「安い客ほど文句が多い…」
「自分の働いてる職場は客層が悪い…」
「お金にならない客ほど文句ばかり…」
このように感じていませんか?
日本では、過去のオリンピック誘致時に「おもてなし」を強調するほどには、サービス品質が高い国民性であることが伺えます。
しかしそのような過剰なサービス提供もあってか、身勝手な客のクレームに律儀に対応しないといけない場面もあったり、お金にならないお客にまで労力を割かないといけないなどの問題もでてきます。
もし、読者の方もそういった「安い客ほどクレームが多い」「お金にならない客にまで真面目に対応するのが理不尽」と悩みを感じているなら、ここで一度自身の仕事に対する理解や顧客対応について、改めて考え直す時期に来ているかもしれません。
たとえば、ビジネス用語には「ロイヤルカスタマー」という言葉があります。
これは商品やサービスを継続的に購入し売上貢献が高い顧客を指します。
ロイヤルカスタマーは、何も言わずに黙って商品を購入して会社の利益に貢献してくれる一方で、クレーマーは声はデカく利益に貢献しないばかりか、従業員にストレスをもたらし企業に損失を与える存在にもなりかねないのです。
そこで本記事では、安い客ほど文句ばかりになる構造や仕組みについてビジネス知識も合わせて解説した上で、お金になる客とそうでない客を見分けるという考え方、そこからより自身のキャリアを高めて優良顧客と仕事で関わっていくための考え方までご紹介していきます。
質の悪い客の特徴とは?
「客層が悪い」「質の悪い客」と言っても、その特徴は様々です。
わかりやすい例としては「悪質クレーマー」「モンスタークレーマー」と呼ばれる存在がいます。水商売であれば金払いは良いけど「クソ客」「地雷客」と呼ばれる存在もいます。
薄利多売のビジネスモデルとなることが多い飲食チェーンやスーパー、ディスカウントストアでは、商品が安いため余裕のない客が多く感じるかもしれません。
うわっ…
この客、民度低すぎ…
思わず、そう感じてしまうような、質の低い客の特徴についてご紹介していきます。
理不尽な要求や高圧的な態度が目立つ
安価な店舗に訪れる客の中には、残念ながら理不尽な要求や高圧的な態度を見せる人々が存在します。
これらの客は、低価格を理由に店舗や従業員に対して無理な要求を行う傾向があります。例えば、追加サービスの要求、過度な割引の要望、または通常のサービス範囲を超える要求などがそれにあたります。価格が安いからといって、サービスの質を低く見積もり、それを盾に不当な要求をするのです。
高圧的な態度も問題です。これらの客は従業員を対等な人間として扱わず、命令口調で話したり、些細な問題で怒鳴り散らしたりすることがあります。このような態度は、従業員にとって大きなストレスとなり、サービス業全体の士気にも影響を及ぼします。
安い客は文句やクレームばかり言う
安い客は、とにかく文句が多い。
「なんで、これこんなに高いの?」と難癖つけてきたり、
「なんだ、その態度は?」とイチャモンをつけてきたり、
保証外の使用をしたにも関わらず「壊れた、店のせいだ」と責任転嫁をしてきたり…。
よくクレームを聞くと「それは自分にも店側にも責任はなくて、客の責任でしょ…」と思うような内容のものが大半です。
9割以上はまともなお客様の方が多いのですが、絶望的に頭が悪くマナーもモラルもない地雷級のクレーマーは、安い店で安い物しか買わない客に際立って見られました。
そういった頭の悪い客と接すると、キレイゴト抜きに「余裕がなく、他人の足を引っ張ることを辞さない貧乏人や底辺層と関わると、不快な思いをするだけでロクな事がない」という事実に嫌でも気がつきます。
また、収入・所得関係なく利用できる公共施設や公立学校でも、とんでもなくモラルのない利用者と関わるリスクがあります。
金払いが悪い客ほど過剰なサービスを求める
安い客によく見られる現象ですが、お金を払えばなんでも手に入る・自分は偉いと勘違いしています。
どんなにお金を持っている人でも、マナーが悪かったり、身なりが汚ければ、入店してまともなサービスさえ受けさせてもらえないことは、社会においてはよくあります。
富裕層ほどマナーが良く身なりも整いますが、それは「お金を持っている・支払うだけでは得られないものがある」という事実を経験してきているからです。
一方で、安い客はお金もモラルもマナーも人徳も一切ないため、安い店でさえもまともに相手されず、対価以上の物が得られないことに腹を立てるわけです。
筆者もビジネス・仕事だと思っている領域では徹底的に金にはこだわりますが、そうでない部分では「人柄」「相手がかけてくれている労力や配慮」などを判断材料にすることもあります。
客層が悪い原因とは?会社方針や業界構造が抱える問題点から考察
「安い店=薄利多売」はデフレ構造で金回りが悪い
安い店・安い客を扱う企業の多くは、大量仕入れ・大量販売という形で少ない利益を積み重ねる「薄利多売」というビジネスモデルを採用しています。
薄利多売の問題点としては、
- 安売り路線から抜け出せない場合、競合店舗と価格競争に陥りやすい
- そのため商品の利益が底値になり、人件費削減・品質低下という経営判断を迫られやすくなる
- 「安ければ安いほどいい」と思っている客が多いため、顧客単価が上げにくい
- 安売り路線でサービスの質を妥協しているため、従業員の質が低い(バイト・パート・外国労働者など)
…などが挙げられます。
具体例としては、低価格競争でデフレ構造に陥ってしまった牛丼業界が、非常にわかりやすい例です。
薄利多売から抜け出した成功例としては、59円マック時代から徐々に値上げをした「マクドナルド」など。
また、外国の例で言えば、アメリカの超大手小売企業「ウォルマート」が非常にわかりやすい例でしょう。
ウォルマートの問題点の例
従業員の労働条件の悪さも有名であり、低賃金の非正規雇用従業員を多く採用する一方、正社員の採用には消極的で労働組合がないうえ、組合を結成する動きがあれば社員を即刻解雇するなどの不当労働行為が後を絶たない。
- 地元の経済を破壊した上での撤退が相次いでいること
- 景観や環境の悪化
- ウォルマートの駐車場で強盗殺人事件が多発
- 他の小売店舗の売り上げへの悪影響
- 新たに創出される雇用のほとんどが、時給4ドルから7ドルで医療保険もない低賃金の仕事であること
- 従業員は低賃金にもかかわらず、ウォルマート自身の税収はさほど大きくないこと
- 利益の多くはウォルマート本部に吸い上げられ、地元のキャッシュ・フローが減少すること
日本人には想像もつかないでしょうが、アメリカのウォルマートはスマホも所有していない低所得層(=Amazonも使えない)が利用する小売店舗であり、従業員・顧客層の質も悲惨な状況となっているのです。
会社の利益を上げるためには効率的な薄利多売のビジネスモデルですが、度が過ぎれば「安かろう悪かろう」と揶揄される通り、品質・客質・従業員の質すべてが下がっていくものなのです。
安い客は消費に期待しすぎ
安い客は、たかだか「消費」に期待しすぎの人間が多いです。
消費というのは能動的な行為に見えて、お金さえ払えばなんでもしてもらえる受け身の行為です。
消費者が受け身でいられるのは、あくまでサービスする側の企業努力ですので、そこに差があって当然です。
また、マーケティングというのは、大なり小なりCMや広告で期待を煽るのが常ですので、一方的に期待を膨らませて裏切られてしまい、そこからクレームにつながることもあります。
たとえば、CMで芸能人が使っている化粧品を使ったからと言って、自分も芸能人みたいになれると思って商品を買う人は、ほとんどいないでしょう。
それと同じで、
- 広告のセール品が必ずしも並んでいるわけではない
- 写真のイメージと実物にギャップがあるのは当たり前
- キャッチフレーズ・紹介文が過剰なため、イメージしたものと異なる
…なんてことは、よくあることです。
※このあたりは「景品表示法」などの法律も絡んでくるので、難しいところではあります。
にも関わらず、片思いのアイドルに幻滅したかのように、店側に文句をつけてくる輩は一定数存在します。
顧客の期待に応える企業努力は大事ですが、それはあくまで企業側が善意ですることであって、顧客が強要するものではありません。
第一、企業側に努力させたいのであれば、クレームをつけるのではなく株主になって意見したり、あるいは自分がどの会社に入って経営改革を行えばいいのです。
安い客は「時間=金」という考え方が出来ない
安い客は「時間=金」という考え方が出来ないので、ダダをこねてスタッフの時間を奪ったり、大して得でもないセールに長時間かけて並ぶことを行います。
よく「時間はお金で買える」と言いますが、まさにその通り。
わかりやすい例は交通機関で、最速の飛行機は一番値段が高く、次点で新幹線やタクシーなどと続きます。
JRではクレームも非常に多く、乗っている人のモラルもピンキリで、安い客も大多数混ざるものです。
他にも、食べ放題の店やカラオケ店、飲み屋でも「時間による料金設定=場所代」というビジネスモデルで展開しており、決して食事代だけで値段が設定されているわけではありませんよね。
さらに上の階層の世界では、実績のあるコンサルタントに相談するだけでお金をとられることがあります。
それぐらい、ビジネスの世界では「時間を拘束される=お金をとってもいいこと」と考えられているのです。
「相談料無料のサービスもあるじゃないか!」と思われる方もいるでしょうが、それはあくまで「相談を受け付けて信用を得ることで、顧客になり得るから」であり、ビジネス的な打算や戦略ありきの話です。
こういった事情を考えれば、他人の時間をお金を払わずに奪うことは悪いことであり、お金以外の対価を支払わなければしてはいけないものなのです。
「安ければなんでもいい」という人は計算が出来ない
「安ければなんでもいい」という人は、計算ができない頭の悪い人が多いです。
安ければいいと思い込んでいる人の特徴
- 目先の数字の安さしか見ていないので、他の価格を決める要素に気づかない
- 高くて品質の良いものを長く使うことで、結果的に安く済むという考え方が出来ない
- 商品の価格が決まるまでのプロセスを知らないため、その物の真価を見極められない
- 「お得=損したくない」という考え方しか出来ないため、1円の損失も許せない
- 「安い理由」を深く考えないため、品質・サービスの質を落とすことで安く済むということを想像できない
こういった計算の出来ない人間でクレームをつけてくる人種は「自分は1円でも安いものを選んでいてかしこい!」と思い込んでいることも多いため、上記のような事実を認めたがりません。
「耐久性」「アフターフォロー」「対費用効果」と言った概念を理解すれば、必ずしも目先の販売価格の安さだけが商品の価値を決めるわけではないことは、誰もがわかる事実です。
しかし、安さだけを重視している人は、そういった複雑な要素を理解できないため、1円の損も許せないセコい人間になっていくわけです。
安物買いの銭失い
安物買いの銭失いとは、値段が安いものは品質が悪いので、買い得と思っても結局は修理や買い替えで高くつくということ。
安い客を相手にする仕事を続けない方がいい理由とは?
以上のように「安い店=安い客が多い仕事=薄利多売」ですが、経営方針を誤ると、デフレ構造になってしまい、商品の品質・客質・サービスの質すべてが低下してしまうという性質を持ちます。
より読者にその危うさをご理解して頂くためにも、具体例をご紹介していきます。
安い客を相手にし続けると性格が悪くなる
安い客を相手にし続けると、とんでもない悪質クレーマーと関わることとなり、どんどん性格が悪くなっていきます。
筆者もよく周りから「性格悪い」と言われますが、それはクレーム処理で人間の欲望や悪い部分を嫌というほど見せつけられてきたせいです。
また、安い客を相手にし続けると、自分の感情を失っていきます。
好きでもない相手に偽りの笑顔を貼り付けたり、自分が悪くないことでも平謝りすることで、どれが本当の自分の感情なのか、わからなくなっていくのです。
安い客に労力を割いても一銭の得にもならない
安い客を相手にしても、一銭の得にもなりません。
モンスタークレーマーを相手にしても、社内の評価が上がるわけでもありませんし、チップがももらえないので報酬につながるわけでもありません。
これって、よくよく考えたらおかしいことなんですよ。
自分が安い客からクレームをつけられて嫌な思いをして、必死に対応してなんとか感情をなだめても、会社からすれば「そんなことは当たり前」としか思ってません。
ですので、安い客相手に接客・サービスの質を向上させても、一銭の得にならないんです。
これがなぜだかわかりますか?
安い客のクレーム処理をしても、企業にとっては一銭の利益にならないからなんですよ。
少なからず、経営者や会社は「安い客に時間をかけてクレーム処理しても何の得にもならない」とわかっているんです。
その証拠に、安い客のクレームを一方的に浴びせられるコールセンターでは、人件費の安いコールセンターに業務委託されており、最近では電話での問い合わせ対応すらしていない会社も増えています。
もっと嫌味な言い方をすれば、経営者は「安い客の非生産的なクレームなんて、一番下っ端の社員が聞いてなだめてろw」「安い客に・安い人材同士で嫌な思いをして潰し合ってろw」と考えているわけですね。
本社勤めの社員は一切嫌な思いをせず、自分たちのミスから生まれるクレームを下に押し付けてばかり。
こんなにムカつくことはありませんよね?
私はこういった社会の仕組みを知って「上で嫌な思いせず、土日休みで高給もらってるクソどもを引きずり下ろしてやるッ!」と悔しくてみじめな思いを味わい、這い上がってやろうと決心しました。
安い店で働き続けても自分のスキルが上がらない
安い店で安い客相手に仕事し続けない方がいい理由は、スキルが上がらないからです。
今や転職活動が盛んですので、安い客相手に一銭の得にもならない上に、スキルも身につかない・キャリアの足しにもならないというのは、絶望的なんですよ。
私も客として安い店を利用しますが、それはあくまで「サービスの質とかどうでもいい」「スタッフの技術・知識に一切期待していない」という場合のみです。
それぐらい、安い店で働く人間は「人として大して評価されていない」わけですね。
仮に安い客を相手にする接客業で社員になったとしても、多くの場合は店長止まりで、一生安い客相手にクレームを浴びせられるリスクを背負ったまま働く人生が続くんです。
考えても見てくださいよ。
中高年になって、1円も払わない客の尾理不尽なクレームにペコペコ頭を下げている自分の姿を。
これが一般の社員であれば、お偉いさんや権力のある目上の立場の上司に頭を下げているわけなのですから、理不尽であっても出世や昇給につながるので、なんとか耐えられます。
しかし、安い客を相手にする接客業で働き続けても、なんの利益にも成果にもつながらない安い客に平謝りして、精神的に消耗する毎日が続くわけです。
仕事では頭を下げたりプライドを捨てなければならない場面はいくらでもありますが、それはあくまで見返りがあるからです。
律儀にクレーム対応しても何の見返りも与えてくれない安い客のクレームなど、本来まともに取り合う必要がないのです。
安い店には安い人材ばかりが集まるので刺激にならない
安い店には安い客だけではなく、安い人材ばかりが集まるものです。
そのため、周りの人材のレベルが低く向上心も上がりませんし、スキルも上がりません。
事実、安い店の代名詞である「大手チェーン店(飲食業・接客業)」は、非常に離職率が高いというデータが数多く残されています。
多くの人は「こんな仕事続けていても、自分の将来のためにならない」「安い客と関わり続けてもいいことはない」と気づいて、転職していくわけです。
また、最近では安い店での接客は外人が担当することが多くなっており、これは裏を返せば「安い客相手のサービスは、日本語によるコミュニケーション能力がなくても出来るレベルの仕事」としか思われていない証拠です。
今後の日本では、外国人労働者受け入れ拡大に伴いさらに格差が広がっていきます。
そうなると、カタコトの日本語しか話せない外国人労働者はクレーム対応がしっかりできないため、日本人のスタッフのクレーム対応にかかる負担は大きくなります。しかも、クレームに関する嫌な負担を背負っても、給料や昇進につながらないのは先ほど説明した通りです。
安い店・安い客ばかりの環境からは早めに抜け出そう
以上のように、安い店・安い客ばかりの職場で働き続けても、金銭面・精神面・将来性を考えてみても、あまりいいことはありません。
これがオフィスで働く一般職であったり、高級店で優良顧客を相手にしている社会人であれば、得意先・上司の理不尽な指示やクレームに応えることで自分の能力が向上していき、昇給・出世につながるわけです。
また、地雷級の安い客を相手にする機会が少なくなる分、社内環境や人間関係も一部の異常な人間に引っ張られるリスクは減ります。
もちろん、すべての安い店が悪いと断言するわけでもなく、他の企業でモンスタークレーマーと出会って嫌な思いをしない保証もありません。
ですが、安い店では地雷級の安い客のクレームを浴びて、何一つ得をしない構造であるのは、疑いようのない事実です。
この事実を富裕層や上位の人間はよくわかっているので、高級マンションに住んで民度の低い住人の騒音被害に巻き込まれるリスクを避けたり、私立中学に子供を通わせて貧乏人の意地の悪い性格が伝染しないようにするのです。
「嫌なことで金にならないことは下の人間にやらせろ」というのが、今の日本社会の仕組みであり真実です。
また、嫌な仕事を我慢して続けることは、今の日本ではあまりに愚かな選択です。
ここまで考えれば、安い店で長く働き続けることは、精神的にも収入的にも将来の自分のためになりません。
転職支援サービスを活用して安い客ばかりを相手する仕事から抜け出す準備を
今回ご紹介したように「客層の悪い店」「薄利多売の安い客ばかりの仕事」で働き続けることには、多くのキャリア上のリスクがあります。