「デザイナーだけど自分にセンスがないと感じる…」
「クリエイターとして働いてるけど自信が持てない…」
「デザインセンスが悪い…」
このようにお悩みでありませんか?
センスとは「感性」「才能」とも訳され「何をもってセンスがあるか?」を判断するのは人によって様々です。
一概にすべてのデザイナーが高いセンスを求められるというと、決してそうとも言い切れません。
たとえば、ディスカウントストア用のチラシやPOPでは「ダサいデザインの方が合う」ということもありますし、無印良品のような「没個性」の方がかえって洗練された印象を与えることもあります。
一方で、化粧品やブランド品に関するデザインなら「高い美意識」を求められることもありますし、家具や車などのプロダクトデザインなら「機能性」を求められることとなります。
このように、一言で「センス」といっても、手がける制作物や使用シーンによって、その最適な答えは様々です。
ですので、もし読者がデザイナーやクリエイターとして「自分にセンスがない…」と感じているなら、それは自分の感性や今求められている役割を十分に理解できていないだけかもしれません。
そこで当記事では、センスがないと悩むデザイナーやクリエイターに向けて、自分自身のセンスを見直したり高めるためのヒントをご紹介していきます。
デザイナーとしてセンスがないと感じる瞬間は?
多くのクリエイターが通る「自分にセンスがない…」と挫折や劣等感を味わう瞬間について、解説していきます。
頭の中のイメージと仕上がった制作物にギャップがある時
デザイナーが自己嫌悪に陥る要因として「理想と現実のギャップ」があります。
自分の頭の中に思い描いたイメージと、実際に仕上がった制作物とでギャップを感じ、何度もアイデアを破棄したり、修正を重ねるような経験は、クリエイターなら誰もが通る道です。
しかし、これは裏を返せば「自分の中の完成像があり向上心が高い」ことの現れとも言えます。
少なからず、自分の制作物が仕事で明らかに使えないレベルでもない限りは、過度に気にする必要はないでしょう。
既存のデザインと自分を比べて才能の差を感じる時
他人の優れたデザイン作品を見たり、成功したデザイナーの作品を見ることで、
「自分にはあのレベルは無理だ…」
「自分が作りたかったものを先にやられた…」
と圧倒的挫折感や才能の差を感じることがあります。
そうでなくても、職場の同僚や先輩でスラスラと良いアイデアを出せるような人物と仕事する機会があり、そこで才能の差を感じることもあるかもしれません。
もし、そういった理由で自信を失くしているなら、それは「その領域に至るまでの膨大な努力や試行錯誤」があったのかもしれません。
また、他人と自分と比べることができるなら「客観的に他人の力量と自分の力量を比較できる」わけですし、冷静に観察や分析することで「実は自分の方が優れている部分」も発見できるチャンスでもあります。
才能の差を感じたときは、学びと成長の機会だと前向きに捉えるべきでしょう。
会社の上司やクライアントから良い反応が得られない時
クリエイティブな仕事によくあるのが「誰からも反応がもらえない」という悩みです。
それも仕事となると、問題がなければ無言のまま納品が終わり、問題がある時だけ批判される…というのが日常茶飯時です。
また、クリエイター職の暗黙の了解として「作品で語れ」「クライアントの要望を察して作れ」という雰囲気もあるので、ますます、作品に対する評価が得られていないと感じる機会が多くあるかもしれません。
さらに、社内で分業体制が進んでいると、営業が取ってきた仕事をワケもわからない状態から手探りでデザイン制作し、何度も修正要求されたり、最終的な制作物も微妙に終わり、しかも実際の制作物がどこでどのように使われてるかすらわかないまま…といったこともあります。
もし思い当たる場合、それは営業担当者やディレクターがクライアントと必要なコミュニケーションを行っていない」「自分自身が作業者としての役割しか求められていない」など、デザイナーが正当にフィードバックをもらえないのが当たり前の職場環境になっている可能性があります。
今後のキャリアを考えても、クライアントと直接やりとりができない社内環境やクライアント要望が適切にデザイナーの元に届かない職場は、デザイナーとしての顧客対応スキルもクライアント要望を反映したデザインスキルも上がりにくいので、転職を考えておく必要があるかもしれません。
デザイナーがセンスを磨くために行うべきこと
カラーコーディネートやレイアウトなどの基礎を学び直す
専門学校や芸大に通った方ならともかく、最近ではWEBデザイナーとしてhtml/CSSなどの最低限のコードスキルだけ身につけてデザイナーになる方も多いかと思います。
その場合、色彩知識を活かした「カラーコーディネート」や、配置に関する「レイアウトデザイン」といった、デザインをよく見せるための基礎ができていないことがあります。
ですので、学生時代にデザインに関する基礎を学んだ人なら教科書を読み直したり、再学習がてら本を買ったり資格取得を行うなどしてみるといいでしょう。
たとえば、色彩に関する資格なら「カラーコーディネーター検定」があります。
レイアウトに関しては資格検定はありませんが、王道パターンやテンプレートパターンの資料やデータなどが無料配布されていたり、レイアウトデザイン集が市販されているので、参考にしてみるといいでしょう。
タイポグラフィやキャッチコピーを学ぶ
文字に関するデザインを「タイポグラフィ」と呼び、広告に使う文言を決めることを「キャッチコピー」と呼びます。
WEB広告バナーなど、文字を頻繁に使うデザイナーならタイポグラフィは履修しておきたい項目ですし、広告文言も自分で考える必要があるならキャッチコピーセンスも磨いておきたいです。
また、単純に「使えるフォントの幅を広げておく」というのも、文字デザイン面で他より有利になるためのシンプルな方法です。
フォントは無料フォントが大量配布されていることもあれば、無料フォントをパッケージ化して付録化された書籍も販売されています。
また、有償フォントなら「モリサワフォント」「ダイナフォント」といった、多くの有名企業の文字デザインで使用されているフォントもあるので、こういった選択肢を知っておくことでデザインの幅が広がります。
アイデア出しや実制作のための引き出しを増やす
センスがあるかどうかはともかく、プロとして「それっぽい成果物」が作れるかは「どれだけアイデアの引き出しが多いか?」が問われます。
たとえば、背景素材として「パターン」や「テクスチャ」を大量に引き出しとして持っておくだけでも、同じIllustratorやPhotoshopを使っている者同士でも差が出るものです。
また、多くのデザイン業務で使われているAdobeソフトの使い方や機能のレパートリーを増やすためにも、定期的にソフトのテクニックを磨いたり、仕様を把握しておくのもいいでしょう。
UI/UXについて学ぶ
UIとは「User Interface(ユーザーインターフェイス)」の略称、UXとは「User Experience(ユーザーエクスペリエンス)」の略称です。
UIの目的は、ユーザーがシステムやアプリケーションを簡単に使え、直感的に操作できるようにすることです。ユーザーフレンドリーなUIは「使いやすさ」「直感的」「一貫性」「効率性」などに基づいて設計されます。
とくにWEBデザイナーの区分として「UIデザイナー」「UXデザイナー」と呼ばれる概念が出てくるほど、UI/UXは近年では重視されている要素です。
UX(ユーザーエクスペリエンス)は、ユーザーが製品やサービスを使用する際の総合的な体験や感情を左右する要素です。UXデザインは見た目や操作性に関することだけでなく、ユーザーが持つ感情や心理的な要素も考慮に入れてデザインされます。
優れたUXデザインは顧客満足度を生み出し、ビジネスの成功にもつながるものとして考えられ、近年、非常に重要なテーマとして注目されています。
WEBデザイナーとしてセンス不足を感じているなら、最近のビジネストレンドを踏まえても、UI/UXに対する理解はキャリアに大きなプラスになるのは間違いなほど重要な概念なので、学んでおいて損はないでしょう。
プレゼンテーション能力や顧客対応能力を高める
デザイナーの中でも、クライアントへの対応を頻繁に行うことが多かったり、ビジネス資料のデザインを手がけることが多いなら、プレゼンテーション能力や顧客対応能力などのビジネスコミュニケーションスキルを高めておくといいでしょう。
とくに、一般職でもプレゼン資料の制作を行うことが多い「営業職」「コンサルタント」に対し、デザイナーとしてプレゼン資料制作スキルで連携することができれば、ビジネスにおいて大きな相乗効果をもたらせる可能性が上がります。
また、自分自身が制作したデザインのプレゼンを行う際にも、プレゼンテーションスキルを底上げすることは効果的にデザインをアピールする上で身につけておきたいスキルです。
マーケティングや広告について学ぶ
デザイナーによって制作されたデザインは「ただ見栄えがいいだけ」でなく広告に使用されたりマーケティング的なメッセージが込められることが大半です。
よって、デザインがどのように使用されどのような目的を持つかを理解するためにも、マーケティングや広告についても学んでおくことも、デザイナーとしてのセンスを底上げする手段です。
たとえば、マーケティングでは「ブランディング」の一環として、企業カラーやロゴイメージが統一されることがあります。
そのようなブランディングに関するデザイン業務に関わる際、クライアント企業のマーケティング戦略を理解できるかどうかで、出せるデザイン案の質もレベルも変わってくるものです。
ディレクション・マネジメント志向を身につける
ディレクションとは、プロジェクトやチームの目標を達成するために計画や指示を考える役割を指します。デザイナーの場合「アートディレクター」、WEBデザイナーであれば「WEBディレクター」など、管理職相当の役職となります。
マネジメントも似たような意味を持ちますが、こちらは「経営に関する管理スキル」と、よりビジネス思考が強い役割を求められるニュアンスが強いです。
デザイナーの中でも、インハウスデザイナーとして一般業務や顧客対応能力も身についたり、勤務経歴が長くなりデザイン業務以外に時間を割くことが多くなったら、ディレクターとしてマネジメントスキルを身につける判断も求められます。
あえて「自分自身はデザイナーとしてセンスを求めない」という選択も必要となるのです。
この方向性になると「自分ではなく他人にセンスを発揮させる」という視点が必要になってくるので、一デザイナーとして伸び悩んでいるなら、ディレクターレベルに昇進するキャリア段階に来ている可能性を考慮しておきましょう。
デザイナーがセンスを活かせる仕事をするには?
どんなにセンスや才能のあるデザイナーであっても、そもそもが「今の職場でセンスを求められていない」「求められている制作物とギャップがある」という状態では、センスが思うように発揮できません。
ですので、センスを活かしたいなら「自分のセンスが発揮できる職場」や「自分の才能を伸ばせる職場」を選ぶことも重要です。
ここからは、デザイナーがより自分のセンスを伸ばせる職場を見つけるためのヒントを解説していくので、今の職場環境が本当に自分に合っているかを見直す機会にしてみてください。
自分の求めるセンスを発揮できる職場環境で仕事をする
どんなに素質があるデザイナーでも、クライアントが求めるデザインの方向性と自分のやりたいことがズレていたり、そもそもクライアント要望がしっかり届かない職場では、センスの磨きようがありません。
たとえば、応用力の高いオールラウンダーなら、クライアントと密接なコミュニケーションを重ねて相手に合わせた提案ができる環境の方がセンスを伸ばしやすいかもしれません。
あるいは、美意識の高いデザイナーならブランド思考の強いクライアントと仕事した方がセンスを発揮しやすいですし、感受性豊かなデザイナーなら情緒的なデザインが求められる職場環境の方がセンスを活かしやすいでしょう。
このように「自分の職場は本当に自分のセンスを発揮できる環境か?」と見直すことは、デザイナーとしての自信を持つと同時に、将来活躍するために重要なことです。
逆に、一番最悪なのが「無難なテンプレみたいなデザインの仕事ばかりさせられる」「クライアント要望がしっかり届かないので修正ばかりでいつも微妙な仕上がりになる」といった職場で働き続ける事態になることです。
そういった職場でのデザインの仕事は、せいぜい「なんかいい感じのものができればいい」としか考えてなく、デザインの可能性や目的を理解していないため、センスが磨かれようもありませんし、働き続けても自信を失くす結果になるだけです。
自分の強み・弱みを理解しておく
自分の強みや弱みを理解する、いわゆる「自己分析」を行うことも、自身のセンスを発見して伸ばすために重要な取り組みです。
ただ、自己分析を的確に行うには時間がかかりますし、的確な評価を行ってくれる相手もいるため、1人で考え込んでも難しめです。
なので、コツとして「自分がとくに興味関心を持って取り組んだ仕事」と「自分がデザイナーとして行った仕事の領域が転職市場でどのような職種やスキルで呼ばれているか?」を意識してみましょう。
たとえば、先ほど紹介したセンスを磨く方法の中でも「色選びに自信がある」という人はカラーコーディネーターとしての適性が高く徹底して色を追求するデザインの仕事が向いてると言えますし、「タイポグラフィに興味がある」ならコピーライターと組んで仕事することで真価を発揮しやすくなるかもしれません。
UI/UX面に関心があるなら、アプリ開発段階からデザインに関われるプロジェクトに参加することで、今までのデザイン経験を活かせるチャンスです。
こういった「何が得意でどう活かすか?」は、自分自身のスキルの把握はもちろん、世の中にどんな仕事があって転職市場にどんな求人が出回っているかがわからないと想像もできないことです。
なので、自分自身のスキルの把握と転職市場での求人情報の把握を定期的に行うことで、自分の適職を見つけ出しましょう。
定期的な作品整理やポートフォリオ制作で自分の成長を客観視する
デザイナー関わらず、日々の仕事が忙しすぎて振り返る余裕もないと、自分の成長を実感できないまま月日が過ぎてしまいがちです。
たとえるなら、毎日筋トレやランニングして身体が成長しているにも関わらず、鏡を見る習慣がないので、身体の成長に気づかないようなものです。
そういった意味でも、自分自身の過去の作品を整理したり、整理した上でポートフォリオ作成しておくことは、自分の成長を実感できる上に、転職したくなった時にスムーズに動ける準備にもなります。
デザイナーを採用する企業側の意図を理解する
デザイナー関わらず、人材というものは企業側の求める人物像や採用意図に沿って成長していくものです。
良い上司に期待されて入社したのであれば期待に応えようとして育ちますし、とくに期待もされないで事務的に入社した社員は事務的な仕事しか振られません。
デザイナーのようなクリエイティブな仕事は「それらしい制作物だけ仕上げてくれればなんでもいい」という会社と「こだわりを実現するために相応しい会社やクリエイターに仕事を振りたい」という会社では、磨かれる能力も求められるスキルも異なります。
前者は「ただ技術さえあればいい作業者」としてしか見られていませんが、後者は「自分たちの要望やイメージを形にしてくれるパートナー」を求めています。
極論、センスを求めていない会社・クライアントとの仕事では、どれだけ努力したところでセンスは磨かれないものです。
ですから、デザイナーとしてセンスがないと悩んでいたり、自信がないのであれば、そもそもの「今の会社ではデザイナーとしてのセンスを求められているのか?」から見直してみる必要もあるでしょう。
クリエイター向けの転職エージェントに相談してキャリアを見直す
今回ご紹介したいことを踏まえ、センスがないと感じる原因が今の会社環境にあると思えたなら、一度転職エージェントにキャリアについて相談してみて、客観的に自分のスキルやセンスを見直す機会をつくりましょう。
とくにクリエイターは自分のセンスが会社と合うか合わないかが問われるため、クリエイター向けの専門転職エージェントを利用しておきリアルな転職情報を得ておくといいでしょう。
WEB系の求人やゲーム業界のクリエイターの転職に強い「マイナビクリエイター」は、定期的に大手企業のセミナー開催などが行われているなど、より大きな仕事に関わりたいならチャンスを掴みやすいエージェントです。
次に、運営実績が長くマスコミ業界とも強いコネのある「マスメディアン」は、宣伝会議という会社が運営しており、マス広告・マスマーケティングに対する理解が深い企業の一つです。
派遣社員などクリエイターとして自由な働き方ができる求人から、大手広告代理店と関われる案件まで老舗ならではの優良求人を保有しているため、自分に合ったキャリアを見つけるための参考になるアドバイスを受けられることでしょう。
最後に、クリエイター向け転職エージェントの中でも、ゲーム業界特化の「シリコンスタジオエージェント」は、運営会社が多くのゲーム会社向けに派遣事業を手がけた実績もあるため、ゲーム業界向けの人材行として抜群の信頼性があるエージェントです。
いずれも弊サイトを運営する中で、多くの人材サービスの情報や運営実態を精査した上で、変化する人材市場や採用ニーズに合わせたものを紹介しているため、自分のキャリアに合った転職サービスを有効活用し、ぜひ高年収人材を目指してみてください。
大手総合転職エージェントも併用しておき自分のセンスを確かめる
広告・WEB業界などのクリエイター特化型の転職エージェントと同時に、大手人材会社の運営する総合型転職エージェントも併用しておくと万全です。
総合型転職エージェントは「登録者の業種・職種、年齢や経歴は問わない」ため専門性はやや弱めになりますが、
- 求人数が圧倒的に多い
- 専用アプリがあるなど利便性に優れる
- 応募から選考までがスムーズ
- 担当者個人の専門性が高い場合がある
などのメリットがあります。
求人数が圧倒的に多く効率的に閲覧できたり、担当者個人レベルの専門知識や業界内情への理解が高い場合はサポートにも期待できるなど、使ってみなければわからない差があります。
昨今、「転職が当たり前」な時代になっています。
ですので、転職エージェントなどを活用しプロからアドバイスを受け、日頃から求人情報を見てデザイナーが転職市場から求められているスキルを知っておくことで、より高いセンスを身につけられる会社と出会える可能性があがります。
ぜひ、この機会に転職エージェントのご利用を検討してみてください。