就活生は「四季報」を買うべきか?20代の社会派編集者が結論を語る

編集長
ども!スコシテン編集長です!

当サイトをご覧になればおわかりいただけるかと思いますが、私は20代ながら「社会・経済派ブログ」的な編集を行っています。

当然、就活生必須と言われている「日本経済新聞」や「四季報」なども参考資料として読んでおります。

「四季報は就活生に必須!」
「四季報を読んでおくと人事や企業担当者との話のネタになる」

このように「就活生なら四季報を買っておくべき!」という主張は、就活生なら一度は聞いたことあるでしょう。

しかしながら、まだ社会人経験のない学生はこう考えるはずです。

「本当に四季報なんて堅い雑誌、読むべきなの?」

結論から言っておきましょう。

「四季報は就活生必見!」なんていうのは出版側の宣伝文句なので、別に買わなくてもいいです。

…というか、四季報読んだぐらいで「私は業界内情にも詳しい!」という意識高い系アピールしている学生、下手すれば「こいつは学生のクセして知識ばっかりはいっちょ前だ」と思われかねませんからね。

四季報は使い方を間違えれば、かえって邪魔にもなりかねません。

ただし、そういったリスクを踏まえ「就活生に四季報が必須だと言われる本当の理由」を知っておけば、間違いなく参考になります。

ということで、当記事では「就活生の四季報の使い方」という視点で、就活生の四季報必要・不要論について、考察していきます。

9割の就活生に「四季報」は不要

結論から申し上げておくと「9割の就活生に四季報は要らない」というのが、私の見解です。

厳密に言うと「四季報は就活生に必須と言われているから、隅々まで読んでおくべき!」と考えているような真面目な方は、絶対買わなくてOKです。

あまりに情報量が多すぎて、かえって頭を悩ます事態になりますから。

「就活四季報」はさらに不要

さらに行っておくと「就職四季報」はもっと要りません。

出版社が「就活生のため!」と言っていても、それが本当に就活生のためになるかどうかは別問題です。

正直言って、リクルートを始めとした、営利企業側の言う「就活生に求めるもの」というのは、かなりのズレがあるからです。これは社会に出れば、すぐにわかります。

とくにバカ真面目に「就活生に必要なもの」という情報をうのみにしたり、求人票とにらめっこして「ベターではなくベスト」を求めるような慎重な人は、確実に邪魔になります。

いくら福利厚生などを参考にしたところで、あなたが就職する企業の実態は「入社してみるまでわからない」からです。

本やネットの情報と実態がまるで違う会社のほうが、世の中には多いぐらいです。

思ったよりも待遇も社内環境もいい会社もあれば、知名度やブランドがあるにも関わらず、中身はブラックだった…ということもありますからね。

例の電通の東大卒女性社員過労死の件なんかは、いい例でしょう。

とにかく企業人事と会って「生の話」を聞いてみる方が大事

就活で大事なのは、とにかく企業人事と会って生の話を聞くこと。

インターネットでなんでもかんでも調べられる時代だからこそ、会って直接話す大切さの比重は大きくなっていますからね。

極端な話「四季報丸暗記した学生」と「企業人事100人と会って話した学生」では、後者のほうが圧倒的にいい会社に入社できます。

なぜなら、企業人事から生の話、しかも「自分の知りたい情報」を得ているからです。

たとえば「その会社がブラックかどうか?」なんて、企業人事に直接聞けば一発でわかりますからね。これはいくら四季報で有用な情報を分析しても、絶対にわからない事実です。

大手企業のインターンシップに参加できる「インターンシップガイド」というサイトに登録し、気になる企業や業界をチェックして、四季報で事前情報を確認し、その上で企業人事と会って話したりインターンに参加してみる…というのが、一番かしこいやり方ですね。

またハイキャリア転職の老舗「ビズリーチ」が運営する、就活生向けの「ニクリーチ」では、企業人事と会って焼肉をおごってもらえるという風変わりな就活サービスですが、それだけ人事側も「学生と会って話す」ことに重点をおいているわけです。

1割の学生は「四季報 業界地図」を買っておくべき!

さて「9割の就活生ないは四季報は無用」とお伝えしてきましたが、逆に言えば「残りの1割の就活生には役に立つ」わけです。

その「1割の就活生」とはどんな学生でしょうか?

「四季報」を読んでおく価値のある学生とは?

  • 経済学・統計分析に理解のある人
  • 年収・出世などに強い関心がある
  • 投資関連の職業に興味がある(四季報は投資家向け情報誌でもあるから)
  • 「就きたい仕事・業種」がとくにない

それぞれ、ざっくり理由を説明していくと、以下の通りです。

経済学・統計分析に理解のある人→四季報のデータは非常に参考になる。分析力があれば、業界動向や将来性についても1冊で把握できる。

年収・出世などに強い関心がある→各業界・企業の力関係、平均年収のデータなど、数字に関しての統計データが多数掲載されているから。

投資関連の職業に興味がある→四季報自体、投資家向けの経済雑誌という側面があるから。

「就きたい仕事・業種」がとくにない→金回りのいい業界、将来性の高い業界をチェックしておけば、進路に間違うリスクは減るから。

就活は「広告力・営業力の強い会社ばかりが目立つ」という面もありますが(ブランド力の強い大企業人気などがその証拠)、評判や世間体に流されないためには「徹底して客観的なデータを分析する」ことが重要になってきます。

「企業研究」が重要なのも、それが本当の理由です。

もっとも、社会経験のない学生さんは、情報に流される部分が出てくるのはしょうがないでしょう。

しかし、四季報でしっかりとデータを見ておけば「この業界はブラック!」「この業界は将来性がない!」という、根拠のない口コミに流されるリスクはだいぶ減ります。

四季報を読んでおくメリットとは?

年収・業界情勢などにシビアで現実的な視点が持てる

四季報を読んでおくメリットの一つは、年収や業界情報について、シビアで現実的な視点を持てることです。

社会経験の浅い就活生は、とにかく企業や社会の実態についての理解がありません。

「公務員なら一生安定して働ける」
「大企業勤めなら勝ち組!」
「〇〇業界は将来性がない」

企業研究の足りていない学生さんはこの程度の認識でしょうし、社会人でもこの程度の人はたくさんいます。

これの何が行けないかというと、就職した後に「思ったよりも収入が低かった」「思ってた仕事と違った」「将来性感じない、先行きが不安…」と感じてしまい、長く続かない原因になってしまうということです。

一方で、四季報でおおよその数字を把握しておけば、ある程度の覚悟を持った上で、就職先を選ぶことができます。

40代で平均年収〇〇ぐらいの業界だ」と知っておけば、少なからず「思ったよりも年収が低かった」「将来的に年収が上がる見通しがない」と不安になるリスクは減らせますからね。

ただし、四季報の情報をあまり参考にしすぎないこと

ただし、あまり四季報の情報を参考にしすぎることも考えものです。

たとえば「平均年収〇〇万円」と四季報で書かれていても、必ずしも10年後にその年収が達成できるとは限らないからです。

就活って、実は「株の銘柄選び」みたいなもんなんですよ。

改めて言いますが、四季報は本来は投資家向け雑誌です。

つまり「就活生向け」ではなく、こう考えることができるんです。

「自分の将来の時間を投資(=就職)する、会社や業種の情勢を知っておくための雑誌が”四季報”である」

この前提を理解しておけば、グッと有用な情報源として四季報を活用できるようになりますよ。

業種の選択肢が圧倒的に広がる

四季報では、あらゆる国内企業や業界の情勢について、幅広いデータが掲載されています。

つまり、今まで興味も関心もなかった業界についても、知ることができるんです。

ですので「13歳のハローワーク」的な読み方をすると、将来の選択肢が広がるかもしれませんね。

「〇〇学部だから〇〇業界!」という狭い考え方は、自分の思わぬ適性や可能性を自らつぶしかねない危険な考え方でもあります。

学生程度の想像する「社会人像・業界内情」なんて、偏った物の見方しかできていないので、まずはなんでも試してみる姿勢が大事ですからね。

将来に対して、新しい選択肢が見つかることを考えると、それだけで四季報を読んで見る価値はあります。

単純に読み物・資料集として面白くて参考になる

四季報は単純に読み物としても面白いのも魅力です。私も暇な時に、適当に目を通して楽しんでます。…ていうか「これを読んで絶対に就活に活かそう!」というよりも、こっちの読み方の方がいいですよ。

たとえば四季報では「財閥」「宗教法人」というニッチな業界なデータも掲載されています。しかも、具体的な収入源や出資先などの情報も書いてますね。こういった意外な情報から、大人の世界の複雑な事情なんかも、学生のうちから知っておくことができます。

取引先の客観的データが得られる

ビジネスにおいて、取引先や顧客の情報収集は、当たり前の努力です。

四季報では、各業界についての情報が掲載されているので、要点をざっくりと理解できます。

この”情報の重要さ”に気づくのは、実際に働いてみないと難しいでしょうが、意識だけでも社会人を真似ておくことも就活生には大切です。

というのも、就活は「企業と学生の対等な立場での取引」だと言えるからですね。

別に「企業人事が学生より偉い」なんて道理は、まったくありません。

むしろ、学生の交渉力・営業力を評価する人事もいることを踏まえておくと「お前の会社に人生捧げてやるんだから、しっかり選考しろや!」ぐらいの方が、威勢や活力があり、魅力的な人材に思われることでしょう。

しかし、そういった強気な駆け引きをするためには「情報=データ」というものは、非常に重要になってきます。

たとえば、私が取引先として提携している企業についても、前年度比の売上・利益を確かめることが出来て、今後の将来性などを考慮する際の判断材料にしています。

たとえば、ある会社に面接に受けに行く際に「競合他社」「親会社」の情報を知っておくといないのでは、天と地の差があります。

「御社の競合他社は〇〇社と存じ上げますが、すでに私は〇〇社から内定を頂いております。ですが、どうしても魅力を感じきれず…」

…という、まさに”駆け引き”も出来るわけですね。

結論:就活生は四季報を一冊でも読んでおくと便利!

このように「なぜ、四季報が就活生に薦められているのか?」を知っておくことで、情報の価値は大きく変わります。

冒頭では「就活生の9割には無駄」と言っていますが、それは「9割の就活生は四季報の価値を活かしきれない」と思っているからです。

しかし、ここまで当記事をお読みの方であれば、間違いなく四季報を読んでおく価値はあるでしょう。

とりあえず「四季報 業界地図」に関しては、絶対に読んでおく価値はあります。大人になった私でも「これは毎年買っておきたい!」というぐらい、充実した情報が詰まっています。

この「業界地図」を読んで「参考になる!」と感じたら、就活生向けも買ってみるといいでしょう。

これを言っちゃあれなんですが「四季報は本当に参考になるのかどうか、自分の目で確かめるてみる」ために読むだけでも、すごく価値や気づきのある本です。

何度も本文中でも言っているとおり「就活生に役に立つらしいから隅々まで読んでおこう!」という買い方が一番ダメなパターンです。

要は「なぜ、四季報は就活生必見と言われているのか?」を考えるところに真価があるわけです。

「四季報」を読んで”考える力”を育もう!

最近では大学受験・就職についても「考える力」というのが、重要視されてきています。

これは、逆に言えば「自分で考える力のない学生が増えている」とも言えるわけですね。

では、なぜ考える力のない学生が増えているか?

簡単です。

スマホで検索すれば、すぐに答えのわかる時代になってきたからです。

Googleで検索すれば、先人が導き出した「答え」が、誰でも簡単に手に入る時代になりましたからね。

これは言わば「カンニング」のようなもので、労せず答えを手に入れる学生が増えているわけです。当然「カンニング」のような就活アピールをしてくる学生なんて、企業は一発で見抜きます。

だからこそ「考える力」が重要になってきているのです。

そういった社会情勢を踏まえた上で「考える力を身につける」という意味で、四季報を学生のうちに読んでおく価値はあるでしょう。

たかだか数千円で買えますので、試しに買って流し読みしておくだけでも、就活に対する意識が変わってきますよ。