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リクルート出身者がうざいと感じる本質。知れば知るほど面白い会社リクルートが私たちに伝えたかったことを読み解く

ネットの評価を見てみると「元リクルート社員がうざい」「リクルートという会社が諸悪の根源」という声をしばしば見かけます。

私自身、間接的にリクルート社から広告費を得ていた経験があるので、あの会社には複雑な感情を抱いています。

そして、リクルートという会社を知れば知るほど、好きになれる部分とそうでない部分が混在していて、どちらにしても「面白い会社だな」と思わされる、そんな不思議な会社です。

「嫌い」「うざい」というマイナス感情を掘り下げることで見えてくる物も数多くあるので、この記事ではあえてリクルートに徹底的に批判的な立場を取りながら、リクルートという会社の正体、あるいは元社員の価値観を探っていきます。

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リクルート出身者がうざがられる理由

当サイトでは人材業界の広告を扱っている手前、業界No.1企業リクルートもだいぶ研究しております。

その上で「ビジネスは上手い、儲かる理由もわかる」という部分もあれば「クソだな…」と感じる部分も多々あります。

で、なぜこんなにもリクルートという会社やサービス、あるいは同社の出身者が生理的に受け付けないか考えてみた結果、色んな物が見えてきました。

リクルート特有の「起業家精神」が他所ではありがた迷惑

リクルートの企業分析本や紹介本を読んでると、決まって出てくるのが「起業家精神」という独特の社風です。

どういうことかというと、従業員一人一人が「圧倒的当事者意識を持て「うちの会社から独立するヤツが優秀だ」みたいな企業文化が代々受け継がれているということです。

筆者自身、現在はフリーランスとして事業主の立場なのでこの考え自体には共感できる部分もありますが、一方で「一般的な働き方をしている社員からすればうざがられるだろうな…」とも思います。

変革を促す声はどこの現場でも疎まれる

というのも、私自身、今はコンサルタントとして「他の会社に変化を促す仕事」をしてますが、これはかなり慎重に進めないとまず間違いなく現場からの反感の声をもらう結果になるからです。

たとえば、以下のような形で疎まれます。

  • 昔からこうやってきたんだ:既存のやり方を変えること自体がリスクと捉えられ「なぜ変えなければいけないのか?」 という抵抗に遭う
  • 現場を知らない人間に言われたくない:変革の必要性を伝える前に 「お前、何もわかってないだろ?」 という空気ができる
  • そんな時間はない:日々の業務に追われ「目の前の仕事を回すので精一杯」 という状況の前に改革案など出されるだけうざい

記事の主題にある通り「リクルート出身者がうざい」と感じるケースの原因の大半は、このような「こちらの都合を理解する前から意識の高さだけ押し付けられても…」という”無理解さ”が根本原因にあるのだと思います。

ポジティブマインドの押しつけは苦労してる身からすれば理想論でしかない

リクルート社員のように当事者意識が高い人がプロジェクトに入ってきた当初にあるある話なんですが「自分が前の会社で影響された理念や考え方」「誰もが自発的に動くべき」みたいなポジティブマインドの布教活動から始める方々、よく見かけます。

そんなもん、大半の現場の人間からすれば「それが何の役に立つの?」「お前の理想を聞いてるほどこっちは暇ではない」というのが本音です。

最終的には自分が受け入れられないことで喚き出す

で、だいたいこの手の「この会社も変わるべき!」みたいに言い出す輩が、周りから無視されたり、理解されないときの末路が「自分の考えを理解しないあいつが悪い」「この会社の従業員はレベルが低い」などと他責思考でゴネだして各方面にさらに疎まれる…と相場が決まっています。

「独立するのが当たり前」みたいな社風は他の会社では受け入れられないことに気づいていない

この手の元リクルート社員のトラブルで決まって言われることなのですが「それはリクルートだから通用したのであって他だと通用しない」という現実に気づかれてない方が多い印象です。

要は「リクルートという会社が優秀で自立心ある人材ばかり。しかも業界No.1で資本もノウハウも揃ってるから通用しただけ」という、言わば「自分が恵まれた環境にいただけ」ということに、他所で失敗して初めて気づくわけです。

「ビジネスが上手い」だけで実質的な能力が伴ってない

リクルートは業界No.1の売上で「ビジネスが上手い社員」が多いのは、リクルート出身者の活躍など見ても間違いないでしょう。

ただ、これを「口だけ上手い=うさんくさい」と思われる方も、大勢いらっしゃるのではないでしょうか。

ここにも、リクルートの企業文化や体質にヒントが隠されているので、紐解いていきます。

営業部隊の強さ=リクルートの強み

リクルート関係の本で決まって言われるのが営業部隊が強いということです。

リクルートの営業部隊がどう貢献してビジネスを作り上げているか、ざっくり解説すると、

  1. 営業部隊が色んな企業に飛び込み営業する
  2. 企業から聞き取りをして色んな情報を集める
  3. 集めた情報を大量のデータとして管理
  4. 集めた情報を広告誌や求人サービスとしてビジネス化する

という形になります。

代表的なもので言えば、人材サービスである「リクナビ」「リクルートエージェント」、不動産冊子「SUUMO」やグルメ・美容店舗情報冊子「ホットペッパー」、ブライダル雑誌「ゼクシィ」などです。

これらのビジネスは

  • 目立つ位置に掲載する広告料
  • 人材を紹介した際の手数料
  • サイトを仲介して利用する手数料

などを他の企業からもらう形で成立しています。

他所の情報を扱うだけで本質的な価値を生み出していない

このように、リクルートは他社の情報を集めて紹介する形で成り立つ商売どのサービスにも共通しているビジネスモデルだと言えます。

で、ここで勘がいい方はお気づきかと思うのですが、リクルート自体は何の商品も生み出しておらず、言わば「情報で稼ぐ会社」というのが本質です。

リクルート社の売上構造から見えてくる実態

これはリクルート社全体の売上構造からしても、かなり明確です。

▼リクルート社全体の部門ごとの売上割合

  • HRテクノロジー:30%
  • マッチング&ソリューション:23%
  • 人材派遣:47%

※出典:https://finance.recruit.co.jp/money/nisa/disclosure/recruit-holdings/

HRテクノロジー系の事業は「営業部隊が集めた情報をAI活用などで効率的に管理」、マッチング事業や人材派遣部門も「集めた大量の求人情報を効率良くマッチングさせる」という形でビジネスが成り立っています。

要は、リクルートという会社自体はサービスや製品を作っていないで、他所の会社のサービスや製品を紹介するというビジネスモデルだけで稼いでる…という面が嫌われる要因となっていると考えられます。

なんなら「リクルート=人材会社」「ホットペッパーやSUUMOなどの情報媒体会社」と思われてますが、実際には派遣部門の売上が全体の半分近くなので「情報メディアも提供してるだけの派遣会社」という見方すらできるぐらいです。

サービス利用者=金づるという構造から生まれる傲慢さ

それだけでなく、リクルートの業の深さは「サービス利用者=金づる」となる構造にもあると言えます。

派遣会社やエージェント系のサービスは「企業に紹介して採用される度に手数料がもらえる」という仕組みですし、ホットペッパーやゼクシィは「目立つ位置に掲載するからその分、広告料をもらう」という仕組みです。

リクルート系サービスの利用者の不満から見えてくる傲慢さの正体

リクルート系サービスで営業担当者と関わった人物に「こちらを見下したような言動をされた」「遅刻するなど誠意のない対応をされた」という声もあります。

真偽はともかくノルマを追うばかりに「相談者=金づる」としか見てない営業担当者によくある話です。

これもシンプルに「人材を企業に売り込めば売り込むほど儲かる」「売り込んだ数で自分の成績が決まる」というビジネスモデルの構造から生まれる話だと考えれば、そういう意識の社員が多数いたとしても自然なことでしょう。

リクルートの営業成績一位の正体は…

よく見かける「リクルートなんたら賞一位」の実態ですが、こうも考えられます。

求職者を適当な会社に押し込んで成績TOPだとして、その後、利用者に辞められても知らんぷりできるのでは?
ホットペッパーやSUUMOの目立つ位置の広告掲載の契約を取って、それで大して集客効果出なくても責任追及されないのでは?

実際のところはどうだか知りませんが、手段を選ばずにリクルートブランドを使って押し売り営業をすれば、上記のような成果しか出せてない人材が、リクルート退社後に威張り散らかして「こいつ大したことないんじゃ?」と思われるのも、不思議なことではないでしょう。

経歴アピールだけ上手くて中身のないヤツが鼻につく

元リクルート社員が、とくにネット上で嫌われる理由になってるのが「やたら経歴アピールだけ上手くて中身がない人物」が目立つからというのも考えられます。

しかも、リクルート表彰制度には「月間MVP」もあるので、一ヶ月間だけ頑張って表彰された経験を盛ってアピールしていると思しき人物もちらほら見かけます。

中身のないヤツほど自己アピールや実績アピールだけは上手い

色んな人とビジネスで関わるようになると「過去の経歴アピールだけはやたら上手い」「聞いてもない自己アピールで自分のすごさを示す」ような人物と、ぼちぼち出くわします。

もちろん、聞いてもない「自分すごい」アピールをしてくる時点で「あ、こいつ大して営業能力ないんだな…」とわかる人からはバレバレなのですが、本人は本気で「自分はすごい。自分と仕事するべきだ」と勘違いしているみたいです。

リクルートという会社が実績アピールするには好都合

で、リクルート特有の起業家精神と、バリバリの営業系の会社で表彰制度が豊富なことから「リクルートで表彰された自分はすごい!自分を称賛するべきだ!」みたいな輩が目立って、各方面から嫌われる…というのが、おおむねの構図かと思います。

リクルートという企業ブランド自体が嫌われる

元リクルート社員というよりも、リクルートという企業イメージ自体が人によってはあまりいい印象がないというのも、嫌われる理由になっている部分もあると思います。

戦後最大の汚職事件を起こしている

戦後最大の汚職事件「リクルート事件」を起こしていることからして、マイナスイメージで見られやすいというのが、まず一因にあると思います。

リクルート事件とは
1988年6月18日、当時リクルートグループの1社であったリクルートコスモスの未公開株が、川崎市助役に譲渡されていることが明らかになったことをきっかけに、「リクルート事件」が始まりました。東京地検特捜部は、4ルート(労働省・文部省・政界・NTT)の収賄側8人と贈賄側4人の計12人を起訴し、全員に有罪判決が確定。その後、2003年3月4日、弊社創業者に下された有罪判決をもって、長きにわたるリクルート事件の審理に幕が下ろされました。

出典:https://recruit-holdings.com/ja/about/material-foundation/background/

これに関しては、リクルート創業者の江副浩正氏も相当心を痛めていたことが、氏の晩年にも明かされているようで、必ずしもリクルートだけが悪いとは言えない事情があったとは推察できます。

リクルート事件に関しては長らく心の傷を引きずり、その多くを語ることはなかったが、2009年(平成21年)10月に告白手記『リクルート事件・江副浩正の真実』で当時の心情を初めて縷述した。

出典:江副浩正 – Wikipedia

リクルート社の広告が「マス的」でうざい

リクルート社の広告は、いわゆる「マス的」で多くの人に社名やサービス名を覚えてもらうことを重視した広告展開されることが多い印象です。

これが合わない人にとっては不快に感じることもあるかもしれません。

たとえば、2022年頃から頻繁に見かけるようになた「リクルートエージェント」のCMは、私から見ると「なんかこいつらに相談したくないな…」と思うような内容でした。※個人の感想です

画像出典https://www.r-agent.com/guide/article9999/

TVCMや動画広告は「うざいぐらいの方が多くの人の記憶に残る」と言われているため、会社名やサービス名を連呼するだけのCMであったり、芸能人が変顔をするような派手な広告が選ばれることも多いです。

そのため、リクルートの広告戦略が合わない人は「うざい広告ばかり出す会社」という企業イメージを持つこともあるでしょう。

リクルートに社会理念や貢献意識を感じない

前述のリクルート事件後、リクルート社は会社全体で意識改革を行ったり、社会貢献を意識しているようですが、社の取り組みを見ると、正直「どこが?」という印象しか覚えません。

一時期、リクルート株を保有していたこともあるので、リクルートについてはそれなりに調べたつもりですが、最近流行りの「SDGs」に関する取り組みを見ても「形だけの対応」で、事業実態とはさほど結びついてない印象にあります。

「人材会社」と謳っておきながら人材教育事業には一切参入しない儲け主義の姿勢

で、そのあたりの最大の違和感がどこにあるかというと「人材会社業界No.1でありながら、マッチングサービス事業しか提供せず、教育事業には参入しないところ」にあると、私は結論づけています。

要は、リクルート社の方針として「利益効率がいい人材マッチング事業はやるけど、自社で社員を育てる事業は絶対にやらない。他で育った社員を別企業に紹介するだけ」という断固たる意志を感じてならないのです。

私がリクルートを好きになれない理由もここに会社としての本音が詰まってるような気がしてなりません。

株主向けには、サスティナブリティを打ち出したり企業イメージを良くするための広告には巨額の予算を出すが、本当に人材に困っている会社やもっとキャリアを良くしたい人材の方を向いた事業展開をできていないと感じさせる側面が、あまりに多すぎるのです。

この記事を通して伝えたかったこと

以上のように、リクルートという会社を徹底的に調べた人間だからこそ、リクルートの良い部分も見えれば悪い部分も見えてきます。

当サイトでもリクルート社提供のサービスを扱っているため、広告費をもらってる立場ですので、通常ならリクルート社を批判するのはご法度なのでしょう。

しかし、創業者の江副浩正氏が会社に込めた信念であったり、起業家精神の真の意味を思えば思うほど、リクルートという業界No.1の会社の出身者が「うざい」と思われる現状であったり、サービス内容が事業理念と乖離して嫌われている現状が、残念に思えてなりません。

「リクルートが嫌い」な理由を深堀りすることで見えてくるものがある

なぜ、ここまで私がリクルート批判をしているかと言うと、業界No.1の売上を叩き出しているビジネスの成功企業としては認めざるを得ないし、同社の起業家精神や営業エピソードについて記された本は面白いと感じるからです。

そこから見えてくることは「自分は業界No.1企業は嫌いだし合わない」「事業理念と実態がズレてる企業にどこかうさんくささを感じて好きになれない」ということなのでしょう。

だからこそ、リクルート以外の人材サービスの営業力も見えてくる部分もありますし、当サイトを訪れた転職を考える読者にリクルート以外の選択肢を知ってほしいという熱意も湧いてきます。

皆さんが、この記事に訪れた背景は知るよしもありませんが、少なからず、良くも悪くもリクルートという会社に対するネガティブな印象や、違和感あってのことだと思います。

そして、その違和感は「自分はリクルートという会社のサービスを使うべき対象ではない」と決定づけるものであったり、あるいは元リクルート社員に感じる嫌悪感が「薄っぺらい起業家精神の欺瞞」を見抜いて警戒サインを出しているのかもしれません。

ぜひ、この記事をきっかけに単にリクルートや元社員を批判するだけでなく、リクルートという会社に対する嫌悪感や違和感から、自分のキャリアを見つめ直す手がかりとしてみてください。

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