「会社が嫌いすぎる、生理的に無理…」
「会社が嫌いになったことがきっかけで辞めたい…」
「仕事内容は好きだけど会社は大嫌い」
こうお悩みではありませんか?
「愛社精神」という言葉もありますが、所属する組織が好きか嫌いかで大きく仕事や人生の充実度も変わってくるものです。
たとえば、嫌いな会社の商品を売るような営業の仕事は嫌なものを顧客に売りつけなければならないのでモチベーションが上がらないでしょうが、自分の会社の商品が自信を持って好きと言えるなら仕事での幸福度も高いことでしょう。
また、嫌われるような会社で働き続けている人は、嫌々仕事を続けているためか部下相手にストレスを発散したり、社内で自社や社員の陰口を漏らすような、嫌な性格の人も増えやすいように感じます。
以上のように、心底嫌いな会社で働き続けることは、大きなデメリットがあるものです。
そこで当記事では、社員に嫌われるような会社の特徴や大嫌いになる瞬間について紹介した上で、嫌いな会社で働き続けるデメリット、また嫌いな会社を辞めたいと思った場合の対策をご紹介していきます。
「会社が嫌い!」と感じる理由とは?
まずは「会社が嫌い!」と感じる理由をしっかりと、把握しておく必要があります。
仕事を辞めるにしても「ただなんとなく嫌い」「生理的に無理」という、まるで女子高生並の感想で辞めてしまっては、次の職場の面接の際に困りますからね。
逆に「今の会社が嫌いな理由」をしっかりと突きつめて、言葉にすることができれば、それは前向きな転職の動機にも変わります。
一度「なぜ、嫌いなのか?」を考えてみましょう。
表向きは立派だが中身は腐っている会社
会社が嫌いになる理由でも1番大きいのが「見た目と中身のギャップ」でしょう。これは入社前のイメージが良ければ良いほど、入社した後の落差から反転して嫌いな感情が強くなるからです。
通常、多くの会社は企業イメージを良くするために、ブランディング目的の広告を出したり広報活動を行います。具体的には以下の例です。
- TVCMや駅内広告などで企業名や企業イメージを広く浸透させる
- 就活生向けの人気企業ランキングに掲載されるための広告費を使う
- 新宿や六本木などの一等地にオフィスを構える
- 求人内容に実態とは異なる広告要素の強いキャッチフレーズを頻繁に用いる
上記のような例は、広告予算が潤沢な有名大手企業ほど顕著になる傾向があります。
たとえば「就活生人気ベスト100」に毎回ランクインすることに躍起になっていたり、求人内容に「グローバルな活躍ができる」「風通しが良いアットホームな職場」などの曖昧で耳障りの良いフレーズを多用していて具体的な社内制度や取り組み例が示されていなかったり、最近ではビジネストレンドの「SDGs」「DX」などを乱用している会社などが最たる例です。
これらは「企業の中身を知らない人のために好かれるための企業努力」のようなもので、企業の将来的な顧客や見込み人材に対してのアプローチです。いわば「恋愛目的で見た目に気を遣うような行為」を企業も多額の予算を投じて行っているわけです。
しかし、ここで問題が出てきます。
それは、ブランディングや広告で企業イメージを上げたとしても、実際の中身が伴うとは限らないという問題です。
表向きのイメージが良い会社ほど、世間からは入社することを羨ましがられたり憧れの対象となりやすいのですが、中身が伴っていなければ入社後の落差が激しくなるわけですから、幻滅して反動で嫌いになるわけです。
先輩や上司、役員や経営者が尊敬できない人ばかり
企業というものは組織が大きくなればなるほど「トップダウン方式」と呼ばれる、組織の上層部が意思決定し下へ指示したり落とし込む方式で経営されるものです。
ですので、役員陣が腐っているような会社では企業全体でも社員が腐ってモチベーションが低かったり、役員陣が不正や失態を隠すような体質だと同様に社員も報告をしないなど、上層部の人間の人格や考え方が社内全体や働く社員にも伝染するような組織風土になりやすいものです。
ですので、先輩や上司の多くに尊敬できない態度を感じていたり、経営陣の掲げている理念や外部向けの報告が現場の実態と違うと感じているなら、注意が必要です。
このような企業は、前述のような「表向きの体裁は良いが内部は腐っている会社」である可能性が非常に高いです。
とくに組織規模が大きい場合、一部の部署や子会社、あるいは外部のコンサルティング会社が実質的な負担を背負って仕事しており、それ以外の社員は大した仕事をしていない…なんてことも珍しくありません。
また、組織規模が小さい場合は、経営者の人格がダイレクトに会社の風土や職場の雰囲気に反映されやすいため、経営者と考え方が合わないと仕事の至るところですれ違いが生じます。
特定の上司や先輩が嫌いなのではなく会社に対して嫌いという感情が強いなら、何かしら「会社に自分と相性が悪い人間が集まり、残り続ける原因がある」と考え、警戒しておくに越したことはないでしょう。

社内の人間関係がギスギスしており、足の引っ張り合いとなっている
ある著書に「なんの共通目的もなく、ただ人間関係だけがある奇妙な集団の中ですることと言えば、恋愛ゴッコかいじめぐらいしかない」と書かれていましたが、これは真理でしょう。
職場や会社での集団生活においても、共通目的がなくダラダラ仕事するだけの関係だと、やれどの社員が無能か悪いか、誰々が付き合っているだの結婚しているだの、学生時代と大差ない対人コミュニケーションしかできない人種が混ざるものです。
こういった集団では往々にして、社内で他人や他部署を批判して責任転嫁する足の引っ張り合いになったり、建前では仲良さげに振る舞いながらも裏では陰口だらけと、社内の人間が陰湿で悪化しやすくなります。

事業内容や提供商品/サービスに魅力のない会社
事業内容であったり、提供商品やサービスに魅力のないことも、会社が嫌いになる要因です。
- 競合他社の後追いでオリジナリティがない
- 価格企業競争に走り安さだけを追求し品質が犠牲となっている
- 顧客目線でなく企業都合ばかりのサービス
- 社会への還元意識が低く環境破壊などを行っている事業
これらの商品やサービスはマーケティング目線で見ても得策とは言えず、社内の人間からだけでなく消費者からも嫌われる結果にもつながり、最終的に企業全体が炎上する事態に見舞われることもあります。
また、サービスの質の低下から顧客対応が十分にできず、社員にとってクレームリスクが上がる点で見えないところで損害を被る可能性も出てきます。
従業員を大事にせず会社のために奉仕するのが当たり前だと思っているような会社
1960年代に「モーレツ社員」という言葉が流行りましたが、これは会社のために私利私欲を捨て滅私奉公の姿勢で働くという考え方やそのような労働観の社員を指していた言葉です。
日本が高度経済成長期の1960~80年代までは、モーレツ社員のような働き方が評価されていました。そのため、この世代に活躍して出世した経営陣や管理職の中にには、今では時代錯誤となった「社員はプライベートを犠牲にしてまで会社に尽くすのが当たり前」という価値観を従業員全体に押し付けてくる場合があります。
こういった会社では以下のような、従業員の成果や私生活を会社都合で搾取してこようとする価値観が目立ちます。
- サービス残業の強要や休日出勤の強要やを平気で行う
- 有給休暇や育児休暇などの申請を「甘えだ」「迷惑だ」などの精神論で否定する
- 社員の成果や功績を上司や会社の手柄のように扱い、昇進や昇給に反映しない
このような時代錯誤な価値観は、経営学や人事マネジメントなどの理論では否定されています。ですが、過去の成功体験にこだわり無駄な慣習を大事にする会社ほど頑なに新しい知識や制度を取り入れないものです。
また、自分たちの保身やプライドを守るため、巧妙な手段で若者世代や非正規雇用者、下請け会社などの弱い立場から搾取しようと目論んでいます。そのような態度が、企業全体の方針や管理職層の言動に透けて見える場合、会社が嫌いになるのは自身への身の危険に対する生理的嫌悪感としても、真っ当な反応だと言えるでしょう。

会社が生理的に無理だと感じる理由:嫌いになる深層心理
現代の労働環境は日進月歩と変わりつつありますが、一方で企業の中には、社員を心から不快にさせる要素が残存しています。一般的に「会社が嫌い」と感じる背景には、深い心理的な要因が絡んでいることが多いのです。以下では、多くの人が会社を嫌いに感じる主要な心理的背景を探ります。
- ハラスメント行為に対する嫌悪感:
セクシャルハラスメントやパワーハラスメントなど、不適切な行為により、安心して仕事ができる環境が奪われることが原因です。 - 社員を物としか扱っていないような企業の態度:
社員の人間性や価値観を無視した対応が続くと、自分の存在意義や価値を疑問視するようになります。 - 顧客や社会のためにならない企業の背信行為:
倫理的な観点から、企業の行動や方針が受け入れられないと感じることが、嫌悪感を増幅させます。 - 努力が踏みにじられることへの怒り:
真面目に仕事をしても、その努力が認められない、または無視されることに対する怒りや失望が積み重なることがあります。 - 危険から自分を守るための防衛本能:
会社の環境や人間関係の中でのストレスや危険を感じたとき、自分を守るための本能的な反応として、その場所や人々を避けるようになることも。
「会社が嫌い」という感情は単純ではありません。それぞれの背後には、深い心理的な理由が隠されています。自分の感じている不快感やストレスの原因を正確に捉えることで、どう対処すべきかの道筋が見えてくるでしょう。
嫌いすぎる会社で無理に働き続けるとどうなる?
働く場所は私たちの人生において多くの時間を過ごす場所であり、そこでの人間関係や業務内容は、私たちのメンタルや身体の健康に大きな影響を及ぼします。あまりにも会社を嫌っている状態で、そのまま働き続けることは、さまざまなリスクを孕んでいます。
- メンタルヘルスの悪化:
長時間にわたりストレスの中で働くことは、うつ病や適応障害などの心の病を引き起こす可能性があります。 - 身体的健康の低下:
精神的なストレスは、頭痛、消化不良、不眠などの身体的な症状を引き起こすことがあるだけでなく、長期的には生活習慣病のリスクも高まります。 - 業績・パフォーマンスの低下:
嫌いな環境での仕事は、自身のモチベーションを奪い、業務の質や効率が低下してしまうことが多いです。 - 人間関係の悪化:
会社に対する嫌悪感は、同僚や上司との関係にも影響を及ぼす可能性があり、孤立することでさらにストレスが増加することも。 - キャリアチャンスの逸失:
ネガティブな感情が優先されることで、自らの成長の機会や昇進のチャンスを逃してしまうことがある。
嫌いな会社での仕事は、多くのリスクを伴います。しかし、その原因を明確にし、自分のキャリアや人生にどのような影響を及ぼすのかを冷静に評価することで、次の一歩を考える指針とすることができます。
嫌いな会社を辞めたい場合は?抜け出すために意識しておくべきこと
「会社が嫌い」という理由だけでは、退職理由としても次の転職先での面接の際の志望動機としても弱いですが、深掘りしていくことで自分自身の行動原理や価値観を明確にしていくことができます。
嫌いという本能的な反応や感情、いわば「言葉にできない想い」を誰もが明確に言語化できるとも限りません。しかし、それは誰かに指摘されたり後から思い返してみると「あの時の感情はこういうことがったのか…」と気づくことが大半です。
ですので、会社が嫌いでその感情の原因を知りたいと願っているなら、嫌いな会社を辞めるべきか続けるべきか、一度しっかり考えておいて損はありません。
本心では既に会社に見切りをつけたいと思っての嫌悪感かもしれませんし、逆に嫌いだと思っていても本心では会社に好意があるがゆえの憎しみかもしれないかもしれません。
自分自身の感情や本心を知る意味でも、辞めるべきか続けるべきかを考えることは大事ですので、以下に判断基準を示しておきます。
収入や待遇に不満がないならとりあえず続けておく方が賢明
現実的な問題として、今の会社の収入や待遇に不満がなく生活に支障が出ていないなら、とりあえずは続けておくべきでしょう。
少なからず、勢いでいきなり辞めるような事態は避けるべきです。
衝動的かつ感情的に退職してしまい、自分自身の本心や動機を突き止めなかったり、焦った状態で転職活動しても、次に良い会社に就けずに短期離職を繰り返してしまうようになりがちだからです。
とくに現状に不満があるほど「隣の芝生は青く見える」という心理が働きがちで、広告面の強い求人情報や面接官の言い分に惑わされて、本質を見落としやすくなります。
仕事は好きだけど会社が嫌いなら同職種への転職を考慮しておく
仕事内容自体は好きで向いてると感じているものの会社が嫌いなケースの場合、同じ職種内での転職が一般的です。
職種というのは「営業職」「事務職」などの職業区分のことで、一般職の分類に含まれる職種の場合、転職自体は容易な傾向にあります。同職種での転職は、中途採用先でも似たような業務が主となるため、一定の経験や経歴があるだけで採用されやすくなるからです。
目安としては2年以上の経験があれば募集要項を満たし、書類選考も通過しやすくなります。
同業種・業界内での転職には注意が必要
会社が嫌いなことが辞める動機となる場合、同じ業種・業界内での転職には注意が必要です。
なぜなら、業界が同じ場合は根本的に産業構造やビジネスモデルが似たような会社ばかりになるため、転職先企業も似たような職場環境や仕事観になりやすいからです。
たとえば、シフト制勤務が嫌で大手小売の店長から別の商品を扱う企業の店長に転職したとしても、業態が近しいので似たような働き方になってしまう可能性が大きいです。
そのため、今の会社の嫌いな部分がそのまま残っているような会社環境での転職に終わってしまうことになります。ただ、同じ業界内でも会社方針によって大幅に社内環境が異なることもあるため、次に紹介する「企業分析」をしっかり行い、理想の会社を見つけ出す手がかりにしましょう。
会社方針とのすれ違いが原因なら企業分析をしっかり行った上での転職を
会社方針とのすれ違いや事業内容に魅力を感じないことが原因で嫌いになった場合、転職時には必ず「企業分析(企業研究)」を行いましょう。
企業分析には正解はありませんし、人によって見るべきポイントは変わってきますが、以下のような方法があります。
- 業界地図などで業界全体の各企業の立ち位置や取引関係を把握する
- 就職四季報などで各企業の採用実績や会社方針を参考にし比較する
- 離職者や在職者の口コミ・評判が掲載されたサイトで生の声を参考にする
- 転職フェアや企業説明会など在職者の話を直に聞ける機会に参加する
また、転職先でなく今の嫌いな会社についても「なぜ嫌いなのか?どこが気に食わないのか?」を知っておく意味でも、しっかり分析した上で、他の会社と比較して検討するべきです。
ただ企業分析の限界として、誰かに編集された情報過去のデータとなり最新ではないことが多かったり、実際に中で働いてる人にとって極端に良い/悪い情報ほど外に出回りにくいという点があります。
中で働いていて満足度が高い従業員はわざわざ口コミサイトに投稿しませんし、逆にあまりに酷い内部情報ももみ消されたり守秘義務の都合から語られないなど、実際に迫るための決定的な情報としては扱い難いです。
ですので、最善の手段としては、転職フェアなどのリアルなイベントで実際に働いている人物と直に話す機会を得るのが良いでしょう。
そうすることで、たとえば、あまり社内環境が良くないであろうと思える企業では採用モチベーションが低く自社内の取り組みについても説明できなかったり、逆に社員のモチベーションが高い会社は採用にも積極的な姿勢が見えるなど、リアルだからこそ細かな情報が見えてきます。
会社が嫌いで辞めていいか迷ったら転職サービスに登録してプロに相談する
どうしても会社が嫌いで辞めたい、でも判断に迷っているなら、早めに転職サービスに登録してプロに相談しておくことをオススメします。
会社選びは、人生や生活の大半の時間を占める環境を見つけ出さないといけないわけですから「住宅選び」「結婚相手選び」のようなものです。
写真やネット情報だけで住まいや結婚相手を選ばないように、転職も求人情報だけでなく、プロに相談して辞めるべきかどうかを判断したり、自分の経歴やスキルと転職市場に出回っている求人傾向のマッチ度から冷静に判断して選ぶことが成功の秘訣です。
一人で悩んで考えるよりは、プロに相談しながら頭を整理したり、転職求人のリアルを知っておくことで、今の嫌いな会社で働き続けるよりもずっと良い選択があることに気づける可能性も高くなります。