「うちの会社は社員を大切にしていないように感じる…」
「パートや派遣社員の扱いが社員と比べてひどい…」
「社員を大事にしない会社の末路が知りたい…」
このように感じていませんか?
日本では終身雇用制度が少子高齢化などの問題で成り立たないとわかっていたにも関わらず、派遣法改正などでお茶を濁すなどして、人を大事にしない会社が増えたと感じます。たとえば、人を物のように扱い辞めたらまた募集すればいいと考えているようなアルバイト採用を行っている大手チェーンや、派遣社員やフリーランスに社員以上の負担をかけているような企業など…。
このような会社には人手不足が嘆かれている現代においても、どこかしら「給料を払えば人はすぐ雇える、代わりはいる」「給料を払っているのだから、いくらコキ使っても良い」という考え方が根本にあるのかもしれません。
一方で、世の中には人を大事にする方針を基本としながら働きやすい環境づくりを行っており、従業員の定着率や満足度が高い企業も存在します。
両者は一体、どこで差がつくのでしょうか?
また、会社を人を大事にする会社とそうでない会社はどのようにして見分ければいいのでしょうか?
本記事では、人を大切にしない会社の特徴や原因をご紹介した上で、人を大事にする会社を見つけ出すためのヒントも合わせて解説していきます。
社員を大事にしない会社の特徴とは?
私たちは働く場所を選ぶ際、その会社が自分を大切にしてくれるか、また、自分のキャリアや成長をサポートしてくれるかを基準として考えることが多いですよね。しかし、残念ながら社員を大切にしない会社も少なくありません。そんな会社がどんな特徴を持つのか、その点をいくつか挙げてみましょう。
- 低い給与・待遇:
業界平均を下回る給与や待遇を設定している。これは社員の労働を適切に評価していない証拠と言えるでしょう。 - 高い離職率:
社員が次々と会社を去っていく。これは、社員の不満が積み重なっている兆候です。 - 過度な残業や休日出勤:
社員の労働時間やプライベートを尊重しない経営方針があることを示唆しています。 - 福利厚生の不足:
保険や有給休暇、育児・介護休業など、社員をサポートするための制度や施策が不十分。 - トップダウンの意思決定:
上層部が一方的に決定を下すスタイルで、社員の意見やフィードバックをあまり重視しない経営体制。
これらの特徴が見られる場合、その会社が社員を大切にしない環境である可能性が高いです。もちろん、すべての会社がこれらの特徴を持っているわけではありませんが、自分の働く環境を選ぶ際の参考にしてください。
社員を大事にしない会社が抱える問題とは?なぜ従業員を粗末に扱うのか?
あなたが今、感じている不満やフラストレーションは、一人だけのものではありません。多くの人が同じ経験をしています。社員を大事にしない会社の背後には、さまざまな問題点が隠れていることが多いのです。では、その会社はどんな問題を抱えているのでしょうか?また、なぜそんな会社が存在するのでしょうか?以下、その理由と問題点を探ってみましょう。
バブル崩壊以降、明らかに人を大事にしない会社が増えた
社会・経済に少し詳しい方ならおわかりかと思いますが、日本が”人財”を大事にしない傾向が強くなりだしたのは、1989年末のバブル崩壊以降です。
「売り上げが下がっても賃金は下げられないため、企業収益に対する労働分配率が上がってしまった」
「バブル崩壊後も日本の企業は雇用をできるだけ守り、賃金を引き下げないように努力してきた。労働分配率の上昇は、資本分配率の低下を意味する」1991年から1992年は、人口が多い1970年代前半生まれが就職する時期、1970年代後半生まれが小学6年生から高校生、1980年代前半生まれが小学生であった。このために、競争が激化し、雇用のアメリカ化が推進されたために、就職が極めて困難になった。俗に言う就職氷河期の到来である。就職できなかった多くの若者はフリーターやニートとなり、就職氷河期世代と呼ばれ、彼らの生活・雇用の不安定さ、社会保障の負担が充分できずにセーフティーネットから外れ困窮する状態に陥るなど、大きな社会問題となっている。
バブル崩壊時に経済成長が頭打ちになった時点で、日本政府と企業は「今いる従業員の賃金・待遇維持(保守)or将来の若手のために思い切って従業員の待遇を下げる経営判断」を迫られたわけですが、結果として前者を選択した会社が多かったわけです。
当時の正社員は「会社に大事にされている」と思っているのでしょうが、そのツケは2000年台の派遣社員問題や若年層の低収入化・ブラック企業問題など、今の若手が払うハメになっています。
詳しい解説はここでは省きますが、バブル崩壊時の日本の企業の経営判断が原因で、今の格差問題・二極化の根本的な原因になっていることは明らかでしょう。
「自分だけが儲かればいい」という資本企業が増えた
問題はバブル崩壊後、保守的な組織運営を選んだ大企業が多数いた反面で、資本主義・投機的な「儲け・利益重視のモラルに欠けた会社」が急成長したことです。
具体的には「薄利多売」のビジネスモデルで人件費カット・低品質な商品で儲けを得る大手小売業界・飲食業が、地方のアーケード街をつぶしていった例を見るとわかりやすいでしょう。
大手小売・飲食業の離職率を見ればわかりますが、異様に数字が高く、有名企業でも3年目以降に40%~60%が辞めています。
つまり、人材使い捨て型のビジネスモデルの方が利益になることに多くの経営者が気づき、それを許してしまう情勢が日本中に出来上がったのです。
正規も非正規も、もはや関係ない地獄…
そして、それに追い打ちをかけたのが、2003年小泉政権下の「労働者派遣法改正」でしょう。
[2003年3月(小泉内閣)]
労働者派遣法改正
例外扱いで禁止だった製造業および医療業務への派遣解禁。専門的26業種は派遣期間が3年から無制限に。
それ以外の製造業を除いた業種では派遣期間の上限を1年から3年に。出典:労働者派遣法の歴史
とくに、日本の中枢を担う産業である「製造業」での派遣が解禁されたことで、若者は派遣社員として余儀なく働かざるを得ない情勢になります。
もともと、製造業は終身雇用を前提とした人材育成に力を入れていた業界なのですが、派遣社員制度を効率よく運用できるようになってからというもの、不正や社会問題が多く露出することになりました。
これも「社員を大事にしなくなった」ことの、ツケと言えるのではないでしょうか。
当サイトの管理人は「派遣社員自体は運用次第で、雇用主・労働者共にメリットのある合理的な制度」と考えはいますが(おそらく政治家の意図もそこにある)、現実問題として経営者や会社側は「人件費削減・人材使い捨てのために派遣社員制度を使っている」という現状も無視できません。
労働者側も「前向きに派遣社員制度を活用する」「派遣社員制度を活用して、わざと楽な働き方を選ぶ」の両極端な使い方が出来る点も、派遣社員の評価を誤ったものにしている原因だと言えます。
ただし、この「正規=安定・非正規=不安定」というイメージも、よく調べて勉強していくと、誤りであることがわかってきます。
今や、正社員でさえ安定しない時代になってきているのです。
むしろ、下手に正社員の肩書きにこだわると、サービス残業漬けで時給あたりがアルバイトの最低賃金以下であることも十分にありえます。
一方で、専門系の派遣社員でスキルを積めば、正社員以上の月給を得ることも可能です。
つまり、正社員・非正規雇用に関わらず、人材を大事にしている企業を見極めなければ、都合よく使われるリスクがどの会社にも潜む時代に突入していると言えるんです。
”人財”を大事にしない会社で働くことに、将来性はない
以上のように、バブル崩壊後~働き方改革まで社会問題が放置され続けた結果、あらゆる面で「格差」「二極化」が進みつつあります。
- 人材を大事にし過ぎるあまり、経営が傾く会社
- 人材の使い捨て前提で、利益を追求する会社
この両者のバランスが保てている会社が「ホワイト企業・優良企業」と言えるのですが、現実問題として「利益さえあれば会社経営は成り立つ」という手前、後者の「人材使い捨て前提で、利益を追求する会社」が増えていることが今の日本の問題だと言えますね。
経営者や会社は利益さえ出れば問題ないかもしれませんが、働く人にとっては死活問題です。
いくら会社が大規模で安定していても、それが社員の生活の安定を意味するかどうかは別問題だということですね。
大企業や公務員ですら過労死・低収入があり得る時代なのですから、働く人が「自分を大事にしてくれる会社」を選ぶことは、当たり前の感覚だと言えるのです。
社員を大事にしない会社で働き続けるとどうなる?無理に続けるべき?
ここまでは「社員を大事にしない会社」が生まれた社会的な要因を紹介してきました。
ですが、ぶっちゃけ「社会問題とか会社の都合とかどうでもいい」と思っている読者も大勢いらっしゃるかと思います。
そういう人にとっては、どうでもいい情報だったと思います。
その気持ち、わかりますよ。
だって自分の生活が一番大事ですから。
「社会問題とか、会社の経営状況とか知ったこっちゃない、真面目に働いてるんだからもっと待遇も給料も上げろ!」
これが皆様の本心かと思います。
そこで、ここからは社員が大事にされない会社で働き続けるデメリットを、ご紹介していきます。
プライベートの時間が確保できない
社員を大事にしない会社は、多くの場合が残業が多めです。
いくら働き方改革で法律が変わっても、会社の意識が変わらないことには残業が減ることはありません。
日本では未だに「残業が美徳」「長く働いたほうが偉い」という風潮が強いので、そういう社風の会社で働くと、プライベートの時間を犠牲にしなければいけません。
また、週休2日制と言っておきながら、週6勤務の会社や有給消化を許してくれない会社もまだまだあります。
「社員を大事にしていない=社員のプライベートの時間を大事にしてくれない」ということですね。
一方で、社員を大事にしている会社は働き方改革を前向きに進め、残業が減ったり、フレックス制やテレワークの導入で、効率の良い働き方が進んでいます。
つまり、働く会社で確保できるプライベートの時間にも格差が生まれてきているのです。
そして、プライベートの時間が確保できるホワイト企業で働けるかどうかは、多くの場合が”運”にかかっています。
大企業でも過労死は起こる時代ですし、逆に中小企業でも定時帰り出来る企業もあります。
場合によっては、残業がほとんどない派遣社員の方がプライベートの時間を確保しやすいこともあるので、正社員にこだわる必要もなくなってきているのも事実でしょう。
昇給・ボーナスが雀の涙ほど
社員を大事にしない会社は、とにかく人件費カットにこだわります。
「同一労働同一賃金」の名の下、日本郵政で正社員の待遇が悪くなったことは有名ですね。
関連:郵便局を辞めてよかった?辞めるのはもったいない?郵便局からの転職先は何がある?
また、最近では正社員にもかかわらず「昇給ペースが年5000円ほど」「ボーナス・賞与はなし」という会社も増えており、社員のモチベーションはダダ下がりです。
関連:ボーナスなしの会社は辞めるべき?ボーナスが出ない理由は?
働き方改革で企業間の格差も進んでいるため、もはや転職するしか昇給する手段がない立場の人も増えてきております。
実際問題、20代後半~30代前半の方は転職するだけで年収が上がることも多いので、前向きに転職を考えておくといいでしょう。
社員のモチベーションが低いので意欲が下がる
社員が大事にされていない会社は、従業員のモチベーションも低いので、働いていても刺激がありません。
やっぱり、働く以上は「やり甲斐」や「モチベーション」が欲しいものですよね。
転職活動では「モチベーション向上」もひとつの課題に含まれていますが、それだけ働くための意欲ややり甲斐も重要だということです。
関連:レベルの低い職場の特徴と原因。程度が低い会社に共通する特徴とは?
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「嫌な仕事でも無理して続けろ」と言われてのも今や昔の話、今は人手不足で仕事を選び放題になってきていますので、社員を大事にしない会社で働き続ける必要はありません。
社員を大事にしていない会社にうんざりしている方は、転職活動を始めておくといいでしょう。
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人間関係が悪くなりやすい
社員を大事にしていない会社は、職場の人間関係がギスギスします。
だいたい、上司がストレス抱えまくっている上に給料も安いので、病原菌のように職場にストレスが巻き散らかされるんですよ。
それが伝染して、風通しの悪い、意見も要望も言いにくい職場になります。
ひどい場合は職場いじめ、モラハラ、パワハラ、セクハラなどに発展しますが、社員を大事にしない会社ではそういう低次元の人間関係になりやすいんですよね。
しかも、だいたい社員を大事にしない会社で長く勤めている人って、転職する意欲もなくダラダラ働いている能力のない人。
まれにお人好しな上司もいますが、そういう人はイマイチ仕事が出来ないパターンが多い。
仕事である以上、人の良さや性格だけじゃやっていけない部分もあるんですよ。
社会人経験が長くなると「お人好しだけではやっていけない」「仕事のために冷徹にならないといけない」こともわかってきますが、もしあなたがそうだとしたら、それは大人としても社会人としても成長している証拠です。
関連:人間関係はいいけど辞めたい…。職場が良い人ばかりで退職しにくくなる心理とは?
だからこそ、自分が会社に大事にされていないと気づける。
自分の能力が上がったと前向きに捉え、転職を考える時期に来ているのかもしれませんよ。
自分がみじめに思えて仕方なくなる
社員を大事にしない会社に勤めていると、自信を奪われモチベーションも下がるので、自分がみじめに思えてくるんですよ。
頑張って成果を出しているにもかかわらず、周りの仕事の出来ない同僚と給料が同じ。
下手をすれば、まったく仕事しない上司よりも給料は下。
これって、あまりに理不尽じゃないですか?
頑張っても頑張っても報われないと、本当に自分がみじめに思えてなりません。
せめて、会社や上司に正当に評価して欲しいものですよね。
しかし、残念ながら社員を大事にしないような会社では、社員を正当評価するようなことはまずないのです。
なぜなら、上司や経営者に「人を見る目」がないから。
…であれば、やっぱり自分の価値や能力、あるいは頑張りを正当評価してくれる会社で働きたいと思いませんか?
人を大切にしない会社は転職を考えておくこと
以上のように、日本の社会情勢や労働者の状況を考えると、人を大切にしない会社に勤め続けることがいかにバカげたことかおわかりいただけたことでしょう。
しかし、厄介なのが人を大切にしない会社で勤めている人は、モチベーションが低下しているため、転職活動を始める気力もないということなんですよね。
ですが、安心してください。
転職活動は誰もがみんな、不安な状態から始めるものです。
そもそも、今の職場に満足していたら転職なんて考えもしません。
実際問題、大半の本音は「今の会社に不満があるから」「会社に大事にされていないと思ったから」という理由で転職することを考え出します
つまり、この記事にたどり着いたあなたも、転職活動を成功させる意欲を心の内に秘めていると言えるんですよ。
いい加減、会社に搾取され続けるだけの人生にうんざりしていませんか?
…であれば、今すぐ転職活動を始めるべきです。
転職はタイミングと行動力が大事。
経歴や資格がなくても、行動力だけでどうにかなるんですよ。
今の会社がしょぼいせいで自信をなくしているかもしれませんが、実は社員を大事にしない会社で耐えてきた経験は、他の会社で”強み”に変わるんです。
よく、転職成功者が「前の職場よりも楽すぎなのに給料高くてワロタww」「え、こんなに楽で待遇よくてもいいの?」などとSNSで発言してますが、まさにその通り。
社員を大事にしない会社から転職すれば、確実に人生は良い方向に変わります。
転職を経験したことがない人にはイマイチ想像できないかもしれませんが、転職活動して人生を変えた人は今や珍しくなくなってきているんです。
それだけ、働き方改革で日本の企業は二極化が進み「知っている者と知らない者の差」が出始めているんです。