「上司が一部の部下を露骨にえこひいきしている…」
「えこひいきする上司の影響で仕事に支障が出ている…」
「上司のえこひいきが気持ち悪いと感じる…」
このようにお困りではありませんか?
依怙贔屓(えこひいき)とは「みなに公平でなく、ある人をとくにひいきにすること」を指し、ひいきとは「気に入った者に特別に目をかけ、力を添えて助けること」を指します。※広辞苑 第七版より
仕事での人間関係には好き嫌いが関わってくることはしょうがない側面もあります。しかし、相手によって態度が違いすぎる上司や、特定の部下だけを課題評価して他を過小評価するような行いは、職場の人間関係を険悪にした上で仕事の生産性の低下を招きます。
たとえば、えこひいきすることが当たり前になっている上司の元で働く部下は、上司の機嫌を損ねないように余計な気遣いをしなければならないストレスを抱えたり、あるいは、ひいきされている部下が明らかに仕事ができない場合にも報告や相談しににくくなるなど、様々な問題が潜みます。
逆に、えこひいきされる側としても、甘やかされて過大評価されることに一人前として認められていないと感じてしまったり、ひいきされていない他の同僚から疎まれる点で、あまりいい気はしないことでしょう。また過剰に特別扱いされることで、監視されるレベルで仕事に付きっきりで本人としてはやりにくい…というケースもあります。
いずれにしても、えこひいきされる側・されない側双方にとっても、あまり良い気はしないものでしょう。
昨今ではコンプライアンス(法令遵守)やハラスメントに対する風当たりが強くなっています。えこひいき事態は違反行為ではありませんが、露骨なえこひいきをするような上司の日々の言動が何らかのハラスメント行為に該当可能性はあります。
以上のような背景を差し引いても、シンプルに上司のえこひいきで自分が過小・課題評価されたり職場での仕事がやりにくくなるというのは、耐え難いストレスだと言えるでしょう。
そこで当記事では、えこひいきする上司の特徴や心理とその対策の解説に加え、職場でのえこひいきがコンプライアンス違反やハラスメント行為に該当するかどうかの判断、
えこひいきされる部下の特徴と、えこひいきする上司の心理について解説してまいりましょう。
えこひいきする上司の心理とは?
えこひいきする上司側には、一体どのような心理があるのでしょうか?
詳しく見ていきましょう。
扱いやすい部下が欲しいから
上司や先輩が部下をえこひいきする理由は単純で、扱いやすい部下が欲しいからです。
扱いやすい部下の特徴
- ポジティブで否定的ではない
- 聞き分けが良く素直
- 上司に反抗しない
とくに人徳がなく人が離れやすい上司ほど、自分に従順で扱いやすい部下をえこひいきします。
実際に上司・マネージャーの立場になってみて部下を指導してみるとわかりますが、細かいことで口答えしてきたり、揚げ足取ってくる相手は、扱いにくい人材と思われます。
あまりに仕事が出来すぎて優秀な部下の場合、上司の立場を脅かす存在となるため扱いづらく思われ、潰されることも。
いずれにせよ、えこひいきされる部下は「扱いやすさ」があるので、よく観察してみるといいでしょう。
社内に味方がいないことへの不安
えこひいきする上司は、単に「味方」が欲しいだけなのかもしれません。
経営者・管理職クラスともなると「仕事上の敵」も増えます。
取引先、上司、他部署、部下…あるいは家庭。
上司は立ち回り方を間違えたら最後、社内外に敵だらけになり得るのです。
そうなると、自分を裏切る見込みのない部下というのは、これはもう非常に心強い味方となります。
ただし、えこひいきする上司ほど内心では見返りを求めるものですので、えこひいきされる部下も辞めにくくなり、辞めようとすれば「裏切り者!」と修羅場になることも…。
自分を持ち上げてくれるイエスマンが欲しいから
上司がえこひいきするのは、自分を持ち上げてくれるイエスマンが欲しいからでしょう。
他人に否定されるよりは、肯定される方が気分がいいので、ついつい人は周りに自分の賛同者を集めがちです。
ですので、上司として公平さを保とうとする意識のある人物ほど、周りをイエスマンで固めないように気をつかいます。
しかし、すべての上司がそれほどの器量を備えているかと思ったら大間違い。
社内環境が閉鎖的ですと、周りも部下もイエスマンで固める上司が増えがちです。
たとえば、ワンマン経営の零細企業クラスでは、社長の気分だけで給料や仕事量が決まるなんてバカげたこともあります。
異性に対する恋愛感情
上司がえこひいきするのは、部下に対して恋愛感情があるのかもしれません。
人には理性がありますが、それでも異性の若者に対する劣情を抑えられない人は実に多いのです。
とくに男は既婚者であっても、可愛くて愛嬌のある女の子に対しては「あわよくば…」と下心を抱いている単細胞ばかりです。
ですので、露骨にえこひいきされている異性の部下がいたら、そういうものだと思って冷めた目で見守っておきましょう。
えこひいきされる部下の特徴とは?
えこひいきされる部下とは、どのような特徴があるのでしょうか?
多くの方は「仕事が出来る」「優秀である」「地頭が良くて要領が良い」「気が利く」などの要素を思い浮かべるでしょうが、それらはすべて間違いです。
以下の記事でも書いていますが、実は本当に仕事のできる優秀な部下は、潰されてしまうのが組織の常ですから。
では、一体どのような部下がえこひいきされるのでしょうか?
その特徴を見ていきましょう。
愛嬌がある
えこひいきされる部下の最大の特徴は「愛嬌」だと言ってもいいでしょう。
男女問わず、聞き分けが良くて見た目も良く、笑顔の耐えない愛嬌のある人物が、職場では可愛がられるのです。
それに比べ、常に不満そうにムスッとしている部下は、どれだけ仕事が出来てもえこひいきしてもらえることは少ないです。
信じられないかもしれませんが、社会人になっても部下にアイドルや芸能人並の好感度や見た目を求めることはよくあることなのです。
それはなぜか?
大人になっても、部下にアイドル・芸能人のような見た目や好感度を求め、コロッと騙される人が多いからです。
逆に本当に人を見る目があったり、職場に与える影響を考えている上司は、人の好き嫌いをせずに公平に部下を判断するように勤めます。
人付き合いが良い
えこひいきされる部下の特徴といえば、人付き合いの良い社交的な人でしょう。
日本の組織では「和」「チームワーク」「協調性」が重視されるため、人付き合いの良さが実務能力よりも評価されがちです。
知らぬ間に、自分が参加しなかった飲み会や交流会で親睦を深め、えこひいきされる部下もいるものなのです。
とくに体育会系の社風の会社ではその傾向が強く、飲み会に参加しないだけで出世や昇進の差がつくことも珍しくはありません。
なんだかんだで、日本はムラ社会的で身内ノリについていけない社員は仲間ハズレにされやすく、社外での交流を怠るとえこひいきされなくなってしまうものなのです。
若い・美人もしくはイケメン
えこひいきされる部下は、単純に若くて美人、もしくはイケメンの場合でしょう。
とくに、異性の上司の場合は顕著です。
やはり、異性で若くて魅力のある部下に、つい心がたるんでしまう上司は一定数いるものなのです。
中には、社内恋愛はともかく、不倫・浮気・枕営業などのドロドロの人間関係に発展することもあり、職場の人間関係を気まずいものにしてしまいます。
このあたり、一流企業ほどよくわかっており、たとえば「Google」「Facebook」などでは社内恋愛が禁止・制限されています。
バカっぽい
えこひいきされやすい部下の代名詞と言えば”バカっぽい”。
なぜ、頭が良い知的な部下ではなく、バカっぽい部下の方がえこひいきされやすいのか?
理由は単純で、上司が「こいつは自分より下だ」「こいつは自分の敵ではない」と安心できる存在だからです。
冷静に考えて、自分よりも明らかに実力も上で、なおかつ自分の間違いを指摘してくるような部下は、将来自分の席を奪いかねない驚異となるので、警戒されるものです。
優秀過ぎる部下が冷遇されやすいのも、上司の部下を恐れる心理があります。
また、社会ではまだまだ男尊女卑が根強く残っているため、男よりもかしこくて仕事のできる女も嫌われやすい傾向にあるので注意。
とくに自分の頭の良さや仕事ができるアピールを行う女性部下は、男性上司からしても疎ましく可愛くない存在に見えますので、バカっぽく振る舞う方が得なのです。
八方美人
えこひいきされやすい部下の代名詞と言えば「八方美人」でしょう。
社内の誰にでもいい顔して愛嬌を振りまく八方美人は、それだけで職場のムードメーカーとしてひいきされやすくなります。
八方美人は都合良く嫌な顔をせずに仕事を引き受けるため、上司からすれば非常に扱いやすい存在なのです。
コネ入社してきた社員
えこひいきされやすい人材と言えば、コネ入社してきた人でしょう。
- 社長の家族や身内、愛人
- 取引先と強い関係にある会社出身の人間
- 社外の人脈で入社してきた人材
コネ入社には様々な事情や思惑が絡むため、普通に採用された人とは仕事の振られ方から給料まで違うなんてことも、ざらによくあります。
極端な話、一族経営の会社であれば仕事のできない社長の愛人の方が、仕事のできる他の部下の何倍も給料をもらっている…なんてこともありえるのです。
「コネや運も実力のうち」とは言いますが、真面目に働いている人間からすればあまりに理不尽で、頑張るのもバカバカしくなりますよね。
このあたり、よくわかっている経営者や上司は、ひいきしている人物とそうでない人物を極力関わらせないなどの対策を行っているので、そうでない職場は部下の感情や社内に与える影響を考えていないと言えるでしょう。
えこひいきの対処法は?
上司にそれとなく探りを入れておく
職場でえこひいきが目立つ場合は、まずは上司に自覚があるかどうかの探りを入れておくべきでしょう。
上司に自覚がない場合は、やんわり指摘すれば態度を改めてくれるかもしれません。
コツとしては、えこひいきされている部下を褒めつつ、自分の評価も聞き出すという方法です。
言い方としては、
「〇〇さん(同僚の名前)って、すごく仕事できますよね。同僚としても見習いたいものです。△△さん(上司の名前)は〇〇さんに対して、どう思われているでしょうか?」
「私も〇〇さんと比べて、こういう部分では劣ってないとは思うのですが、△△さん的にはどう感じているでしょうか?」
…など、角の立たない方法が好ましいでしょう。
ここを間違えてバカ正直に「あいつはえこひいきされてズルい」と悟らせてしまうと、同僚間のみならず上司とも敵対関係になってしまう恐れがあります。
気にしないで黙々と成果を出す
職場でえこひいきされている部下がいる場合、気にしないで黙々と仕事で成果を出し続けるのも鉄板でしょう。
ただし、上司が私情を評価に加えるタイプの場合、えこひいきされている部下が過大評価されてしまう恐れもあるので、出来れば探りを入れておいた方がいいでしょう。
実際問題、組織においては「真面目な人ほど損をする」「仕事のできる人ほど割を食う」という現象が起こり得るものです。
ですので、上司のえこひいきが酷くて社内評価が下がりそうな場合は、律儀に頑張る必要もないでしょう。
「平等」「公平」というのは、所詮は建前やキレイゴト。
人間感情が絡む以上は純粋な仕事の能力だけで評価されることの方が珍しいと心得ておきましょう。
他部署・上司よりも上の人間とコネを作っておく
上司のえこひいきが酷いのであれば、他部署・上司よりも上の人間とコネを作っておくことも大事でしょう。
今の部署の評価だけに依存しない、社内でのコネ・人脈を築き上げておけば、万が一今の部署で不当評価された場合も、挽回のチャンスを残しておけます。
人間、誰しも相性や感情的な判断はあるものですから、今の上司と合わないなら他の人脈を確保しておくことも、立派なリスク管理だと言えるでしょう。
最悪、他部署や上司よりも上の権限を持つ社員とのコネがあれば、今の上司に嫌われたところでフォローしてもらえる可能性が高まるので、えこひいきしている上司と対立しても問題ありません。
そういった「派閥争い」「社内政治」も、大人の仕事のひとつと割り切るドライさも社会人に必要な処世です。
上司のえこひいきがひどい場合は転職も考えておくこと
上司のえこひいきがひどい場合は、転職も視野に入れておくべきかもしれません。
もちろん、上記のような対策を試してみた上で、社内の環境が変わるための取り組みを行った上で、それでもダメなら…の話です。
ですが、部署替えによる上司の入れ替わりが期待できる職場ならともかく、狭い職場やワンマン経営が当たり前の零細企業クラスですと、一度築いた人間関係や印象は中々変わらないものなのも事実。
そんなどうしようもない職場環境で、えこひいきの過ぎる上司に不当評価されて業務に支障が出ているのであれば、転職するしか手段は残っていません。
えこひいきされた部下が過大評価されて悔しい思いを味わい続けるぐらいなら、職場を変えて正当評価してもらえる環境でやり直すのも立派な選択肢でしょう。
今のえこひいき上司の不当評価が理由で、一生評価されないままみじめに働き続けるよりは、転職の可能性を考えておくほうが柔軟に将来設計できるはずですよ。
転職エージェントを活用して間違いのない転職活動を
転職活動は難しい・時間がかかると思われがちですが、転職エージェントでプロのサポートを受けることで、在職中の方でも効率よく進めることが出来ます。
転職エージェントは無料で利用できるため、最近では転職が盛んになっています。
転職エージェントでは、客観的に自分の現在のキャリアについて評価してくれるため、上司のえこひいきが正当評価か不当評価の判断材料も増え、使っておくだけ損はありません。
今の職場環境よりも期待できそうな求人が見つかれば、隙間時間を使って応募してみればいいだけなので、無計画に転職に失敗してしまうリスクも減らせます。
逆に、えこひいきする上司に不当評価され続けているままでは、今後の社内での査定や働きやすさにも悪影響を及ぼします。
職場の理不尽なえこひいきに悔しい思いをして働き続けるぐらいなら、転職エージェントを活用して、公平に評価して気持ちよく働ける環境を目指しておく方がストレスの少ない生き方が出来るはずですよ。
ぜひ、転職エージェントを活用してみてください。