ネット上では「ハローワークの求人はウソばかり」「ハローワークで転職すると失敗する」という意見もあふれています。
私自身、そういった情報をうのみにしてハローワークを使わなかった過去があります。
結論から言っておきますが、以下のような方はハローワークを使うよりも、民間企業の運営する人材サービス(転職エージェントなど)を使った方が、結果としていい職場に就ける可能性が上がります。
★ハローワークを使わないで転職した方がいい人
- 20代の若者
- 都市部住まいの人
- キャリアアップ転職で年収アップを目指したい人
- 紹介先企業の詳しい情報を知りたい人
以上の条件に当てはまる方は、民間企業の運営する人材サービスを活用した方が、より自分の希望に合った転職先が見つかる可能性が高いです。
ちなみに当サイトのスポンサーである、株式会社UZUZの手がける「ウズキャリ」の広報アカウントでも以下のようなツイートがされております。
ハローワークのあれこれ🙋
・求人数は圧倒的
・地域に根ざした求人多い
・事務系も割とある
・選考スピードは遅い
・職種が決まらないと動き辛い
・必ずしもハロワの人が就活に詳しい訳ではないハロワで就活した人によると「ここ受けます」→︎1週間以上経過→「やっぱ募集終了でした」なんて事も。
— UZUZキャリアアドバイザー【就職/転職エージェント】 (@UZUZ_uzcc) June 5, 2019
ハローワークの方、必ずしも就活に詳しい訳ではないです。
なので
「希望職種なんですか?」
「(正直わからん…)営業とか…?」
「じゃあ営業で探しますね」みたいに進むこともあり。
なんとなくで言った職種を自分でもよくわからないまま志望することになるので、この点は注意した方が良さそう。
— UZUZキャリアアドバイザー【就職/転職エージェント】 (@UZUZ_uzcc) June 5, 2019
私としてもおおむね同じような見解で、ハローワークには、
- 職員の専門性が低いことが多い
- 利用者の知識が乏しいと活かせない
- 選考のスピード感がない
…といった欠点があると感じてます。
ハローワークの詳しいメリット・デメリットについては、以下の記事をご覧ください。
また、キャリアアップ転職で年収アップを目指す場合、優良求人は「非公開求人」として表に出回らない事情もあって、ハローワークの求人の質は相対的に落ちます。
非公開求人の存在や、企業側の思惑、裏事情などを知らない方はこの機会に以下の記事をご参照ください。
さて、以上の事情を踏まえた上で、読者の中には「結局、自分がどの求人紹介サービスを使えばいいかわからない…」とお悩みの方もいらっしゃるかと思います。
さらに、多くの読者が「できればブラック企業は避けて、出来る限りいい企業で働きたい」「しっかりとした正確な求人情報が得られるサービスを利用したい」と考えているかと思います。
そこで、当記事ではハローワークの求人がウソだらけになってしまう仕組みを解説した上で、失敗しない転職の方法についてご紹介していきましょう。
※ハローワークの紹介で求人内容と実態が違う場合は、以下の窓口へのご相談・報告も活用してください。
なぜ、ハローワークの求人はウソだらけになるのか?
なぜ、ハローワークの求人内容ばかりになるのか、説明していきます。
冒頭の動画でも解説していますが、ハローワークの求人が結果として「実態とかけ離れている=ウソ」になってしまう理由としましては、主に以下のような事情が考えられます。
★ハローワークの求人がウソばかりになる理由
- 求人を制作している人と実際に働く現場が違うので、正しい情報が書けないため
- 求人票の項目がガチガチに定められており、企業側もアピール不足になりやすいため
- 賃金のブレ幅が大きかったり、試用期間などの条件が複雑なため
- 残業時間が違法ラインであるため、実態に則した情報が書けない(自ら「違法してますよ」と言ってしまうようなものだから)
これは求職者側も「履歴書みたいな紙切れだけで何がわかる!」と感じている通り、企業側もハローワークの求人だけでは会社のことをしっかり伝えきれないのです。
また、以下の日経新聞社のサイトでは、以下のような記述もあります。
ハローワークで求人する企業は、厚労省が定めた申込書に賃金や就業時間、休日数などを記入する仕組み。同省の担当者は「求職者に誤解が生じないよう記載の仕方を指導している」と話す。ただ、記載内容が実態と違っても法的な罰則はなく、企業のモラルに任されている面が強い。
これはどういうことかと言うと「求人票と実態があまりに違っても罰則がない=求人票の情報が適当になっても問題ない」という構造的な問題があるため、求職情報の正確さは企業側の判断に委ねられるわけです。
そのため、企業側に悪意がなくとも、求人情報を制作する人事の法知識不足や情報伝達力の低さが原因となって、求人情報の精度や質が落ちることになるのです。
さらに補足しておきますと、ハローワークは職員数も限られている上に、求人数は非常に多いため、転職エージェントのような営業系の人材会社と違って、ひとつひとつの職場に実態調査をするなんてことは物理的に無理です。
ですので、ハローワークの求人情報は「企業側の自己申告になり、各社のモラルに委ねられる」という状態になります。
求人内容がウソかどうかはともかく、企業側がミスをしている場合や、求人制作者の伝達力不足で求職者に誤解を与える表現があった場合、面接段階で気づかずに入社してしまうと、いざ働いてみて「書いてある条件と違う」「求人内容と実態がかけ離れている」みたいな状況に陥るわけです。
ハローワークで転職すると失敗しやすい!?
この記事にたどり着いた方は、おそらく「ハローワークで転職すると失敗しないか不安…」だとお悩みだと思います。
結論から言っておきますと、以上のような事情を踏まえた上で、入社前に企業側と交渉したり雇用契約内容をしっかり確認できるレベルの人材であれば、ハローワークでも転職で失敗する確率は下げられます。
もちろん、そうでなくてもハローワークで優良企業の求人を見つけ出せる可能性はないとは言い切れません。
ただ、冒頭の動画やウズキャリの広報アカウントでも解説されているように、
- 求人情報が企業側の自主性に委ねられている
- 職員の知識レベルが低め(少なからず営利企業と比べれば…)
- 全ての企業に対して実態調査が行われているわけではないのでブラック企業が見抜けない
- ハローワーク職員が仲介役・交渉役として機能していない
…など、様々な問題や課題があって、民間企業の運営する人材サービスと比べれば、相対的に転職に失敗しやすくなると言えます。
ですので、まずは転職エージェントなどでしっかりとプロのキャリアアドバイザーの意見を聞いてみたり、あるいは企業研究セミナーなどに参加して転職活動のノウハウを身につけた上で、ハローワークも併用しておくという使い方をしておくといいでしょう。
※「ハローワークで転職すると失敗する」という意味合いではなく、求人情報の制作能力や職員の知識や業務範囲上、ダメな会社を見分けるのが困難なため、考えなしで応募して内定をもらうと失敗しやすくなる…という意味でお受け取りください。
※ハローワークを使うしか選択肢がない場合は例外
ただし、あくまでハローワークを使わずに転職エージェントなどの人材サービスを使った方がいいというのは、ハローワークを使わずともサポートが受けられる層に限った話です。
以下のような方は、そもそも転職エージェントの拠点や取り扱い求人が極端に少ないため、人材サービスのサポート対象外になる可能性が出てきます。
★人材サービスのサポート対象外になりやすい人
- 地方住まいの人(エージェントの登録自体は可能だが都市部の求人の紹介が多い)
- 40歳以上の経歴不足の人(転職エージェントに登録しても紹介求人がないことが多くなる層)
- 職業訓練などのサポートを受けたい人
とくに、地方住まいでなおかつ地方での就職・転職にこだわる方は、人材会社の拠点がないので求人情報が少なくなりがちで十分なサポートが受けられない…という現状があります。
また、一般的に正社員としての採用が控えられる「30歳以上の職歴なし」の方も、消去法でハローワーク(あるいは派遣会社など)を使う必要が出てくるかもしれません。
あるいは今までの経歴が転職市場で通用しない場合は、ハローワーク経由で職業訓練を受けるなどして、再就職支援を受ける必要が出てくることもあります。
いずれにせよ、転職エージェントに登録してみて「十分なサポートに期待できない」とわかった段階で、ハローワークもしっかり使っておく必要が出てきます。
※ブログ記事執筆者の目線からは、読者の経歴や状況がわからない以上、どちらを使うべきか判断できないため、読者ご自身の状況や経歴を踏まえた上で、ハローワークや転職エージェントを使い分けてみて、どちらが合うかをご判断ください。
転職で失敗したくないならハローワーク以外の人材サービスも併用しておくこと
以上のように、ハローワークの求人情報は構造的に求職者の誤解を招く情報も交じりやすく、転職で失敗してしまう原因になることもありえます。
ですので、転職で失敗したくない方は、民間企業の運営する人材サービス(転職エージェントなど)を併用しておくことを強くオススメします。
また、転職エージェント自体も担当者との相性や、各会社ごとに方針や求人傾向もあるので、いくつかのエージェントを併用しておくことが失敗を防ぐためのポイントです。
現在、国内では数多くの転職エージェントが登場しており、どこを使えばいいかで悩む方もいらっしゃるかと思いますが、そういった方は以下の記事にて国内の転職エージェントについて解説していますので、参考にしてみてください。
20代なら「就職支援サービス」もオススメ
もし、読者が20代で転職を考えているのであれば、就職支援サービスのご利用もオススメです。
転職エージェントと就職支援サービスはビジネスモデルはそこまで変わりありませんが、カウンセリング面に力を入れていて面談対応に時間をかける方針が強いので、経歴や自発性の要求される転職エージェントよりは、経歴に自信がない方には向いているサービスだと言えます。
とくに卒業後3年以内の第二新卒層やフリーターなどの方は、そもそも「転職活動に必要なビジネススキル」が十分に身についていないことも多いため、まずは就職支援サービスを使っておくのも手でしょう。
就職支援サービスを使ってみて、提案される求人に納得がいかない場合は、転職エージェントや転職サイトを併用しておくことで、失敗するリスクを下げられます。
読者の置かれた環境次第でどちらが向いているかは変わってきますので、どちらも選択肢として確保しておくと間違わずに済むはずでしょう。
転職エージェントは必ず使っておきたい
ハローワーク経由での転職に不安がある方は、現在、国内の主流のビジネスモデルとなっている「転職エージェント」を使っておくことをオススメします。
転職エージェントは登録するだけで求人情報が届きますが、担当者とカウンセリングや面談を重ねることで、より密接なサポートにも期待できるようになります。
転職エージェントの面談では、転職に関してわからないことの相談から、最新の業界事情まで、様々な情報提供に期待できます。
また、求人情報だけではわからない企業側の情報まで知ることができ、ハローワークとは比べ物にならないほどのディープな情報にまで期待できるので、転職で失敗したくないかは必ず登録して利用しておきましょう。