「どうしてこんなに人が辞めていくのだろう?」と疑問に思ったことはありませんか?
もしそうなら、それはあなたの感じ方が間違っていない証拠です。
なぜなら、離職率の高さには必ず原因があるからです。
例えば、「給料は悪くないのに、なぜか同僚が次々と辞めていく」と感じることがあるかもしれません。
これは、その職場環境や人間関係に問題がある可能性が高いです。
離職率が高い会社で働くことに不安や不満を感じるのは当たり前のことです。
むしろ、そういった問題を見過ごしていると、あなたもそのうち辞めたいと思うようになるかもしれません。
ですが、この記事を読めば安心です。
最後まで読むことで、離職率が高い会社の原因を理解し、どう対処すべきかを学ぶことができるでしょう。
離職率が高い会社の特徴は?その原因とは?
あなたの会社が高い離職率を抱えている場合、それは単なる偶然や特定の状況に起因するものだけではないかもしれません。実は、高い離職率を持つ企業にはいくつかの共通点や特徴が見られることがわかっています。これらの特徴を知ることで、あなたの会社の現状をより深く理解する手助けとなるでしょう。では、具体的にはどのような特徴が存在するのか、一緒に見ていきましょう。
離職率が高い職種や業界をデータから分析
離職率が高い原因は複雑な要因がありますが、新卒入社後の離職率者のデータを見てみると「不特定多数の人と関わる仕事」「人手不足の続く業界」の2つの原因がとくに大きいと考えられます。
▼新卒生の3年以内の離職状況
■ 大学 ■ 高校 宿泊業・飲食サービス業
50.4% (+0.7P) 宿泊業・飲食サービス業
62.9% (▲0.3P) 生活関連サービス業・娯楽業
46.6% (+1.6P) 生活関連サービス業・娯楽業
58.0% (▲1.2P) 教育・学習支援業
45.9% (▲0.3P) 教育・学習支援業
58.0% (+1.5P) 医療、福祉
39.0% (+1.2P) 小売業
49.4% (+0.6P) 小売業
37.4% (▲0.3P) 不動産業、物品賃貸業
46.7% (+1.2P)
上記の厚生労働省発表の離職率を見てみても、最終学歴大卒であっても4割~5割近くの離職者が出ている職種/業種には、共通して「不特定多数の人と関わる」「慢性的に人手不足」という特徴があります。
厚生労働省の職種/業種分類は少々わかりにくいので、以下のような分類で再度確認してみましょう。
▼離職率の高い業種/職種一覧
- 小売/販売職(→販売職を辞めたい)
- 飲食/外食(→飲食業界を辞めたい)
- ホテル/宿泊業界
- 接客/サービス業(→接客業を辞めたい)
- アミューズメント業界(→パチンコ店員辞めたい)
- 教育/学習業界
- 不動産業
- 物品賃貸/リース業
- 医療・福祉関連
多く仕事が「不特定多数の人=一般人」と関わるため、精神的に消耗しやすいという特徴がある上、人手不足が目立つ業界ばかりであることが見えてくるはずです。

離職率の高い会社については
以下の記事でも詳しく説明しているぞ!

人と関わらない仕事に就きたい人は
以下の記事も参考にしてみてくださいね

人手不足の仕事を辞めたい時は
以下の記事も確認しておきましょう
離職率が高い会社が抱える問題とは?なぜ改善できないのか?
離職率が高いことは、単に従業員が去っていくだけの問題ではありません。それ自体が企業全体の深刻な問題を指し示していることが多いのです。しかし、なぜ離職率を下げることが難しいのでしょうか?その背後には、組織の文化や体制、そして多くの隠れた課題が存在することが考えられます。このセクションでは、これらの問題の核心を探り、解決の糸口を見つけるための手がかりを提供します。
組織の規模や従業員数が少ないほど離職率が高くなりやすい
厚生労働省が公表している離職率に関するデータで、離職率の高い原因がわかりやすいのが「会社の規模/従業員数」です。
【新規学卒就職者の事業所規模別就職後3年以内離職率】
[ 事業所規模 ]
■大学 ■高校 1,000 人以上
24.3 %
25.3 %
500 ~999人
29.8 %
32.9 %
100 ~499人
31.9 %
37.9 %
30 ~99人
38.8 %
47.1 %
5~29人
50.2 %
56.4 %
5人未満
59.1 %
64.0 %
上記のグラフを見るとわかりますが、従業員数が少なければ少ないほど離職率が高くなるという統計結果が出ています。
考えられる理由としては、
- 大きな企業ほど収入/福利厚生/労働環境が安定しているので辞めにくい
- 逆に小さい企業ほど不安定になるので辞めやすい
…という傾向が、数字としても見えてくるはずです。
とくに従業員数30人以下の企業は様々な問題を抱えていることも多いため、よほど経営者と価値観が合ったり仕事内容が好きでもなければ、待遇条件が悪い感じて辞めてしまう人が増えてしまう事情があると考えられます。
また、零細企業の規模であれば、給料の支払いが滞ったり、倒産して夜逃げする社長がいるなど、一般企業経験者からすれば信じられない話もあるぐらいです。

事業規模が小さいと信用できない会社もあるので
以下の記事で最低限の信用基準は知っておきましょう
閉鎖的な職場で離職率が高いなら一部の社員に原因がある
従業員数が少ない/事業規模の小さい会社で離職率が高いのは紹介した通りですが、その原因として考えられるのは閉鎖的な職場環境で人間関係が固定化されてしまい、一部の社員に問題があると職場全体に悪影響をもたらしやすいからという理由です。
▼狭い職場で離職率を上げる社員の特徴
- 性格の悪い一部の人が職場の人間関係を悪くしている(→職場の人間関係が最悪)
- 部下への嫌がらせ/いじめが趣味のお局などがいる(→お局のせいで辞めたい)
- 上司/先輩が無能で下に仕事を押しつける(→無能な上司の特徴)
- 上司/先輩が部下/後輩を潰すクラッシャー気質(→部下を潰す上司の特徴)
- 使えない社員を重宝している(→使えない部下、コネ採用が使えない)
- 経営者がワンマンで社員の話を聞かない
通常、中小~大手企業であれば、部署替え/転勤によって数年周期で仕事で関わる人間が入れ替わるため、職場に嫌な人間がいても我慢できるものです。
ですが、同じ職場で何年も居座り続けるような人は、自分の性格が原因で社員が辞めていったとしても気づきかないため、膿が放置される形になるのです。
業界全体で離職率が高い場合はビジネスモデルに原因がある
会社/企業/社員ではなく、業界全体のビジネスモデル自体に問題があって離職率が高いケースもあります。
▼業界全体のビジネスモデルに離職率が高まる原因があるケース
- 効率重視のビジネスモデルで人材を使い捨てしやすい業界構造(小売、飲食など)
- 派遣社員/アルバイトが重要な仕事を担っている(事務/ITエンジニアなど)
- 収入源が限られるので賃金を上げにくい職種/業種(公務員、社会福祉など)
- ブラックな経営体制が当たり前となっている業界(不動産、金融など)
これらの業界は「離職率」が高く、大手企業であっても人の入れ替わりが激しい傾向にあるため、会社ではなく業界全体に問題があると考えておくべきでしょう。

離職率の高い職種/業種は
以下の記事でも紹介してます

業界全体に問題がある仕事の場合
キャリア的にも先行きが見えなくなる…
非正規雇用ばかりの会社は人が育たないので離職率が高い
離職率が高い原因として、現場仕事のほとんどを非正規雇用(派遣社員/アルバイト)に任せっきりというものも考えられます。
非正規雇用者主体の現場の場合、プロジェクトの重要な判断ができる人が自社の社員でない場合、派遣と派遣先とで軋轢が生じやすくなります。その結果、一回きりのプロジェクトに参加して失敗しては繰り返し…というスパイラルに突入してしまうため、派遣社員を受け入れる会社も派遣社員も育たないまま、離職率だけが上がっていくのです。
また、フランチャイズ形式でオーナーを募集しているコンビニ/飲食業界や個人事業主(フリーランス)への外部委託を行っているITエンジニア/クリエイターも離職率が高い傾向にあります。

正社員以外の契約形態の多い業種/職種は
離職率が高くなりやすい傾向にあるわけだ
非正規雇用者に現場仕事を任せる場合ですが、重要な判断や責任だけは派遣/委託先の正社員が担うことが多いため、プロジェクトの失敗が見えていても現場判断を一切聞かないどころか責任を押しつけてくることもあります。
そうなると、現場経験が豊富でプロジェクトリーダーの資質がある人材が正社員となれず、そうでない無能な正社員がリーダーで居続けるという逆転現象が起こってしまうのです。

非正規雇用者はレベルが低いとの声もありますが
使いこなす正社員側にも問題があるんですね…
さらに言えば、派遣社員が現場に入る際には、仲介として派遣会社も介入してくるため、責任の所在/従業員教育などの問題が非常にややこしくなってきます。

元々、日本の会社は終身雇用制が前提だっただけあって
非正規雇用者が重大な仕事に絡むとややこしくなりがちだ
離職率が高い根本的な原因は改善不能!?
以上のように、離職率が高い原因はおおむねパターン化されていると言えますが、一社員の努力や会社の取り組みだけではどうにも出来ないものも多いと言えます。
▼離職率が高い原因が改善不能な理由とは?
- 離職率の高さをどうにかするのは人事の仕事(人事以外はやらなくてもいい)
- その人事の仕事を人材会社/派遣会社に委託する会社も多い
- 会社の経営方針/業界構造自体に問題がある場合は法整備などでしか制御できない
今回紹介した離職率が高い原因の中でも、社員一人の努力でどうこう出来る範疇なのは職場の誰かのせいで離職率が上がる場合ぐらいなもので、他の問題は管理職/人事以上が長い時間をかけて取り組まないと改善に期待できないものばかりです。

つまり、末端の社員は黙って耐えるしかないと?

残念ながらそうなるな…
そもそも、一社員の権限や努力でどうこうならない原因が多いからこそ離職率が上がるわけですので、もし離職率の高い会社で悩んでいるのであれば、根本的な解決が見込めるかどうかを見極め、無理だと悟ったら諦めるか転職するかの決断をする必要があると言えるでしょう。

仕事の出来る優秀な社員ほど辞めていくが
会社側に問題解決が期待できないからだろうな…
離職率の高い会社は自分も辞めて転職した方がいい
離職率の高い原因が個人/会社単位でも解決不能だと感じる場合は、自分自身がキャリアを意識して転職を考えておくべきでしょう。
今回紹介したような原因は、根をたどれば終身雇用制の崩壊に対応できない会社がダラダラ延命しているパターンと人材を使い捨てるような使い方をしている企業/業界とで分かれています。
ですので、労働者側はどの会社でも通用するキャリア/スキルを身につけて転職市場で通用する人材になる方が、将来性は高いと言えるはずです。
また、離職率の高い原因が放置されている会社は、自転車操業で新たな仕事に挑戦できないで現状維持/保守的になりやすいため、仕事を通してスキルを身につけにくいという問題もあります。

スキルが身につかない仕事は
以下の記事でも紹介しています
これらの事情を踏まえると、離職率の高い会社に期待するのはやめて、転職活動を通して離職率の低い企業や業界で働くことを考えておいた方が自分のためだと言えるはずです。
ただ、いきなり転職しようとしても、経歴が不十分なうちや自己アピールが不十分なうちは自力で転職しようとしても採用されにくいばかりか、下手をすると年収ダウンしてしまったり待遇がさらに悪くなる…なんて失敗にもつながりかねません。