自分のいる業界、あるいは就きたい業界が「斜陽産業」だったらどうしますか?
斜陽産業とはかつては盛んだったが現在は衰退傾向にある産業のこと。
テレビ業界や新聞業界のように、昔は栄えたものの今や時代遅れになり無理に延命してみっともない姿晒してる企業が多いのも、特徴の一つ。
俗っぽい言葉で言えば「オワコン」

盛者必衰という言葉を思い出しますね…
こうした業界では健全な利益を出せず、あらゆる悲劇が起こりブラック化しがち。
この記事では、他のキャリアサイトが書けない「斜陽産業の不都合な真実」を一覧形式でお伝えしていきます。
斜陽産業一覧
各経済誌やビジネス書、あるいは現場で働く人々の不満や業界批判などを踏まえた上で、斜陽産業・衰退している業界だと言えるのは、以下の通り。
各項目や関連記事にて、衰退している原因、あるいは今後の伸び代・展望についてもまとめております。
文末でも補足しますが、必ずしも斜陽産業・衰退産業だからと言って、その業界や関連会社すべての将来が暗いというわけでもありません。
むしろ、現状の問題点とこれからの展望さえ知っておくことで、活路が開ける可能性もあります。
そういった点も踏まえながら、一人でも多く読者にご参考にしていただければ幸いです。
印刷業界
斜陽産業の代表格と言えば、印刷業界でしょう。
印刷業界は、
- デスクトップパソコンによるDTPの概念の誕生
- スマホ普及による情報媒体へのWEBへの以降
…など、IT・WEB系の技術革新により大打撃を受けている業界です。
業績を見てみても、年々衰退傾向にあります。
大手二社は黒字を上げていますが、その他の中小企業以下の印刷会社は苦境に立たされています。
ラクスルなどのネットプリント通販の誕生が追い風となったものの、低価格競争によるデフレ構造ともなり、非常に厳しい現状にあるのが印刷業界です。
出版業界
印刷業界に関連して、出版業界も当然斜陽産業です。
中堅・弱小雑誌は軒並み廃刊、新聞社や大手出版社も苦境。
マスコミ・テレビ業界
マスコミ・テレビ・放送業界も斜陽産業だと言えます。
原因としては、
- 主な収入源となる広告料がWEB媒体に移行している
- スマホ普及によるテレビメディアの影響力の低下
- 制作会社側に能力不足による、番組の質の低下
…などが、考えられるでしょう。
芸能業界
意外に思われるかもしれませんが、芸能業界もやや衰退傾向にあります。
- スキャンダルなどによる打撃がデカイ(損害賠償など)
- ブロガー・youtuberなど、個人タレントの登場による芸能人の求人力低下
音楽業界
音楽業界も利権絡みでネット時代から取り残されている、斜陽産業になりつつあります。
とくにCD販売に関しては、1998年の6075億円をピークに2017年には6割減の2320億円まで下がっており、衰退傾向にあります。
百貨店・デパート業界
衰退傾向にあると言えば、百貨店・デパート業界。
全盛期と比べると6割にまで売上高が減少しております。
アパレル業界
アパレル業界も斜陽産業と言えるでしょう。
単純に、各家庭での衣料品に対しての支出が1990年台の半分以下になっているため、業界全体の売上・利益が落ち続けていることになります。
画像出典:「会社四季報」業界地図 2019年版
アパレル業界と言っても「メーカー」「販売会社」の2つの業種に別れますが、とくにメーカー側は大打撃を受けております。
また、販売会社にしても、
- 低価格志向による薄利多売のデフレ構造
- ブランド離れによる高価格化の困難化
- リユース事業・ネット通販増加
…など、様々な要因が向かい風となっております。
また、アパレルショップは「小売・接客業」に分類されます。
現場で働く人々は出世・昇進も限られ、アルバイト中心の人材使い捨てビジネスになるため、あまり将来性が高いとは言えないでしょう。
ウェディング・ブライダル業界
衰退傾向にあると言えば「ウェディング・ブライダル業界」も見逃せません。
原因は「少子化による挙式数減少」「少人数婚による単価低下」「若者の所得低下によるナシ婚」など。
この状況下で黒字を上げているブライダル会社は「海外リゾート展開」「外国人向けの市場開拓」「事業多角化(ホテル運営など)」といった経営戦略を練っており、ウェディング事業自体には見切りをつけている会社も多く、業界の先行きは暗いと言ってもいいでしょう。
携帯販売代理店
携帯販売代理店ですが、au・docomo・softbank直営ではなく代理業者が行っているため、大手通信会社のように安全だとは言えません。
以下の記事でも解説している通り「国内携帯市場の飽和」「携帯販売代理店の下請けとしての立場の弱さ」「格安SIMの普及」など、これから伸びる要素があまり見当たらないのです。
また、携帯ショップ販売員自体、契約・派遣社員で割りを食って社員が育ちにくい割に、携帯の複雑なプランをセールスしなければならないという現場の負担も課題です。
電機メーカー
大手電機メーカーは資本力はあるものの、
TOSHIBA…粉飾決算で事業再編
SHARP…海外の企業に買収
…など、国際競争の中で苦戦を強いられている印象は否めません。
カメラメーカー
カメラメーカーも、スマホ普及の煽りを受け、近年では衰退傾向です。
家電量販店
上記の電機メーカーの衰退を受け、家電量販店業界の今後も衰退が指摘されております。
郵便局(JP)
日本郵政も、衰退産業だと言えるでしょう。
もともと、郵政民営化で大打撃を受けた会社ではあるのですが、取り扱い商材が「金融・保険・運送」と、厳しい業種ばかりですので、今後の郵便局の運営も厳しいものとなっていくことが予想されます。
弁護士業界
意外に思われるかもしれませんが、弁護士業界も衰退産業です。
業界全体としてはそうでもないのですが、上下の格差がひどいことになっており、弁護士であっても年収100万円以下のワーキングプアが存在するほどです。
パチンコ・パチスロ業界
パチンコ・パチスロ業界も衰退産業の筆頭です。
以下の画像のように、パチンコ店舗が現象傾向にあり、単純に縮小傾向です。
その理由としては、
- パチンコ・パチスロ以外の娯楽が飽和しているから
- ギャンブル層がソーシャルゲーム・FX・仮想通貨などに流れたから
…などが挙げられます。
ただし、パチスロ・パチスロ会社の中には将来を見越して「カジノ法案」「IR法案」に備えた経営をしている会社もあるので、運営会社が他業種を収益の柱に出来る…という意味で、運営会社自体は生き残る可能性はあると言えるでしょう。
斜陽産業からは転職すべきか?
ここまでお読みの方で、斜陽産業に属している方は将来に何かしらの不安を感じていることかと思います。
中には「斜陽産業で将来が見えないので、転職したい」と考えている方もいらっしゃると思います。
ですが、今や大企業勤め・公務員クラスでも将来に不安が残るご時世ですので、安易に「斜陽産業だから…」「将来性を感じないから…」という理由だけでの転職はオススメできません。
ですので、斜陽産業からの転職を考えている方は、以下の点に気をつけてみてください。
20代の若者なら転職活動を始めておいた方がいい
斜陽産業で働く20代の若者であれば、転職活動を始めてみる価値は十分あります。
理由としては、
- 若手不足のため、20代の間なら未経験職への転職が容易
- 企業研究・業界分析不十分で入った会社は、将来に不安が残りやすい
- 若いうちにキャリアを考えておかないと、将来的な転職先がなくなりやすい
…などの理由があるからです。
転職活動は必ずしも転職する必要がなく、自分の今後や将来についてリアルな情報を知る意味でも、早いうちにしておくに越したことはありません。
あえて「斜陽産業で頑張り続ける」という考えもあり
斜陽産業からの転職を考えるのであれば、逆に「今の斜陽産業の会社で働き続ける」という選択肢も考慮しておくのもいいでしょう。
斜陽産業に関しては「一時期の売上・業績が異常だっただけで、今は適正値に下がり続けている」という見方も出来るので、必ずしも今の会社が将来的に危ういというわけでもありません。
また、単純に「将来の安定性重視」という考えで働く若者が多い現代において、あえて斜陽産業で働き続けることで、その会社・業界での人材価値が高くなる可能性もあります。
世の中には「手広く事業範囲を広げないで、細く根強く経営されている隠れた優良企業」というのも存在しますので、斜陽産業だからと言って必ずしも将来性が低い会社ではない…ということも知っておくといいでしょう。
プロに相談して本当に向いてる仕事を見極める
以上のように、向いてる仕事に就くためには考えるべきことが大量にあります。
これを何のキャリア知識も、求人情報を見極める能力もないまま行っても、考えもまとまらずに行動できなくて当たり前です。
なので、向いてる仕事を探しているなら、まずは転職サービスでプロに相談してみることを強くオススメします。