ハローワークに対しての評判はネット上のいたるところで見受けられます。
中でも多いのが、
「ハローワークの求人はブラックばかり!」
「ハローワークはまともな求人がない!」
…と言った意見です。
ハローワークはなぜ
まとも求人がないでブラックばかりになるのかな…?
それは以下のような理由が考えられる
▼ハローワークにまともな求人がない理由
- 誰でも閲覧できるので優良求人はすぐ採用が決まる
- 求人票の記載情報が少ないのでブラックに感じる
- 求人票が自己申告制なので本来の条件より低めの待遇で書かれている
上記のような理由を踏まえると、ハローワークにまともな求人がないと感じるのは、
- 優良求人はすぐに採用が決まるので目につかない
- 求人情報が正確ではないので実態と違ってまともでないように見える
…からかもしれません。
言ってしまえばハローワークの求人を見る側も
「まともな求人を見抜く能力がない」とも言えるな
確かに求人票の情報だけじゃ
その企業がどんな会社か見抜けないですもんね…
ハローワークの求人は、まともでないものやブラック企業に感じるものが多いかもしれません。
ですが、逆に考えると利用者側にも求人情報を見抜くスキルがない人が増えるため、すべてがブラックに見えているだけかもしれません。
そこで当記事では、ハローワークの求人がまともでないと感じる理由を解説した上で、まともな求人を見つけ出すコツをご紹介していきます。
ハローワークはブラック求人ばかりになる理由とは?
無料で誰でも閲覧できるからまともな求人がない
ハローワークがブラック求人ばかりになる理由は単純で、企業・利用者ともに「誰でも無料で使えるから」です。
ハローワーク関わらず、誰でも無料で使えるものは、基本的に質が悪くなりがちです。
ですので、利用者の質も低くなりがちです。
人材会社のサービスを活用していなかったり、コネや人脈づてに仕事を紹介してもらえないような人がハローワークにたどり着くわけですから。
もともとが、国が用意した「仕事にありつけない人を最低限サポートするための施設」なので、よりいい仕事を見つけたいのであれば、あまりハローワークは向いていないと言えるでしょう。
企業側も無料で求人掲載できるからまともな求人がない
ハローワークは、企業側も無料で求人掲載出来るという事情があるので、質の悪い求人が増えがちです。
中には、
「あんまり採用する気がないけど、とりあえず求人出しておこう…」
「ハローワークや自治体との付き合いで求人出してるだけ…」
「他の企業の給料相場・待遇条件調べないで求人出しておこう」
…という感じの会社もあり、採用意欲の低い会社もあります。。
いわゆる「空求人」という、採用する意欲の低い求人も混じっているので、応募するだけ時間の無駄になることも。
一方で、本当に採用意欲の高い企業は、お金をかけて民間の人材会社に求人制作や求人掲載を依頼するため、採用意欲の高い優良求人が集まりやすい傾向です。
人件費や広告費ケチっている会社に、まともな採用を期待する方が、無理があるでしょう。
企業側の自己申告で実態調査が入っていないからまともな求人がない
ハローワークの求人は基本的に自己申告で制作してます。
すべての企業に対して実態調査に入っていたら、人手も時間も足りませんからね。
そのため、ハロワ経由でブラック企業に入社してしまった人の相談があって、初めてブラック企業だと発覚するわけです。
その対応も、労働監査所に調査に向かわせるだけなので、問題が改善するかどうかは別です。
ですので、ハローワークは構造的に、求人掲載段階ではブラック企業も見抜けないわけです。
よく求人票の裏にテキトーに書いた感じの地図が掲載されてますが、あれも企業の人が手書きで書いているからです。
第三者のチェックが入ってない求人票は、悪意がなくても内容がテキトーになってしまってウソばかりになることもあります。
ですので、ハローワークの求人票に書いてあることは、あまり参考にしすぎない方がいいでしょう。
求人記載に制限があるからまともな求人がない
ハローワークの求人票には、法律上のアレコレで様々な制限があります。
どういうことかと言うと、マジメな企業がバカ正直に「うちの会社は労基法違反しちゃってる状態で経営してます」と申告したら、求人掲載できなくなるのです。
そのため、企業側が自社がブラックなことを正直に伝えたいと思っていても、ハローワークの求人掲載基準を満たすために、実態と違う求人内容を掲載せざるを得ない…という、皮肉な結果になってしまうのです。
法律でどれだけ制限をかけてもブラック企業が減らないのは、そういう”大人の事情”があるからです。
ハロワで人を募集している企業は人材採用方法が未成熟だからブラックばかり?
ハローワークで人材を集めている企業は、お世辞にも人材採用が上手とは言えない企業ばかりです。
- ハロワの利用者は質が低めになりがち
- 求人掲載のルールがガチガチなので、求人票だけでは伝えられない情報も多い
- ハロワの求人検索システムが使いにくいので、見込みのある利用者から気づかれない可能性もある
こういった悪条件も揃っているので、民間企業の運営する転職サービスよりずっと使いにくく、良い人材の目にも止まりにくいのです。
採用している企業もそこまで採用意欲が高いわけではなく「いい人材が来たら雇おう…」「とりあえず出しておかないよりかはマシ」みたいな意識の低い人事が多いので、よっぽど優秀な人材でもなければ採用されません。
そして、その優秀な人材はハロワを使わずに、民間企業の運営する転職サービスを使うのですが、そういった人材市場の動きにも気づいていません。
ハローワークでまともな求人を見つけ出すには?
最新の求人は採用率高めでまともな求人が多い
ハローワークは常時求人を出し続けている会社も多めです。
ですので、本気で内定をもらいたいのであれば、最新の求人を中心に探しましょう。
採用企業側が「早いもの勝ち」という感じなら、ラッキーチャンスで受かる可能性が大きいです。
前述の通り、ハローワークで人材募集している会社は、そこまで採用意欲が高いわけではないので、別に優秀な人材は望んでいません。
行動力とそこそこの若さと元気な身体と、文字の読み書きとカンタンな計算さえれば、だいたいの仕事はこなせるのです。
トライアル雇用も狙い目でまともな求人が多い
トライアル雇用も狙い目。
トライアル雇用とは、3ヶ月間の試用期間ありの求人のことです。
企業目線で考えるとわかりますが、書類選考・面接だけでいきなり正社員として採用するのは、あまりにリスクが高いからです。
それも今は非正規雇用が進んでいるので、よっぽどの人材でなければ正社員から採用してもらうのは無理があります。
有名大企業ですら、中途採用者は「契約社員で様子見」「派遣社員の中でも責任感のある人だけ正社員登用」という感じですから。
そういう意味で、試用期間は企業側にとってはリスクマネジメントになりますし、働く側も「試用期間でダメと判断されたら、次を探せばいいか」と気楽に挑戦できます。
逆にいきなり正社員になった場合、入社後数日内に理不尽に「お前、転勤な!」と言われたら逆らえません。
あと、トライアル雇用は国から助成金が出ます。
助成金のおかげで、企業としても「じゃあ採用してみるか」と思うため、採用ハードルが低くなるという事情もあります。
給料のブレ幅が少ない会社もまともな求人が多くてオススメ
ハローワークの求人票を見ているとわかりますが、あまり採用意欲が高くなく、優秀な人材を欲しがっている会社は、記載されている給料のブレ幅がデカイです。
これはなぜかというと「経歴や実績で給料を決める」という意味なので、求めている人材像がハッキリしていない証拠。
ですので、前職の経歴が活かせなければ、採用見込みは低いです。
それほどの経歴がある人材は、ハローワークを使わなくても、民間企業の転職サービスを使ったほうがずっと効率よく、給料も待遇もいい会社を選べます。
逆に給料のブレ幅が狭い企業は「この給料相場で妥協できる人材が欲しい」と人材像がしっかり定まっているので、採用方針もしっかりしているはずです。
一般的な経歴のある転職者でも、年収面の希望を通すのはシビアです。
逆に言えば、給料さえ妥協すれば、割とどうにかなります。
ですので、給料相場がしっかり定まっている求人を選べば、採用される確率はグッと高まりますよ。
職業訓練などの就職支援も活用しておくとまともな求人が見つかりやすい
ハローワークを使っている人によくあるダメなパターンが「求人検索しか使っていない」ケース。
求人検索だけなら、ハローワークの求人も扱っている優秀な検索エンジン「Indeed」が登場しているので、今どきわざわざハロワで検索する必要性なしです。
ハローワークが公共職業安定所として機能しているのは、国の様々な支援の窓口だからです。
どういうことかと言うと「職業訓練を受けてから仕事を探す」「講座などを受けた後、仕事の紹介を斡旋してもらえる」といった、教育も兼ねての就職支援を受けられるのです。
ですので、経歴がなかったり、あるいは前職の経歴が転職市場でつぶしがきかない方は、求人検索だけに頼らないハローワークの使い方も検討しておくといいでしょう。
求人情報だけに頼らないこともまともな求人を見つけるコツ
ハローワークの求人票がブラックなのは、求人票自体がテキトーなので、ブラックに見える会社が多く感じるからです。
そもそも、求人票なんて”あくまで目安”でしかありません。
求人票一枚で仕事内容が完全に把握できるほど、仕事はカンタンなものではありません。
求人票と実態が違うなんてことは、ざらによくあります。
ですので、求人票だけの情報を参考にしすぎずに、面接でしっかりと業務内容を事前確認しておくことも大事でしょう。
ハロワだけでなく、民間企業の人材サービスも活用しておこう
以上のように、ハローワークの求人がブラックばかりで、まともな求人が見つからないのは、それなりの理由や背景があるのです。
ですので、求人の質にこだわりたい方や、より優良企業と出会いたい方は、素直に民間企業の運営する人材サービスを使っておくことをオススメしますよ。
民間企業の運営する人材サービスは、採用にお金をかけている企業が利用しているので、採用に関しての意欲も高く、自分に合ったものを選べばしっかりとしたサポートにも期待できます。
また、民間企業の人材サービスはハローワークと一緒で、ほぼすべてが無料で利用できるので、使ってみるだけ損はありません。
民間企業が運営する人材サービスは数多くあるのですが、主なものは以下の通り。
- 20代向け就職支援サポート(既卒・第二新卒向け)
- 派遣会社
- 転職エージェント
20代向けの就職支援サポートサービス(既卒・第二新卒)
ハローワークの求人がブラックばかりと感じている方は、20代の方も多いのではないかと思います。
20代の方の場合「既卒・第二新卒」として、とくに卒業後3年以内であれば新卒生同様に扱われるため、非常に正社員採用されやすい層です。
その理由は、国の助成金やら色々事情があるのですが、詳しくは以下の記事で。
既卒・第二新卒層から外れる方であっても、20代であれば就職支援サービスのサポート対象に含まれますので、気になる方は必ずチェックしておくといいですよ。
派遣会社
ハローワークでまともな求人が見つからないことでお悩みの方は、派遣会社に登録して派遣社員として働くこともオススメです。
派遣社員は、正社員と比べて以下のようなメリットがあります。
派遣社員のメリット(正社員比)
- 待遇にこだわれる(8時間働かなくてもOKな職場あり)
- 未経験からでも仕事あり(30歳以降でもOK)
- 残業少なめ(人件費が高くつくから)
- 大手なら社会保険・福利厚生完備(ハロワで下手に正社員になるよりも待遇安定)
- キャリアアップ支援・通信講座のサポートもある
- 紹介予定派遣を使えば正社員になれるチャンスも
- 大手派遣会社なら全国展開しているので地方民でも使える
ハローワークのあまりにひどい正社員求人と比べれば、派遣社員として働いたほうがマシなケースもあるので、派遣会社に登録して求人だけでも紹介してもらうのも手でしょう。
とくに大手派遣会社は、全国展開・全職種・全業種対応ですので、ハローワークの求人に満足できない方は使っておく価値ありです。
ただし、派遣会社は面談に参加しないと正式登録が完了せず、求人紹介やその他のサポートもしっかり受けられないので、登録だけで満足せずに面談にもしっかり参加しておきましょう。
転職エージェント
ハローワークでまともな求人が見つからないでうんざりしている方には、転職エージェントの利用がオススメ。
転職エージェントは無料で利用できて、面談に呼ばれればプロのアドバイザーに相談できて、色々サポートしてもらえます。
また、大手転職エージェントなら転職サイトの機能も兼ねているので、登録するだけでもOK。
自分の経歴に合わせて求人が届くので、ハロワとは比べ物にならない優良求人も届きます。
その理由は「非公開求人」にあるのですが、人材業界では「優良求人は適性ややる気のある人にしか紹介しない」というのは常識なので、登録しないと閲覧すら許されません。
それも知らずに「ハロワの求人がブラックばかり…」と嘆いているのは、非常にもったいないです。
転職エージェントに登録したからと言って、確実に転職に成功できる保証はありませんが、優良求人を紹介してもらって応募できるだけ可能性は広がるので、使っておきましょう。