でライターの仕事の案件があったから今こうして書いてるだけですよ。

それも、今は収入と生活が安定しているから、余裕があって書けるだけで、フリーランスとして挫折して非正規雇用で働いて生活の苦しかった時期は、自分の経験談なんて書く気も起きなかったと思います。

「いやいや、オレは絶対に折れない!フリーランスデザイナーとしてやっていくぞ!」

と、自信満々で意気込んでいる人もいるでしょうが、ぶっちゃけその意志も社会と現実の前に絶対に折れます。

社会の壁は、本当に高いですよ。

おそらく、今フリーランスを目指している学生さんは、学校内やプライベートで充実した生活を送っていると思います。

周りの生徒より才能や行動力があったり、色々な結果を出してるはずです。

ですが、その成功体験は社会に出ればゴミとしてしか評価されません

社会に出ればわかりますが、多くの企業で求められる人材って、

「それなりの仕事をそれなりにこなせる」
「言われたこと(上司や会社のしてほしいこと)をしっかりできる」
「新しいことに挑戦するよりも、今までの業務を忠実にこなせる」

…そういう、普通にコツコツ努力して、教科書通りを実践できる人間なんです。

新しいことをしようとすれば、必ずと言っていいほど否定的な人間が現れます。

「いやいや、オレはそういう古い人間は相手にしない。気があう人間とだけ仕事する」

そう思われている方もいるでしょうが、世の中古い考え方・保守的な人間が9割以上です。

フリーランスで仕事やクライントを選んでも、どこかでそういった古い人間を通さないといけないわけですが、その時に「君、正社員(実務)経験ないの?」「学生気分でやってない?」なんて、こちらのことを知る前から頭ごなしで否定してくる人間がどこにでも必ずいます。というか、フリーランスで営業していくと、9割以上がそういった理由で仕事をくれないor報酬をくれない…というのが、卒業後フリーランスの実情なんですね。

とはいえ、まだ社会経験のない学生さんにはいまいちピンとこない方も多いでしょう。

そこで、僕の学生時代~今に至るまでの経験談を紹介しましょう。

学生時代の成功体験からフリーランスを志す

僕は専門学校のデザイン科に通っていました。

学生時代は、四六時中デザインの勉強・制作に貪欲になっていました。

課題だけに飽き足らず、他の科に企画を持ち込んだりして営業し、デザイン制作の依頼を受けていました。

外部講師とも積極的に交流し、実際にデザインの制作現場から働いている方から制作の仕事を頼まれたこともあります。

すごく充実していて、自分は優れている…と当時は自信満々でしたね。

とくに僕がフリーランスを志すようになったのは、外部講師の現役フリーランスデザイナーの影響がありましたね。

作品も本人もかっこよく、その講師から語られる仕事の話や経験談はめちゃくちゃ刺激になりました。しかもその方から「君はフリーランス向いてるよ」と言われたことがきっかけで、その気になっちゃったっていうのもありますね。

それで僕は調子に乗って、進路相談でも担任講師に「オレはフリーランスとしてやっていきます!」と言ってました。

そのとき、担任講師からは

「人生何があるかわからない。オレもゲーム制作会社で働いていたけど、今はここで働いている。あまりこだわらずに、まずは就職するべきだよ」

と、アドバイスされましたが、その時は本当の意味をわかってなかったと思います。

今なら、完全に「まさに言うとおり。そうしておくべきだった」と後悔していますね。

新卒フリーランスデザイナーへ

僕は在学中にバイトで貯めた資金をもとに、卒業後(在学中からですが)フリーランスデザイナーとして営業しまくりました。

個人経営の飲食店に行けば「メニューや看板作れるんで、依頼あったら受けますよ」、
卒業後の友人や後輩にも「フリーなんで、もしデザインの仕事あったら振って!」、
イベントなどにも参加して、人脈を広げながら営業しました。

ホームページやSNSアカウントも積極的に活用し、それなりに依頼は来ました。

あらかじめ言っておきますが、僕は納期も守れるし、修正依頼もしっかり出来るフリーランスだったので、適当な仕事をしたことは一度もありません。それこそ、若いので寝る間も惜しんで制作していました。

ただ、ある問題と直面したんですね。

制作が終わって納品して「それではお代の話にうつりたいんですが…」と持ちかけると、

「え?金とるの?先に言えよ」

と、心象悪くしてしまうことが多かったんですね。まあ、これは僕の経験不足・知識不足だったと深く反省しております。

今だからこそわかるんですが、フリーランスに必要なのは金銭面の話をあらかじめはっきりさせておく交渉力が不可欠です。これは学校では学べません。

どんなに才能や営業力があって、作品を作る能力が優れていたり、人脈が広かろうと、交渉力がなければ仕事じゃなくてボランティア…つまり趣味同然です。これは学生としての自分の見通しが甘すぎましたね。

「いいものを作れば、必ず仕事になり収入になる」

…と、制作や技術系の学生さんは思い込んでるかもしれませんが、それは思い込みです。

作品がすごかろうが、高く売る営業・交渉力がなければ、どんなに時間をかけて思いをこめた作品も一銭の価値にもならないゴミです。

これが、クリエイターの現実です。

とくにアニメーターの現場は、年収100万にも満たないで過酷な環境で、労働力・制作品が買い叩かれているのが実情と聞きます。

どんなに能力があっても、マジで金にならなきゃ仕事になりません。

これだけは覚えておいてください。

そして、世の中の大半の人間は、デザインや技術などの形のないものにお金を払うことに抵抗のある人が多い…ということも忘れないでください。

未だに、デザインを始めとした創作・コンテンツ制作は「趣味・遊び」などと思っている人も多く、

「好きなことやって金とるの?ふざけんなよ!こっちは商売でやってんだぞ!」

と怒鳴られることもありました、ここでめげずに

「うるせーぞ!こちとら商売だ!てめえの商品の売上100倍に出来る最高のデザインを考えてやったんだ!報酬はちゃんと支払えよ!」

と言い返せる度胸がない方は、正直フリーランス向いてないです。もちろん、僕もそんな強気に言い返せません。

フリーランスからフリーターへ

そんなわけで、僕はデザインの仕事を料金制にしだしたんですが、有料だとまったく仕事がもらえませんでした

これは後から知ったことですが、フリーランスデザイナーは、根強いクライアントを獲得して仕事する方のほうが多いんです。

広い人脈よりも、根強く太い人脈が必要なんですね。

1万円しか支払わない顧客100人よりも、1案件で100万くれる顧客1人を獲得するべきなんですね。

これって、正社員歴や現場での実績がないと、実質無理ですよね。

わかりやすくいえば、僕がやってたフリーランス(笑)なんて、路上ライブでちまちま演奏しながら、大物プロデューサーが通り掛かるの待ってたようなもんですから。

つまりは、フリーランスになるってそういうことなんです。

僕は半年でフリーランスに見切りをつけると、専門学校の講師に頭を下げて、知り合いのデザイン事務所のバイト先を紹介してもらいました。

ちなみに、フリーランスには無理だと思ったら、プライド投げ出して頭下げる切り替えの良さも必要です。

伊達政宗が豊富秀吉の関東征伐の際に、ギリギリまで従わず、やばくなったら速攻で白装束で服従したという逸話もありますが、あれぐらいに手のひら返しした方がいいです。

もし、僕が学生時代のような意識高い系でフリーランスを貫いていたら、今頃は露頭に迷っていたと思いますね。

デザイン事務所でバイトしながら就活

僕は心機一転、デザイン事務所で補助のバイトをすることになりました。

制作にはあまり携わらず、もっぱら雑用ばかりでしたね。

しかし、フリーランスで半年間制作漬けだった僕にとって、現場の基本を学べるのは逆に新鮮でしたね。

営業の補助をしながら、クライアントと交渉する際のビジネスマナー・会話の方法なんかも、やはり現場で体験すると経験値が段違いでした。

もっとも、そういったことに気づいて学べるようになったのは、フリーランスでの失敗経験もあったからだと思っています。

結果論ですが、新卒採用で何も考えずに就職していたら、すぐにやめていたと思います。

フリーランスで失敗して自分の実力を知ったからこそ、バイトで一から覚えていこうという謙虚な心が生まれたわけですね。

そういう意味ではまったく後悔はしてませんよ。

そして、僕は学校卒業から1年経つ頃、いよいよ就活に本気を出すことにしました。

デザイナー向け転職・派遣形態も選択肢!

もともとバイトの身分である僕は、あまり職種形態にこだわらずに就職先を探すことにしました。

デザイナー・クリエイターの転職というと、業界の特殊さもあって、正社員よりも派遣・非正規の方が意外と穴場求人が見つかりやすいことがわかってきました。

僕みたいなフリーランス志向の方は、正社員にこだわらずに転職活動するのも全然ありだと思いましたね。学生さんも、正社員にとらわれないで非正規雇用も選択肢にいれると幅が広がると思います。

フリーランスを目指したデザイナーのその後…

結論から言うと、僕は今フリーランスとして生計を立てています!

フリーランスとして独立する前に、派遣社員として3社に勤めました。

派遣社員と言うとマイナスなイメージを抱きがちですが、実はそんなことありません

というのも、元々クリエイティブ業って、向き不向き・センスなどで適材適所の流動性が高いので、派遣の方が色んな現場や案件に携わるので、経験値が貯まると感じましたね。

逆に、僕の専門学校時代に正社員採用された友人なんかは、結構やめてたり、自分のつくりたいものは趣味として割り切っている人のほうが多いですね。

デザイナーとして自分の可能性に挑戦したいなら、下手に正社員として一つの会社・現場に縛られるよりも、派遣・契約で色んな現場体験した方が絶対いいです。

現場仕事でつくる人脈がフリーランスへの近道

僕がフリーランスとして独立するきっかけになったのが、3社目の会社で一緒にお仕事させていただいたクライントと意気投合したことですね。

僕は海外のロックバンドやジャズが好きで、そこからデザインを学びだしたという経緯があるんですが、クライアントの方が大の海外ロック好きで、音楽業界に携わっている方でした。

そのクライアントの案件の納品が終わり、打ち上げで飲みに行くと、音楽の話で盛り上がりました。

「70年台パンクみたいなストリートカルチャーを現代風にアレンジすると流行ると思わない?」
「インスタでLAメタルばりの派手なファッション・デザインやったらバズると思うんだよね」
「いやいや、今の若者なら意外とネオクラシカルメタルな幻想的なジャケなんかもいいんじゃないですか?」

…てな感じで、海外ロックのファンション・ジャケのデザイン話で盛り上がりました。

その後、そのクライアントとは個人的な交流を持ち、ある日チャンスが舞い込んできました。

「今度、私がデザインの企画任せられたバンドがデビューするんで、一緒に仕事してみない?」

「やります!」

即答でした。

それから派遣会社を退社し、今はフリーランス(ほぼ専属ですが)として、そのクライアントの方の企画にデザイナーとして参加しています。

デザイン・クリエイティブ業は何が起こるかわからない!

デザイン・クリエイティブ業界って、やっぱり他業種と違って、すごく特殊で安定性もないと思うんです。

世間からの評価も「遊び・趣味」と思われることも、まだまだあります。

ですので、一般論は捨てたほうがいいです。

「正社員が~」「待遇が~」という論調に流されて、自分のいたくもない職場に居続けて、クリエイティブ精神が死んじゃった友人・知人も少なくないですからね。

卒業後フリーランスはおすすめできないですが、将来やめることを前提に派遣・契約社員で色んな現場を経験するのも全然アリだと感じました!

むしろ、僕みたいなフリーランス思考・挑戦思考なら、正社員よりも派遣・契約社員でバンバン色んな現場を経験すべきです。

クリエイターって、何が起こるかわからないような現場でこそ、最大の力が発揮できると思うんです。

いつも同じような制作・仕事で挑戦精神が薄れてしまった人は、転職して新しい現場に挑戦してみるといいですよ!