仕事を辞めるのには勇気が必要だと思われがちです、ちょっと工夫すれば勇気は必要ないです。
退職すること、その次の転職先を探すことは「ギャンブル」ではありません。
そこに気づかず「仕事を辞めるのには勇気がいる…」と思い込むで、辞める勇気もなくなり、続ける元気も失うことになるのです。
この記事では、そうなる理由について解説していきます。
会社を辞めるのに勇気は必要ない、必要なのは「計画」と「戦略」
会社を辞めるのには「勇気」が必要だと思われがちです。
辞めるための行動には「元気」…言い換えれば「精神力」「やる気」も求められます。
しかし、本当に必要なのは「勇気」でも「元気」でもありません。
「計画」と「戦略」です。
それはなぜか?
仕事を辞めるには「決断」が求められるからです。
計画や戦略なき決断は「勇気」でなく、ただの「無謀」です。
見知らぬ国に、地図も持たず、外国語も学ばず、帰りのチケットも持たず、移住するようなものです。
よい決断をするには、よい「情報」と「判断」が不可欠です。
情報を集めて「どれが自分に合うか?」「どれが正しいか?」を判断することで「計画」や「戦略」を立てていきます。
多くの人が「仕事を辞めた後に収入で困らないか?」と悩みます。
ですが、仕事を辞めた後に「高確率で収入が上がる転職先」を確保できていれば、辞めることに戸惑いはなくなるでしょう。
その「高確率で収入が上がる転職先」を見つけ出すために、
- 収入が上がりそうな求人を見つける
- 収入が上がると確信できる情報を集める
- 収入を上げるために必要な条件を調べる
- 必要な条件を満たすために勉強したりスキルアップする
といったこと考えたり実行するのが「計画や戦略を立てる」ということです。
仕事を辞める勇気も続ける元気もない人の大半は「1.収入が上がりそうな求人を見つける」の段階で止まってしまいます。
求人だけ見て「イマイチ惹かれない」「受かるわけない」とアレコレ悩んでしまい、まったく行動できない…といった形です。
そこから踏み込んで、
- 本当に収入が上がるのか?
- 収入が上がるとして、内定はもらえるのか?
- 内定がもらえないなら、何が足りないのか?
まで、考えることをしません。
あるいは、考えても「判断」するための「情報」が不足しているため、考えても何もわからないまま時間と精神だけをすり減らします。
端的に言えば「勇気がない」のではなく「”正しい計画や戦略の立て方”を知らないだけ」で説明のつく話です。
仕事を続ける元気がないのは、辞めたいのに動かないから
仕事を続ける元気…言い換えると「気力」が湧かないのは「辞めたいのに辞めるために動いてないから」です。
うつ病に陥る根本的な原因として「進みたいのになぜか進めない状態がずっと続く」というものがあります。
人間は理性で動く生き物でありながら、根っこでは感情や本能で動く生き物です。
元気が湧かず、うつ状態になって何も進まなくなる原因には「理性と感情のジレンマ」とでもいうべき状態に陥ってることが多いです。
理性:仕事を辞めると迷惑がかかる、世間体が悪くなる、経済的に不安定になる
感情:本当は辞めたい、別のことがしたい、この仕事を続けても先はない、上司と関わりたくない
社会で生きていくためには、理性で動くことが求められます。
そのため、自分の感情や本心を圧し殺すことに慣れてしまいます。
その結果、理性で「辞めてはいけない」「辞めたら失敗する」という強迫観念にとらわれることとなります。
それは、まるで真綿で自らの首を締めるかのように、徐々に自分の精神を蝕んでいきます。
気付いた頃には、手遅れです。
本当は辞めたいのに、やれ「勇気がない」だとか「元気がない」だとか「辞めるのがめんどくさい」だとか、自分にウソをつき続けることなります。
リスクを背負って辞めるよりも、ダラダラとやりたくもない仕事でも続ける方が「楽だから」です。
しかし、そんな消極的な動機で続けてる仕事など、無理に続けたところで活躍できるはずもありません。
毎日辞めることばかり考えて集中力が低下しミスが増えたり、仕事の話が頭に入ってこずに学習意欲が下がるなど…。
それぐらい、自分の感情や本心を無視することは生きる気力を低下させる行為なのです。
「退職」という不確定性があなたを臆病にする
仮にどれだけ、計画や戦略を立てられても、行動する元気があっても、唯一、消せない不安要素があります。
それは「不確定性」です
どういうことかというと、
退職するにしても
- 退職後の収入が確保できるかどうか
- 失業期間がどれだけ続くか
- 次が見つかるか
- 家族や友人の反応や支援の有無
転職するにしても、
- 採用してくれる企業はあるか?
- 辞めた経歴で不利にならないか?
- 転職後に後悔しないか?
といった不安がつきまといます。
これらは「やってみなければどうなるかわからない=不確定性」として、すべて消すことはできません。
にも関わらず、確証を得るためにネットで延々と情報を漁り続けるような人は実に多いです。
退職すること自体は、法律によって権利が定められており、企業側には止める権利はありません。
「最悪、弁護士に頼んで辞めよう」と計画を用意してけば、辞めること自体に勇気は必要なく「ただ単に計画通りに作業しておしまい」で済む話です。
にも関わらず「辞められるのだろうか?」と不安になるのは、不確定要素に怯えているからです。
会社側が退職を引き留めてくるかどうか、残った社員からどう思われるかは、辞めると伝えてみなければどうなるかはわかりません。
上司のその時の気分次第で「あとで処理するからそこに置いておいて」と淡々と処理されることもあれば、あの手この手で必死に引き留めてくることもあります。
それは、自分と会社との関係性次第ですし、タイミングの問題もあります。
何かの関係を終わらせたり、あるいは、新しい人生を歩むためには「不確定性=どうなるかわからない」を受け入れる「強さ」や「覚悟」が求められます。
それができないのは、単に「他人に何かを伝えるのが怖い」「変化するのが怖い」だけです。
要は、好きな人に告白するのが怖いのと同じで「退職する意志を伝えるのが怖い」「辞めたいという本音を伝えて拒否されるのが怖い」わけです。
なので、辞めることに「勇気が必要」だと勘違いしてしまうのです。
好きな人に告白するにしても、相手がどう思っているのか探りを入れたり、話す機会を自ら設けるなど「成功する確率を上げる=計画や戦略を立てておく」ということはできます。
しかし、自分のことが好きかどうか、付き合ってもらえるかどうかは、告白してみなければわかりません。
パンドラの箱の中身は、開けてみなければ最後まで「わからない=確定しない」ものです。
この「やってみなければわからないこと=不確定性の高いもの」に、確証を得ようとし続けて、無駄な情報ばかり漁ったり、本質的でないことで悩み続ける人はかなり多いです。
そして、不確定性から目を背けたいがために「いい大学に出て大きな企業で働くのが正解」「仕事を辞めると人生に失敗する」などという一般論を盲信し、自分自身の人生をみすみす手放してしまうのです。
「正しい選択」のために必要なこと
「勇気が必要ない」と何度も言ってますが、それはあくまで「仕事を辞めるという行為そのもの」に限った話です。
「辞めるという決断を下す」ためには「不確定性と向き合う覚悟」「辞めた後もどうにかする決意」といった類の「勇気」が求められます。
しかし、大半の人は「後悔したくない」「失敗したくない」と考え、決断を先延ばしにしがちです。
事実、計画や戦略のない衝動的な行動は、後悔する原因となります。
それは「勇気」でなく「無計画」「無謀」ともいうべき、浅はかな行動です。
「後悔のない決断を下す」には、情報を集めて、その情報が「正しいか?自分に合うか?」を判断し、計画や戦略を立てる必要があります。
しかし、計画や戦略が予定通りに進むことはまずありません。
行動する中で反省と改善を繰り返し、そのたびに軌道修正する必要があります。
それを繰り返す中で「自分の進むべき道=正しい選択」が徐々に見えてくるのです。
勇気が必要だとしたら「自分が正しいと思った選択を自分自身の意志で実行できるか?」という部分です。
逆に言えば、自分で「何が正しいか?」を決められないからこそ「勇気がない」と曖昧な言葉に依存してしまうのです。
勇気がなくても仕事を辞めるステップ
ここまでの話を整理すると、以下の通りになります。
- 「勇気」と「後悔しない決断」は別で考える
- 後悔しない決断を行うには計画や戦略が大事
- 計画や戦略を立てるために情報や判断が必要
- どれだけ完璧に計画や戦略を立てても不確定性は残る
- 不確定性が残った状態で決断するのには「勇気」が必要
つまり「不確定性が多いほど、決断のために求められる勇気が重くなる」ということです。
勇気とは、裏を返せば「リスクが多いと感じてる」からこそ、持たないといけないと錯覚している感情です。
その「リスクを減らす=勇気に頼る範囲を減らす」ために、計画と戦略が役立つわけです。
仮に「99%退職にも転職にも成功する」と確信できる情報があれば、勇気など必要なく、淡々と計画や戦略を実行するだけで済みます。
会社を辞める勇気もない、続ける元気もないというのは、言ってしまえば「あらゆる不確定性を放置し続けている最悪な状態」とも言えます。
自分が本心では辞めたいのかどうか、何か会社環境が変われば続けたいのかすら、曖昧な状態です。
そして、そういう「どっち付かずな人」の大半は「確実に年収アップも待遇向上も見込める転職先」が確保できたら、辞めるに決まっています。
なぜなら、そこまで今の会社に強い思い入れがあるわけではないからです。
思い入れがあるなら「辞めたい」よりも先に「会社に変わって欲しい」「年収を上げて欲しい」と、具体的な要求が出てきます。
それがないということは「今より良くなる確証がない」という理由で、内心では辞めたくてダラダラとしょうがない会社を続けているだけに過ぎません。
なので、やるべきことはシンプルに一つです。
「今より良くなる転職先を見つける」
これだけで、今の仕事を辞める勇気が勝手に湧いてきます。
しかし、今より良くなる転職先を見つけ出すためには、ただ求人情報を閲覧するだけではいけません。
大半の人は「求人情報を正しく判断する能力がない」からです。
加えて「求人に受かるための正しい転職活動方法」すら知りません。
その結果「自分には転職は無理」「どうせ受からない」と、諦めてしまう人が多いのです。
そうならないためにやるべきことも、実にシンプルです。
それは「転職のプロに相談する」という方法です。

わざわざプロに相談しなくても
求人サイトを見ればいいだけでは?
このように思われる方も多いはず。
実際、転職サービスの一部には「求人を紹介するだけ」「応募を急かすだけ」「検討違いのアドバイスばかり」という相談するだけ時間の無駄な悪質な担当者もいます。
そういった担当者と関わって不快な思いをするぐらいなら、自分でちまちま求人情報を集めた方がマシだと言えます。
しかし、自分と合う転職サービスを見極めて良い担当者が付けば、自分一人の力では成し得ないレベルの転職が実現可能となるのでしっかりと選んでみる価値ありです。