「前の会社の給料が低かった」
「人間関係が悪くて毎日が辛かった」
「成長できる環境じゃなかった」
と、転職理由がネガティブなことで不安を感じていませんか?
一般的には、転職の際、ネガティブな理由は避けるべきとされています。
しかし、そのネガティブな理由をうまくアレンジし、ポジティブな志望動機へと変えられたら、前職の不満を解消できる理想の職場環境を見つけ出すきっかけにもなります。
この記事では、ネガティブな転職理由を上手くポジティブに変える方法を紹介します。
ネガティブな転職理由や志望動機の例【どこまで言っても大丈夫?】
転職を考えるとき、多くの人は自身の不満や不安を素直に表現したいと感じることでしょう。しかし、面接などの場でそれをどれだけストレートに伝えていいのか、不安や迷いを感じるのは当然です。ここでは、多くの人が感じるであろうネガティブな転職理由を具体的に取り上げ、どこまで伝えるべきかのガイドラインを示します。
給料が上がらない
「毎月の給与が少なくて生活が厳しい」「頑張っても給料が上がらない」と感じることは、多くの人の不満の1つです。しかし、そのままの言葉で伝えると、単に給与重視の印象を持たれる恐れがあります。代わりに、「自分のスキルや成果を正当に評価される環境を求めています」というように、自身の成長や評価にリンクさせるとよいでしょう。
上司と合わない
上司との人間関係は職場の雰囲気を大きく左右します。直接的に「上司と合わなかった」と伝えるのは難しい場合が多いですが、「チームとのコミュニケーションを重視したい」「よりオープンなコミュニケーションを求める環境を探しています」と言い換えることで、自分の希望を伝えることができます。
組織風土や経営方針とのズレ
「会社の方針に疑問を感じる」、「組織風土が自分に合わない」と感じることもあるでしょう。その際は、「自分の価値観やビジョンを共有できる組織を求めています」と具体的に何を望んでいるのかを伝える方が好印象を持たれやすいです。
挑戦ができない
新しいことへの挑戦やキャリアアップの機会が少ないと感じる場合、「もっと成長できる場所を求めています」や「新しい挑戦を欲しています」と伝えることで、自分の向上心や意欲をアピールできます。
スキルが身につかない
専門的なスキルや知識が得られない環境に不満を感じる場合、「専門性を深めるための環境を求めています」と自分の成長意欲を強調することが大切です。
周りのレベルが低い
この理由は特にデリケートです。ストレートに伝えると、他者を評価する姿勢が強くなりがち。しかし、「もっと刺激的な環境で自分を磨きたい」という方向性で伝えると、自己成長を重視する姿勢として受け取られやすいでしょう。
転職時のコミュニケーション術:ネガティブな理由を適切に伝える方法
転職を考える際、ネガティブな理由をどう伝えればよいのか迷う人は少なくありません。しかし、正しくコミュニケーションをとることで、不満や不安も資産として活かせるのです。以下では、そのための具体的な手法を紹介します。
そもそも不満がなければ転職を考えることなどないと知っておく
「不満があるから転職を考える」この当たり前の事実を、忘れてはいけません。多くの人が何らかの不満や希望を持ちながら転職活動を行います。だからこそ、自分の感じる不満は正当であり、それを伝える権利があるのです。ただし、伝え方には工夫が必要です。
不満やネガティブな感情が、実は転職の大きな推進力となることを意識しておきましょう。表面上、ネガティブな理由を強調することは避けがちですが、その胸の内の不満こそが、真の転職活動のエネルギーとなるのです。
実は多くの人々が、ネガティブな動機や感情を、前向きな転職のモチベーションに変えています。特に、現職の不満が「もっと良くなる可能性がある」という期待に変わる瞬間、そのエネルギーは増幅します。
大手転職サイト「doda」では、ネガティブな退職理由を前向きに言い換える方法を提案しています。
ネガティブな退職理由を”前向き”に言い換える方法(dodaより抜粋)
STEP 1では「現状の不満」をリストアップし、STEP 2で「それらの不満が解消されたらどうなるか」を描いてみます。そしてSTEP 3では、「不満が解消されたとしたら、どんな働き方をしたいか」を考えます。そんな理想的な会社や職場は存在しないかもしれません。けれどもそれが、あなたが転職してまで手に入れたい姿であり、転職理由なのです。
具体的には、まず「現状の不満」を明確にし、それが解消されたらどのような状態になるのかを想像します。そして、理想的な働き方や環境を思い描くことで、そのビジョンに向かっての転職活動の方向性が明確になるのです。
要するに、ネガティブな感情を否定せず、その感情を前向きなエネルギーに変換して、新たなスタートを切ることが、成功する転職の秘訣なのです。
現職への不満を整理する
不満を持つのは自然なこと。しかし、それをそのまま口にすると、感情的であるとか、冷静な判断ができないと受け取られることがあるでしょう。まず、不満のポイントを具体的にリストアップし、それぞれの背景や原因を明確にします。これにより、自分の考えを相手に伝える際の論拠として使えるようになります。
転職活動を進める上で、不満やネガティブな感情は無視するべきものではありません。むしろ、それをきちんと整理し、適切に表現することで、新しい職場での成功を手繰り寄せることができます。
確かに、面接で以下のような話をすることは避けるべきです。
- 前職の不満や愚痴
- 上司や経営陣に対する批判
- 個人的な不安や悩み
これらの話は、面接官に不安を抱かせる要因となり、良い印象を与えることは難しいでしょう。
大手転職サイト「リクナビNEXT」でも指摘されているように、退職理由をポジティブな形で伝えることが求められています。
「ネガティブな退職理由」を「ポジティブな転職理由」に変換するには?(リクナビNEXTより抜粋)
「前職の退職理由を教えてください」──大半の面接で聞かれる定番質問だ。その際に、会社への不満を正直に話してしまう人が多いのが現状。いくら前職に不満があっても、それをそのまま伝えてしまっては、印象を悪くする恐れがある。企業は、仕事に対する前向きな気持ちを高く評価するからだ。
しかし、それを実現するためには、まずネガティブな感情や理由をしっかりと向き合い、整理する必要があります。そして、その上で「どうすればポジティブな形で伝えられるか」を考え、準備を行うのです。
ネガティブな理由をうまく活用し、それを強みとしてアピールすることができれば、他の転職希望者との差別化が図れ、より良い転職のチャンスを手にすることが可能です。
この機会に、読者の皆様もネガティブな感情や理由としっかりと向き合い、今後のキャリア構築に役立ててみてはいかがでしょうか。
会社側の問題と自身の問題は切り分けて考える
「給料が低い」「上司との関係が良くない」などの不満も、実は自分の価値観や期待とのギャップからくるものかもしれません。そのため、会社の課題と、自分の希望や価値観とのギャップを明確にすることで、具体的な改善策や求める環境を伝えやすくなります。
転職を考える際、自身と会社の双方の責任を適切に理解することは非常に重要です。不満や不満点がある場合、それが自分の責任である部分なのか、それとも会社の責任に起因するものなのかを明確にすることで、転職活動時のコミュニケーションがよりスムーズに進行します。
一般に、ネガティブな退職理由は以下のように分類されます。
自分を過度に責めてしまうタイプ:このタイプは自分に厳しく、不満や失敗をすぐに自分の責任だと感じる傾向があります。
他人や会社の責任に転嫁し過ぎるタイプ:このタイプは自己評価が高めで、周りの環境や他者を非難することが多いです。
実際には、転職の理由が全て会社の問題に起因するわけではありません。また、全てが自分の責任であるわけでもありません。客観的に、自身の経験や行動を振り返り、どの部分が自分の責任で、どの部分が会社の制度や環境に起因するのかを判断することが求められます。
例えば、ハラスメント行為を受けた経験がある場合、その行為は許されるものではありませんが、一方で、コミュニケーションの方法や対人関係のスキルにも問題があったのかを自問自答することが大切です。
ブラック企業に入社したと感じる場合、会社選びの際のリサーチ方法や情報収集の手法に問題がなかったかを振り返ることも重要です。
給与が低い、待遇が悪いと感じる場合、自身が取得したスキルや経験を適切にアピールできていたか、また業界の平均的な給与を事前に調査していたかなど、自分の行動や努力にも目を向けるべきです。
転職活動を成功させるためには、ネガティブな理由をポジティブに変換するための努力が不可欠です。そのためにも、自身の問題と会社の問題を正確に切り分け、それぞれに対する適切なアクションを考えることが必要です。
本音と建前は使い分ける
面接などの公式な場では、必ずしもすべての本音をストレートに伝える必要はありません。しかし、それを隠すだけではなく、適切に建前を使って自分の意見や希望を伝えるスキルも重要です。例えば、「給料が低い」の本音を、「もっと自分のスキルを評価してもらえる環境を求めている」という建前に変えることで、より受け入れられやすくなるでしょう。
ネガティブな退職理由をポジティブな志望動機に変えるための考え方:後ろ向きな転職を前向きな転職に
私たちが仕事のストレスや不満を感じる時、その感情をどこかで発散したくなるのは自然なことです。しかしその気持ちを適切に扱う方法を知ることは、後ろ向きな転職活動を前向きなものに転換する鍵となります。
適切な相談相手を選ぶ
仕事の愚痴や不満を吐き出す際には、聞いてくれる相手を選ぶことが肝心です。筆者も経験から言えますが、直接関わりのない第三者、例えば友人や知人に話すことで、不要な心配や過度なアドバイスを避けることができます。
実際、多くの人は仕事の愚痴や不満を話す時、「具体的な解決策」を求めているわけではありません。それよりも「話を聞いてほしい」「理解してほしい」という感情が強いのです。
もちろん、解決策を探している場合は、転職エージェントやキャリアカウンセラーのような専門家に相談するのが最良です。彼らは、具体的な転職先の提案や活動方法のアドバイスをしてくれます。
愚痴や不満を話すべき場面を分ける
仕事の愚痴や不満を話すこと自体は悪いことではありません。しかしそれを話す相手を選ばないと、自分のキャリアや職場の人間関係に悪影響を及ぼす可能性があります。逆に、適切な相手に自分の感情を共有することで、ストレスを軽減し、新しい視点や意見を得ることができるかもしれません。
最後に、ネガティブな退職理由や仕事の不満を話すことは「タブー」というわけではありません。ただ、それを共有する相手は慎重に選ぶべきです。後ろ向きな転職活動を前向きに変えるための第一歩として、自分の感情を適切に扱う方法を知ることが大切です。
ネガティブな理由を払拭して理想の転職先を見つけ出すコツ
働いている中で、多くの方が「この会社にはもういたくない」という強いネガティブな感情を抱くことがあります。その理由は様々。しかし、このネガティブな感情を払拭し、理想の転職先を見つけ出すにはどうすればよいのでしょうか?
今の職場にどのように不満や退職理由を伝え関係を断つか想定しておく
「今の職場に不満があるから辞めたい」と感じるのは自然なこと。しかし、その気持ちをどのように伝えるかは、今後のキャリアに大きな影響を及ぼす可能性があります。いきなり感情的になって「ここは嫌だ!」と言ってしまうと、後々の人間関係にも影響が出ることが考えられます。
転職の際、特に在職中の方が悩むのは「どれだけの理由を現職場に伝えるべきか」という問題です。明確に言うと、深いネガティブな感情や不満をそのまま伝える必要はありません。以下の理由で、ネガティブな退職理由を詳しく伝えることには慎重であるべきです。
- 感情より事実:退職する理由を淡々と伝えることで、双方が冷静に事を進めることができる。
- 余計な情報は避ける:具体的な不満を伝えると、引き留められる可能性や不快な場面が増えるリスクがある。
- 禍根を残さずに:感情的な決別よりも、スムーズな退職を心掛けることで、今後のキャリアや人間関係に悪影響を及ぼすことを避けられる。
実際、怒りや不満をそのまま伝えると、以下のような不都合が考えられます。
- 退職の申し出が認められない
- 退職までの期間中に嫌がらせや差別を受ける
- 退職後も噂や悪評が立つ可能性がある
このような事態を避け、自らのキャリアを守るためにも、ネガティブな本音を隠して建前を使い分ける技術は重要です。ただし、それは「嘘をつく」という意味ではありません。真実を適切に伝える方法として、必要な情報のみを伝え、余計な感情や詳細を省くことが求められます。
冷静に退職の意向を伝え、理由も具体的に伝えることが重要です。例えば、「新しいスキルを習得したい」とか、「もっと大きなプロジェクトに挑戦したい」といった、前向きな理由を強調することで、円滑に退職を進めることができるでしょう。
不満を解消できる職場環境が現実的かどうか把握しておく
新しい転職先を選ぶ際、理想と現実のギャップがあると、再び不満を抱えることになるかもしれません。そのため、不満を解消できる職場環境が現実的に存在するのか、事前にしっかりとリサーチしておくことが必要です。
例えば、あなたが「もっとフレックスタイム制度が整っている会社で働きたい」と思っているなら、実際にそういった制度を採用している企業があるのか、その制度を利用して働いている人の声を聞いてみることで、理想と現実のギャップを埋める手助けとなります。
ネガティブな退職理由を転職活動に活かしたいなら転職エージェントに相談しておこう
もしこの記事を読んでみて、それでもネガティブな退職理由をどうするべきかがわからないで悩んでいるなら、まずは「転職エージェント」でプロのキャリアアドバイザーに相談してみることをオススメします。
面接時にネガティブな退職理由や今の職場の不満や愚痴を話すのはNGかもしれませんが、転職エージェントは仲介役となるので、ある程度の本音は話してしまってもOKです。
事実、転職エージェントでは「キャリアカウンセリング」と呼ばれる相談も無料で受けられるので、今の職場の不満やネガティブな退職理由について話してみるだけでも、心が楽になったり、転職活動に前向きになるきっかけになるはずです。
ネガティブな退職理由をどこまで言うべきか悩んでいて、中々退職も転職も進まないでいる方は、ぜひとも一度転職エージェントに相談してみてください。