「仕事を辞めるのにウソをつくのはあり?」
こう悩まれている方は少なくない印象です。
とくに最近は「ウソをつくのが下手」「本音と建前を使い分けれない」方も増えているため、仕事を辞めるために「ウソをついてもいいのか?」と真面目に悩む方も多いですね。
ですので、結論から申し上げておきましょう。
仕事はウソの理由で辞めてOKです。
そもそも、会社を辞める際は「一身上の都合により~」と記載した退職届を提出すれば法律上の問題は一切ありません。
そのため、わざわざ企業側に辞める理由を説明する必要すらありません。
ですが、穏便に辞めるための「ウソ=建前」は用意しておくに越したことはないですね。
そこで今回は「仕事を辞める際の”ウソ”のつき方」について説明していきます。
仕事ではウソをついてもよい
ビジネスシーンでは、時にウソをつかなければいけないことも多々あります。
たとえば、出来ない仕事・やりたくない仕事でも「出来ます!」「やらせてください!」と言わないといけないこともありますよね。また、自分が一切悪くなくとも「申し訳ございません」と頭を下げなければなりません。
また、上司の機嫌を損ねないためには嘘でも「素敵です」などと、お世辞を言わないとならないこともあります。
要は、物事を穏便に済ますための”ウソ”であれば、全く問題ないのです。
…というよりも、ウソをついておかないと、面倒になってしまいますからね。
「嘘も方便」
「仕事を辞めるのにウソはいけない!」と考えている人は、単に勉強不足でしょう。
たとえば仏教用語である「嘘も方便」に関しては、非常に的を射た解釈が為されています。
「嘘も方便」とは?
嘘も方便とは、嘘をつくことは悪いことではあるが、時と場合によっては嘘が必要なときもあるということ。
目的を遂げるために、時には嘘をつくことも必要になるという意。
「方便」とは、仏教用語で、衆生を真の教えに導く為に用いる仮の手段のこと。
「ウソは悪いこと」と思われがちですが、目的遂行の際にはウソが必要になることあります。
たとえば、以下のような例で考えてみてください。
あなたの会社のとある社員が重大犯罪者だと疑われ、指名手配されています。
その人物は仕事が出来る人材で、人当たりもよく会社から好かれています。
しかし、警察に捜査協力しなければ「会社も同僚も同罪だ!」と思われる状況だとしましょう。
そうした場合、あなたには以下の選択肢が思い浮かぶはずです。
- 指名手配されている社員を密告する→自分と会社の立場は守られる
- 匿う→社員に恩を着せることはできるが、自分や会社も共犯者になる
- 指名手配されている社員の無実を証明する→そもそも本当に無実かどうかわからない上に、国家を敵に回して無実を証明する労力は膨大すぎる
ここで「ウソをついてはいけない」など甘えたことを言っていると、自分も会社も危険になります。ですので、指名手配されている社員がどれだけ人がよくて優秀で「無実だ!」と主張したとしても、周りは「彼は犯罪者だ」と思わざるを得ないのです。
「ウソか本当か?」が大事なのではなく、状況によって「真実と虚実」が決定してしまうわけですね。
会社の存亡をかけた危機であれば、どんなに誠実な社員であっても「ウソをついている」ということにしなければ、話にならないわけです。
このたとえは極端かもしれませんが「会社を辞める際にウソをつくかどうか?」もまったく同じ考え方が必要になってきます。
要は「理由がある→辞める」のではなく「何が何でも今の職場を辞めたい→理由を探す」という順序が大事なんです。
この前提を踏まえておくと、そもそもが「会社を辞める理由」自体がどうでもいいことがわかってくるのではないでしょうか。なぜなら「会社を辞める」と意思表示した以上、会社側も理由がウソか本当かなど、どうでもいいと考えるからです。
一番いけないのは「自分自身にウソをつく」こと
転職において一番重要なのは「自分自身に正直であること」です。
私が転職アドバイザー時代に常々感じたのですが「自分自身にウソをついている人」というのは、意外と多いんですよね。
転職においては「自己分析」が大事ですが、自分自身を正確に知るためには「自分自身にウソをつかないこと」は非常に大切です。
今の仕事を辞めるためにウソをつくかどうかより、まずは「自分自身にウソをついていないかどうか?」を考えておくといいでしょう。
退職理由を「一切、口にしない」という方針もあり
そもそも、仕事を辞めるのに「理由」は必要ありません。
法律にも就業規則にも「正当な理由無ければ退職は認めない」なんてことは、一切かかれていませんからね。
労働者は、自由に仕事を辞めていいんです。
ただし、法律でも最低2週間の期間は必要ですので、それだけは覚えておきましょう。
辞める理由は「一身上の都合により~」で突き通せばいいだけです。
これは企業が不採用者にわざわざ不採用理由を伝えなかったり、恋愛において振った相手にいちいち理由を教えないのと同じことです。
わざわざ辞める会社に理由を伝える必要はありません。
社会人としての責任も、辞めることを伝えたあとに最低限の引き継ぎ処理を行っておけば、十分ですからね。
むしろそれぐらいドライに退職手続きしなければ、企業側の口車に乗せられて引き留めらる恐れもあります。
ですので、辞める決意があるのであれば「何が何でも辞めてやる!」としっかり決意表明しておきましょう。
ウソをつくのも黙っておくのも嫌な場合は?
とはいえ、なかなかウソつき通したり、黙りぬくのも難しい話ですよね。
とくに職場に変に温情や愛着があると、自分の都合だけを優先するのは気持ち的に罪悪感もあるかもしれません。
でしたら、先に転職先を決めてしまうといいでしょう。
転職先から内定をもらえば、自分勝手にやめる理由で悩んでいては、転職先に迷惑がかかりますからね。
現職を辞める際も、堂々と「転職先から内定を頂きました」とキッパリと言い張ることができます。
結局のところ、あなたが「仕事を辞めるのにウソをつくべきか?」と悩んでいるのは、仕事を辞めることがやましいこと…という気持ちがあることの現れなんです。
まるで、犯罪者のような心理状態ですね。
ですから、転職先を決めて、前向きな理由で退職すればいいだけなんです。
ウソをついてまで自分勝手な都合で辞めていては、いざ次の仕事を見つけようと思っても、前職の退職理由がネックになって、転職活動でつまずくことになりますからね。
転職エージェントを利用して、退職理由を決めておこう
今の仕事を嘘の理由までついて辞めたいのであれば、まずは転職エージェントに登録して相談しておくことをおすすめします。
転職エージェントでは自分の適性を診断した上で、自分に合った仕事を紹介してくれます。
何も「転職エージェントを利用する=今の仕事を辞める」というわけでもないので、辞めるきっかけであったり、辞める理由をつくるためにも、転職エージェントを利用しておくべきでしょう。
転職エージェントでは、退職から転職までサポートしてくれますので、いざ退職する時になったとしても、辞める理由の作り方や具体的な退職手続きについてもアドバイスしてくれます。
また、転職エージェントでは非公開求人を多く取り扱っており、年収アップ・待遇アップの見込める転職先も多く見つかるため、ここで次を見つけて積極的に転職する方も少なくありません。
「嘘の理由で仕事辞めようかな…」と悩むぐらいなら、まずは転職エージェントに登録して次の仕事についてしっかり考えて、堂々と今の仕事を辞める理由を見つけましょう。
前向きな退職であれば、やましい気持ちにもならず、堂々と辞められますからね。ウソをつくのが嫌なら、本音を貫き通せる退職理由をつくりましょう。
転職エージェントは登録から利用まで完全に無料で、気軽に相談を受け付けていて、話を聞くだけでも大歓迎ですので、仕事を辞めることで悩んでいる方は一度面談を受けてみるといいでしょう。