仕事においては「効率」が求められますが、日本の労働環境は一向に非効率の極みとでも言える職場が多いです。
では、なぜ”非効率な職場”が減らないのでしょうか?
ITツールを導入しないから?
働き方改革に向けた取り組みをしてないから?
電話や急な来客での対応時間に手間取っているから?
これらはすべて”非効率のごく一部”でしかありません。
仕事を効率よくこなせるかどうかは、実は”考え方”だけで簡単に変えられます。
そこで今回はちょっと教えるのがためらわれるような「本当に効率よく仕事が出来る人がコッソリ実践している方法」をご紹介していきましょう。
効率の悪い会社にありがちな特徴や問題点とは?
能率の悪いやり方やどうでもいいことにこだわる社員がいる
能率の悪いやり方にこだわる社員がいると、組織全体の生産性に悪影響を及ぼす可能性があります。このような状況に直面する組織は、適切な対処策を講じる必要があります。
無駄な会議による時間の拘束が頻繁に発生する
目的や内容が定まっていない社内会議が無駄に繰り広げられた挙げ句、何も決定しないで進展がないまま膨大な時間を浪費するような会社があります。
その際、参加する必要がない社員まで会議に時間を拘束され自分の仕事を行う時間がなかったり、会議での参加者の役割が決まっておらず責任のなすりつけ合いになるなど、社内全体での生産性を下げる要因が多く見受けられます。
非効率な社内コミュニケーションが無駄に行われている
非効率な社内コミュニケーション方法により、業務効率が落ちることがあります。たとえば、連絡手段が統一されておらず、メール/チャットツール/オンライン会議/リアル対面などの手段が混在していると、確認漏れや連絡に二度手間が生じるなど、時間面でも見ても無駄が多いです。
それ以前に、未だにファックスや固定電話などの連絡手段が主であったり、紙書類での事務手続きに印鑑や郵送が必要な職場では、連絡に無駄な工数を費やすことになります。
他にも、社内に無駄なコミュニケーションを求める人物がいると、不要な時間拘束が生じることがあります。具体的には以下のような例です。
- 業務に不要なプライベートな相談を頻繁に振ってくる(愚痴や自慢など)
- 休日にLINEグループやChatworkでの通知を頻繁に行ってくる
- 無意味な叱責のために社員を拘束する上司がいる
いずれも時間を無駄にするだけでなく、不要なストレスを抱えさせることから、業務効率を落とします。
部署/役職ごとの業務範囲や責任範囲が不明瞭
社内において、業務範囲や責任範囲が不明瞭で、何かしらのトラブルが起きた時に誰に相談すればいいかわからない場合も、非効率な社内環境となりやすいです。そういった職場では、部署間の連携がしっかり取れていなかったり、専門性のない人物が専門的な相談を担当して余計な時間を食うなど、無駄が多いです。
また、責任範囲や業務範囲が不明確な場合、一部の優秀な人物のみにトラブル時の対応や業務に関する相談が押し寄せることになりやすく、一方で、そうでない社員は対応能力が身につかず無責任な態度になりやすいといった問題も生じます。
書類や事業内容の整理整頓がされていない
書類や事業内容の整理整頓は業務効率化の重要な要素です。適切な書類管理システムの導入やファイリングと分類のルール策定、定期的な整理と廃棄のプロセスなどを行い、不要な情報の蓄積を防ぎます。また、事業内容のマッピングと整理、コラボレーションツールの活用、整頓習慣の醸成とトレーニングなども重要です。これらのアプローチを組織全体で取り入れ、整理整頓を改善することで、業務の効率性を向上させることができます。
営業部門が安請け合いで無茶な仕事を受注してくる
効率よく仕事が出来る人は断ることがとても上手です。
しかし、表面上は「頼めばなんでもやってくれる人」に思われるため、周りからきづかれにくいのです。
たとえば、効率大好きな若者から嫌われる「飲み会での付き合い」なんかは典型例です。
飲み会に「参加する」「断る」ケースを使い分け、本当に必要な飲み会にしか参加しないわけですね。
要は「付き合いが良い」「付き合いが悪い」のギリギリのラインを保ち続けているのでう。
また、断ることが上手い人は予め無駄な仕事を振られないように立ち回っています。
表面上は「その仕事はまたの機会に(笑顔で威圧)」「今忙しいのでその話は来月にでも(別に忙しくない)」「その業務はウチの〇〇が詳しいので、こちらから頼んでおきます(自分でやらない)」など、バカ正直に断らずに巧みに仕事を切りかわすのです。
余裕のないスケジュール設定により手戻しや遅延が発生する
効率よく仕事が出来る人は時間や納期を守りません。
しかし、表面上は「時間内に終わらせている」ため、周りから気づかれにくいのです。
あくまで「時間内に終わらせた」ということにするのがとても上手いのです。
たとえば納期の日程を部下に伝えるにしても、わざと予定よりも短く伝えておくことで、実は「本当に納期を守らないといけない相手」に対してはしっかりと守っているのが事実なのです。
一方で効率の悪い人ほど、バカ正直に時間を守ります。
なぜ、バカ正直に時間を守るのがいけないか?
時間通りに仕事が終わるなんてことは、まずないから。
大事なのは「時間を守っている」ように見せかけて「時間を守っていない」ことなのです。
トラブルシューティングが適切に為されていない
適切なトラブルシューティングと問題解決能力の強化は重要です。手順とプロセスを確立し、チーム間のコミュニケーションを強化します。ルートコーズ分析を行い、再発防止策を立案します。ドキュメント化とナレッジベースの整備を行い、トレーニングやスキル向上に注力します。継続的な改善とフィードバックループを確立し、効率性を向上させます。これにより、トラブルに迅速かつ適切に対応し、業務遂行と顧客満足度を向上させます。
ITツール導入による効率化が為されていない
ITツール導入による業務効率化が十分に実現されていない場合、以下の解決策が考えられます。適切なツールの選定とカスタマイズ、トレーニングと啓発の実施、プロセスの見直しとツール連携、サポートとフィードバックの収集、チーム間のコラボレーションと知識共有、継続的な評価と改善サイクルの確立です。これらの取り組みにより、ITツールの効果的な活用と業務効率化を実現します。
アウトソーシング(外注化)や専門人材の活用が為されていない
また効率よく仕事がこなせる人は、他人に頼るのがとても上手です。
なぜなら、面倒で余計な仕事は他人に投げてしまうのがもっとも効率がいいことに気づいているからですね。
逆に目先の効率にこだわる人ほど、細かい効率化やIT導入の検討に長い時間をかけて、大して効率がよくなりません。
しかし、当然ながら「余計な仕事・無駄な仕事」をバカ正直に他人に投げても素直にやってもらえません。
そこで表面上は「社長も若い頃にやってた、すごい仕事だゾ~」「これをやれば一気に評価が上がるぞ」などとおだてて、他人に「すごくやりたい仕事(実際は面倒な作業)」として振り分けるのです。
仕事には「無駄」が多く感じますが、その無駄ですら価値あるものに変えることこそ”効率”なのです。世の中の9割の仕事は無駄で出来ていますから。
人材や予算のリソース配分が適切でなく無駄が多い
仕事の効率が良い人は決して100%で仕事しません。
ただし、これも表面上は「100%本気で打ち込んでいる」というパフォーマンスで周囲にバレないようにしています。
そもそも、8時間+残業時間フルスロットルで100%で仕事していては集中力が持ちません。
また、効率のいい人は仕事の予定や目標設定も「100%」を設定することはありません。
それはなぜか?
100%思ったように仕事が終わることなんて、まずありえないからです。
しかし、これも「100%本気で目標に向かっている」というスタンスを通しています。
ですので、目標が達成できなくても「今回は達成できなくて残念だったが、気持ちを切り替えて頑張ろう(目標設定自体無茶だったからね★)」と常に余裕なのです。
社内制度や規則の明記、業務内容のマニュアル化などが行われていない
効率よく仕事が出来る人は、そもそも「自分が効率よく仕事が出来る」とは考えていません。
しかし、自分の能力をよく把握しています。
それはなぜか?
自分の限界を知っているからです。
効率とは一見「手を抜いている」ように見えますが、それは「本気でやればどこまで出来るか?」「本気がどこまで持続できるか?」とわかった上でのバランス配分なのです。
逆に自分の限界を知らないで入社後ソッコーで手を抜いているような社員は、当然ながら「自分の限界を知りもしないで手を抜く」という事態に陥ります。
ですので、本当に効率のいい人とは違って「怠けている」「手を抜いている」と周りからバレバレになってしまいます。
周りから手を抜いていることがバレて、業務量を増やさたりケツを叩かれでもしたら、それは中期的に見れば「効率がいい」とは言えません。余計な仕事やストレスを増やされないように立ち回ることも「仕事の効率」なのです。
“効率よく”はコッソリと実践しよう
本当に効率よく仕事をしている人は「周りからは”手を抜いている”と思われない」ように仕事しています。
なぜなら、日本の企業では仕事をこなせばこなすほど、仕事の量が増えるからです。
そこを間違えて「自分は他人よりも効率よく早く仕事が出来る!」とアピールしてしまうと、余計な仕事を増やされる結果になってしまいます。
ですので、要領よく仕事が降り掛かってくることを避ける処世術も身につける必要があるんです。
言わば人間関係の”効率化”ですね。
そして、表面上は「真面目にやっている」「他人に頼れる兄貴分」という感じの演出も必要。
間違っても「なぜこの程度ことも出来ない?」「なんでわからないの?」なんて言ってしまうと、当然ながら「じゃあ、お前がやれよ!」と要らぬ仕事が降りかかってくることになります。
「口は災いの元」とは言ったものですが、まさにその通り。
余計な一言で余計な仕事を増やす人は、まったくスマートでも効率的でもないのです。
仕事の効率化が実践できるかどうかは、実は作業内容の効率化だけではなく「人間関係のスマート化」にあることがわかってくることでしょう。
みなさんも目先の作業の効率化ではなく、人間関係の効率化に気を配ってみましょう。
非効率で無駄の多い職場からは転職を検討しておこう
そもそも、非効率な業務体制が当たり前になっているような会社は、採用や人事、マネジメントが機能していない可能性が高いという見方もできます。
マネジメントとは「組織運営」という意味合いも含み、適切な人材の採用や配置、人材の教育なども含まれ、上司が非効率な仕事の仕方にこだわるのもマネジメントに対する理解が低いからと言えます。
たとえば、業務効率化のためにITツールを導入したり、DX化を進めたり、業務に必要な連絡をデジタル化するようなことをしてなければ、会社全体で効率化を行う意識が低いと言え、今後も改善が見込めない可能性が高いと言えるでしょう。
そのような非効率な職場環境でストレスが限界に達しているのであれば、転職を検討しておくタイミングかもしれません。
転職活動をしっかり行っておけば、明らかに今の職場で割を食っているような効率化ができる人は年収アップや待遇向上が見込める可能性が高いです。また、年収が良い会社ほどそれだけ良い人材が多く採用されている会社であったり、組織運営が適切にされていて業務効率化も進んでいる会社で快適に働ける可能性が高まります。
ただ、いきなり転職しようとしても、経歴が不十分なうちや自己アピールが不十分なうちは自力で転職しようとしても採用されにくいばかりか、下手をすると年収ダウンしてしまったり待遇がさらに悪くなる…なんて失敗にもつながりかねません。