「大企業が合わないから辞めて転職したい」と思い悩んでいる方は、一定数いらっしゃると思います。
日本では安定志向が強く、就活市場でも大企業・有名企業人気が高いので、考えなしに「大企業に入っておけば間違いない!」と入社してしまい、実際に働いてみて「大企業に合わない…」と感じて辞めたくなる方が出てきてもおかしくはありません。
大企業を辞めようかどうか迷っている方は、おそらく「大企業勤めの地位やステータスを捨ててまで、本当に転職するべきなの?」と思い悩んでいるかと思います。
当記事では多くの転職者の事例や、人材会社から聞いた事情などを基に「大企業に合わないと感じている人が、後悔せずに転職を成功させるための考え方」とご紹介してまいります。
大企業が合わない人の特徴とは?
大企業に合わない人・向いていない感じている人の特徴は、おおよそ以下のとおりです。
大企業に合わない人・向いていない人の特徴
- 企業ブランドで就職先を決めてしまい、会社の業務内容を把握してなかった
- 世間体や周りの意見を重視しすぎて、流されて大企業を選んだ
- 安定性より挑戦心が大事だと思っている
- 減点方式の社内評価にプレッシャーを感じる
- マニュアル業務・ルーチンワークなどの定型作業が嫌い
- 堅っ苦しいマナーや慣習が大嫌い
- ステータス・肩書きよりも自分の能力や人柄を評価して欲しい
大企業・公務員は将来性や安定性はあるものの、その分融通が利かなく社員一人あたりの個性も埋もれてしまう傾向にあります。
そこにストレスを感じるのであれば、大企業はあまり向いていないと言えるかもしれません。
出世争いや派閥争いなどの人間関係が苦手な人
大企業が合わない人と言えば、出世争いや派閥争いが苦手で複雑な人間関係に馴染めない人でしょう。
大手企業ともなると、学歴のある人材同士で派閥が形成されてプライド争いがあったり、入社時期や年齢層によって会社に対する帰属意識が変わり、社内での人間関係を上手く切り抜ける世渡り上手さが求められることとなります。
- 相手を下げて自分を持ち上げるマウントで自身の社内評価が決まる
- 派閥争い・社内政治など、どのグループに所属しているかが出世の鍵となりやすい
- 仕事の実成果が横並びとなりやすい分、相対的に人間関係面での評価が求められやすい
組織が大きくなると会社での評価や立ち回りが複雑となるため、社内政治や派閥争いで自分の評価を上げないといけなくなり、時にはドラマ「半沢直樹」のような相手を下げたり欺いて社内評価を上げる社員と対立してギスギスするような事態もあります。
ですので、単に和気あいあいとした人間関係を取り持つ能力だけでなく、上手いこと社内の複雑な人間関係の中を切り抜けていく能力がなければ、大企業でやっていくのは厳しいと言えるかもしれません。

社内政治が苦手で疲れてる人は
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無能な上司や社内ニート(窓際族)の存在に耐えられない人
大企業では上記のような社内での立ち回りや派閥争いが出世に影響を与えるためか、無能な上司や、仕事をしない「社内ニート・窓際族」と呼ばれるような人もたくさんいます。
ですので、社内の上の人間が無能であることに強いストレスを感じる性格の人は、大企業が合わないと感じるかもしれません。
前述の通り、人間関係面が評価される社風の会社であれば、実務面ではさほど優秀でない人でも、世渡りのスキルだけで出世できてしまうため、上の人間が若手よりも無能で一切動かない・責任を取らないということも十分あり得るのです。
また、ひどい場合には「社内ニート」「窓際族」と呼ばれる、社内にいながら仕事をしない、あるいは他人の仕事の邪魔をするような人間も一定数存在します。もし、そういった無能は社員が視界に入ることに強いストレスを感じてしまうのであれば、大企業は合わないと言えるかもしれません。

上司が無能だと感じている方は
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若いうちに自分で工夫して成果を出したいと考えている人
大企業が合わない人には、若いうちに自分で裁量権を握って自由に仕事して成果を出したいと考えている人もいるでしょうが、これは大企業と真逆の考え方だと言えるでしょう。
というのも、大企業は
- 上からの指示をしっかりこなせる人材が評価される
- 本人の希望ややりたいことは無視されやすい
- 会社の決まりがガチガチで管理職クラスでも自由に身動きが取りにくい
…など、自分自身で自由に動いて成果を出したい人にとっては窮屈な組織が多いからです。
また前述の通り、大企業で求められる能力は「組織への適応力>実務能力」となりがちなので、若いうちだけでなく管理職クラスになって裁量権を握っても、自分自身の工夫でどうこうできない範囲も非常に多くなります。
そのため、大企業が合わない人の中でも「もっと自分自身の力で仕事で挑戦したい!」という欲求の強い方は、転職も考慮に入れたキャリア構成を考えておくべきでしょう。
古い体質や非効率的なやり方に疑問を抱く人
大企業は組織改革が行いづらい性質があるため、多くの社員が現状の経営方針に疑問を抱いているにも関わらず、古い体質や非効率な仕事が未だに残り続けていることも珍しくはありません。
大企業の古い保守的な体質に馴染めなかったり、改革が行われないことに募りを感じる人は大企業に合わないと思うことも増えることでしょう。

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若いうちに仕事を通して専門スキルを身につけたい人
大企業ではスキルが身につかないという声もありますが、大企業で身につくスキルは以下の通り、伝統的な一般組織でしか通用しないスキルが多いからと言えます。
- 一般職に必要な基礎的なビジネススキル
- 一部の会社や部署でのみ通用する専門的なスキル
- 社内政治や派閥争いを生き抜く対人折衝力
逆に言えば、中小以下の企業で求められるオールラウンダーな能力や、ベンチャー・スタートアップ企業で求められる挑戦心やアイデア性、外資系で求められる個人プレイで成果を出す能力は磨かれにくいと言えます。
キャリアを考えるのであれば、大企業一本でやっていくのであれば上記のようなスキルを磨けば問題ないでしょうが、働き方の多様化した今の日本で応用の利くスキルを身につけたいのであれば、大企業で働き続けるのはリスクと判断する人もいます。
いずれにせよ、大企業が合わないと考えている人でスキルが身についている実感がない人は、自分が仕事を通して身につけたいスキルを把握する意味で転職活動で情報収集をしておく必要があるでしょう。

スキルが身につかない仕事は
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出張や転勤が嫌いな人
大企業が合わない人と言えば、出張や転勤が嫌いな人も当てはまるかもしれません。
とくに転勤族となると地方から海外まで会社都合で転々としなければならないこともあるので、どこか一か所で落ち着いて暮らしたい人や、人生のプランが崩れることに強いストレスを感じる人は、大企業は合わないと言えるかもしれません。
単純に会社の規模が大きければ大きいほど転勤させられる可能性は高まるわけですので、大企業勤めで転勤に強いストレスを感じているのであれば、中小以下の転勤リスクの低い会社への転職を検討しておくといいでしょう。

出張や転勤が多くて辞めたい人は
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大企業を辞めないほうが良い人・向いている人の特徴は?
逆に大企業を辞めないほうが良い人や、大企業勤めに向いている人は、どのような特徴があるのでしょうか?
私自身、大企業勤務の方と関わる中で「こういう人は大企業に必要な人材だなあ」と感じている特徴をお伝えして参ります。
自分自身の意志や考え方がない人
大企業を辞めないほうが良い人は、自分自身の意志や考え方がない人でしょう。
別に自分自身の意志や考え方がないことは、悪いことではありません。
むしろ、世の中の9割の人が「流されながらなんとなく生きている、その他大勢の何者にもなれない人間」です。
そういう無個性な人間でも、真面目にしっかりと働いておけば、それなりの安定が保証されるのが、大企業勤務のいいところです。
それも、一度大企業クラスの正社員ともなれば、成果が出せない無能であろうが、理不尽に辞めさられることはないので、会社にしがみつく生き方を選ぶのもありです。
世間体や社会的ステータスが大事だと思っている
大企業を辞めないほうが良い人は、世間体や社会的ステータスが大事だと思っている人でしょう。
たとえば、親や周りの友人に「大企業の〇〇勤めだからすごい!」なんて評価されて、誇らしい気持ちでいられて、その肩書きが重いと感じないのであれば、大企業勤めを続けるべきです。
ですが、少しでも「大企業勤めという肩書きで見られるのに疲れた」「世間体に流されて自分の欲求を押し殺して辛い」と感じているのであれば、大企業勤めであることを見直した方がいいでしょう。
辞めるのが「もったいない」などと考えてしまう
大企業を辞めるかどうか悩んでいる人に多いのが「もったいない」という基準で、転職を渋るケースです。
「辞めるのがもったいない」「捨てるのがもったいない」と感じている場合、原因としては「今の状態を維持したい」「未来の可能性を捨てたくない」という心理があります。
たとえば、大企業を辞めてしまうと「将来、役員クラスになって年収数千万円もらえる立場になって、楽に生きられる」という可能性はゼロになるわけです。
なので「せっかく大企業に入社したのに、辞めるなんてもったいない」などと思ってしまうのです。
ですが、これに関しては、
「大企業勤めでも出世できないで左遷させられて昇給が見込めないこともあるし、会社の業績が傾けば大企業でも安泰というわけではない」
「公務員でも、国家予算が変わって給与体系が変われば昇給しないどころか、退職金制度も変わる可能性もあるし、自分が悪くないのに懲戒免職クラスの不正の責任を負うことだってある」
…など、いくらでも否定材料があります。
仮にあなたが今の会社で確実に昇給・出世が見込めるぐらいに地盤が固まっており、社内評価もいいのであれば、確かに辞めるのはもったいないでしょう。
ですが、そうでなければどれだけ今の会社に尽くして努力したところで、必ず将来的により良い環境で働ける保証はありません。
今は大企業でも安定しない時代で、少子高齢化の年金問題など、国自体に不安が残る時代で、どんなに安定していると言われる会社でも先は見えないものです。
ですので、もったいないかどうかなんて「辞めた後に成功すればもったいないとは思わない」ように考えればいいだけなのです。
大企業から転職して後悔しないためには?
大企業を辞めることを考えている人の多くは「大企業を辞めて後悔しないか不安…」とお悩みのはずです。
新卒採用の切符を掴んで得た安定性なのですから、不安になる気持ちはわかります。
実際、大企業勤めは安定性・将来性の面で間違いなく中小企業やベンチャー企業よりも上ですので、後悔しないように慎重に転職活動した方がいいです。
以下の記事でもお伝えしている通り、考えなしに勢いで退職してしまうと、空白期間が伸びて転職活動でもマイナス評価になってしまい、今の企業よりも待遇も年収も安定性も下がってしまう可能性が高くなります。
ですので、出来る限り大企業勤務中に転職活動を並行しておきましょう。
仮に、今よりいい条件の求人が見つからなければ、大企業勤めのままキャリアを積む選択肢も生まれてくるので、どの道早いうちに転職活動しておくに越したことはないです。
転職エージェントを利用してプロに相談しておこう
大企業が合わないと感じていたり、大企業を辞めて後悔したくない方は、まずは転職エージェントに登録して相談しておくといいでしょう。
転職エージェントは無料で利用でき、在職中でもスキマ時間を活用して、効率よく転職活動が進められます。
転職エージェントでは、気軽な相談から、現実的に自分が内定をもらえる求人情報も提供してもらえますので、慎重に転職活動を進めて後悔したくないのであれば、必ず使っておきたいです。
私も転職意欲がそこまで高いわけではありませんが、転職エージェントの担当者さんから様々な求人情報を提供して頂いており、地道に転職活動も並行しております。
大企業勤めクラスの方であれば、慎重に納得行く求人が届くまで転職活動をコツコツ続けるという使い方をしておけば、後悔せずに済むでしょう。
また、転職エージェントは公に併用することも可能と認められていますので、仮にエージェントの紹介求人が納得行かないのであれば、他社のエージェントを使ってみるという使い方も可能です。
転職活動で失敗してしまう人は、このように在職中からリスク管理せずに猪突猛進に辞めてしまう人ばかりですが、在職中からしっかりと根回ししておけば、まず後悔することはありません。
ぜひ、転職エージェントを有効活用して、納得の行く転職先を見つけ出してみてください。