転職エージェントの最大手と言えば「リクルートエージェント」と「doda」でしょう。
両サービスとも知名度・会社の資本力ともに、国内のトップクラスのエージェントであり、どちらも似たようなビジネスモデルでもあります。
そのため、読者の方には「どっちを使った方がいいの?」と、お悩みの方もいらっしゃるはずです。
そこで当記事では、転職情報サイト運営者であり、実際に両エージェントも使っている私の目線から、リクルートエージェントとdodaを徹底比較した上で、どちらを使うべきかをご紹介してまいります。
リクルートエージェントとdodaはどっちも似た感じ
まず、結論から言っておくと、リクルートエージェントもdodaもどちらもビジネスモデルや仕組み自体は一緒ですので、大きな違いはないです。
リクルートエージェントとdodaの似たポイント
- 効率重視・事務的なため、流れに従って転職活動が進められる
- 求人情報配信+エージェント制という二段構えのシステム
- 全職種・業種・年齢層対応
リクルートエージェントとdodaの違うポイント
- ログイン用サイトの使い勝手が違う
- 担当者の教育方針があるので、アドバイザーの対応方針が変わる
- 取引先企業とのコネがあるので、紹介先企業の傾向が微妙に異なる
どちらのエージェントも、情報量と企業ブランドに物を言わせた、圧倒的な求人情報量と効率的な面談サポートという方向性ですので、運営スタイルやサイトシステム的には似たり寄ったりです。
両者とも、情報量に関しては他エージェントと比べて圧倒的ですので、求人情報を多く入手したい方はどちらとも登録しておけば、間違いないでしょう。
逆に、根本的にビジネスモデルや方針が異なるエージェントで言えば、サイトログイン型ではなく担当者個人からの求人紹介が主となる外資系運営の「LHH転職エージェント」であったり、あるいはヘッドハンターと直接やりとりできる「ビズリーチ」などでしょう。
「リクルート VS doda」の前に…
リクルートエージェントの運営会社「リクルート」は言わずも知れた国内最大手の転職エージェント。
かたやdodaは国内No.2転職業者「パーソルグループ」が運営する転職エージェントです。
両者を比較したくなる気持ち、たしかにわかります。
結論から言っておきましょう。
・効率重視の「数撃ちゃ当たる」でスムーズに転職先を見つけたいのであれば「リクルートエージェント」
・効率は重視するけど、より自分に合った転職先を見つけたのであれば「doda(デューダ)」
リクルートは国内最大手であり圧倒的情報量と効率重視の運営方針が特徴です。就活で「エントリーシート100社応募!」という物量作戦が苦にならなかった人が、より効率的に転職活動をサポートしてもらえると考えてもらえるとわかりやすいでしょう。
一方で、dodaは国内No.2で情報量ではリクルートに劣りますが、独自のエージェント方式と転職ノウハウを多数持っているので、より自分に合った転職先を見つけやすくなるメリットがあります。
…とは言ったものの、やっぱりもっと”比較”しちゃいたいですよね。
「クラスのマドンナ的なリクルー子ちゃん・地味だけど意外と可愛いデューたん。どっちと付き合うべき?」
いつの時代も何歳になっても「比べる」という行為は、私達の欲望を満たしてくれるのです。というわけで「リクルートエージェント VS doda(デューダ)」国内エージェント頂上決戦をとくとご覧あれ!
リクルートエージェントとdodaの比較
まずはリクルートエージェントとdodaの公式サイトで公開されている情報を比較してみました。※2018年4月19日時点の情報
リクルート | doda | |
公開求人数 | 3万1762件 | 4万3383件 |
---|---|---|
非公開求人 | 16万8983件 | 8万242件 |
拠点数 | 全国16箇所 | 全国10箇所 |
平均年収アップ額 | 情報なし | 56.7万円 |
最大年収アップ額 | 情報なし | 440万円 |
平均年齢 | 情報なし | 31.1歳 |
平均転職回数 | 情報なし | 0.8回 |
リクルートエージェントは非公開求人は圧倒的に多いですが、求人数以外に関しては一切情報を公開していません。もはや、比較する価値すらないでしょう。ネット全盛の現代において、情報を公開しないことは死を意味します。
一方でdodaは非公開求人はリクルートエージェントの半分ほどではあるものの、しっかりと平均年収アップ額などの情報を公開していて、非常に好印象ですね。
リクルートエージェントが有利な点
リクルートエージェントは公開している情報は少ないものの、圧倒的知名度と膨大求人量だけで他の転職エージェントをねじ伏せるほどの強みを持ちます。
- 圧倒的企業ブランド力。転職希望者・企業から絶大な信頼感を得ている
- 非公開求人数が国内最大数
- 転職ノウハウが確立しているため、書類作成や面談のアドバイスが的確
- 外資系企業への紹介実績多数
ちなみに、外資系企業への紹介実績はリクルートエージェントの方が圧倒的に上です。dodaの国外の転職先は東南アジア圏が中心となるため、あまり選択肢は広いとは言えません。
ただし外資系の転職先については、外資系会社の運営する転職エージェントを利用するという方法もあるので、必ずしも選択肢はリクルートエージェントだけではありません。
dodaが有利な点
dodaはリクルートに比べて非公開求人が半分ほどになるものの、サービス内容の充実で満足度向上に努めています。ですので転職希望者からすれば非常に使いやすく、自分に合った転職先を見つけやすいと言えますね。
- キャリアアドバイザーと採用担当チームの分業によるダブルサポート体制
- リクルートほどではないが、業界No.2としての転職実績がある
- 女性向けの転職支援に積極的
- エージェント部門に長い実績がありノウハウが充実している
- エージェント制の他にスカウトサービスなども同時利用できる
運営会社で比較
あまり利用者が気にしない要素ですが、私はエージェント制を利用する際には必ず運営会社の体制や規模、方針などを確認しておくべきだと思っております。なぜなら、エージェントを運営している企業グループの力関係や業績を見れば、おおよその傾向は分析できるからです。
会社名 | 売上高 | 資本金 | 従業員数 |
---|---|---|---|
リクルートHD | 1兆8399億8700万円 | 100億円 | 45688名 |
リクルートキャリア | 1196億7402万円 | 6億4335万円 | 3912名 |
パーソルHD | 5919億9500万円 | 174億6700万円 | 32654名 |
パーソルキャリア | 不明(記載なし) | 11億2700万円 | 4321名 |
参照元リンク:
・会社概要 | リクルートホールディングス – Recruit Holdings
・会社概要 | 企業情報 | リクルートキャリア – Recruit Career
・会社概要 | 企業情報 | PERSOL(パーソル)グループ
・会社概要 | パーソルキャリア – PERSOL CAREER
リクルートの運営方針
人材業界の王者リクルートがいかにぶっちぎりでの売上高を上げているか、一目瞭然ですね。業績だけで見てみても「1兆8000億円」と圧倒的数字を誇り、帝王の威厳を見せつけていると言ってもよいでしょう。
ただし注目してもらいたいのが「従業員数に対しての営業利益の倍率があまりに高すぎないか?」というところですね。これは「企業ブランド力と情報量に任せた、適当な転職先紹介をしているのでは?」という、利益・効率重視のリクルートの社風が見えてくるというところですね。
リクルートエージェントは、担当者が「事務的」「エージェント側の都合を押し付けられる」「対応が遅い・失礼」などあまり評判が良くない傾向があります。その理由がノルマ・利益重視の紹介姿勢にあると言えます。「リクルートライフスタイル」の契約社員の例などを見ても、リクルートはノルマ・利益重視の社風があり、中にはモラルのないウソスレスレの営業でノルマを上げる社員も存在します。
そのため、リクルートエージェントを利用する場合は「相手は利益・効率重視のビジネスでやっている」という意識を持って、流されない心が必要になってきます。
パーソルグループの運営方針
パーソルはグループ自体が2017年に統合されたばかりであり、まだまだ歴史が浅いです。もともとdodaは広告展開はあまりしていませんでしたが「はたらいて、笑おう。」というスローガンのもと、パーソルグループの一環としてのブランドイメージ刷新を行っております。
doda単体で見ると、統合前は「インテリジェンス(現:パーソルキャリア)」として、転職専門の業者として根強い実績があります。リクルートと比べると「効率も重視しつつ、転職希望者に満足度も高める」という方針で、バランス感覚のとれているサービスだと言えるでしょう。
運営会社社長の比較
次にリクルートとパーソルの社長を比較してみましょう。
会社名 | 顔写真 | 氏名 | スローガン |
---|---|---|---|
リクルートHD | ![]() | 北村吉弘 | 自ら変化を追い求め、その変化を通じて人々の生活を豊かにする |
リクルートキャリア | ![]() | 小林大三 | 人材マーケットを担う使命・責任を果たしたい |
参照元:社長メッセージ | リクルート – Recruit
参照元:社長メッセージ | 企業情報 | リクルートキャリア – Recruit Career
会社名 | 顔写真 | 氏名 | スローガン |
---|---|---|---|
パーソルHD | ![]() | 水田正道 | 人と組織の成長をかなえるナンバーワングループ、パーソルへ。 |
パーソルキャリア | ![]() | 峰尾太郎 | 今日よりも明日、「はたらく」をよりよいものに変える |
参照元:社長メッセージ | 企業情報 | PERSOL(パーソル)グループ
参照元:代表メッセージ | パーソルキャリア – PERSOL CAREER
社長を比べる意味はあまりなさそうですが「社会意識の高いリクルート」と「堅実に組織運営を考えるパーソル」の社風の違いがわかるという点で紹介させていただきました。「笑顔で余裕ぶっているリクルートグループを、険しい顔で追いかけるパーソル」という、人材業界の構図が各社長の意識から伝わってきたことでしょう。
エージェント制の強みを活かすならdoda!
このように比較してみますと、
- リクルートエージェント:企業の知名度と情報量に任せたサービス
- doda:転職の老舗らしいNo.2だからこそ、エージェント制の満足度にこだわっている
…という事情が見えてくることでしょう。
ですので、エージェント制の強みをより活かしたいのであれば「doda」がオススメです。もともと、doda自体が国内転職エージェント制に早いうちから取り組んでいた実績があるので、転職エージェント制の歴史やノウハウも長いです。
一方で、リクルートは良くも悪くも「日本の大企業的体質」が残る企業であり、転職エージェント制も「キャリアアドバイザーが転職希望者の代わりに事務対応しているだけ」という印象が目立ちます。これはカウンセリング面に期待している方にとって、リクルートエージェントの評判を下げている原因であったりもします。
とはいえ、会社の規模が違いますので「求人数がdodaの2倍以上」「運営会社の情報量やノウハウが圧倒的」という強みもあるのですが、利益・効率重視で転職希望者の個性や要望に関しては聞き入れられにくいところが難点です。
担当キャリアアドバイザーも「とにかく応募!」というノルマ重視の根性論、職務経歴書や面談については事務的な指摘が目立つなど、リクルートの効率重視で融通が利かない社風が見えてくる評判が多めに思えます。自分で情報収集できる方は、求人数や機能の充実した転職サイト「リクナビNEXT」だけ使っておけば、十分事足りると言えるでしょう。
ただし、国内企業から外資系企業への紹介実績数が圧倒的なところは、dodaにはマネ出来ないリクルートエージェントならではのメリットと言えますね。外資系転職に興味があるならリクルートエージェントを使っておくといいでしょう。
どちらのエージェントも使っておくのが無難
これを言ってしまっては元も子もないのですが、どちらの転職エージェントも使っておくのが一番ですよ。なぜなら、転職エージェントは担当者によって対応が変わるから。また、両社の提案する求人を比較しておけば、自分の適性年収も推定しやすくなるからですね。
転職エージェントでは、転職希望者が受かりやすい年収帯での求人を提案してくるため、より年収アップにつながりそうな求人に応募するためには、交渉が必要なこともあります。その場合「◯社のエージェントではもっといい求人を提案された」と言っておけば、エージェント側の都合のいいように扱われるリスクも減ります。
選択肢は多いに越したことはありませんので、転職に失敗したくない方は「リクルートエージェント」と「doda(デューダ)」の両方のご登録をオススメしますよ。どちらも無料で利用できますので、登録しておくだけ損はありません。