「雇い止めに合って、いきなり解雇された…」
「雇い止めに合いそうだから、転職活動しておきたい…」
そう悩んでいませんか?
「雇い止め」とは、契約社員・派遣社員が契約更新の際に、会社側から契約更新をしてもらえず、そのまま解雇されることです。
雇い止めとは?
雇い止め(やといどめ)とは、有期労働契約の期間満了に際して、使用者からの意思表示により当該労働契約を更新しないことをいう。
仮に、雇い止めにあった場合はどうすればいいのでしょうか?
この記事では、雇い止めにあった場合の対処法を踏まえた上で、早期に転職活動をしておく理由についてご紹介していきます。
雇い止めは理不尽に行われる
「雇い止め」ですが、非正規雇用に関する法律が複雑になっており、会社の経営状況に合わせて、時に理不尽に行われることもあります。
関連:仕事が理不尽で辞めるのは許される?耐えるのは当たり前?会社の理不尽が辛い時に考えておくべきこととは?
「理不尽」と言いましても、実際は複雑な経営状況や会社の思惑があるので、それなりに理由や原因はあります。
ですが、その状況で一つだけ言えるのが「労働者がどんなに不満を言ってみようが、何一つ変えられない」「解雇されてしまった以上、給料がもらえないので生活に困る」ということです。
昔なら、正社員の大規模リストラであれば、会社側も再就職支援を行った上で、計画的に解雇するのが一般的でした。
それは、会社側に「社員を大事にしよう」という良心があったからです。
しかし、今や大企業ですら過労死が起こるぐらいに「社員を大事に」という考え方が希薄になってきています。
関連:社員を大切にしない会社の特徴。人を大事にしない企業の末路は?
ですので、会社に尽くしている正社員ならともかく、いくらでも都合よく切れる非正規雇用者の面倒まで見てくれない会社が、圧倒的に増えてきています。
そうなると、雇い止めにあった社員が取るべき選択肢は、以下の2つ。
- 契約内容の不備や矛盾を見つけて、労組と組んで会社に徹底抗議。訴訟も辞さない構え
- 会社側に期待せずに、自分で転職活動して次の働き口を見つけ出す
前者は社会問題としてニュースになって世論誘導されたり、労組が機能している会社であれば、問題が改善される可能性はあります。
…が、そこまで大きくない会社であれば、ニュースになることはありません。
ですので、現実的には後者を選ばざるを得ない方が多いはずです。
その際に、自分の身を守る方法こそが「転職活動」だと言えるのです。
雇い止めされた非正規社員の転職は可能か?
結論から言えば、問題なく可能です。
人材会社としては「優秀で年収の高い人材が優良顧客」という事情があるので、原則的には一部の優秀な人材に向けて情報発信をしている節があります。
…が、実際は大手であれば全年齢・全職種・全業界の人材に対応してくれます。
もちろん、人材会社もその取引先である企業側も「人を選ばざるを得ない」ので、優先順位はあります。
ただ、非正規雇用者への偏見は、まだ人材業界や企業側も実態に追いついていないのが実情ですので、どの道厳しくなることは、覚悟しておいたほうが良さそうです。
雇い止めされた非正規雇用者の転職方法とは?
- 再就職支援の側面の強い「ハローワーク」を活用する
- 別の派遣会社を利用し、非正規雇用から正社員を目指す
- 既卒・第二新卒・フリーター向けの就職支援を活用する(20代の場合)
- ビジネス面の強い「転職エージェント」を活用する
ハローワークを活用する
雇い止めにあったら、まず即座に最寄りのハローワークを活用しておきましょう。
場合によっては失業保険を受けられることもあるので、まずはハローワークに相談するのが先決でしょう。
ハローワークの場合ですと「明らかに国側で支援しないと、再就職が困難」な人の対応が優先される傾向があります。
ですので、理不尽な雇い止めにあったなら、まずはハローワークを使っておくといいでしょう。
大手派遣会社を利用する
非正規雇用者の方で雇い止めにあった場合、別の派遣会社に登録して仕事を見つけ出すのが、近道かもしれません。
とくに大手の派遣会社を選んでおけば、以下のようなメリットを得られます。
- 以前の会社と似たような職種・業種を選べる
- 仮に雇い止めにあっても、派遣会社経由で次の仕事を探せる
- 派遣会社のキャリアアップ支援でスキルを磨ける
- 紹介予定派遣を活用すれば、正社員を目指せる
- 福利厚生が受けられる
とくに国内最大手の「テンプスタッフ」「JOBNET(マンパワーグループ)」の2社は、全国に事業所があり、なおかつ全職種・全業種対応ですので、この両社に派遣社員として登録しておくといいでしょう。
あまり大きくない派遣会社ですと、仲介手数料中抜きやたらい回しなどの問題もあるので、大手を選んでおけばひとまず安心です。
既卒・第二新卒・フリーター向けの就職支援サービスを活用する
20代の若手限定になりますが、既卒・第二新卒・フリーター向けの就職支援サービスを活用しておくのも、いいでしょう。
関連:【20代必見】既卒・第二新卒・フリーター・ニート向けの就職・転職情報まとめ
今の日本では若手の人材不足が深刻なので、20代の若者であればこれらのサービスを活用してしっかり就職・転職活動しておけば、まず正社員として採用してもらえます。
既卒・第二新卒・フリーター向けの就職支援サービスは、以下のような特徴を持ちます。
- 定着率(=長く働ける)重視なので、対応が丁寧で親切
- 大手人材サービスが扱っていない「地味で小さな会社」や「ベンチャーとして成長中の会社」が多数
- ビジネスとして利益効率が悪いので、都市部のみに展開している会社が多め
- 人材会社によっては、スキル習得のためのスクール・セミナーなども実施している
代表的な既卒・第二新卒・フリーター向けの就職支援サービスは、リクルート運営の「就職Shop」や、就活生向けの人材会社として成長中の「DYM就職」など。
また、細く根強く運営している業者であれば、営業支援特化の「JAIC」や、IT・WEB系に強いベンチャー「ウズキャリ」など。
転職エージェントを活用する
雇い止めされたり、雇い止めされそうで不安がある人は転職エージェントを活用しておくといいでしょう。
転職エージェントとはプロのキャリアアドバイザーが相談に乗ってくれ、自分に合った転職先を紹介してくれたり、書類作成や面談の支援もしてくれるサービスで、無料で利用できます。
ただし、雇い止めに合うような非正規雇用者の方は、以下の点で注意が必要です。
- あくまで”ビジネス”なので、雇用に対する不安に関してのカウンセリング面にはやや弱い(会社の運営方針や、担当者の考え方にも寄るが…)
- キャリアがない+年齢が高すぎる(30代以降)の対応は後回しになりがち(人材会社的に利益になりにくいから)
- 非正規雇用の経歴は評価されにくいので、担当者としっかりコミュニケーションをとって、自己アピールに転換する必要あり(コミュニケーション能力がないと、ここで苦労しがち)
雇い止めが理由で転職エージェントを利用する場合、重要なのは「非正規雇用者に対して、理解のある担当者と出会えるかどうか」にかかってきます。
ですので、話が通じない担当者と出会った場合は、しっかりと担当者を替えてもらったり、あるいは他のエージェントを併用しておくことが大事です。
関連:転職エージェントは複数併用が鉄則!その理由と実際の活用の仕方をご紹介!
…とはいえ、転職エージェントは今や国内でも400社以上もの会社が存在します。
まずは全国に事業所のある大手転職エージェントを使っておき、どうしても合わないのであれば小さな転職エージェントを使っておく流れが一般的です。