「接客業を経験して人間嫌いになった…」
「接客をしていると人間不信になりそう…」
「接客をもうやりたくないほど嫌な目にあった…」
このようにお悩みではありませんか?
接客の仕事をしていると、客を通して人間の嫌な部分を見る場面に出くわします。
たとえば、大手小売店では「少しでも安く買いたい…」という余裕のない客がレジの順番を守らずクレームを言ってきたり、飲食店なら「早くしろ」と空腹の怒りをぶつけてくるなどです。
また、接客業の中でもより個別対応能力が求められる例では、スナックや夜職であれば特定のお客がストーカーじみた行為をしてきたり、顧客単価が大きいウェディング関係の仕事や旅行関係の仕事では、要求がハッキリしない相手でも察して提案したり計画をしないといけない…といった具合です。
客商売では、相手の欲求や欲望を満たさなければならないこともあるわけですから、時に客の剥き出しの生々しい欲望や感情をぶつけられ、人間不信に陥ってしまうこともあるでしょう。
しかし、そういった経験を乗り越え、接客スキルを磨き上げることで、よりキャリアアップしたり新しい道がひらけることもあります。
そこで当記事では、接客の仕事の中で人間が嫌いになる瞬間をご紹介した後、その克服方法や向き合い方、接客の嫌な部分を乗り越えた先に考えられるキャリアの選択肢など、参考になる情報をまとめてお伝えしていきます。
接客業で人間が嫌いになる瞬間
接客業で人間嫌いになって「もうやりたくない…」と感じる瞬間は、数多くあります。
そんな、接客の仕事で人間の嫌な部分が見えて落ち込んだりへこむ場面を、いくつかご紹介していきます。
心ない客の言動に傷つく
接客業では、心ない客の言動に直面することがあります。時には無礼な態度や攻撃的な発言、侮辱的な言葉を浴びせられることもあります。
そのような言動に対して傷つくことは避けられません。
心の中で耐える必要がありますが、それでもなお、傷ついたり落ち込んだりすることは自然な感情です。
心ない言動によって自尊心や自信を傷つけられることで、やる気やモチベーションが低下することもあるでしょう。
人間の卑しい本性を見せられて嫌になる
接客業では、売る場にいる限りは常に監視の目でお客さんから見続けられます。
服装や身だしなみ、業務態度まで、常に監視されているものと思わなければなりません。
どこで難癖つけてクレームにつながるかわかりませんからね。
働いている8時間の間、誰かに監視されていると思うと、気が狂いそうになります。
休憩時間だけが、唯一気の休まる時間です。
あまりに売り場での緊張状態が馴染みすぎて、プライベートで他の店に行った時も、人の目が無意識に気になるぐらいでした。
8時間の間、ちょっとした気の緩みすら許されないのですから、これほど狂った仕事もないと思います。
ある意味で、カメラやビデオの前で笑顔を作っていればいい役者さんやモデルよりも、よっぽどプロ意識のいる仕事だと思います。
毎日、8時間売り場がステージのアイドルなんて、寿命が縮むと思いますからね。
理不尽なクレームにも平謝りしないといけない
接客業では、時折理不尽なクレームや人格攻撃 に直面することがあります。
お客様の不満や不適切な要求に対しても、平謝りしなければならない状況に直面することがあります。
しかし、そのような状況においても自分の正当性を主張することができず、腹立たしさや無力感を感じることもあるでしょう。
クレームを意識して接客対応しないといけない苦痛
「お客様は神様」という言葉はよく聞きますが、これはウソです。
お客様は敵です。
いつ、機嫌を損ねて難癖つけて、怒鳴ってくるのかわからない、怖い存在なんです。
接客業では、不特定多数、すべてのお客様を「敵」だと疑って仕事しなければなりません。
これは、私にとってすさまじいストレスでした。
売り場で少しでもサボったり、緩んだ態度を見せれば、どこでクレームになるのかわからないのです。
実際にWebクレームで
- 〇〇というスタッフの態度が最悪。教育し直せ
- 〇〇というスタッフの声がやる気がない
- 〇〇というスタッフの説明が適当だった。不快。もう二度と利用しません
…など、顔の見えないお客からクレームをつけられたこともあり、私は自信をなくしました。
店長からは「Webクレームだし、気にしなくていいよ」とフォローされましたが、お客さんの誰かからそう評価されていると思うと、もうお客さん全員信じられなくなるのです。
そういえば、アメリカに留学した友人の話を少し思い出しました。
アメリカでは銃社会なので、初対面では過剰にフレンドリーに接するらしいです。というのも、相手が銃を持っていることを前提にしているかららしいです。
その話を聞いた時、日本の接客業も同じだと思いました。
接客業では、お客さんが銃やナイフを持っているぐらいに疑って、笑顔で愛想よく完璧な対応をしないといけないのです。
一人一人にじっくりと向き合えない
接客業では、多くのお客様と接する機会がありますが、限られた時間の中で一人一人に十分な対応をすることは難しいです。忙しさや混雑により、お客様への丁寧な対応や細やかな気配りが行き届かないことがあります。このような状況では、お客様とのコミュニケーションや関係性の構築が困難になり、自身もストレスを感じることでしょう。
わからないことに十分に応えられない悔しさ
接客業では、お客様からの質問や相談に対して的確な回答や解決策を提供することが求められます。しかし、専門的な知識や情報に詳しくない場合、十分に応えることができないことに悔しさを感じることもあります。お客様の期待に応えられず、自分自身への不甲斐なさや不安を抱くこともあるでしょう。
自分の感情を圧し殺して愛想良くするのに疲れる
接客業は笑顔がしんどいし愛想よくできないとつらいことがあります。
そうして、私は入社3年目には、コワレタ笑顔を貼り付けて明るい声で笑う、ピエロみたいになって仕事をしていました。
同級生とプライベートで会う際も、無意識で笑顔を作っていたようで「怖い」「笑ってるようで笑ってない」などと言われる有様でしたね。
まるで、感情のない人形が、笑顔を貼り付けているみたいでした。
接客業を続けていると、どんどん感情が失われていくのを実感しました。
上司や上長に人の心がないことがある
ただでさえ、お客という敵に怯えながら仕事しなければいけないのに、会社からはノルマが課せられます。
このノルマが達成できなければ、エリアマネージャーから説教を受け、昇給査定にも響きます。
お客さんに必死にオススメしてみても、
「要らないんだけど」
「早く精算済ませてよ、こっちは忙しいんだよ!」
「はあ?なにそれ?」
「金がねえんだよ!」
…など、迷惑になるばかりです。
いざ、お客さんが話に食いついてきても「ええ?そんなに高いの?」「今度ね、今度」などと言われるばかりで、まるでノルマは達成できませんでした。
このノルマのせいで、私の接客でのストレスはさらに膨れ上がる結果となりました。
エリアマネージャーに「なぜ売れなかったんだよ!」と怒鳴られても、決して「お客が悪い」「商品や値段が悪い」とは言い訳できず「私の努力が足りませんでした」と平謝りばかりでした。
それからというもの、ノルマのある時期はますます憂うつな仕事だと感じました。
接客業で人間嫌いになった時の対処法
接客業の現場で働いていると、上記に解説したように人間が嫌いになる瞬間がたくさんあります。
しかし、大切なのはお客のネガティブな言動に振り回されることなく自分自身の感情に向き合い、適切な対処法を見つけることです。
この項目では、接客業で人間嫌いになった時の対処法について考えていきます。
客を人と思わないで淡々と仕事する
接客業では、日々多くのお客様と接することになりますが、時にはお客様を単なる金づるや分析対象として見てしまうことがあります。
しかし、接客の本来の目的はお客様に対して思いやりを持ち、サービスを提供することです。
客を人として尊重し、淡々と仕事に取り組むことが重要です。
理不尽な客にはまともに関わらない判断も大切
接客業では、理不尽なクレームや要求に直面することがあります。
しかし、すべての客に対してまともに関わる必要はありません。
時には、冷静に判断し、適切な対応を取ることが重要です。
嫌いな人間がいても、感情的にならずに冷静に対応することが求められます。
嫌なことがあっても引きずらないように心がける
接客業では、嫌なことやストレスがつきものです。
しかし、それらを引きずってしまうと、自身の心身に負担がかかるだけでなく、接客においても影響が出てしまいます。
嫌なことがあったとしても、できるだけ早くリセットし、前向きな気持ちで次のお客様に接するよう心がけましょう。
人と関わらない時間を設ける
接客業において日々不特定多数の相手と接することが多いと、疲労やストレスが蓄積し
「休日まで人と関わりたくない…」
「休日まで接客している人が目につく買い物すら行きたくない…」
と思うこともあることでしょう。
そんなときには、人と関わらない時間を意識的に設けることが重要です。
自分の時間を大切にし、リフレッシュすることで、より良い接客ができるようになります。
接客業をもう二度とやりたくない人にオススメの転職例
接客業をもうやりたくないと感じる方には、新たな職業への転職が一つの選択肢となることでしょう。
接客業で培った人間関係構築やコミュニケーションスキルは他の職種でも活かせる可能性があります。
この項目では、接客業を辞めたいと思っている方にオススメの転職先の例をご紹介していきます。
客層の良い店での接客業に就く
客層の良い店での接客業は、より心地よい環境で接客を行うことができます。
こうした店舗では、教養のあるお客様やマナーを持った来店者が多く、より良い人間関係を築きやすいでしょう。
また、高級店や専門店では、商品知識や接客スキルを磨く機会も豊富にあります。
「小売」「流通」「販売」ではなく「サービス業」に就く
量販店や大手小売は、お客さんを機械的に対応していく、人間味のない仕事になりがちです。
接客業からの転職先として考えられるのが、小売や流通、販売といった領域とは異なる「サービス業」です。
ホテルやレストラン、エンターテイメント施設など、お客様に対してサービスを提供する業界では、接客スキルを活かしつつ新たな環境で働くことができます。
接客スキルアップが報酬に結びつく業態で働く
接客スキルをさらに高めることで報酬や評価に直結する職種もあります。
例えば、高級リゾートホテルや航空会社の客室乗務員などは、上質なサービスを提供するためのトレーニングがあり、その成果が給与やキャリアの成長に反映されます。
営業職
接客業からの転職として営業職を考える人も多くいます。営業職は人とのコミュニケーションが重要であり、接客スキルを活かしつつ商品やサービスの提案を行うことが求められます。
事務職
接客業とは異なる方向性として、事務職に転職することも選択肢の一つです。データ入力や書類整理などの業務を担当しながら、自分のペースで仕事に取り組むことができます。
WEB関連職
インターネットの普及に伴い、Web関連の仕事に興味を持つ方も増えています。ウェブデザイナーやコンテンツ制作スタッフとして、クリエイティブな活動を行いながら新たなキャリアを築くことができます。
商品企画
商品企画の仕事では、お客様のニーズを把握し、市場動向やトレンドを分析しながら商品の企画や開発に携わることができます。接客業で培った顧客の声やマーケットの知見を生かして、魅力的な商品を生み出すことができるでしょう。
工場勤務
接客業から一転して、工場勤務を選ぶことも可能です。製造業や物流業などの工場での仕事では、商品の製造や流通プロセスに携わります。接客業とは異なる環境で働きながら、新たなスキルを身につけることができます。
接客業が嫌になって退職や転職したいなら意識しておくべきこと
接客業からの退職や転職を考えている場合、意識しておくべき重要なポイントがいくつかあります。これらを頭に入れておくことで、転職活動をスムーズに進め、次のステップに向けて前向きな移行を図ることができます。
前向きな志望動機やアピールポイントを考えておく
仕事を辞めたいと思い悩む時には、誰もがネガティブな動機になりがちです。
しかし、転職活動を行うにあたって、志望動機を考える上ではポジティブになる必要があります。
以下は、接客で人が嫌いになった場合の、前向きな転職の志望動機の例です。
- お客さんを敵と疑うような接客ではなく、真にお客様に感謝される仕事がしたいと思ったから
- 量販店のような機械的な接客対応ではなく、一人一人のお客さんと向き合って満足行く接客のできる仕事がしたいと思ったから
コツとしては、志望動機はそのまま使うのではなく、とくに自分が「これだ!」と感じるものを選び志望動機が評価されそうな会社を見つけ出すことがポイントです。

「お客は敵」みたいになる仕事は
割り切って機械のようにならないと
対応し切れない忙しさがあります
転職サービスを利用してプロのサポートを受ける
以上のように、「接客業を辞めたい」という悩みに対し、一概に「これをすべき」という正解はなく、それぞれの状況に合わせて最適な行動を取捨選択する必要があります。
つまり、多くのことを考えて計画的に行動する必要があるのです。
それを在職中の考える余裕がないうちに行うのは、かなりハードだと言えるです。
そこでオススメしたいのが、転職サービスでプロに相談してサポートを得るという方法です。
転職は人生の大きな変化ですが、専門家の手助けを借りることで、その過程をずっと安心して進めることができます。