水族館飼育員ってどんな仕事?
水族館飼育員は、水族館で飼育している魚、アシカやイルカなどの哺乳類、カニやエビなどの甲殻類など、ありとあらゆる海の生物の世話をするのが仕事です。
これらの生物が病気にかかっていないかなどをチェックしたり、餌の世話や水質管理、生命維持装置の管理と点検作業を行ったり、繁殖の管理を行ったりします。
生き物相手の仕事ですので、交代で早朝や深夜市休館日の勤務を日常茶飯時となります。
また、会議や研究会に出席したり、海洋生物についての学術的レポートを発表したり、生物の採集のために出張に出かけたり、珍しい水生生物を買い付けに行くことも仕事のうちです。
また、近隣水族館やテーマパークで人気になっているのがイルカやシャチの海獣ショーですが、そうした海獣を飼育して、調教・訓練する海獣トレーナーになりたいという人も少なくはありません。
しかし、海獣トレーナーという職種で募集されてることはほとんどないため、実際に水族館に就職を果たした後に希望することになります。
水族館飼育員になるには?
水族館飼育員の採用試験は、
- 民間の各園が個別に行う場合
- 水族館を運営している自治体あるいは指定管理者
が行う場合とがあります。
ちなみに自治体が直接運営している水族館の場合、飼育員の多くは畜産や獣医師などの技術系職種の公務員であり、水族館の飼育員に該当する職員の公務員採用試験に合格する必要がありますが、欠員が出ないと採用そのものを行わないため、人気があるものにも関わらず非常に狭き門となっています。
ですので、公務員試験合格を目指しながら運良く水族館に配置されるのを狙うか、民間企業が運営している水族館の採用に根気強く応募し続けるか、実施的に二つのルートに絞られてしまいます。
水族館飼育員に必要な資格やスキル
民間の水族館で働くためにとくに必須資格はありませんが、学生時代に水産学や生物学について学んでいる方が有利にはなりやすいです。
獣医師・学芸員・潜水士・ダイビング関係の資格を取得していれば、実業務でも有利になるので採用確率を高められるでしょう。
公立の水族館で働きたい場合は公務員試験に合格する必要もあります。
水族館勤務の窓口の狭さを考えると、いざ求人が出た際に他の応募者よりも有利になるために、できる限り多くのことを勉強しておきたいところです。
水族館飼育員に向いてる人は?
- 海の生物に強い興味・関心がある
- 人間や機械よりも動物が好き
- 海や川などの水辺が好き
- 動物の世話が好き
- 水棲動物をペットとして飼ったことがある
- 目的のために勉強することが苦にならない
前提として、海の生物に強い興味・関心がなければ、実際の業務で様々な生物の飼育方法を理解するための知識の吸収が遅くなりがちなため、これは半ば必須条件と言えるでしょう。
性格的な適性としては、人間や機械よりも動物の生態に興味があることがわかりやすい指標のひとつとなるはずです。
また、場合によってはダイビングスキルなども必要となるため、海や川辺で遊ぶのが好きであることも有利に働きます。
水棲動物をペットとして飼った経験もあれば、水質管理の難しさや必要性に対する理解も早いことでしょう。
そして最後に大事なのが「目的のために勉強することが苦にならない」ということです。
水族館勤務自体は頭脳職のような高い能力がいるわけではありませんし、運さえよければ未経験からでも採用される可能性自体はあります。
ですが、求人の絶対的な少なさを考えると、できる限り多くの資格を取得するために日々勉強しておくなど、高い向上心がなければ、いざという時の採用の際に他の応募者に負けてしまうことになります。
いずれにしても、採用窓口の狭さの割に求められる能力や専門性は高めですので、本当に向いているかどうかをよく考えた上で目指すといいでしょう。
水族館飼育員と関連性の高い仕事は?
水族館飼育員と関連性の高い仕事としては「ホエールウォッチングガイド」という職業が存在します。
ホエールウォッチングガイドとは、観光客相手にクジラを見に連れていく仕事で、同様な仕事でイルカやジュゴンの案内を行う仕事も存在します。
このような観光ガイドとして仕事で海洋生物と関わりたい場合は、各観光団体や業者を見つけて採用を行っているかどうか連絡してみるといいでしょう。
潜水士やスキューバダイビングインストラクターも関連性の高い仕事としてはオススメです。
知識よりも肉体的なスキルに自信があるなら、水族館飼育員を目指すついでに潜水士も目指しておくと、どちらのキャリアにも対応しやすくなり、将来の選択肢が広がることでしょう。
単純に海に関する仕事がしたいのであれば「漁師」「海上自衛官」など、多数の職業が存在します。
水族館にこだわらず、動物全般と関わる仕事がしたいのであれば、より選択肢は広まります。
水族館に限定すると仕事の選択肢が極端に狭くなりやすいので、このような関連性の高い仕事も視野に入れてキャリアを考えておくと失敗せずに済むはずでしょう。