「コールセンターの仕事がきつい…辛い…」
「コールセンター辞めたい…」
このようにお悩みではありませんか?
コールセンターの仕事はブラックと評判で、離職率(一定の期間に人が辞める割合)も高い仕事として有名です。
コールセンターの仕事は、主に以下のように分類されます。
- インバウンドコールセンター:客からの電話を受け付ける仕事。
- アウトバウンドコールセンター:お客様に電話をかける仕事。インサイドセールス、テレアポ、テレセールスと呼ばれることも。
- バックオフィス:インバウンドコールセンターやアウトバウンドコールセンターのサポートを行う仕事。
インバウンドコールセンターでは、お客様からの問い合わせやクレームを受け付けます。お客様のニーズを理解し、解決策を提供することが大切です。
アウトバウンドコールセンターでは、お客様に商品やサービスを販売したり、アンケートを取ったりする仕事です。
バックオフィスでは、インバウンドコールセンターやアウトバウンドコールセンターの運営をサポートします。電話帳の管理やデータ入力、レポート作成など、様々な業務があります。
この中でも、顧客対応を行わないとならない「インバウンドコールセンター」「アウトバウンドコールセンター」にあたる業務が、とくにコールセンター勤務の中で辛いと感じやすい業務内容だと言えるでしょう。
そこで当記事では、コールセンターの仕事が辛いと感じる理由やその原因について業界構造から解説した後、コールセンターを続けるべき人や辞めて良かったと思える人の特徴、またコールセンターを辞めたい際の次のキャリアについてまで、知りたい情報をまとめてお届けしていきます。
コールセンター勤務の辛い部分やストレスになる要因とは?
まずは、コールセンター勤務の辛さやストレスになる要因について探っていきます。
忙しさやプレッシャー、顧客とのやり取り、そしてワークライフバランスの悪さなど、様々な要素が組み合わさって、コールセンター勤務がどのようにして困難を伴うのか、明らかにしていきます。
理不尽すぎるクレーム対応に精神が病む
コールセンター勤務者にとって、最もつらいストレス要因の一つは、理不尽なクレーム処理です。顧客からのクレームや不満を受ける際に、その内容や要求が極めて理にかなっていない場合、精神的な負担は非常に大きくなります。
筆者自身も、かつてクレーム対応の仕事を経験しましたが、その経験から、理不尽なクレームに対処することの困難さを痛感し、転職を決意しました。クレーム対応は常にストレスが増える一方であり、自身の利益や社内評価にはほとんどつながらないことが多いためです。
顧客からの無理な要求やクレームに対応しなければならないことは、コールセンター勤務者にとってつらい負担となります。それに加えて、電話応対の中で顧客の不満や怒りに直面することも少なくありません。このような状況では、精神的に疲弊し、ストレスやフラストレーションが積み重なることがあります。
モニタリングの通話記録による監視体制がストレス
コールセンターでは、通話記録による監視体制が行われています。上司や品質管理部門などが定期的に通話記録をチェックし、応対内容やクオリティを評価します。しかし、この監視体制はコールセンター勤務者にとって大きなストレス源となることがあります。
監視されることで、自分の発言や対応が常に見られているというプレッシャーを感じます。さらに、改善要求や指摘が口うるさく行われることもあります。自身の通話記録が定期的に評価されるため、ミスや改善点が見つかる度にストレスが増幅されるのです。
このような監視体制は、自己評価を圧迫し、プライバシーの侵害と感じることもあります。コールセンター勤務者は、応対の際に常に監視されることを意識しなければならず、自然体での対応が難しくなることもあります。
機械的な顧客対応の連続で人の心をなくす
コールセンターでは、機械的な顧客対応が求められることがあります。大量の電話応対やチャット対応をこなし、予め用意されたマニュアルに基づいて顧客に対応する作業が日常茶飯事です。しかし、この機械的な顧客対応の連続は、徐々に人の心を奪っていくことがあります。
ルーティンワークの繰り返しによって、個々の顧客との接触が単調化され、人としての関わりが希薄になってしまいます。顧客の問題や要望に対して同じような回答を繰り返すことが求められるため、個別のニーズや感情に寄り添った対応が難しくなるのです。
また、コールセンターでは大量の顧客対応が求められるため、時間的な制約やプレッシャーも存在します。応対数の目標達成や待ち時間の短縮などが重視され、スピードが求められる状況下での対応はストレスを増大させます。
さらに、マニュアルに基づいた接客は柔軟性を奪い、個別のニーズに対応しづらくなることもあります。顧客の細かな要望や特別なケースに対して、既存のマニュアルだけでは完全には対応できない場合があります。このような状況下で働くと、自己の能力や創造性を発揮できないと感じることも多いでしょう。
不規則な勤務時間に生活リズムが乱れる
コールセンターでは、不規則な勤務時間が求められることがあります。24時間体制での業務や深夜勤務が必要な場合もあり、これによって生活リズムが乱れることがストレスの要因となります。
深夜勤務は、特に体内時計との整合性が難しく、人間の生活リズムに大きな影響を与えます。昼夜逆転生活や十分な睡眠不足が生じることで、体調不良や健康問題を引き起こす可能性があります。また、深夜勤務後の睡眠の質や量が低下することで、疲労感や集中力の低下につながることも考えられます。
さらに、コールセンターのシフト制度によって、勤務時間の予測や自己のプライベートの計画が困難になります。シフトの変動や急な勤務変更が頻繁に行われるため、家族や友人との予定や生活の調整が難しくなることもあります。このような状況下で働くと、自己の時間管理や生活の安定感が損なわれ、ストレスが増大します。
不規則な勤務時間は、身体的な健康への影響だけでなく、社会的なつながりや生活の質にも影響を及ぼします。家族や友人との関係性の構築や維持が困難になり、孤立感や社会的なストレスが増えることも少なくありません。
自社の商品やサービスを扱っているわけではないので、仕事に自信を持ちにくい
コールセンターでは、多くの場合、マニュアルに基づいた対応が求められます。しかしこのマニュアルに頼った対応スタイルは、顧客の細かなニーズに対して十分に応えることが難しい要因となっています。
まず、コールセンターのオペレーターは、自社の商品やサービスを直接的に提供しているわけではありません。そのため、自信を持って顧客の疑問や問題に対応することが難しくなります。マニュアルに従って流れ作業的な対応をすることが主となるため、顧客の個別のニーズや要望に細かく対応することが難しくなるのです。
また、マニュアルだけでは解決できない状況に直面することもあります。顧客からの質問や問題が、既存のマニュアルにはカバーされていない場合、オペレーターは自分の判断や知識に頼らなければなりません。しかし、そうした場合には迅速で正確な回答が求められるため、オペレーターはプレッシャーや不安を感じることがあります。
さらに、商品やサービスに関するクレームについては、コールセンターだけでは解決できない場合があります。クレームが深刻な場合や法的な問題を含む場合には、他の部署や担当者との連携や上司への報告が必要となります。しかし、コールセンターのオペレーターはそのような権限や機能を持っていない場合が一般的です。このため、顧客の問題解決に直接関われないことや、問題が解決されるまでの時間がかかることが、オペレーターのストレスとなります。
コールセンターは顧客との重要なコミュニケーションの窓口ですが、マニュアル対応が主となることによって、個別のニーズへの柔軟な対応が制約されています。
この構造こそが、コールセンター勤務を辛いものにしている一因であると言えるかもしれません。
職場の人間関係が悪く助け合わないことがある
コールセンターの職場においては、人間関係の悪化や助け合いの不足がストレスの要因となることがあります。以下にその一部を取り上げてみます。
まず、多くのコールセンターでは、新人の教育や研修が事務的に行われ、実践投入されるケースがあります。これによって、現場での実務に対する適切なサポートや指導が欠けることがあり、新人は孤立感や不安を抱くことがあります。
さらに、上司や先輩たちが自分が困っているときに助けてくれず、冷たい雰囲気が漂う職場もあります。問題や困難に直面した際に適切なサポートやアドバイスを得られないと、ストレスが増大し、業務の質や効率にも悪影響を及ぼすことがあります。
また、一部の会社では、ミスやわからないことがあった場合に、改善策を示さずに現場で自力で解決することを求める姿勢が見られます。これによって、オペレーターは負担を抱えながらも自力で問題解決を図らなければならず、状況によってはストレスが高まることがあります。
さらに、コールセンターでは顧客からのクレームや怒りを直接受けることがあります。このため、オペレーターは感情的な攻撃を受けたり、悪意や怒りを向けられたりすることがあります。これによって、オペレーター自身の性格や心理状態に悪影響が及ぶことがあります。
また、閉鎖的な職場環境では、他人の陰口や悪口がはびこりやすくなります。コミュニケーションが希薄であったり、信頼関係が希薄な場合、人間関係が悪化し、ストレスが増大する要因となるでしょう。
さらに、正社員や派遣社員など、異なる雇用形態の間に確執や意識の差が生まれることもあります。これによって、協力やチームワークが欠けたり、職場内の緊張感が高まったりすることがあります。
こういったコールセンターの職場環境の問題を改善するためには、上司や管理職のリーダーシップやコミュニケーション能力が必要となりますが、職場の上司にそのような能力がない場合、人間関係が冷え込み、業務がやりにくくなることがあります。
無茶な営業ノルマに追われ営業先から疎まれることがある
テレセールス、テレアポ、アウトバウンドコールセンター、インサイドセールスなど、営業電話を担当するコールセンターでは、ノルマに追われることがストレスの一因となります。
一部のコールセンターでは、売り上げや契約数などの営業目標が非常に高く設定されることがあります。このような過度な営業目標は、オペレーターにとって達成が困難な状況を作り出し、プレッシャーやストレスを増大させる要因となります。
オペレーターは一日中、大量の電話をかけて営業活動を行う必要があります。時間に制約がある中で、成果を上げるためには高い効率性とスキルが求められます。これにより、オペレーターは連続した営業活動に追われ、疲労やストレスが蓄積されていくことがあります。
また、営業電話では相手の反応が予測できないため、拒絶や断られることもしばしばです。オペレーターはその度に自信を保ちながら営業活動を続けなければなりません。しかし、連続した拒絶や断られる経験は自信やモチベーションを低下させ、ストレスの一因となることがあります。
さらに、営業電話では相手の反応や意図を的確に把握し、適切なアプローチを行う必要があります。しかし、通話中に相手の声や表情が見えないため、コミュニケーションの齟齬が生じることがあります。その結果、意図した効果が得られず、成果に繋がらないことがストレスとなるでしょう。
これらの要素が重なり、ノルマに追われる状況で働くオペレーターは、プレッシャーやストレスを抱えることになります。
コールセンターに向いてない人や辞めて良かったと思える人の特徴は?
コールセンターの仕事は一部の人にとっては適しており、やりがいを感じることができますが、一方で向いていない人や辞めて良かったと感じる人も存在します。
コールセンターで働くには特定の特徴やスキルが求められますが、それに加えて、個人の性格や価値観も重要な要素となります。
この記事では、コールセンターに向いていない人や辞めて良かったと思える人の特徴について探ってみましょう。
一方向的なコミュニケーションにうんざりしている
コールセンターでは、主に顧客との電話応対が中心となります。
しかし、この一方向的なコミュニケーションに疲れてしまう人もいます。彼らは対話や共感を重視するタイプであり、コールセンターの業務では自分のコミュニケーションスタイルが活かしきれず、辞めて良かったと感じることがあります。
また、顧客との一方的なコミュニケーションに疲れを感じるだけでなく、会社や上司からも同様の経験をしています。
現場の声や意見を聞くことなく、上からの指示や決定が下されることが多くあります。
このような一方向的なコミュニケーションにうんざりしている人々は、自身のアイデアや意見が尊重されないことに不満を抱えており、コールセンターでの働きに向いていないと感じることがあります。
彼らはよりオープンで対話的なコミュニケーションを求める傾向があり、辞めて良かったと思う要素の一つとなっています。
顧客満足や解決に結びつかない業務対応に疑問がある
コールセンターでは、顧客の問題やクレームに対して的確に対応し、解決に導くことが求められます。
しかし、一部の人は、マニュアルに従った機械的な対応や顧客の要求に応えることに限定された業務に疑問を感じます。
彼らは自分の能力や判断力を活かして問題解決に貢献したいと考えており、顧客満足や解決に結びつかない業務対応に不満を抱え、コールセンターでの働きに向いていないと感じることがあります。
頭の回転が速すぎてマニュアル対応に疑問がある
一部の人は、頭の回転が速く、素早く考え行動することが得意です。しかし、コールセンターの業務では、マニュアルに基づいた手順やスクリプトに従うことが求められることが多いです。そのため、頭の回転が速すぎてマニュアル対応に疑問を感じることがあります。彼らは柔軟な対応や自己判断力を発揮したいと考えており、コールセンターでの業務には向いていないと感じることがあります。
コールセンター勤務の将来性は?無理に働き続けた末路はどうなる?
辛いと感じる仕事を辞めるかどうかを判断するポイントに「その仕事の将来性は?」「将来、高い年収や安定した働き方が実現できるか?」といった要素もあります。
無理に向いてない仕事で働き続けてもしんどい状態が続きますし、たとえ高年収の仕事や世間体のいい仕事でも、精神的に安定して働き続けられるかどうかは、別に考えなければなりません。
また、昨今では内閣府の提唱する「人材の流動性」が示すように「転職が当たり前のキャリア」の時代となっています。
そのため、自分の所属する業界の将来性の高さや、身についたスキルや経歴が転職市場でも評価されるかも知っておく必要があります。
ここでは数々の客観的データの分析も交えて、コールセンターで働くことの将来性についてご紹介していきます。
コールセンターの主要会社の多くが子会社や代行業中心な点に注目
「コールセンター勤務は将来性があるかどうか?」を考える際、コールセンターを運営する企業のビジネスモデルや業界構造を理解する必要があります。
とくに正社員として定年退職まで勤務するつもりなら、業界・企業全体への理解はキャリアアップのためにも不可欠です。
コールセンターを運営する会社は大きく分けて2つの業界に分かれます。
1つ目は「アウトソーシング(BPO)業界」です。
アウトソーシングとは「企業が自社の業務の一部を外部企業に委託すること」で、BPOとはBusiness Process Outsourcingの略で「企業の業務プロセスの一部を外部企業に委託すること」を指します。
2つ目は「パソナグループ」「パーソルキャリア」「アデコ」「マンパワージャパン」「リクルートキャリア」などの大手人材会社が運営するパターンです。人材派遣会社がコールセンター業務を委託し、派遣社員に行わせることとなります。
人材派遣会社が行うコールセンター業務の場合、求人では「大手企業(例:ドコモ)のコールセンターで働ける」と募集が出てたりしますが、実際に契約している会社は派遣会社となり、求人で紹介されている有名企業に雇われているわけではない点に注意です。
コールセンターは、このアウトソーシング・BPO・人材派遣といった業種の中でも、何らかの製品やサービスを提供している会社から委託を受けて、「カスタマーサポート」や「カスタマーケア」などの役割を担い、顧客対応を他の企業の代わりに行っているという構図となります。
アウトソーシング・BPO業界の中でもコールセンター業務に力を入れている会社が「トランスコスモス」「TMJ」「ベルシステム24」「プレステージ・インターナショナル」「りらいあコミュニケーションズ(旧:もしもしホットライン)」「ビーウィズ」「KDDIエボルバ」などになります。
- TMJ:セコムの子会社、かつてはベネッセの子会社だった
- ベルシステム24:伊藤忠商事が株式を40%保有、凸版印刷が14%
- ビーウィズ:パソナが買収
- りらいあコミュニケーションズ:三井物産が持ち株36%
- KDDIエボルバ:KDDIが持ち株100%
上記のように、主なコールセンター運営会社の大半が大手企業の子会社や持株会社である事情も踏まえると、コールセンター業務は以下のような将来性の不安が残ります。
- 今後も合併や買収によって社内方針や業務内容の変更が相次ぐ可能性がある
- コスト削減・業務効率化の口実で人件費削減の影響を受けやすい
- 人材の質の低下やサービス品質の低下が起こりやすい
とくに、アウトソーシング・BPO企業の致命的問題点としては「自社自身が何らかの生産物を生み出しているわけでなく、他の企業の代わりに業務を行っているだけ」という構造になるため、委託元企業の業績や方針に依存したり、自社で新たな価値を生み出して業績を上げたり、従業員の満足度を高める取り組みが行いにくい点にあります。
もちろん、会社方針や職場環境にもよるので一概にどうこうとは決めつけられませんが、アウトソーシング・BPO・人材派遣業の本質が「他の企業がやりたくない仕事をコスト削減や効率化のために請け負っている」となるため、コールセンターに押し寄せている理不尽の根本原因が産業構造の問題と考えると、業界全体の「闇」とも言える背景が見えてくるかもしれません。
コールセンター業務を続けても期待できる年収は低めの傾向
コールセンター業務を続けた場合、とくに正社員・契約社員として勤務している場合、所属するアウトソーシング・BPO事業の平均年収を知っておくことで、将来的な年収の目安となるかもしれません。
以下に、コールセンターを手がける企業の平均年収のデータを提示します。
▼コールセンター関連企業の平均年収/平均年齢
トランスコスモス:475万円(37.1歳)*1
りらいあコミュニケーションズ:567万円(40.2歳)*1プレステージ・インターナショナル:278万円(37.6歳)*2
ベルシステム24ホールディングス:624万円(41.8歳)*2
富士ソフトサービスビューロ:445万円(42.9歳)*2全業界平均662万円 *1
データ出典:
*1.会社四季報 業界地図 2023年版
*2.就職四季報 優良・中堅企業版 2021年版
これらの平均年収データは集計方法が不明、または企業側の自己申告により水増しがある可能性に注意です。
平均年収の計算に役員クラスや経営階級が含まれていることで実態よりも明らかに上の年収になっていたり、非正規雇用が含まれていることで実態よりも下になっている可能性があります。
その上で他業界平均と比較してみても、コールセンター会社が所属するアウトソーシング・BPO業界の主要会社の平均年収は低めの傾向であることが見えてきます。
似たような業態にある「コンサルティング業界」「総合商社」は、毎年安定して平均年収1000万円以上で業界比較でもトップクラスなのも踏まえると、業界・会社としての平均年収は低めである印象は拭えないでしょう。
また、コールセンター業務の多くが派遣社員に委託している実情も踏まえると、派遣社員自体の収入が時給制評価、賞与(ボーナス)が支給されないことから、実際の平均年収がより下がるかもしれない点に注意です。
コールセンター業務全体の実態に近い平均年収としては「プレステージ・インターナショナル」社が提示している278万円という額が、実態に一番リアルに近い額かもしれません。
DX化やAI普及によって仕事の価値の低くなる恐れ
先ほどご紹介した通り、コールセンター業務を含むアウトソーシング・BPO事業が「業務効率化」「コスト削減」のために行われる背景があります。
これらは、近年では「DX(デジタルトランスフォーメーションの略。デジタル技術を活用して、企業のビジネスモデルや組織、業務プロセスを変革し新たな価値を創造すること)」や「AIの普及」により、人が行う仕事の価値がさらに低下していく懸念があります。
たとえば、コールセンター業務はAIによるチャットボットの登場や、音声認識・自動音声生成機能などの技術により、今後はますます価値が低くなっていくと予想されます。
また、DXにはITによる業務効率化やコスト削減だけでなく、その後の「新たな価値の想像」という目的があり、ここでは顧客満足度の追求も1つの目的となります。
マーケティングやカスタマーサクセスでの視点で「顧客満足度」について考えた場合、機械的なセールスになりやすいアウトバウンドは迷惑電話のように思われやすかったり、顧客の不満や怒りを聞くだけで問題の解決やサービスの改善に活かしにくいインバウンドが「果たして価値のある仕事と言えるかどうか?」も考えなければなりません。
極論を言えば「従業員の満足度も高められないようなコールセンター業務で、顧客満足度を本当に高められるのか?」という点で疑念は残り続けるでしょう。
転職市場で通じるスキルが身につかない懸念
コールセンターでの仕事は、転職市場において通用するスキルや経験を身につけることが難しいという懸念があります。以下にその理由を考えてみましょう。
業務の特殊性: コールセンターの業務は、特定の企業や商品に特化せず、一般的な顧客対応を行うことが多いです。そのため、他の業界や職種への転職を考えた場合、業務の特殊性がハンディキャップとなることがあります。他の企業や業界では求められるスキルや知識が異なるため、転職先での価値を高めるのが難しいのです。
マニュアル対応中心の業務: コールセンターの仕事は、マニュアルやガイドラインに基づいて対応することが主体です。一方的な情報提供や基本的な問い合わせへの対応が中心となりますが、これらの業務では他の職種で求められるような高度なスキルや専門知識を磨く機会が限られるかもしれません。
成長の制約: コールセンターでは、業務の効率化やコスト削減が求められることがあります。そのため、スキルや能力の発展や成長に対するサポートが限られることがあるかもしれません。自己啓発やスキルアップの機会を求める場合、コールセンターの仕事だけでは十分なチャンスが得られない可能性があります。
以上のような理由から、コールセンターでの仕事は転職市場において通じるスキルや経験を得るのが難しいと言えます。
また、コールセンターを運営するアウトソーシング・BPO事業全体で見た場合、近年のトレンドが「財務・経理」「調達・購買」「人事(福利厚生)」など、企業の一般職相当の業務も委託する流れになっているため、コールセンターでの電話対応のみならず、総合的な企業業務全般への理解が求められる傾向になると予想されます。
コールセンターを辞めたい時は?退職理由の伝え方はどうする?
上司に退職の意志を伝えるだけでOK
コールセンターに関わらず、仕事を辞める際は直属の上司に退職の意志を伝えるだけでOKです。
法律では「最低2週間」と定められており、社内規定では一般的に「一ヶ月」とされている会社が多いです。
離職率が高い上に、とくに引き継ぎの必要のないコールセンターの仕事であれば、意外とすんなり辞められることも多いようなので、まずはハッキリと退職意志を上司に伝えておきましょう。
最悪「メール」「電話」で退職意志を伝えるのもあり
現在休職中であったり、コールセンターの仕事に行きたくないレベルの方であれば、メールや電話で退職意志を伝えるのもありでしょう。
義理や筋を通したいのであれば、直接伝えたほうがいいのでしょうが「コールセンターの仕事でそこまでする必要がない」と感じているのであれば、メールや電話でも構いません。
派遣会社に相談しておく【派遣社員の場合】
コールセンター勤務で派遣社員の場合、直接雇用主である派遣会社に相談して、退職の意志を伝えたほうが問題なく済むでしょう。
派遣会社を通している場合、バックレや無断欠勤をした場合、まず派遣会社側に苦情がいくため、話がややこしくなる可能性があります。
そうなると、派遣会社側も「あいつは問題を起こしたから次の派遣先は紹介しない」と判断してくるリスクがあるので、今後も派遣会社を経由して仕事を探す場合は、必ず派遣会社に相談して退職の手続きを進めるようにしておくといいでしょう。
退職代行を利用する【退職の意志を伝えるのが怖い場合】
コールセンターを辞める際、上司が怖かったり、辞めさせてもらえない場合は「退職代行」を利用するのも手でしょう。
ただし、退職代行は有料で相場は3万円と高めですので、どうしても辞められない場合にしておくといいでしょう。
転職サービスを利用してプロのサポートを受ける
以上のように、「小売業を辞めたい」という悩みに対し、一概に「これをすべき」という正解はなく、それぞれの状況に合わせて最適な行動を取捨選択する必要があります。つまり、多くのことを考えて計画的に行動する必要があるのです。
それを在職中の考える余裕がないうちに行うのは、かなりハードだと言えるです。
コールセンターからの転職を考える場合、大きく以下の方針に別れます。
- 他のコールセンターへ転職する(人間関係が嫌、扱っているサービス内容が嫌などの理由の場合)
- コールセンターとは関係ない、未経験職へ転職する(コールセンター自体の業務内容に不満がある、将来性のある仕事に就きたい場合)
ただし、どちらが自分に向いているかは、しっかり調べて、専門家の話を聞くなどしないと、判断できません。
そこでオススメしたいのが、転職サービスでプロに相談してサポートを得るという方法です。