「高学歴第二新卒だけど、自分の経歴と能力をフル活用できる職場ある?」
今、読者のあなたは、誇り高くそう感じているはずです。
まずあらかじめ言っておくと、転職市場ではさほど学歴が評価されない傾向にあるので、決して「高学歴だから、転職でも有利になる!」と言ったことはありません。
というか、企業人事によっては「高学歴は変にプライドが高くて困る」みたいな意見もあるので、どちらかというと「人間性・人柄・性格」の問題でもあります。
その辺の認識の過ちについては「転職市場で学歴が評価されにくい理由」の記事にて、ご紹介しております。
…と言っても、若いうちは大きな実績があるわけではないので、相対的に学歴自体がポテンシャル面で判断材料になることも否定できない事実です。
要は「学歴自体が採用の決め手になることはないが、判断材料のひとつとして学歴が評価されやすい面もある」という話ですね。
そのあたりも含めて「高学歴第二新卒の転職活動」について、解説してまいります。
まずは「第二新卒」の転職市場の状況を知っておこう!
まず、抑えておきたいのが「転職は市場である」という事実です。
で、市場原理で考えた場合、アベノミクス効果で景気が上向きな今、第二新卒の需要はかなり高いです。
それには、以下のような理由があるからです。
第二新卒の需要が高い理由
- 慢性的に日本国内で若手不足
- 国により「第二新卒・既卒」という区分が規定され、新卒採用からあぶれた人材の採用を企業側に促す流れがあったため
- 単純に「すぐ辞める若者」が多いので、人材会社・企業側もそれに合わせなければいけない
- 社会経験があり、基本的な業務が出来る第二新卒層は、即戦力として期待されやすい
- 前職の反省を踏まえた自己分析が出来るため、より定着率の高い転職先を見つけ出すことが出来る
実際、広告主である人材会社から色々なニーズを聞き出している私からしても「20代の若手、とくに第二新卒層が欲しい!」という企業の声は多いいです。
それだけ、若さは偉大なのです。
”高学歴”というプライドにどこまで固執すべきか?
で、ここからが本題。
「”高学歴”第二新卒が、学歴を活かせる転職先はあるか?」
答えは冒頭でも述べた通り「当人が思っているよりは学歴は評価されないが、決して無駄にはならない」と言った感じです。
むしろ、学歴に変なプライドを持ってしまうと、自分の価値を客観的に評価できずに、転職活動が難航する恐れもあります。
…が、ある程度は学歴にプライドを持つのも、ありだとは思います。
せっかくいい大学出てるんですから、それなりに良い会社に入社できなければ、大学出た意味ないですからね。
ただ、現実問題として、転職市場では「実務経験>>>学歴」というような評価基準になるので、学歴に固執しすぎない柔軟な考え方も必要になってきます。
極端な話、東大卒でも卒業後にアルバイトしかしていなかったら、実務経験に関しては「アルバイト程度の仕事しかできない」と判断されますから。
そのあたりは、企業人事側がどこまで学歴を重視するかの問題ですので、採用する側次第としか言えないのが、実情です。
「とりあえず3年」をどう捉えるか?
第二新卒で、すでに離職中の方はともかく、在職中で「辞めようかな…」と悩んでいる方もいるかと思います。
これに関してはかなり意見が極端に別れており「今どき正社員終身雇用なんて古いから、すぐ辞めていい」と言う人もいれば「いや、まずは3年続けてみるべきだ」と言う人もいます。
で、私の持論は「まずは3年続けた方がいいよ」派です。
厳密に言えば、就活中に妥協せず一流企業・自分に合った企業を選んだ人であれば、まずは3年続けた方がいいと思ってます。
そういう人は、強い目的意識や成長の意志もあるでしょうので、よっぽどブラックでうつ病・過労死寸前でもなければ、満年以上続けておくだけでも経歴上のプラスになるので、転職を考えるのは20代中盤でひと通り今の仕事がこなせるようになってからでも遅くはないでしょう。
逆に「就活の苦しみから逃れたくて、適当に内定先決めちゃった…」「ロクに調べもせず入社しちゃった…」という”地に足の着かない人”であれば、転職しても問題ないと思います。
というのも「もうこんな会社嫌だ…」「この会社から学ぶことは、もうない」みたいな心理状態で仕事を続けても、大して成長できないし、得られるものもないからです。
「七五三の法則」という言葉もある通り、大卒3割、高卒5割、中卒7割の割合で、3年以内に離職する統計結果も出ているので、別に辞めること自体は珍しくもありませんし、企業側も想定済です。
…まあ、このあたりは本当にその人自身の考え方や性格の問題なので、自分自身で考えることも大事ですし、色んな人に相談するのも手です。
高学歴第二新卒が学歴を無駄にしないための転職方法とは?
では最後に、高学歴第二新卒が学歴を無駄にしないための、具体的な方法をご紹介していきます。
単刀直入に言うと、大手の人材サービス会社を利用するだけでOKです。
とくに国内人材業界で主流の「転職エージェント」を使えば、まず高学歴の第二新卒層は、優先的にサポートもしてもらえます。
これは単純に、転職エージェント側が面談に呼ぶ人材を機械的にステータスで判断しているからであり、大手ほどその傾向が強くなります。
たとえば「自分と同じような規模の会社で、同じような業務経験をしている人材」がいたとすれば、そこで書類ステータス上で差をつけるのは「学歴」だけになります。
なので、人材サービス会社の登録段階、およびに書類選考段階では、学歴が高い方が相対的に有利です。
なぜなら、書類・データ上のステータスでは、その人の性格や人柄、能力など判断できませんから。
もちろん、面接で採用されるかどうかはまったくの別軸になってきますが、チャンスが多くなる点では、やっぱり高学歴優位なのは事実でしょう。
転職エージェントの利用は必須
…というわけで、高学歴第二新卒が学歴を無駄にしないためには、転職エージェントの利用はほぼ必須です。
とくに大手は全部使っておいたほうが、いいでしょう。
「学歴フィルター」という問題もありますが、大手ほど事務的に求人を抽出する傾向にあるので、学歴や資格が評価基準になりやすいです(単純に登録者が多いので、効率の問題で)。
また、学歴が評価されているかどうかの確認だけであれば、まずは「リクナビNEXT」でスカウト・オファーの求人傾向を見ておくのも手でしょう。また「doda」はエージェント制+スカウト機能と総合転職情報サイトとして幅広い機能が搭載されているので、登録するに越したことはないです。
また、専門性や技術が大事になる理系卒であれば、製造業界の人材派遣業の老舗の手がける「メイテックネクスト」もあります。
既卒・第二新卒向けの就職支援サービスも併用しておこう
こっちの方は逆に、地道な営業活動や会社のコネ、あるいは人柄・人間性重視の小さな人材会社は、相対的に学歴が重視されにくくなる傾向にあります。
事業者によっては”小規模な人柄・人間性重視の会社を中心に紹介”という方針で差別化しているあたりからも、推察できます。
ですので、利用者層としては「学歴よりも、人柄・人間性重視で採用されたい」「学歴の過大評価が重い…」「大企業の融通が利かない、個性も必要とされない社風にうんざり…」みたいな人は、併用しておく価値ありです。
面談に時間をかけてくれ、自社自体が若手中心のベンチャーである人材サービス会社「ウズキャリ」など、既卒・第二新卒層向けの人材会社も増えてきているので、要チェックです。
まとめ:高学歴第二新卒は慎重に転職活動しておくこと!
ネットでは「3年以内に辞めるべきか?」「学歴は重要か?」みたいな論争で極論ばかりが飛び交ってます。
…が、当記事でもちらほら説明している通り、俯瞰して客観的に見極めると、おおよそ以下の感じです。
- 3年以内に辞めても問題はないが、続けたほうが一般的には得(ただし、ちゃんと妥協せずに選んだ会社に限った話)
- 学歴自体は、人材会社の登録情報・書類選考の基準として評価される(効率面の問題で)
- とくに実務経験の差のつかない第二新卒層のうちは、相対的に学歴の比重が大きい
- ただし、面談や実際の採用では「人柄や性格重視」「能力重視」という価値観になるので、学歴を過信するのは禁物
まあ、筆者自身は新卒採用逃した層ですので、今思えば「しっかり就職して3年間働いておけば良かった…」と思うこともありますし、逆に「ブラック企業で心身すり減らすぐらいなら、別にニート・フリーターでも良かった」とも思いますので、実際問題は「どっちでもいい」のです。
もちろん「高学歴でそこそこの会社に入社したから、経歴を無駄にしないためにもしっかりとしたい転職先を見つけたい」と思っている方は、当記事を参考にしてある程度プライドも持っておいていいと思います。
逆に「高学歴というステータスが重い…」という方は、既卒・第二新卒向けのサービスを使ってみて、人柄・人間性重視の転職先を見つけてみるのもアリです。
そういった点も踏まえ、ぜひとも自分に合った、後悔のない転職を実現させてみてください。
就職支援サービスを使っておく
ここまで解説したように、就職活動時に重視された「学歴」というステータスは、卒業後に時間の経過とともに価値の落ちていくものです。
一方で「学歴そのもの」でなく「その学歴を取得するまでに培ってきた基礎教養」「有名大学を卒業するまで耐え抜いてきた根性や気力」といった素養は、就職・転職先選びにおいても評価される要素となり得ます。
そのためのサポートを行ってくれるのが20代向けの就職支援サービスでプロに相談することです。

20代向けの就職支援サービス?
怪しくない?ブラックばかりじゃない?
このように思われる方も多いでしょうから、20代向けの就職支援サービスが成り立つ理由について少しだけ解説させてください。
職歴なしは卒業後3年以内なら「既卒」と呼ばれます。既卒は人材市場では「若いという理由だけで価値がある人材」として需要があります。卒業後3年が経過していても、20代までは未経験職への就職をサポートしている業者は数多く存在します。
これは企業目線で考えた際にも、若手向けの人材紹介サービス経由で採用するメリットが大きいからです。
「企業は完璧な採用ができる!」と思いがちですが、実際にはそうではありません。
企業からすれば、若手の採用の際に判断ポイントとなるのが「すぐに辞めないかどうか?」「社内で問題を起こさないか?」といった点です。「職歴なしかどうか?」「経歴が足りない」「能力がない」といった要素は、実はさほど見られてません。
「採用ノウハウがなく求人を出しても人がこない」
「応募が来ても自社に合うかどうか見抜けない」
「誰でもOKな無料求人で募集したら変な人まで来て面接の負担が増える」
「すぐ辞める社員やモンスター社員の採用だけは避けたい」
こういった悩みを抱える企業の代わりに、就職支援サービスを運営する会社が採用や面接の負担を背負っている…という構図になるわけです。
ここまで説明すれば勘の良い方はお気づきかもしれませんが、就職支援サービスを利用すること自体が「採用企業の代わりに人材の選考や教育を行う=就職支援サービスのサポートをちゃんと受ければまともな職に就ける」ということになります。
自分一人で就職活動する場合に、ゼロから「求人探し→履歴書作成→面接対策」しなければならない負担を、就職支援サービスが代わりにしてくれるというわけです。その証拠に、ほとんどの就職支援サービスでは「履歴書なしで面接可能」となっています。

「自分一人で就職活動しなきゃ…」と思ってたけど
そんなことしない方が実は効率的だった…!?
企業目線で見た場合も、無料求人で「誰でも応募できる」状態にするよりは、実績のある就職支援サービスを経由して人を雇った方が「すぐ辞める人材や問題社員を採用するリスクを減らせる」というメリットがあります。
ですので、採用に慎重で「いい人ほどを雇いたい」という優良企業ほど、実は表に求人を出さず、就職支援サービスを経由して人を雇おうとするわけです。

今までハローワークや無料求人サイトで
条件の良くない求人ばかり見ていた時間が
無駄だったかも…
とくに最近の就職支援サービスの中には、学歴の高い人材向けの求人も保有していたり、いわゆる「ポスドク」と呼ばれる研究職に関する事情への理解のある担当者もいるため、高い学歴を正統に評価してもらって自分の才能を活かせる企業を紹介してもらえることもあります。
この記事に訪れた「仕事の探し方がわからない…」という人ほど、就職支援サービスに相談した方が間違いのない仕事選びができるはずなので、この機会にチェックしてみてください。