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大卒なのに飲食店勤務はやばい?飲食業界社員を辞めたい時の注意点とは?

大手の飲食店(外食・中食業界)は大卒採用組正社員の3年後離職率だけで見てみても34%という、業界別ワースト1位の離職率です。有名大手チェーン店でも40%以上の人が辞めており、非常に定着率の低い業界だと言えますね。

飲食店業界の離職理由は様々ですが、大きく分けると以下の通りです。

  • 慢性的に人手不足
  • 勤務時間が拘束されやすい(とくに社員の場合)
  • ワンオペ・クレーム対応などの業務負担が多い
  • 店舗単位の業務になるので社内の人間とのつながりが希薄

今回は客観的な情報を基に、飲食店業界の離職率が高い理由を紹介した上で、外食業界からの転職について考えていきます。

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飲食社員のきつい部分やヤバいと言われる理由とは?

飲食業界はサービス業の中でも特に過酷な労働環境として知られています。厨房での忙しさや接客業務のストレス、長時間労働など、様々な要素が組み合わさり、飲食店の社員たちが辛さを感じる理由となっています。この記事では、飲食社員が直面するきつい部分やヤバいと言われる理由について探っていきます。

調理/接客/売上目標/店舗管理の四重苦:

飲食店の社員は、調理業務や接客業務に加えて、厳しい売上目標の達成や店舗管理の責任も抱えています。これらの多岐にわたる業務は時間的な制約もあり、日々の仕事をこなすためには大きな負荷となります。

慢性的な人手不足による多忙さ

飲食業界では慢性的な人手不足が問題となってます。

「飲食業界はやばい」「飲食会社への就職だけはやめとけ」と言われる最大の理由も、一重にこの「人手不足」が原因だと言えるでしょう。

多くの飲食店では、店舗の規模や地域に関わらず、十分なスタッフを確保することが難しい状況です。そのため、従業員一人ひとりの負担が大きくなり、労働時間が増えてしまいます。多忙な状況で働くことは、身体的な疲労だけでなく、精神的なストレスも引き起こす要因となります。

飲食業界の多忙さは、サービスの質や効率にも影響を与えます。スタッフの手数が足りず、オーダーをこなすことや席の案内などに遅れが生じることがあります。また、料理の提供時間や接客の品質にも影響を及ぼす可能性があります。これらの問題は、顧客の不満やクレームにつながる可能性もあり、店舗の評判や売上にも影響を及ぼすことがあります。

客層の悪さによるクレーム対応の精神的な負担

飲食店ではさまざまな客層が訪れますが、中にはマナーの悪いお客さんもいます。そのようなお客さんからのクレームや苦情に対応することは、社員にとって精神的な負担となります。

アルバイト・パートやマネージャー・本社社員との確執や対立

飲食業界における人間関係は、他の業界とは異なり、店舗スタッフとお客とのすれ違いが起こりやすいものです。

特に、意識の低いアルバイトスタッフが現場を回す必要がある場合、店長クラスの負荷は非常に大きくなります。お客とのクレームやトラブルもストレスの要因となります。

そして、飲食業界において過労死やうつ病が発生しやすい最大の要因は、社内での人間関係の希薄さです。店舗によっては、1人で店を回さなければならないこともあります。そのため、上司や同僚との仕事の相談ができず、自身が一人で業務を抱え込んでしまうことがあります。売上至上主義の企業文化では、他店舗スタッフとの激しい競争や上司からの売上への圧力が強くなるため、さらにストレスを抱えやすい立場に追い込まれることもあります。

日本の企業では、従業員のメンタルケアやカウンセリングの重要性がまだ十分に認識されておらず、特に飲食業界におけるストレスは過大なものです。社員が孤立しやすい状況下で働くため、心のケアが必要不可欠です。

立ち仕事と不定休による身体的な負担

飲食業界では立ち仕事が主体となります。長時間の立ちっぱなしや不定休の勤務体制は、社員の身体的な負担を引き起こす要因となります。

労働環境の悪いブラック企業や宗教的な経営方針の会社が存在する

中には宗教的な経営方針のもとで運営されるブラック企業も存在し、社員は過酷な労働環境や違法な労働条件に直面することがあります。

また、飲食店を含む外食業界は、労働環境の悪い業界として知られています。

例として、飲食業界のブラックな経営体制に苦しむ従業員たちの告発がしばしば炎上問題へと発展し、各メディアでニュースとして取り上げられ、社会問題化します。

以下が、有名飲食店で起こったブラックな体制を示す事例です。

  • ワタミ:入社2ヶ月で26歳女性社員が過労自殺(参考リンク
  • すき家:月500時間労働、2週間家に帰れない(参考リンク
  • 大阪王将:厨房にナメクジがいることを従業員に告発される(参考リンク

また、飲食業界には前時代の体育会系のような経営体制が残っている場合もあり、朝に朝礼で叫ばせるような業務を行っていることがあり、とくに「餃子の王将」の研修は批判を浴びたこともあります。

こういったブラックな事例が社会問題となる中で、時代の変化と共に上記の店舗を手がける企業も変化していき経営体制や従業員の扱い方が改善していることはありますし、企業全体ではなく店舗のみの問題であることもあるため、一概にすべての飲食店がブラックだと言うわけではありません。

しかし、前述したような飲食業界の産業構造や働き方の問題から、ブラックな職場が生まれやすい構造であることは、間違いないと言えるでしょう。

忙しさの割に低賃金すぎる

飲食業界は忙しいだけでなく、労働に対する報酬が低いという現実もあります。長時間労働や過酷な労働条件に見合った給与が得られないことは、社員たちの不満やストレスの一因となっています。

飲食社員に向いてない人や辞めてよかったと思える人の特徴は?

飲食業に向いてない可能性が高い人や、辞めても後悔せずに良かったと思えるような人の特徴を紹介していきます。

ここで紹介する特徴はあくまで代表的な例や考え方の一つで、必ずしもすべての人に当てはまるわけではありません。最終的には読者自身の資質や適性によりますので、参考程度にお読みください。

複数の仕事を同時にこなすのが苦手

飲食業界では、多くの場合、同時に複数の仕事をこなす必要があります。オーダーの受け付け、調理、接客など、異なるタスクを同時にこなす能力が求められます。複数の仕事を同時にこなすことが苦手な人は、飲食業界での働きにくさを感じるかもしれません。

人を使うのが苦手(店舗マネージャー、社員の場合)

飲食業界での管理職や社員の場合、スタッフの指導や育成が求められることがあります。人を使うことや人材管理が苦手な人は、チームの運営や人材開発において困難を感じるかもしれません。

基礎的なスキルや教養があり専門性を極めたい

飲食業界で社員として働くことは、誤解を恐れずに言えば学歴やスキルがなくても誰でもできる仕事だと言えます。人手不足で雇う従業員を選んでられるほどの余裕がないからです。

飲食店勤務では調理スキルが求められるように見えますが、大手チェーン飲食店ではアルバイトでも同じ味で調理できるようにオペレーションやレシピが統一されてますし、接客スキルも他の販売職やサービス業ほどの高いスキルは求められにくいです。

しかも、近年は人手不足に伴う業務効率化やIT化で、接客がほとんど求められない店舗も増えています。

「大卒なのに飲食店勤務はやばい」「学歴がもったいない」と言われるのも、一重に、このような理由で大卒の学歴や履修した基礎知識や教養を持て余してしまうキャリアになってしまいかねないからです。

大卒であっても、他にしたい仕事がなかったり、入学後にさほど熱心に勉学に励んでなかった場合はともかくとして、専門知識や基礎スキルがある場合は、飲食業界で働き続けるよりは、他の職業や分野で専門性を極めることを選ぶ方が望ましいかもしれません。

飲食業界の将来性は?無理に働き続けた末路はどうなる?

業績・売上だけで見てみると、将来性が低い業界なわけではありません。むしろ、大手チェーン店などは今後も増々出店していくと言ってもいいぐらいです。

問題は、深刻な人手不足に対応しきれていないということです。

今後、現場で働く社員の業務負担は増々増えていく業界だと言ってもいいでしょう。

前述の通り、都市部では外国人アルバイトの雇用も目立ち、店長クラスでも派遣・契約での雇用が増えてきている業界です。大手飲食チェーン店は「薄利多売」「人件費のコストカットによる低価格化」によるビジネスモデルで成り立っているわけですので、従業員待遇についてはよくない業界なのです。

事実、他業界と比べても異常に高い離職率が示す通り、長く働き続けるには向かないと考えて辞めていく人が多いことが、外食産業の人材を大事にしない経営姿勢を物語っています。

外食業界の離職率は極めて高め

まずは飲食店(外食・中食業界)の離職率を見ていきましょう。離職率は信頼できる情報源である「厚生労働省ホームページ」「四季報」を参考にしています。

厚生労働省のデータを見てみますと、飲食サービス業の3年内離職率は50%を越えており半数の人が辞めていることがわかってきます。就業後1年目に限定してみても、おおよそ2割が辞めているのですから、非常に辞める人の多い業界であることがわかってきますね。

出典:新規大卒就職者の産業分類別就職3年後の離職率の推移

次に外食業界3年後以降の離職率を見てみましょう。飲食サービス業に関しては3年後の離職率も平均34.6%と業界別ワースト1位であり、定着率が非常に低い仕事であることがわかってきます。

「就職四季報」にて公開されている大手企業の離職率を見てみましょう。

外食業界の3年後以降の離職率

すかいらーく…33.7%
サイゼリヤ…44.4%
トリドールジャパン…32.4%
日本マクドナルド…44.1%
日本KFCホールディングス(ケンタッキー)…40.0%
モスフードサービス…20.7%
松屋フーズ…未回答
ドトールコーヒー…60.3%
大庄…48.8%
プレナス(ほっともっと)…29.0%
ロック・フィールド…32.6%

このように、外食業界では大手であっても3~6割ほどが3年目以降にも辞めていくほど、非常に定着率が悪い業界なのです。

飲食業界の平均年収は若いうちは高年収傾向

外食業界の平均年収は業界別に見てもワースト6位と低めです。もともと、外食産業自体が人件費カットで営業利益を上げるビジネスモデルで成り立っていることもあり、忙しさや残業時間の割に合わない仕事であることが平均年収からも見えてくることでしょう。

外食業界40歳のモデル年収の平均…491万円(ワースト6位)

サイゼリヤ/594万円(34.6歳)
松屋フーズ/521万円(36.2歳)
大庄/408万円(42.3歳)
モスフードサービス/637歳(40.9歳)

出典:会社四季報 業界地図 2018年版

外食業界から抜け出すためには?

このように、長く働き続けても将来性の見えない外食業界ですが、抜け出したい方も少なくはないはずでしょう。しかし、外食業界から辞める際にネックとなりやすいのが「辞めても次が見つかるか不安…」という精神面での悩みです。

とくに外食業界の仕事は「誰でも出来る」というイメージが強いため、真面目な方は「自分には辞めたら後がない…」と思い込んでしまうこともあるでしょう。外食業界の高い離職率を見ればわかるとおり、辞めても後がないなんてことはないので、精神的にも肉体的にも追い込まれる前に辞めることを考えましょう。

しかしながら、外食業界での勤務経歴は転職の際にあまり有利にはなりません。これは、コミュニケーション力を要される仕事の多くが「BtoB(企業と企業)」である一方、外食産業ですと「BtoC(企業と消費者)」でのコミュニケーション経験になり、一般職では評価されにくいからです。

ですが、覚えておいて欲しいのは可能性はゼロではないということですね。外食業界は現場仕事・消費者と直で関わってきている分、一般職では経験できない豊富な知識や知恵を身につけているわけです。それらを前向きに強みとしていけば、転職への活路も開けてくることでしょう。

店長クラスからの出世を狙う

飲食店の仕事から抜け出すためには、まずは店長クラスから上の立場への昇進の可能性を考えてみるといいでしょう。通常、大手小売・飲食チェーンなどでは、複数の店舗での勤務経験と売上を見て、エリアマネージャー・スーパーバイザーなどの区ごとの管理者に任命されます。

会社によっては学歴などに関わらず、売上や功績などの成果のみでの昇進が狙えるため、誰にでもチャンスがあると言ってもいいわけです。

ただし、実際には店長クラスから上に昇進できるのは一部の優秀な人材だけであり、さらにエリアマネージャー・スーパーバイザークラスに昇進できたとしても、結果を出せなければまた店長クラスに格下げされることも十分ありえます。

もし今の仕事にやる気やモチベーションがあるのであれば、まずは社内の昇進事例などをたしかめ、今の会社で働き続ける目標設計を見直してみるといいでしょう。

自営業として飲食店を開業する

外食業界を抜け出すのであれば、自営業として飲食店を開業するという選択肢もあります。とくに料理・調理の腕がある方や、将来性に自営業を考えている場合は、経営を学ぶためにあえて大手飲食店に勤務する人もいるぐらいです。

ただし、将来的な安定性は大手飲食店で働くよりも落ちますし、自店を持つための資金、資格・免許なども必要になってくるため勉強も必要になってきます。また、自営業で店を持ったとしても、大手チェーン店が近くに店を構えれば廃業まで追い込まれるリスクもあります。事実、日本の個人経営の飲食店や小売店が軒並みつぶれていったのも、大手チェーン店の資本力にものを言わせた経営戦略があったことを忘れてはいけません。

別業界に転職する

大手飲食業界から抜け出すのであれば、やはり転職するのが現実的な選択肢となってきますね。外食業界から転職する場合は大きく分けて以下の3通りが選択肢となります。

  • 同業界の待遇のいい企業へ転職する
  • 営業・販売など、飲食店勤務を活かせそうな仕事に未経験者として目指す
  • 大手飲食店の現場経験が評価される意外な転職先を探し出す

普通に転職活動すると、まず同業界の転職先が候補に上がってきますが、それでは外食業界から抜け出すことは出来ません。かと言って、外食業界勤務の経験しかない人が他の業界に自分を売り込むのは非常に難しいことです。業界研究や企業分析を行い、自分の経歴の活かし方を考えるなどして、外食業界から他業界への転職先への道筋を見出す必要があるでしょう。

飲食社員を辞めたい時はどうする?退職理由の伝え方や転職方法は?

こうして考えていくと「離職率の高い外食業界を辞めること自体は、いたって正常な判断」であることが見えてきますね。もともと、大手飲食チェーン店は効率重視で人件費コストを抑えているビジネスモデルですので、人の入れ替わりが激しいのは当然なのです。そしてそのしわ寄せで、社員の店長クラスが過重労働に追い詰められやすくなるわけです。

もし外食業界を辞めたいとお悩みの方がいましたら、アレコレ考えずに辞める方向で考えておきましょう。「長く続けろ」「我慢して働け」というのは、しっかりと待遇や昇進を保障してくれる会社でのみ許される主張であって、外食業界は本来長く続けるべき仕事ではないのです。

自信を持って辞めて、次のキャリアに活かすために前向きに考えていきましょう。

転職サービスを利用してプロのサポートを受ける

以上のように、「外食業界(飲食店)を辞めたい」という悩みに対し、一概に「これをすべき」という正解はなく、それぞれの状況に合わせて最適な行動を取捨選択する必要があります。つまり、多くのことを考えて計画的に行動する必要があるのです。

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