Mac(ジョブズ)信者の僕がAppleに就職できずに挫折した結果…。オレの誰にも話したくない転職体験談

オレはMac信者だ。

もっとも尊敬する人物?

もちろん、スティーブ・ジョブズ。

言わせるな、恥ずかしい。

オレがMacに惚れたのは子供の頃、親父が部屋でMacOSでクリエイティブな仕事をしていたことがきっかけだ。

オレは親父に試しにMacOSを使わせてもらった。

ガキのオレでもなんとなく使えるそのユーザビリティ、直観的に操作できるユーザーインターフェース、ただのデータをまるで現実のように錯覚させるデザイン性に当時のオレは夢中になった。

そして、親父の書斎にあったAppleの本を読んでいくうちに、オレはスティーブ・ジョブズの崇高な思想と、世をクリエイティブにして世界中のみんなを巻き込んでやろうという、ジョブズの壮大な野望に胸を焦がした。

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オレの嫌いなもの

そんなオレだが、嫌いなモノがある。

Windowsの置いてあるダッサイ場所だ。

学校にWindowsが置いてあると思わず「だっせえ」と思っていた。

授業で使うのも、もちろんWindowsだった。

だっせえデスクトップデザインと美しくない画面で、クッソだせえホームページを作らされた記憶は忘れない。

それからというもの、オレはWindowsが大嫌いになった。

Windowsが置いてあるところは、すべからくダサイ。

たとえば、家電量販店のPCコーナーがそうだ。

雑然と不揃いに並べられたWindowsのインストールされたデスクトップPCは美しくない。

そこにだっさいフォントで値段の書かれたポップが加わり、ダサイオブダサイ売り場を演出する。

こんなダサイ売り場で買い物をする奴の気が知れない。

そして、オレの怒りを際だたせるのは、そんなダサイWindowsコーナーの横に、おまけでAppleの崇高な思考のこもったプロダクト製品が埃かぶって置かれていることだ。

当時はまだ、iPhoneなど普及してなく、Apple製品はクリエイティブオタクしか買わないニッチな商品だった。

そしてオレの怒りの逆なでするかのように、だっさい壁紙とだっさいアイコンがわざとらしく映し出されている。

オレはここで、ディスプレイの仕方ひとつで商品が死ぬことを、若干14歳で知った。

Windowsに囲まれた暗い学生生活

オレは高校はデザイン科に進学した。

なぜならAppleのPCが置いてあるからだ。

しかし、オレの期待は裏切られた。

AppleのPCは講師が使う一台のみで、他はWindowsしか置いてなかったのだ。

(ふざけるな!何がデザイン科だ!Appleの置いてない教室でデザイン教えるなんて説得力ねえだろ!)

オレはWindowsのだっさい画面でAdobeのアプリケーションを起動させ、WindowsのダッサイUIデザインと17インチのクッソ狭い画面で、クソダサイデザイン制作をしながら暗い3年間を過ごした。

何より、最悪だったのが、生徒全員ほぼWindows信者だったこと。

オレがMacOSとAppleの素晴らしさを学校内で解いても、

「パソコンとか動けばなんでもいいだろ」
「世の中9割以上の仕事がWindows使ってるし…」
「え?Windowsかわいいじゃん?」
「は?あんた誰?」

など、Windowsを頭にインストールしたようなつまらない奴ばっかり。

オレはApple信者のオタク仲間にさえ恵まれない、暗い学校生活を送るしかなかったので。

Appleに囲まれた華やかな専門学校生活

オレは東京の専門学校のデザイン科に入学することになった。

親父から入学祝いに買ってもらったMacbookを片手に、東京に殴り込みに行く気分で飛行機に乗った。

入学するとオレは速攻でAppleの布教にとりかかった。

当時は、まだiPhoneが普及していなかった。

せいぜい、iPodを使っているミーハーがいた程度だった。

若干18歳でMacbookを優雅に使いこなすオレはたちまち、注目を集めた。

「かっこいいな」
「オレもMacbook買いたいんだけど、どれがいいの?」
「おすすめのアプリケーションある?」
「おすすめのショートカットキー教えて」

オレは初めて人生でわかりあえる仲間を手に入れた。

Apple信者のMac伝道師として、オレの学科内での地位は揺るぎないものとなった。

最高の学校生活だった。

就職先はもちろんApple

就活が始まると、オレはもちろんApple関連会社にだけ応募した。

オレにApple以外に務めるなんて選択肢は存在しなかったからだ。

それが、オレの運命であり、オレの生きる道だと確信していた。

もちろん、ここまでAppleに尽くすオレは余裕で内定もらうに決まっている。

ようやく国内でリリースされたばかりのiPhoneを優雅に使いこなしながら、オレはApple社のエントリーシートを記入して、万感の思いを込めながら送信した。

そして、数日後に自宅宛にかっこいいAppleのロゴの入った封筒が届いた。

(ふっ、Appleの封筒が届くなんて、オレは選ばれた存在の証だな)

オレは中にどんなクリエイティブな書類が入っているのだろうか、ワクワクしながら封筒を開いた。

「残念ながら、今回の面接を見送らせていただきます。今後の発展とご健勝をお祈りします」

………は?

その時、オレの心は死んだ。

オレは生きる希望も意味もなくしたのだ。

実家に帰省、地元のWeb会社でApple信者として仕事

オレは就活もロクにせずに、卒業後実家に戻った。

Apple以外に興味など、なかった。

そんなオレを見かねて、親父はオレを、知り合いのWeb会社に縁故入社させた。

Web会社では、都内から戻ってきたUターン新人として、それなりに取り扱ってもらった。

ダサイWindowsとMacOSの混ざってるダサイ職場だった。

しかし、オレはそこで仕事の基礎を学び、Windowsの良さも次第にわかっていくことになった。

「エクセルすげー!これなんでもできるじゃん!」
「Winddowsも7以降はAppleパくってきたし許してやるかww」
「なるほど、WindowsとMacでは、ここは互換がないのか。気をつけないとな」

職場ではデザインよりも、AppleオタクとしてのPC・ソフトウェア知識を活かすことが多く、プログラミングも研修で学び、Webデザインもそこそこ出来る程度には成長した。

ダサイ職場でダサイ奴らとの仕事だったが、それなりに充実していた。

しかし、入社半年後、オレの人生を変えるきっかけが起きた。

―――敬愛する、スティーブ・ジョブズの死去である。

スティーブ・ジョブズの死亡で今後の人生を考える

オレは職場でジョブズの訃報を聞いて、思わず泣いてしまった。

忙しい時期ではなかったので、その日と翌日は有給をもらって自宅で過ごした。

喪に服するオレを見て、家族もオレに何も言わなかった。

正直に言うと、オレはジョブズと一緒に仕事することが夢だった。

ジョブズに

「お前の会社はクソだ。そんなクソな会社やめて、オレのプロジェクトに参加しないか?」

と、ヘッドハンティングされる未来を夢見て生きてきたのだ。

もちろん、そんなことはありえないとわかっていた。

だが、生きている限り、ジョブズにあっと言わせる仕事が出来たかもしれない。

ジョブズは日本のプロダクト制品を鼻で笑っていたが、だからこそ見返してやりたい気持ちもあった。

そんなことを考えているうちに、オレは怒りが沸いてきた。

(ふざけるな、ジョブズ。オレが追いつく前に死にやがって!)

Appleにお祈りされて死んでいたオレの心は、蘇った。

皮肉にもジョブズが死んだことで、オレの中に眠っていたAppleへの想いがまた燃え出したのだ。

その日、オレは夢を見た。

ジョブズがオレの職場に現れ、ダッサイWindowsの機器を蹴散らし、オレの元に歩いてくる。

そして、オレにこう言った。

君を採用しなかったApple、そしてオレのいないAppleはクソだ。そのうち滅ぶ

ジョブズの体と職場のMacOSが燃え出した。

お前の手でAppleを滅ぼすんだよ!お前がAppleを越えるんだよ!

体にジョブズの炎が燃えうつった時、オレは目が醒めた。

ジョブズが手をかけていた肩の部分に、カーテンの隙間から差し込む日差しがあたっていた。

夢だったことはすぐにわかった。

しかし、オレは並々ならぬ力が体にみなぎってきた。

まるで、死んだジョブズが乗り移ったような気分だった。

そうか。

―――オレがジョブズになるんだ!

オレがスティーブ・ジョブズだ!

スティーブ・ジョブズ (吹替版)

それから、オレは常に「ジョブズだったらどうするか?」という考えを基に、仕事していくようになった。

もちろん、それは簡単なことではなかった。

ジョブズ的な意見やアイデアを通そうとなると、仕事が増えることになるし、会社での衝突も増えた。

しかし、オレはめげなかった。

なぜなら、オレの心にはいつでもジョブズがいるからだ。

迷ったり挫けた時には、心のジョブズがいつもオレを導いてくれる。

お前の会社はクソだ!まずはお前の会社と仕事を変えるんだ!

そうして、オレは会社で嫌われながらも、仕事を必死で続けた。


ある日、会社で社長と職場で唯一イケてる上司と飲みに行った。

「いやあ、君のおかげで結構うちの職場もよくなったよ」

オレは意外な一言に、驚いた。てっきり、嫌われているかと思ったからだ。

「ほら、ウチ零細でそこまでやる気のある会社じゃないじゃん?君が新しいアイデア出したり、ダサイ広告やHP集めてきて『ここにうちのデザイン売り込みましょう!』って言ってくれるおかげで、新規顧客増えてるんだよ」

Macで働く職場で唯一イケてる上司がそう言った。

「そうそう。その件でよく〇〇(上司の名前)と二人で話しあってるんだよ。どうしたらうちの現場ももっと元気になるかって」

二人はプリキュアだった。

オレは、二人はプリキュアだと思った。

こうやって密会して会社の裏話をしている二人は、職場の実権を握る、悪のプリキュアだ。

そして、その席に招かれたオレは、3人目のプリキュアなのだろう。

魔法少女は、一般人にその正体を知られてはいけないものだ。

オレの中に眠るジョブズが、プリキュアとしての才能をも覚醒させたに違いない。

「それで、最近活躍する君ともじっくり話してみたくてね」

社長が言った。

オレの頭の中で鳴っていたプリキュアのテーマソング止まり、現実に引き戻される。

「いや、オレはジョブズだったらどうするか考えて仕事してただけっス」

「お前、やっぱおもしれえなww」

上司がばか笑いしだした。

オレは本気だ。

なぜ笑われたのかはわからない。

「この会社の仕事を変えて、Appleを越えるためにやっただけですから」

社長は苦笑いしていた。

そして、間を置くと社長が言った。

「君みたいにやる気のある若い子は、もっといい職場で活躍してキャリアを積むべきだよ?うちならいつでも戻ってきていいから、東京で挑戦してきたら?」

オレは意味がわからなかった。

つまり、遠回しにやめろと言っているのか?

オレは心のジョブズに尋ねる。

(転職してAppleを越えるんだよ…!)

ジョブズがそう呟いた。

オレは心に火がついた。

そうか…。

―――オレがスティーブ・ジョブズだ!

転職活動 ~打倒アップルを胸に~

その後、オレは仕事の片手間に転職情報を集めだすことになった。

もはや、オレにAppleに対する信仰心はない。

いや、オレにとってAppleは駆逐すべき、忌まわしき敵でもあるのだ。

思えば、ジョブズ亡き後のAppleには「ジョブズならこうする」という発想がまるで欠けている。

ジョブズの築いた遺産を食いつぶすハイエナどもが、今のAppleの正体だ。

オレは転職エージェントに登録すると、面談に行った。

オレの欲求はシンプルだ。

給料は1円でもいい。Appleを越えられる職場を紹介してくれ

スティーブ・ジョブズの崇高で壮大な野望を理解しているのは、世界でただオレ1人だけなのだ。

いや、もしかしたら、まだ見ぬどこかにいるのかもしれない。

そんな奴らと出会って仕事がしたい。

エージェントは答えた。

「なるほど。給料や待遇よりもキャリアップのできる企業優先ですね。ではまずは…」

そう言うと、オレは今までの職歴や展望を聞かれた。

オレは心の中のジョブズに従い、正直に答えた。


オレは貯まっていた有給を消化し、都内で一気に面接を受けた。

そして、すごい職場と出会った。

そこはベンチャー企業だったのだが、社長のMacbookのアップルのロゴマークに×じるしで荒々しくステッカーが貼られていた。

社長と直々に一対一の面接が始まる。

オレは率直に言った。

Appleを越える仕事がしたい

「具体的には?」

オレは胸の中のジョブズに聞いて、答えた。

「まずはiOSの可能性を殺し続けるクソアプリだらけのiOSアプリ市場をあっと言わせる」

そして、オレは溜め込んだアイデアの詰まった企画書を社長に渡した。

社長は10分ぐらい黙り込んで、企画書を読み込んだ。

「いいね、やろう。君、採用」

信じられないほど軽いノリで採用が決まった。

オレはその場で社長と握手した。

後日、エージェントを通して、正式に採用通知が来た。

職場を辞めて、今オレは心の中のジョブズと共にオレの半生を記している。

いよいよ来月から新しい会社で、Appleを越えるための一歩を踏み出すことになる。

もちろん、それは困難な道になるだろう。

だからこそ、面白い。

もし、オレと同じく心のなかにスティーブ・ジョブズを宿す同士がいるのなら、転職エージェントを有効活用して、Appleを共に倒すために立ち上がってほしい。

それが、オレたちMac信者がスティーブ・ジョブズに出来る追悼なのだから。

―――オレが、そしてお前たちがスティーブ・ジョブズだ。

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