「仕事を辞めてはいけない」と勘違いしている人の誤り

元転職アドバイザーのヒビキです。

「仕事は絶対に辞めてはいけない」

なぜか、こう考えている日本人はまだまだ多いです。

まず断っておくと、決して「辞めていい」と言っているわけではいけません。

ただ「辞めても問題ない」ということを知っておかないと、自分の人生の選択肢を狭めかねないということをお伝えしたいのです。

そして、結論も言っておきましょう。

「最悪、辞めてもいいさ」と知っておけば、今の仕事に驚くほど価値を見出すことも可能になるのです。

なぜなら、最悪辞めてもいい覚悟で仕事していれば、逆説的に「責任感」が身につくからです。

「何を言っているかわからない…」とお考えの方もいるでしょうが、これは紛れもない事実です。

「仕事なんか辞めちゃってもどうにでもなる」

この事実を知っておくことで、今の仕事でもまた違った景色が見えてきます。

それが果ては、今の仕事で高い成果を出すことにつながり、あなたにとっても会社にとっても、そして社会にとっても一番の貢献となります。

今回は「仕事は絶対に辞めてはいけない」と狭い価値観で仕事している人のために、視野を広げるための考え方をお届けしていきます。

「仕事を辞めてはいけない」という考えは”ウソ”

「仕事は絶対に辞めてはいけない」

なぜかこう信じている人がいますが、まったく根拠のない考え方です。

厚生労働省のデータを見ればわかりますが、新卒入社後の約3割が3年以内に離職し、3年後以降も平均12%が辞めています(就職四季報2019年版掲載分参照)。四季報は一部の大企業に偏っているため、中小規模の企業も含めれば50%以上は退職していると予想されます。

こういった統計データを参考にすれば、すぐに「仕事は絶対に辞めてはいけない」という考え方が”ウソ”であることには気づけるのです。

なぜ「仕事を辞めてはいけない」と思い込んでしまうのか?

では、なぜ多くの人が「仕事は絶対に辞めてはいけない」と勘違いしてしまうのでしょうか?

答えは簡単です。

学校や企業、あるいは親にとって「非常に都合のいい考え方」だからです。

もともと、日本は高度経済成長期に国民一丸となって高い生産力を発揮してきた歴史を持ちます。

その頃はまだ教育も不十分、ネットもない時代でしたから「仕事は絶対に辞めてはいけない」という考えを刷り込み、社員をまとめあげる方法が一番手っ取り早かったのです。

事実、会社を信じて頑張り続ければ「家族持ち・マイホーム・定年退職後の老後も安泰」という未来が約束されていました。

基本的に、学校(公職員)・大企業・親世代は終身雇用制度の考え方が抜けきっておらず「仕事は絶対に辞めてはいけない」という前提の人が圧倒的多数です。

たとえば、親世代や会社の上司、学生であれば教授や周りの友人に「契約社員と派遣社員の違い、メリットとデメリットは?」と聞いてみてください。

9割の人が答えられませんから。

非正規社員は国内全労働者の4割もいるにも関わらず、あまりに無知な人が多いのです。

それはなぜかと言うと、まだまだ多くの人が「正社員として辞めない生き方が絶対的に正しい」と信じ切っているからなんです。

実際問題、契約社員・派遣社員よりも待遇も時間給も下の正社員もいます。その場合「正社員とは名ばかり」でしかありません。

また「ワークライフバランス」を口にする人も多いですが、そういう人は会社都合優先で働かなければいけない正社員ではなく、最初から派遣社員を選ぶことで「自分に合った働き方」を実現できます。

そういった働き方の多様化、非正規社員の別の側面などを見ようともせずに「正社員になって同じ会社で働き続ければいつか楽になれる」と、狭い価値観の人間が日本にはまだまだ圧倒的に多いのです。

「仕事は辞めてはいけない」と教えて得するのは学校や企業

「仕事は絶対に辞めてはいけない」

こう信じ込ませることで一番得するのは、前にもお伝えした通り学校や企業です。また、親世代が終身雇用制度に則った生き方をしていれば、似たような考え方になります。

学校は「企業に優秀な人材を送り出す役目」を持っています。そして、その企業側は「絶対に辞めない人材」が欲しいと考えています。

それもそのはず。

企業は最初の数年間はほとんど使い物にならない学生を、高いコスト(給料と研修・指導に費やす時間)をかけて育て上げます。当然ながら、途中でやめられてはコスト分の採算がとれないのです。

そのため、学校や企業は「仕事は辞めてもいい」なんてことは、絶対に表立って教えてはくれません。

自分で気づかなければ、一生気づかない人も多いのです。

その点、今この記事を読んで知ってしまったあなたは、確実に視野が広がり人生の選択肢が増えていると言えます。

「ブラック企業問題」「過労死」などのリスクも多い時代になってきましたが、会社が必ずしも社員を守ってくれるとは限らない時代になりました。

労働者側も「いざとなったら辞められるようにしておく」と考えておくことが「自分の健康に気をつかう」「将来に備えて貯金する」といったような、当たり前のリスク管理だと言える時代になってきているんです。

「仕事は辞めてもいい」と知っておくと視野が広がる

冒頭にお伝えした通り、私は何も「仕事を辞めろ!」と言っているわけではありません。

価値観の狭い頭の固い方々に「仕事なんて最悪辞めちゃってもどうにかなる」という考えた方も身につけていただきたいと思っているのです。

なぜなら、今の会社がおかしいことをしだしたり、あるいは重大な判断ミスをしようとしている時に「絶対に辞めてはいけない」と考えている人材は、ただ従うことしかできないからです。

そこで辞めること覚悟で主義主張を通せない人材なんて、会社側からすれば「いざという時に頼りない人材」でしかないからです。

そもそも「絶対に辞めてはいけない」という一択状態で働いている人と、「辞めても構わない」に二択から”あえて今の会社で働き続けている人”では、仕事に対する覚悟が変わります。

「絶対に辞めてはいけない」と思い込んでいる人→逃げ道を知らないので”ただなんとなく今の仕事を続けているだけ”の人が増える。

「辞めてもいい」と考えている人→逃げ道を知っているにも関わらず、あえて今の仕事を続けているため熱心さが違う。会社に不満や不安があれば、一戦交えることも辞さないため、仕事に対しても強気で取り組める。

注意している人は「辞めてもいい」と「辞めさせられてもいい」は違うというところです。

当然ながら「辞めさせられてもいい」と受け身な人は言語道断で必要ない人材です。それならまだ「辞めてはいけない」と仕事にほどほどに打ち込んでいる人のほうがマシです。

いざという時に辞表ぶっ叩きつける覚悟さえあれば、今の仕事にももっと本気になれるということが伝えたいのです。

「絶対に辞めてはいけない」と考えている人は、辞表を叩きつけてでも自分の意見や意志を貫く覚悟はありません。そんな人間のほうが圧倒的に多数です。

であれば、若いうちから「今の会社なんて最悪辞めてやる!」と覚悟決めておくことが、今の仕事に打ち込んでより成長できるきっかけになるのではないでしょうか。