「何年勤務しても係長になれない…」
「係長になるための条件がわからない…」
「管理職になれないで平社員のままでキャリアが不安…」
このようにお悩みではありませんか?
仕事をする行う上で、誰もが大なり小なり出世や昇進したいという意欲は持つものです。
ですが、必ずしも長年勤務しているだけでは管理職やリーダーになれるとは限りません。
それには本人の資質が足りない場合もありますし、組織の問題もあって40代の中高年になっても役職が与えられないケースなど、一概にこうと言える要因はありません。
ですので、大事になるのは「自分が係長になれる/なれない」という判断軸ではなく「自分が属する組織や職種において、係長(あるいは他の管理職)にどのような資質や役割が求められて、どのような組織の慣習や伝統によって役職が与えられるのか?」といった理解を深めていくことにあります。
そこで本記事では、とくに管理職の中でも「係長」になれないと悩む人に向けて、係長になるためのヒントや着眼点や判断ポイントなど、読むだけでワンランク上の視点を持って働けるような情報をお届けしていきたいと思います。
係長になれない人の特徴や原因
係長になれるかどうかは、能力や勤務年数だけでなく、様々な要因が絡みます。
会社環境によっては「係長になれる資質があるにも関わらず、チャンスに恵まれない」ということも十分ありえます。
自分が係長になれない原因を探りながら、自分のキャリアを見直すヒントにしてみてください。
ポストが空いていない
ポストとは「地位や役職」のこと。
つまり「係長に就こうにも、席が空いてない」ことで、係長になれないことがあります。
係長が1人の職場に、社員が10人いたとしたら、次に係長になれるのは1人だけです。
なので、エスカレーター式に出世していく組織では、
- 会社が小さいor職場が狭く、部署替えなどがない
- 今の職場の係長がベテランで居座り続けている
- なので、どれだけ頑張っても係長に昇進できない
といった事態が考えられます。
こういった状況では「今の係長が昇進するか辞めるまでポストが空かない」ため、どれだけ勤務年数が長い社員や能力のある社員でも、係長になることができません。
昇進条件を満たしていない
多くの組織では「昇進するための暗黙の条件」のようなものが存在します。
たとえば、
- 特定の学歴がないと昇進しにくい
- 特定の部署の勤務経歴がないと出世コースに乗れない
- 特定の資格がないとリーダーポジションに就任できない
- 一定以上の勤務年数や年齢を満たさないと昇進できない
- 売上などのわかりやすい実績や成果を出していない
…といった条件です。
とくに年功序列の強い大きな組織では、経歴や実績などカタログスペックだけで事務的に昇進基準が決まることも多いです。
なぜかというと、人事側は「書面情報」や「限られた時間での面談」から人材を評価しないといけないため、そこに反映されない「日々の頑張り」が評価されないからです。
厳しい言い方になりますが「ただ、勤務年数だけ重ねておけば自動で出世できるわけでない」と若いうちに気づき、「この会社で出世するためには何が求められるか?」を考え行動している人ほど、なるべくして上に上がっていくのです。
直属の上司が障壁になっている
組織で出世していくためには、直属の上司との関係構築も重要です。
そもそも、会社環境によっては直属の上司からの評価や推薦がなければ、人事査定で評価が上がらず昇進機会に恵まれない…ということも十分ありえます。
学生時代の「推薦入試」を思い出してください。
ただ「テストの点数が良い」「毎日出席している」「単位を落としてない」だけでなく、「部活やボランティア活動などでの積極性」「教師に気に入られているか」といった要素も重視されてたはずです。
それと同じで、直属の上司がさらに上の上司(人事部や役員階級など)に自身の評価が上がるようにかけ合ってくれているかどうかも、係長になれるかどうかを決める重要な要素となります。
ですので「上司と仲が悪く過小評価されている」という最悪なケースならともかく、
- 直属の上司に「こいつは仕事ができる」と評価されていない
- 直属の上司自身がそこまで上役や本社と関係構築できていない
- そもそも、直属の上司が誰なのか正確に把握できていない
など、直属の上司との相性が良好であっても、様々な要因で係長になれない原因となりえるのです。
同僚に強力なライバルがいる
「自分の方が先に入社したのになんであいつが?」
このように悔しい思いをしたことがあるなら、注意が必要です。
係長になれるかどうか、つまり「出世競争」においては、嫌でも同僚と比較されることも忘れてはなりません。
ここでいう同僚とは、同期はもちろん、先輩や後輩も含みます。
シンプルに勤務年数だけで昇進できるかどうか決まるなら、先輩がいるだけで係長になれない可能性が上がります。
逆に能力主義な会社なら、後輩や同期に抜きん出た人がいれば、次の係長候補となり、自分の出世は遠くなってしまいます。
ですので、
- 自分より後に入った人物が、自分より先に昇進したり他部署に配属されてないか?
- 自分より先に入社した先輩がどれだけいて、どのぐらい評価されているか?
といった、職場内の社員の序列や評価にもアンテナを張っておくことも重要です。
係長になるためにやるべきこと
以上の係長になれない要因を踏まえ、誰でもすぐに実践できる「係長になるためにやるべきこと」を解説していきます。
自分の仕事以外にも関心を持つ
係長のような「リーダーポジション」に就く人の多くは「自分の仕事以外に関心を持つ」ことを無意識に行っています。
たとえば、
- チームメンバーが困った時に手助けする
- 上司のサポートを行っている
- 他部署との交流がある
- 自社のことについて主体的に情報収集している
といったような行為が当てはまります。
係長クラスになると、当然のことながら他の社員ができない仕事のサポートをしなければなりませんし、上役とのコミュニケーションも増えてきます。
そのため、「他に係長候補がいないから」という消極的な理由でもなければ、日頃から自分以外の仕事もこなしているような人物が係長になる可能性は高くなって当然です。
逆に言えば、どれだけ自分の仕事だけを頑張っても、自分以外の仕事にも関心がなければ出世できるかどうかは”運頼み”になってしまうということです。
また、会社目線で見た場合に、係長や管理職クラスに出世していくほど「ジェネラリスト」としての資質を求められます。
ジェネラリストとは、特定の専門知識や技術に特化するだけではなく幅広い知識や経験をもとに組織内の様々な業務をこなせる人材を指します。
たとえば、エンジニアのような技術職でも顧客対応ができたり、営業職であっても事務仕事もこなせたり…といった形です。
組織について情報収集する
通常、多くの会社では「組織風土」「組織文化」「社風」と呼ばれる、いわば「その会社の暗黙のルールや雰囲気」のようなものが存在します。
たとえば、「特定の学歴や部署の出身者が役員まで出世している」「係長になるためには、特定の社内制度を通過しないといけない」といったようなものです。
こういった情報は「暗黙的にそういう掟のようなものがある」場合もあれば、「社内で規定されて明文化されている」こともあります。
後者の例としては、「昇進のためにテスト合格や試験が必要」といったものや、非正規雇用者の場合は「社員登用制度」といったものが、実は社内に存在することも多いです。
そういった制度に気づけるかどうかは、
- 日頃より社内で様々な人から情報収集している
- 社内のマニュアルや資料に目を通しておく
- 出世に興味があるという仕草をしておく
など、やはり「自分の仕事をするだけ」でなく、会社全体に興味を持って主体的に行動してなければ得られないものです。
キャリアの振り返りを行う
考え方として「自分のやりたいことや挑戦したいことと、会社で求められていることにギャップがある」という要因が、出世の妨げになっている可能性もあります。
勤務年数が増えて経験を積めば積むほど、できることや見える範囲も増えてきて「今の会社で活躍するにはどうすればいいか?」「自分のやりたいことは今の会社で実現できるか?」といった欲求も湧いてきます。
反面で「今の会社はここがダメ」「今の職場ではこれはできない」といった現実や課題も見えてきます。
たとえば「自分は技術を極めたいのに、出世に求められるのは顧客対応能力」といったような”ズレ”です。
また、会社環境によっては、
- 仕事ができるかどうかよりも、上に気に入られるためにゴマスリできるかどうかが問われる
- 特定の学歴や部署の経験がなければ、昇進できない
- 年功序列型の組織なので、どれだけ長く続けても昇進に期待できない
といった理不尽もあり得るため、まずは冷静に自分の「これまで」を振り返ることに意義があります。
係長になれないことで「自分は能力がない…」と落ち込んでいる方もいるでしょう。
しかし、それは「やるべきことをやった上で、それが今の社内で評価に結びつかないなら、単に”会社が社員に求めてることと自分の仕事観がズレてるだけ”」な可能性もあります。
転職のプロに相談してキャリアを見直す
以上のように、係長になれない要因は様々で、それぞれの置かれた状況や会社環境次第で大きく変わります。
ただ一つだけ言えることは「係長になれないという今の状況がおかしいと感じるなら、何かしら主体的に行動しないと状況は変わらない」ということです。
今の会社での仕事の仕方や立ち回りを変えることは当然として、キャリアを見直す意味でも転職活動も並行して行うことを推奨します。
「転職活動」と聞くと「今の仕事を辞めて転職するためにやること」と思われがちですが、実際には「今の実力で他の職場でも通用するか?」「他の会社ならどれだけ年収や役職が上がるか?」を現実的に確認するために行う人も多いぐらいです。
むしろ、衝動的に辞めて転職時に妥協するよりも、在職中から用意周到に転職活動する方が、結果としてキャリアで成功する確率は高くなります。
なぜなら、今の会社で働くだけでは今の会社の評価基準やルールに縛られて視野が狭くなりますが、転職活動を通すことで「今の会社は恵まれているか?それとも過小評価されているか?」が見えてくるからです。
その結果、今の会社でもっと頑張ると決めたり、逆に転職して可能性を見出す人もいます。
転職活動を効率良く行って優良求人や業界動向などの情報を得たいなら、受け身で求人を見るだけでなく転職サービスを通してプロに相談するのが一番です。