接客業の将来性に不安を感じて辞めたい方にオススメなのが「営業職」です。
営業と聞くと「人見知りには厳しい」「知らない会社に飛び込み営業で怒鳴られる」などとマイナスなイメージが強いですが、実情は違います。
営業は文系職の基本中の基本であり、将来的なキャリアを意識するのであれば、経験しておく価値は充分ある職種です。
また、接客業であれば「モラルの低いお客にうんざり」「クレーム対応が嫌だ」と人間関係に疲れることが多いですが、営業職の場合は常識あるビジネスパーソンと関わるため、少なからず接客業みたいにどこぞの金も払わない馬の骨相手にイライラすることはなくなります。
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そんなわけで、今回は「接客業から営業職へと転職した方がいい理由」をご紹介していきますので、接客業からの転職を考えている方はぜひ参考にしてみてください。
接客業から営業への転職をオススメする理由
接客業から営業職への転職をオススメする理由を6つ紹介していきます。
接客業より給料が高め
営業職はつらい分、給料が高めの傾向があります。
また「インセンティブ(成果報酬)」を受け取れる会社もあり、売上を出せば出すほど給料も上がり、昇給スピードも早くなります。
一方で、接客業は売上を出したりノルマを達成しても、すべて上司の手柄として横取りされ、昇給には反映されません。
その上、多くの接客業は本社と現場が離れているため、シビアな売上数値で昇給や昇進が決まります。
また、管理職や上司との距離が近い営業職であれば人柄や日頃の頑張りなどの温情で評価されることもありますが、接客業は人柄や頑張りなどは一切評価されないため、出世や昇給のチャンスもかなり少ないです。
どれだけお客に丁寧に対応したところで給料の上がらない理不尽さが、接客業をくだらなく感じさてしまうわけです。
「BtoB」と「BtoC」の違いで身につく経験が違う
接客業から営業職への転職をオススメする理由は「BtoB」と「BtoC」というビジネスモデルの違いが、将来のキャリアプランに及ぼす影響が大きいからです。
・「BtoB」と「BtoC」の違い
BtoB(Business-to-business)…企業間取引。企業と企業間での取引が主となるため、ビジネススキルが必要とされる。その分、将来的なキャリアの選択肢は広い。
BtoC(Business-to-consumer)…企業と消費者の取引。消費者との取引が主となるため、ビジネススキルよりも接客力や商品知識、あるいは売上などが重視される。企業間での取引経験が得られない上に、現場と本社で仕事が別れているため、将来的なキャリアコースが狭い。
率直に言って、日本の企業は「BtoB」の方がホワイトカラーとしてのキャリアの選択肢も広い上に、本社勤めであればチャンスも大きいです。
かたや「BtoC」の接客業は現場勤めで、売上などの数字を叩き出さなければ評価されず、その上アルバイトや派遣で人材使い捨て式の企業も多い。
しかも、人脈やコネが広がるBtoBと違い、消費者とどれだけ信頼関係を築いても仕事につながるコネや人脈は生まれにくい。
どうせ対面営業で販売の仕事をするのであれば、どう考えてもBtoBで営業経験を積んだほうが将来性は大きいと言えるでしょう。
営業職は意外と仕事の内容が広い
営業というと「飛び込みで見知らぬ会社に営業」「個人宅に回って迷惑がられる」というイメージも強いでしょうが、それはごく一部の例です。
簡単に言えば、接客業が「レジ打っておけばいいだけでしょ?」と思われがちなのに対して、実際は本社指示を売り場にフィードバックしたり、商品の発注などをこまめに行なって地道に売上に対して貢献するのと同じですね。
営業職は「文系職=仕事で人と関わる仕事の初歩」ですので、実際の仕事内容は多岐に渡ります。
大企業であれば部署や仕事内容も別れているため、バリバリの営業部隊もいるかもしれません。
しかし、多くの場合は営業以外にも「事前のプレゼン資料制作」「企業内の業務内容把握のために下積み」「見積もりなどの経理」など、かなり仕事の幅は広いです。
中小以下であれば、実際は営業以外の雑務やデスクワークも担当することが多いため、どちらかというと「一つのことに集中するのが苦手」「メリハリをつけて仕事したい」という方には向いていると言えるでしょう。
営業職は将来の選択肢が広い
営業職は接客業と比べて、将来の選択肢やキャリアプランが広がるという特徴があります。
なぜなら「物を売る力」「企業と取引を結ぶ力」は、どんな企業に行っても役に立つからです。
一般的には営業職経験を積むと「企画・販売」「人事・管理職」「コンサルタント」など、文系職のキャリアコース全般に出世できるチャンスが生まれます。
最悪、自分自身で会社を立ち上げることも出来ますし、転職にしても営業の中で築いた人脈やコネを使うことも可能、あるいは一から自分で企業相手に営業して転職する選択肢も生まれます。
接客業は人材使い捨てのため将来性が低い
一方で、接客業は人材使い捨て型のビジネスであるため、将来性はあまり高くありません。
今や、多くの小売業は現場スタッフをアルバイトや派遣社員でまかなう、人材使い捨て形式です。
これはつまり、接客業は人材育成をする気がない会社が多いということであり、よほど要領がいいか売上を出せる人材でなければ出世のチャンスは見込めません。
実際、小売業・量販店・飲食業の離職率を見てみましても、異様なまでに辞める割合が多く、そもそもが「人が辞めても問題ない」ような経営がされているのです。
また、単純に現場と本社が離れているため「目標にする人」や「将来のキャリアコース」がわかりにくいのも、接客業のつらいところです。
少なからず、会社勤めで目標にする人が身近にいればモチベーションは保てますし、必要な能力を見て学んだり、場合によっては教わることも可能です。
接客業から営業職への転職ハードルは低め
接客業から営業職への転職をオススメする理由は、それほど転職のハードルが高くないからです。
どちらの業種も未経験からでの採用が多く、仕事内容は「物を売る」「人と関わる」と共通項も多く、転職は難しくありません。
とくにまだキャリアコースの修正が出来る20代のうちであれば、いくらでもチャンスはあります。
ただし、あまりに採用ハードルが低い営業職に応募すると、ノルマの厳しいブラック企業や「BtoC」での個人宅販売でスキルの身につきにくい営業の場合もあるので、事前に業務内容や会社の規模を調べておくといいでしょう。
接客業から営業職への転職のポイントは?
接客業も営業職も離職率が高く、常に未経験者を募集している仕事のため、そこまで転職のハードルは高くないです。
以下のような転職活動の基本を抑えて、いい転職先を見つけ出しましょう。
営業職への転職は会社の規模や仕事内容、取引先を調べておこう
営業職と言っても、実際の仕事内容や会社の規模は千差万別ですので、事前にしっかり調べて応募することを強くオススメします。
というのも「事前に相手の企業をしっかり調べておく能力」自体が、営業職に必要なスキルのひとつだからです。
相手のことを何も知らないまま、商品を売りに行っても「要らない」と言われるのがオチですが、ある程度知った上で売りに行けば話を聞いてもらう程度ならできますよね。
恋愛で例えれば、見知らぬ異性を口説いても見た目が良くなければ見向きもされませんが、相手の趣味や関心を知っておけば一緒におしゃべりぐらいは出来るのと同じです。
ただ、恋愛と違って転職は「長く働ける職場」を選ぶ必要が出てくるので、事前に相手のことをより詳しく知っておく必要があるわけです。
基本的なビジネスマナーを身に着けておこう
営業職志望であれば、最低限のビジネスマナーは身につけておくといいでしょう。
本やネットの知識だけでなく、ハローワークや転職エージェントなどで指導を受けておくと確実です。
接客業経験しかない人であれば、スーツもあまり着たことのない方も多いのではないかと思います。
しかし、本気で営業職に転職する気があるのであれば、まずは見た目から入っておくと好印象でしょう。
志望動機・自己アピールを考えておこう
接客業から営業職に転職する場合は、志望動機や自己アピールもある程度考えておくといいでしょう。
ただ、未経験者歓迎の求人が多いので、あまり深く考えずに「やる気なら負けない」という精神論・根性論だけでもどうにかなるので、前向きでパワフルはアピールを意識しておくといいでしょう。
逆に変に真面目に堅いことを書きすぎると、とっつきにくいイメージを抱かれるので、フレンドリーさや親しみやすさも交えておくといいでしょう。
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転職エージェントを活用して優良求人を見つけ出しておこう
接客業からの営業職への転職を考えるのであれば、転職エージェントを有効活用しておくと間違いないでしょう。
転職エージェントはプロが転職についてサポートしてくれるので、転職成功率がグッと高くなります。
また、自分に合った求人を紹介してくれ、長く働ける優良求人と出会いやすい上に、事前に転職先企業の社風や人間関係、仕事内容についても教えてもらえるので、間違ってブラックな営業に就く心配もありません。
しかも、転職エージェントは無料で利用でき、面談の指導や書類の書き方も教えれくれるので、本気で転職を考えている方はぜひ使っておきましょう。