まあ「仕事を仕事」にしていると「ビジネスにおいては、問題や課題は解決しない方がいい」という問題や課題が見えてきて、時たますごい嫌になってきます。
で、自分の問題や課題は自分でどうにかできるのでいいのですが、こと「他人の問題や課題」については、ほぼ例外なく「解決しない方が総じて得」という事実が見えてきます。
私なんかはとくにMBTIですと「INTJ(たまにINTP)」という、思いっきり「問題や課題を解決したい!」という頭の使い方をするタイプなので、どうでもいいことで深刻に悩むタチです(同業者・ライターにはこのタイプ、めっちゃ多い)。
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しかしながら、現実では時間も経費も限られていますので、意図せず「問題や課題を放置したまま」なんてことは、よく起こります。
で、困ったことに「問題や課題を放置したほうが、合理的に上手くいく」みたいなケースも現実・実社会にはたくさんあるので、その辺を説明していきます。
問題や課題を解決しない方がいい具体的な理由やケース
前述の通り「あえて、問題や課題を解決しないメリット」を紹介していくので、読者各々好きに使ってください。
おそらく「その立場になって、初めてわかること」を含んでいますが、逆に言えばあらかじめ知っておけば「その立場の事情が察せられる」とも言えますので、使い方次第です。
問題や課題を指摘すると「余計な仕事が増える」「敵が増える」
問題・課題を解決しない方がいい理由、そへは堅実的かつ短期的な理由で言えば「余計な仕事が増える」「敵が増える」からです。
まあ、たとえば仕事を引き受けて「この状態でリリースしても、こういう問題が絶対起こりますよ?」などと言うと、どうなるでしょうか?
相手が「問題は起こってから対処すればいい」と冷静に判断出来るタイプならいいのですが、変にマジメなタイプですと「今すぐ修正しろ!」となるのが目に見えています。
で、上司が「責任を負いたくない責任者」であったり、役員が「じゃあ、代案出してよ」みたいな無責任な奴らですと、総じて「じゃあ、お前がやれ」としか言われません(私も立場が同じなら、まずそう言います)。
つまり、問題や課題を指摘することは「余計な仕事が増える」という結果になります。
これが、問題・課題発見が得意な批判家が嫌われる最大の原因です。
で、現実的にこの致命的な「問題や課題を放置したほうがいい」という問題に対する選択肢は以下の通り。
- 自分一人で問題・課題解決に取り組み、結果で評価してもらう
- 何度も問題・課題提起して、関係者に対して当事者意識を強める
- 問題や課題が見えていても「黙っておく」「知らんぷり」
まあ、理想で言えば「自分で問題・課題を解決して結果を出す」なのですが、残念ながらバカ真面目にそれをやると「他人に成果を横取りされる」のが常です。
で、妥協案としての「問題・課題を提起する」も、ほぼ例外なく「口だけで行動しない」とレッテル貼られて終わりです(短期的な結果しか見てない人間があまりに多いから)。
なので、最後の「問題や課題が見えていても、黙っておく・知らんぷり」が一番かしこい処世術になるのです。
私が組織人になりたくないのも、これが最大の原因です。
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問題や課題は”黙認”した方がいい
基本的に私のような批判家タイプの人間は「今ある問題点や課題を認識する能力」に関しては、ズバ抜けています。
が、率直に言えば「問題や課題は黙認した方がいい」ことが、世の中にはあまりに多すぎます。
たとえば、会社内の不正なんか「問題が生じなければOK」なのですから、黙っておくのが定石です。内部告発なんか、辞めた社員が恨みを晴らすために行うか、あるいは本当に覚悟決めて組織内で戦う意志のある強い人間ぐらいなもんです。
人間関係にしても、他人の欠点や問題点なんか、放っておいた方が互いのためです。他人の欠点や問題点を指摘するだけならともかく、それを矯正しようとなれば、それはただの「優生学思考」ですから。
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そのような事情もあるので、結局は「自分が変わる=妥協する」しか選択肢がないわけです。
で、いざ自分の想定どおりに問題や課題が被害をもたらしたとしたら「ほーら、言ったとおりじゃないか」と、ニヒルな乾いた笑いで世の中を見ておくしかありません。
問題や課題を「未然に防ぐ」は儲からないし、感謝されない
仮に「批判家が問題や課題を早期に発見して、未然に防げる能力に長けている」として、実際に問題を未然に防げたとしましょう。
問題は起こって初めて問題として認識されるので、そもそもが「仕事してない」と思われることもよくありえるのです。
ま、政治にしても経済にしても、有識者が細かい調整で奇跡のバランスを維持して世界平和が保たれているわけですが、誰も感謝もしません。政治家なんて犠牲にしているものと社会へ還元している価値を考えれば、給料だって安いぐらいです。
医者が「予防」ではなく「治療」の方に専念しているのも、そのためです。
もっとあくどい言い方をすれば「問題や課題が表面化するまでわざと放置して、そこから解決したほうが感謝されるし、ビジネスにもなる」のです。
で、正直批判家からすれば「問題や課題を作り出す」なんてことは、朝飯前です。
そうなると、わざと問題や課題を作り出すor浮き彫りにしておいて、そこで「私ならそれを解決出来ますよ^^」とセールスするという手法を取るようになります。
よく、物語でサイコパスが「問題を自作自演して、助けて感謝されて、相手に取り入る」なんて手法使ってますが、あれと同じです。
別にこれは悪ではなく「問題・課題を未然に防ぐ人間が割を食いやすいから」であって、ある側面から見れば「知識や教養がない人間が、表面上の問題の解決しか求めていない」からとも言えます。
問題や課題を解決されると利権を侵害される存在がいる
上記の問題は、総じて言えば「周りに嫌われる」だとか「社内で立ち位置を失う」程度の被害で住むので、どうでもいいです。
そんなものは、社会人として痛い目にあって経験則的に学び、人間的に成長していけばいいだけです。
…が、一番問題なのは「問題や課題を解決されると、利権を侵害されてブチ切れる連中」の存在です。
逆に言えば「わざと、問題や課題を放置して、稼いでいる存在」とも言い換えられます。
超絶わかりやすく極端なたとえを出します。
「飲めば、絶対に病気にならない薬」を開発した学者がいたとしましょう。
まず、各医療業界利権関係者に目をつけられ、立ち回り方を間違えれば消されます。
そんなもんが市場に流通すれば、医療界・薬事法利権関係者全員が、路頭に迷いますから。
「将来、AIに奪われる仕事」も、利権問題を考えれば、まずあんなに理論通りに普及することはあり得ません。
「ベーシックインカムがあるじゃないか!」との反論もあるでしょうが、エリート階級が「人は与えられるだけの存在になると、怠けるし成長しない」という悲観的な事実を経験していないわけがありません。
なので「AI」「自動化」というミスリード世論を上手く使い、正社員から非正規雇用への流れを作っているのです。
要は「成長しない人間は、意図的に下層階級に押し込めている」とも、受け取れます(非正規雇用の労働法も、雇用者・雇用主共に「抜け道」はいくらでもある)。
…ちょっと論旨が逸れていますが、要は「大人の複雑な建前と本音」を見抜けなければ、生き残れないということです。
「人間が成長しないこと(=課題や問題を解決しない)で、儲けている連中が存在する」という構造になるのが既得権益・利権問題ではありますが、同時にその業界だって性悪説ベースではなく「出来れば、自業界・自社を改革する人材に育って欲しい」というジレンマを抱えています。
…まあ、ネットでは「老害が悪い」「既得権益がクソ」とか煽っておけばアクセス数カンタンに稼げますが(老害叩きの記事)、こんなものは書いている本人が一番鼻で笑っていて、一番バカげていると思っています。
結論:問題や課題など、放置しておけばいい
まあ、上記のように考えていけば「世の中、問題や課題なんか解決しない方がいい」なんてことが、圧倒的なまでに多くあります。
むしろ「意図的に問題や課題を作り出しておいて、問題が表面化してから解決したほうが感謝されるし、金にもなる」という事実に、心底嫌気が差します。
本音で言えば、問題や課題が表面化する前に、誰にも悟られないうちに気づいて対策・行動していたこと自体に、誰かに気づいて欲しいのですが、まあこれは実社会では完全に損する考え方ですね。
結局のところ、世の中「結果を出した人間」「目立つ人間」「わかりやすいステータスや実績のある人間」の方が評価されやすいのですから。
若者であれば「自己アピールの上手い人」「努力アピールの上手い人」「向上心や野心剥き出しの人」でしょうか。
「本当に、その人間に実力や問題解決力があるのか?」なんてことは、意外なまでに「どうでもいい」のです。
なので人材採用はミスマッチが横行しますし、転職市場では経歴・実務経験などが判断基準として使われます。
ですので、私は「それ以上のもの」でしか、人を判断しません。
おそらく、これは人生経験のある人事や社会人が、例外なくそういう判断則に達するものだと思っております(ここまで考えてない奴も多いだろうけど)。
…という事情も踏まえておけば「本当に仕事で必要な能力」「本当に信頼される人間」という実像が、見えてくるのではないでしょうか。
私は上記のような点を踏まえた上で「今やっていることが完全に無駄だとわかるまで、目の前の問題や課題に取り組み続けるしかない」という結論しか見えません。