ニートには大きく分けて4種類のタイプが存在します。
- ヤンキー型
- 引きこもり型
- 立ちすくみ型(既卒)
- つまずき型(第二新卒)
これらのタイプは被ることもあるので(例:ヤンキー型+立ちすくみ型→引きこもり型+立ちすくみ型へ)、どれかひとつと決めつけずに、冷静に判断してみることも大切です。
自分の分類を確かめ、ニート脱出の糸口としてみてください。
ニートの分類
ヤンキー型
ヤンキー型ニートは、反社会的で享楽的「今が楽しければいい」というタイプの分類です。
「ヤンキー」という言葉を聞くと、典型的な金髪暴走族をイメージしがちですが、実際には「今が楽しければ将来なんてどうでもいい」「ネットやゲームで時間つぶし」なども”享楽的”な特徴です。また、ヤンキー特有の攻撃性が「2ch」「Twitter」などの炎上や社会批判などに形を変えて発揮されている面を見ると、ある意味で「ニート=現代のヤンキー」という見方もできるかもしれません。
ニートだけにとどまらず、フリーターあるいは目標意識の低い社会人にも当てはまる症状です。「社内ニート」「恋愛ニート」などの言葉も生まれていますが「目標意識が低い」「社会的に当たり前の行動をしない」などのイメージが”ニートの反社会性”を意味しているのでしょう。
「ニート」という言葉が普及した当初のイメージも、この「ヤンキー型」が主流でしたね。とくに「とくダネ!」で放送された伝説のニートである丸坊主の男性は超有名です。
2chなどでニートを知った方は「ニート=とくダネのニート」というイメージも強いのではないでしょうか?
ヤンキー型ニートは行動的!?
ちなみにヤンキー型ニートですが、最近ではネットビジネス(ブロガー、youtuberなど)で生計を立てているタイプも目立ってきています。
著名ブロガーの「イケダハヤト」氏やyoutuberの「ヒカル」氏も、ニート期間を乗り越え現代のヤンキーだと言えます。社会権威を相手に中指を立てていく姿勢は、まさに”反社会的”と言ってもいいでしょう。
また一昔前では「ネオニート」と呼ばれ、株や不動産投資はともかく、果てには動画で乞食で稼ぐタイプのニートもいました。
「ヤンキー」「反社会的」な言葉だけですと悪いイメージですが、ニートという期間を経て成り上がっていく人もいる事実を見ていると、一概には悪いこととは言えないでしょう。
引きこもり型
引きこもり型のニートは、社会との関係を築けず、自分の殻に閉じこもってしまうタイプですね。ヤンキー型と同じぐらいにニートの典型例として有名なのが、この「引きこもり型」です。
ちなみに日本神話では「アマテラス」が岩戸に引きこもって構ってちゃんアピールした話が有名です。江戸時代の鎖国時には長崎でオランダと貿易していた事例もありますね。引きこもり体質は日本人の国民性と言ってもいいでしょう。そして、その裏には「本当は引きこもりたくないんだ…」という本音も隠されています。
本音も言えないこんな世の中じゃ、たしかに引きこもってしまったほうが楽になるでしょう。
しかし、傷つくことを避けてしまうことで、得られる未来も得られなくなります。
もしあなたが引きこもりでないのであれば、それはたまたま周りの人間に恵まれていただけの話かもしれません。
引きこもり型はフタを開けてみれば「素直になれない型」「構ってちゃん」「他人に心を開けない」など、ツンデレやヤンデレこじらせためんどくさいタイプがほとんどです。しかし、さらにフタを開けてみれば、割と引きこもっていない人間もめんどくさい人ばかりです。
つまり「引きこもりだからめんどくさい性格」なのではなく「人間なんて全員めんどくせえ奴らばっかり」だというのに、引きこもっているからそんな簡単な事実にも気づけないのです。
外に出ればめんどくせえ奴らばっか、会社に入ればもう周りがめんどくさいオブめんどくさい。日本人なんて9割ぐらいが家と会社と業界か、広くてせいぜい日本列島に引きこもってる民族ですよ。
「なんで君、日本から出て生活しないの?」
「なんで君、宇宙行かないの?」
「なんで君、転職しないで今の会社に引きこもってるの?」
…こうして考えてみると、単に引きこもってる範囲が広いか狭いかの違いで、引きこもりはニート特有の問題ではないのかもしれませんね。
また、とくに引きこもっているわけではなく、実家でのんびり暮らしているだけのタイプもいます。その場合は「働く理由や就職するきっかけがない」という単純な理由だけだったりするので、しっかり就業支援してもらえれば社会復帰のチャンスは十分あるでしょう。
そして「引きこもりこじらせ型」へ…
引きこもり型ニートをこじらせると「うるせえババア!」「オレはネット起業に成功するまで部屋を出ねえぞ!」という、引くに引けなくなった人質立てこもり犯のようになっていきます。
とくにテレビで放送されネットでも話題になった、プログラム開発に夢中で引きこもり続けた40代ニートが典型例でしょう。
参考リンク:40代ニートの実態が悲惨すぎる…… 12年間引きこもり、目標は「パソコンのソフトを完成させる」
本人としては「世界を”あっ!”と言わせる」野望を胸に秘め、ビル・ゲイツやスティーブ・ジョブズになろうとしていたのでしょうが、ジョブズが引きこもりでもエンジニアでもなかった事実には気づけなかったようです。もし彼が、スティーブ・ジョブズのような人物に「お前の生活はクソだ。だがお前の仕事は最高だ」と言われていたのであれば、また違った人生が送れていたのかもしれません。
立ちすくみ型
立ちすくみ型ニートは、就職を考え込んでしまい、行き詰まってしまうタイプです。ちなみに立ちすくみ型は現在、就職・転職市場では「既卒」と分類されています。
就活生は、インターネットによる超効率的就職活動が行えるようになった一方で、あまりに膨大過ぎる情報から自分の人生を選ぶ決断を迫られる時代となりました。…実際問題、新卒のうち5割以上が最終的に離職していくので、大した決断ではないのですが、学生のうちはそんなことにも気づけません。
これは「会社なんか辞めちまっても問題ないよ」と、親や教師が安易に言えない事情もあるでしょう。そのため、慎重な学生は「自分にとってベストな会社」を選んでいくうちに、就職先が決まらずに卒業してしまうわけです。
「辞める選択肢がない」という学生特有の固定観念は、将来の選択肢を非常に狭いものへと変えてしまいます。就活失敗で自殺する学生まで出てくる事情を見ると、まさに就活を「背水の陣」と勘違いしている人も多いのでしょう。
この立ちすくみ型タイプは「やるなら軍師」の人が有名でしょう(既卒か第二新卒かは不明)。
時給の安いアルバイトが割に合わないと思い、就職に前向きになれなかった彼は「軍師になりたい」とテレビのインタビューで答えていました。
これは、知的階層(高学歴者)がニートになってしまうと、現場仕事・肉体労働を避けてしまうという典型例と見るべきでしょう。なまじ頭が良い分、先入観から抜け出せなくなるわけですね。
軍師という目標は立派ですが、軍師(現代で言えばコンサルタント業など)になるための筋書き(目標・人生設定)がまったく出来ていないところが、彼の敗因と言ってもいいでしょう。
もし彼が中学生時代に「軍師になりたい。現代には軍師のような仕事はないのか?」と大マジで教師に聞いておけば、あるいはコンサルタント業を目指せる未来があったのかもしれないことを考えると残念でなりません。しかし、軍師になるという気力さえあれば、いつでも挽回は可能です。彼の人生の采配やいかに!?
立ちすくみ型は「考えすぎるな」と言っても考える
残念ながら「考えすぎタイプ」は時間さえあれば考えてしまうため、どんどん思考の深みにハマっていくことになります。
かのニートのカリスマ哲学家「フリードリヒ・ニーチェ」も「深淵を覗く時、深淵もまた覗いているのだ」と言っていましたが、どれだけ自分の頭の中で考えても、自分の知識と経験以上の答えは導き出せないのです。闇(自分の心)を覗き続けても、光は見つかるわけがありませんからね。
そこに気づかず、考えることをやめないからこそ、ずっと立ち止まり続けるわけですね。
一番いい解決策は「ごちゃごちゃ言ってねえで、まずはやってみろ!!」「考えるな、感じろ」と考える時間を与えないことでしょう。将来の選択肢とかそんなもんは、実際に働きながら決めればいいだけの話ですからね。
就職先とかそんなくだらねえもん、サイコロとかくじ引きで決めればいいんすよ。なぜなら、入ってみるまで正解かどうかはわからないから。いえ、入社して定年退職して死ぬ間際にも「もし、あの時他の会社に入っていれば…」と一生悩み続けるハメになります。
前提に「辞めてはいけない」「長く続けなければいけない」「選択肢はベストでなければいけない」という思考があるので、完璧=理想を目指してしまうわけですね。時には自分の人生などサイコロで決めてしまう大胆さと破天荒さこそ、立ちすくみ型には必要なのではないでしょうか。
つまずき型
つまずき型は、いったんは就職したものの早々に辞め、自信を喪失してしまうタイプのニートです。就業・転職業界では「第二新卒」という分類で扱われ、新卒〜中途採用の間として、独自の需要が生まれています。
つまずき型の大きな特徴は「辞めたというトラウマ」にあると言えるでしょう。
ですが、世の中の多くの人は仕事を辞めます。厚生労働省のデータを見てみても、大学新卒3年以内の離職率はバブル期以降は3割以上と、ゆとり・最近の若者関係なく一定数辞めています
しかもだいたい職場の不満とか業界の将来性が云々、あるいは「上司が気に食わなかった」から「なんか違う」と思ったからまで。ネガティブな退職理由のオンパレードです。
つまり、本人が思ってるほど、辞めたことは大した傷じゃないのです。
しかし、その事実に気づかずに空白期間が空いてしまうと「もう今からじゃ社会復帰は無理だ…」とネガティブ思考の泥沼にハマってしまうわけですね。「つまずき型」から「泥沼型」へと転身です。
つまずいたら蹴っ飛ばせ!
つまずき型を抜け出すには、立ち上がってつまずいた原因である石や缶を蹴っ飛ばすがのごとく、つまずいた理由をさっさと蹴っ飛ばしてしまうのが一番です。
辞めた理由は「上司がクソだった」という本音を「上司があまりに厳しかったので…でも今思えば、私の態度にも問題がありました。もし、私がもっと上司へと心を開いて素直に指示を聞いておけば…」という建前で塗りたくってやりましょう。
これが出来ればあなたは一人前に「大人の階段を登る」ことができます。
ちなみに、採用先としては「辞めた理由」よりも「で?これからウチに来てどうすんの?」が100倍大事なので、ネガティブな経歴はポジティブな動機でふっ飛ばしましょう。
まとめ:ニートは型に当てはまるな!
いかがでしたでしょうか?
こうして見てみると「ニートのタイプ分類って、正直ニートじゃなくても当てはまるんじゃない?」「つれーわ、全タイプ当てはまってつれーわ」という感じですよね。
ですので、ニートのみなさんは、自分にこう言い聞かせてみてください。
うるせえぞ!勝手に型に当てはめてんじゃねえぞ!
あとは「ニートは〇〇出来ない人間だ」と言われる度に「うるせえ、やる前から無理だと決めつけてんじゃねえ!やってやろうじゃねえか!」と自分に言い聞かせましょう。
そして、実際に行動してみましょう。失敗しても何度も応募し続ければ、日本国内に421万もある会社のどこかから必ず採用されるはずです。
履歴書?志望動機?
そんなもん型に当てはめて書かず、自分の言葉で書けばいいんですよ。
「おめでとう。あなたは今”個性”を獲得しました」
もし仮にあなたが「〇〇型のニートだから自分は無理…」と考えているのであれば、それは他人の決めつけた型に、自分を当てはめようと考えているだけです。他人が作った型やイメージに自分を当てはめるから、自発的に行動できなくなるわけです。
自分自身の型は、自分でつかみ取る必要があるんです。
「ヤンキー型」はちょっと素直に大人の言うことを聞いてみる。
「引きこもり型」はちょっと外に出て活動してみる。
「立ちすくみ型」は考えずに感じるがままに行動する。
「つまじき型」は立ち上がってつまずいた理由を蹴っ飛ばす。
割とシンプルに悩みは解決できちゃいます。多分、気づいているのに踏み出せないだけなんじゃないでしょうか?
「ああ、私は引きこもり型だから引きこもろう…」と考えている人は、日本人全員引きこもり型である事実をもっと知るべきです。しかも、だいたいみんなあなたみたいにめんどくさい性格の人ばかり。
ちなみに、今回紹介した「ニートのタイプ」も、ニート経験もないナントカ評論家だかが勝手に作ったタイプ分類です。
ですので、社会にこう言ってやりましょう。
お前らなんかに、私の何がわかる!
その気持ちを仕事にぶつけて努力すれば、きっとあなたを認めてくれる会社と出会えるはずです。頑張りましょう。
ニートになってしまいそうなら就職支援サービスを使っておこう
もし、読者の方がここで紹介したような職業について正社員として安定した働きたいと考えていたり、正社員として長く続けられる仕事をもっと知りたいと思ったらなら、就職支援サービスの利用を強くオススメいたします。
というのも、いくら正社員になりやすい仕事であったとしても、正しい求人選びから応募の仕方まで知らなければ、採用されにくいことが多いからです。
また、採用企業によっては「経歴が不十分だから」「フリーター経歴があるから」という理由だけで無条件で不採用を決め込むこともあるため、今回ご紹介した職業であっても、自分の力だけで受かろうとしても不採用が続き無駄な労力を費やす結果にもなりかねません。
その点でも、就職支援サービスを活用しておくことで、
- 自分でも採用されやすい職業を厳選して紹介してもらえる
- 面倒な履歴書・職務経歴書の提出なしで面接までたどり着ける
- 就職支援サービス業者を経由することで信頼性が増し長く働ける企業へ就職しやすくなる
- 研修やスキルアップ支援を受けておくことで採用後もすぐに職場に馴染みやすい
といったメリットを受けられます。
また、採用する企業側の目線で考えた場合、経歴があることやスキルがあることよりも「長く働いてくれる信用ある人材か?が重視される要素ですので、就職支援サービスを通すことで、業者の実績や信頼を借りることになり就職が有利になります。