「なぜか優秀な人ほど突然辞めていく…」
「仕事ができる人ほど辞める…」
「真面目な人やいい人ほどあっさり辞めていく…」
このような経験に
見覚えはありませんか?
このような現象に心当たりがあるなら、優秀な人材にとって、何かしら居心地の悪さを感じさせるような問題が会社に潜んでいる証拠です。
周りからすれば「突然辞めた」と思えることでも、当人は必ず裏で葛藤を抱え、自分自身で考えた上で決断しています。それを「突然辞めた」「あっさり消えた」「黙って去っていった」と感じるのは、会社側の慢心だと言うほかないでしょう。
「なぜ、優秀な人ほど突然辞めるのか?」
「いい人や出来る人ほど辞める理由」
こういった「辞めてほしくない人ほど辞める原因」を知ることで、今の会社の問題点のみならず、自分自身がその会社に居続けるべきかどうかなど、様々な問題が見えてきます。
「優秀な人が辞める」という現象から
多くの学びを得ることで
自分のキャリアに活かしていきましょう
仕事ができるのになぜか辞めていく人の特徴:辞める予兆すら見せずに突然去る…
仕事のできる人がなぜ辞めていくのか、その背後にはどのような特徴や思考があるのでしょうか。多くの企業がこれらの人材を手放してしまう理由に、彼らの独特な特性が関係していることも少なくありません。以下に、そのような人たちの共通点を挙げてみました。
- 建前が上手く本心を悟らせない:
表面上は冷静であり、深い感情や考えを他者に簡単に見せることはない。 - 与えられた仕事は卒なくこなす:
任されたタスクや役割に対して、高い成果を持って完了させる能力を持つ。 - 自立心が高く指示がなくとも動ける:
待って指示を受けるのではなく、独自の判断で積極的に動く姿勢がある。 - 誰とでも別け隔てなく接することができる:
人間関係でのトラブルを避けるため、どのような人物であっても公平に接する能力を持っている。 - 対人関係のトラブルは意外と少ない:
他のメンバーや上司からの評価は高く、仕事に関する期待値も常に高まっている。
これらの特徴を持つ人たちは、外から見れば模範的な従業員として評価されることが多いでしょう。しかし、彼らが突然辞める背景には、彼ら独自の価値観や組織に対する期待、そして実際の体験とのギャップなど、様々な要因が考えられます。
突然辞める人の心理:内心では会社に愛想尽きている…
会社にとって、優秀な人材は上司や同僚にとっても頼もしい存在で、辞められては困ることも多いことでしょう。そういった人物ほど、なぜか突然辞めていくものです。
それは優秀な人にとって「なぜか?」を説明する必要もなく「当たり前の決断」なのかもしれません。
有能な人やエース社員など
「辞めてほしくない人」が
退職を決意するまでに
どのようなことを考えているか
解説していきますね…
習得スピードが早すぎて仕事に飽きるから
仕事ができる人ほど辞めていく理由として、仕事の習得スピードが他と比べて早すぎることが挙げられます。多くの仕事は「できない人に合わせて作られている」ため、習得スピードの早い人にとっては退屈なものとなってしまうわけです。
事実、会社側も従業員が仕事に飽きないように、定期的に部署や配置替えで仕事内容が変わるように工夫しています。
これが普通の人であれば「お金のために飽きた仕事も続ける」という発想になるのでしょうが、仕事ができる優秀な人は必ずしもお金のためだけに仕事しているわけではなく、仕事自体にやりがいを感じていたり、成長を楽しむなど、その欲求は様々です。
安定よりも変化を求めるから
仕事ができる人は安定よりも変化を求めるため、仕事を辞めることに抵抗がありません。
そもそも、終身雇用制が実質的に崩壊した今、一つの会社で長く働くことはリスクです。
その証拠として、実社会で活躍している人ほど様々な職場で働いてきた経歴を持つことが多いです。
また、著名な実業家の経歴を見てみても、何か一つのスキルを極めたり、一つの会社のみでしか働いたことのない経歴の人はほとんどいません。
一般的に安定しているイメージのある大企業勤めや公務員であっても、定年退職まで働けるかはわかりませんし、何よりも自分の挑戦したいことや生き方を犠牲にすることで精神的には不安定になることだって考えられます。
つまり、仕事ができる人は会社に安定した環境を用意してもらわずとも、自分で安定を作り出すことができるわけです。
職場や会社、業界の課題が見えすぎて仕事が嫌いになるから
仕事ができる人ほど、自分の仕事や所属する会社や業界が嫌いになりがちです。
その理由は、会社の抱える課題や嫌な部分がよく見えているからです。
そのような嫌な部分にも耐える強さがあるからこそ、社内の問題を改善するために仕事に取り組めるわけですが、多くの場合は社内の問題を解決したところで感謝されたり評価されることは少ないという現実とも直面することになります。
そのような事態が続くと、突如何かが切れたようにすべてがどうでもよくなり、会社に絶望して辞めていくのです。
今の会社に将来性を感じないから
優秀な人材は仕事を辞めて転職を考える場合「業界や会社に将来性があるか?」「自分自身がそこで働くメリットは大きいか?」を考えます。
将来性の低い会社で働くことは自分の貴重な時間を潰しかねないことになり、よほどのことがない限り避けられるものです。
ただ、先のことは誰にもわからないため、将来性のある・ないを判断するのは人によって様々でもあります。
たとえば、どれだけ業績が良くても社内環境が殺伐としていれば精神面の負担が増え続けるだけの人生が待っていますし、逆にどれだけ職場環境が良く仕事が楽しくても生活できるほどの給料が得られなければ先行きに不安を抱えるものです。
周りのレベルの低さにうんざりするから
どれだけ仕事のできる人であっても、大なり小なり周りの仕事へのモチベーションが自身の仕事にも影響を与えます。
そのため、周りのレベルが低かったり、意識の差に耐えられなくなって辞めることもあることでしょう。
それには、以下のような事情があるからです。
- 一般的な仕事の多くは「できない人」に合わせて作られている
- 転職するアテがない人ほど今の会社にしがみつくために現状維持に必死になる
- 会社の課題について真剣に考える社員は少ない
- そもそも、成長意欲や向上心に欠けている人の方が割合的には多い
たとえ、一社員が会社の経営課題について真剣に悩んで仕事を行っていても、それが成果や評価に反映されるわけでもありませんし、ただ言われたことだけをやっている社員と給料が変わらないことも珍しくはないことです。
そうなると、真面目に努力して仕事している方が損をするため、バカらしくなって突然仕事を辞めてしまうわけです。
言ってしまえば、進学校の中に何の目的意識も持たない学生を入学させると平然と授業の妨害を行ってきますが、それと同様のことが社会に出ても起こりえるのです。
会社を変えるより自分が変わった方が早いから
よく経営者側の本音として「会社を変えてくれる人材が欲しい」と聞きますが、現実は一社員の権限で会社を大きく変えるのは無理な話です。
そのため、優秀な人材は「自社が変わるのは無理だ…」と判断したら、会社に変わることに一切期待せず、自分を変えるために労力を割くものです。
とくに人間関係については、誰かが率先して動いたり、自分を捻じ曲げて他人を立てるなどしなければ、状況が動くことはほぼありません。
仮に優秀な社員が組織改革を行えるポテンシャルを秘めていたとしても、労力の割に合うかどうかは別問題ですし、多くの場合は徒労で終わることも少なくはありません。
そう考えると、自分の望む環境を用意してくれる会社へ転職するか、それも無理なら起業するしか選択肢はなくなってきます。
また、仕事のできる人ほど「他人に変えてもらうのではなく自分で変える」という発想を持つため、与えられた環境に満足する人や愚痴や不満ばかりで一切行動しない人と違って「会社を辞める」という勇気ある選択を取れるわけです。
優秀な社員が辞めていく会社の問題点は?
ここからは、優秀な社員側の辞めていくような会社の問題点について解説していきます。
優秀な社員に周りが依存し切っている
優秀な社員が辞めていく理由として、会社や上司、周りの社員が優秀な社員に依存し過ぎているというケースがあります。
具体的には以下のような例です。
- 優秀なエース社員に仕事が集中している
- 自発的に動ける人材に仕事を任せっきりで自分から動く人が損する
- 経営階級や上司・先輩が優秀な社員に頼りっきり
- 組織改革・改善に対して優秀な社員しか動かない
とくに「自発的に動ける=言わなくてもやる人材」というのは、上司や周りの社員からすればありがたい存在ではありますが、その状態が続くと本人からすれば「なぜ自分だけこんなに動かなくちゃいけない?」と不満を抱える原因にもなります。
自発的に課題に取り組める優秀な社員ほど会社から依存されてしまい、仕事が増やされる割には待遇は上がらない…という事態となりわけです。
その結果、自分から率先して動けない指示待ち社員が残り続け、自発的に動ける優秀な人材ほど辞めていく結果になるのです。
優秀な社員ほど負担が増え不公平感が強くなる
優秀な社員は仕事の負担が増えるばかりで、勤務年数が増えてこなせる仕事が増えるほど不公平感が強くなるものです。
これは具体的に以下の通り。
- 要領よくやればやるほど仕事が増える
- 新しいスキル/知識を優先的に覚えさせられる
- 面倒な仕事を大量に押しつけられる
- 上司や先輩の尻拭いをさせられる
- 大量の雑用の仕事を振られる
これは、一般的な社員は決められた勤務時間内は常に働いてなければならないため、他人が8時間かけて終わる仕事を1時間で終わらせたとしても「怠けている」「周りを手伝わない協調性のない人」と判断されかねないわけです。
また、当人も良かれと思って仕事を効率良く終わらせることで業務負担が増えるハメになり、気づいた時には断れなくなり、しびれを切らして辞めてしまうことになるのです。
仕事ができるほど割を食う組織構造の問題
仕事ができる人は、真面目な性格の人も多いはずです。
ですが、仕事においては真面目な人ほど必ずと言ってもいいほどバカを見ます。
ここで言う”真面目”とは、あくまで「上司や取引先の要求や意図を汲んで、忠実に望むものを提供できる能力」のことです。
たとえば、
- 自分の上げた成果をすべて上司や会社に横取りされた
- せっかく勝ち取った取引先との契約を、会社都合で他の社員に当てられた
…など、真面目な社員の成果は会社に搾取・横取りされるものです。
もちろん、一社員にこれをどうこうする権限はないのですから、黙って理不尽に耐えるしかありません。
真面目で優秀な人材は、このような憂き目にあっても表面上は「気にしないフリ」「納得したフリ」をしますが、それはあくまで仕事に支障が出ないようにしているだけであって、内には不満を抱えているものです。
社内評価が優秀な社員にとって不公平感が強い
優秀な社員が正統評価されない職場、あるいは会社自体の社内制度・組織体質が優秀な社員を評価しにくいものである場合も、優秀な社員ほど辞めていきやすいと言えます。
具体的には以下の通りです。
- 年功序列型の組織体質で能力・成果に応じた昇給制度がない
- 効率良く仕事を終わらせる人材よりも仕事量をこなす人材の方が評価される
- 学閥・派閥などのグループ争いが出世に影響を及ぼす
- 挑戦した人材よりも失敗しない人材が評価される組織体質
- 実務面での能力が優秀な社員よりも上司に気に入られている社員が評価される
- 上司・経営者のえこひいきでの社内評価が当たり前に行われている
仮に優秀な社員に依存している会社が、社員の能力や成果に応じて正統評価されるのであれば、優秀な社員は待遇や給料に満足して辞めていくことは少ないはずです。
ですので、仕事ができる人ほど辞めていくのであれば、そもそも会社の経営方針やマネジメント自体に問題があると考えておくといいでしょう。
会社の人間関係が馴れ合いになっている
会社によっては、馴れ合いがひどく、社員と友達感覚で仕事していたり、一族経営での社員を家族のように扱っている会社もあります。
そのような会社は仕事ができる人ほど仲間外れにされるなどして、過小評価されることもありえます。
というのも、仕事ができる人は冷徹な判断ができたり、人間関係の好き・嫌いを仕事に持ち込まないため、かえって馴れ合いの強い会社では嫌われやすくなるのです。
たとえば、ワンマン経営の小さめな企業で、経営者に耳の痛い事実を伝えるような社員は、どれだけ仕事ができても社内で疎まれてしまえば、そもそも仕事を割り振られないハメになることも考えられます。
また、仮に優秀な社員が過小評価されておらずとも、自分が真面目に仕事している時に周りが身内ノリの雑談で盛り上がっていると、不快に感じるものです。
誰かが組織改革をしなければならないのに誰も動かない
会社の課題というものは、案外、誰でもわかっているものです。
たとえば、残業が一向に減らない場合、上司や経営者が「なんとかする」と口では言っていても、まったく動く気配がない場合があります。
その場合、上司や経営者が動いてくれるように仕向ける必要がありますが、それは下手をすれば上司や経営者と対立して社内での立場を失うリスクを抱えることともなります。
また、業務負担の多い優秀な社員が不満を漏らしたとして、その場では相談は聞いてくれるものの、具体的な処置は何も施さないどころか「みんなも頑張ってるから…」「みんな辛いから…」と、感情的な話に論点を逸らされることも非常に多いです。
上司や経営者が会社の課題や問題点を認識していないならともかく、認識していながら改善に向けて動かないのであれば、いつまでも動かない可能性の方が高いのは目に見えてわかることでしょう。
とくに会社に高齢層が多い場合、自分が定年退職まで逃げ切ることしか考えてないことが透けて見えることも多く、自分が辞めた後の若手のことなど何も考えていないことも少なくありません。
そういった、社員の「当事者意識のなさ」が優秀な人材にも伝わってしまい、愛想尽かされて辞められるのかもしれません。
仕事ができる人は常に転職を意識しておいた方がいい
優秀な社員ほど辞めていく…という会社の構造の問題は、正直どうにもなりません。
なぜなら、一般的な会社は優秀な社員ではなく普通の社員に合わせて作られており、自発的に動ける人材や課題解決に向けて動ける人材にとっては、退屈で不満の多いものになりやすいからです。
また、一般的な会社では「成果よりも人間性」を重視しやすく、実務面の能力よりも付き合いの良さや人柄が社内評価に反映されることも珍しくはありません。
ただ、最近ではそのような会社の経営の仕方にも限界が来ており「ジョブ型雇用」など、実務面の能力や成果主義の傾向が来ており、会社に長く勤めて尽くすことよりも、実際の能力が重視される傾向になっています。
その証拠に、昔以上に転職が好意的に受け入れられるようになっており、事実、仕事のできる人ほど転職してキャリアアップしていきます。
また、実際に転職する・しないは別にしても、転職を意識して自分の経歴や人材価値を客観的に判断することで、今の会社の評価が正当かどうかも冷静に見極められるようになります。
時代動向を踏まえたり、今の社内評価だけに依存しないためにも、仕事ができる自覚のある人は、常に転職を意識しておく価値は高いと言えるでしょう
転職先を常に確保しておくことは現代を生き抜くための必須スキル
転職先候補を常に確保しておくことは、終身雇用制が崩壊した現代においては必須スキルだと言えるでしょう。
採用の見込める求人を知っておくか否かでも、今の会社に不満があって辞めようと思った際にすぐに行動が移せるかどうかが変わってきます。
定期的に職務経歴書を更新することで、自分の経歴を客観的に評価でき、転職活動時にも迅速に対応できます。
また、転職活動に際して、業界動向にも詳しくなるため、今後必要とされるスキルや資格、人物像についても理解できるため、キャリア形成で間違った努力をせずに済むはずです。
いずれにしても、転職を意識しておくだけでも得られるメリットは多いため、仕事ができる自覚のある人は早めに行動しておく価値は高いと言えるでしょう。
事実、転職を常に意識している人ほど、今の会社で何かあった場合にあっさり辞めて転職を決めますが、それは単に日頃から準備を怠っていなかっただけなのです。
キャリアを意識しておくことで今の仕事や自分の価値も冷静に評価できる
「社内評価が正当か?」
「本当に自分は仕事ができるのか?」
こういった悩みは、自分だけでは判断できませんし、今の会社の評価は上司や同僚の感情的な判断も含むため、客観性に疑問が残ります。
というのも、単に「辞められたら困る」という理由だけで、上司や同僚が「あなたは優秀で仕事ができる」ともてはやすこともありますし、何より、仮に今の会社で仕事ができても他の職場環境でも適応できるかどうかは別問題です。
転職を成功させてどの職場でも活躍できるかどうかは「今までの自分の経験や経歴が転職市場でどう評価されるか?」を知っておく必要があります。
少なからず、転職活動を通して適性の高い求人を多数紹介してもらえるのであれば、それは間違いなく「仕事のできる人」と評価されている証拠です。
もちろん、求人を紹介してもらえるだけではなく、入社後に活躍できなければ真価はわかりませんが、それでも「しっかり転職活動すれば内定がもらえる見込み」があるだけでも、自分の仕事の評価は変わってくるはずです。
優秀な社員が活躍しやすい職場環境を知っておく
文中でも何度か紹介していますが「優秀な社員=自発的に動ける社員」だとも言い換えられます。
逆に言えば、一般的な会社では自発的に動けない指示待ち社員の方が大半で、そのような会社からリストラされるまでは辞めないことが多いです。
元々、日本の会社は終身雇用に基づいて組織運営されているため、それに合わせた職場環境や採用方法が取り入れられています。
そのため、仕事ができる人が自身の能力を存分に活かせる職場を見つけ出すためには、社内環境や社内制度についても事前にしっかり確認しておく必要があります。
一般論で言えば、
- 個人の裁量幅が広い外資系企業
- 一人当たりの重要度が高いベンチャー企業
- 社員の自主性が要される営業系の会社
などは、自発的に動ける人材の方が求められやすい傾向にあります。
一般的に「自主的に動ける人材=優秀」と考えられがちですが、組織風土によっては歓迎されないこともあるため、自分に合った職場環境や社風の会社を見つけ出すことも大事でしょう。
転職支援サービスを活用しておく
優秀な人材ほど転職を意識しておくべき時代になっているのは間違いないので、少しでも今の会社に不満があるなら、この機会に転職活動を始めておくといいでしょう。