「肉体労働の仕事がきつい」
「肉体労働の仕事を辞めて頭脳労働に就きたい…」
そう悩んでいませんか?
肉体労働の多くは、体力を使ったり危険な現場で仕事を行うため、体力がない人にとっては非常にきつい仕事だと感じることもあるでしょう。
肉体労働に含まれる「業種」として代表的なものを挙げると、自然を相手にする第一次産業としては「農業/酪農業」「林業」「漁業(水産業)」「鉱業」、加工製品の製造に関わる第二次産業としては「建設業(建築業)」「造船業」、人を相手するサービスを提供する第三次産業としては「運送業/配送業」「飲食業」などが該当します。
一方で「職種/職業名」で代表的なものを挙げると「清掃員」「警備員」「配送員」「運転手(ドライバー)」「土木作業員」「積み込み作業員」「梱包作業員」「工員(工場で働く人)」など、多くの職業が肉体労働者に当てはまります。
肉体労働者のことをビジネス用語では「ブルーカラー」と呼ぶこともあります。これは青いツナギの作業服を着ることが多いからです。また、建築・土木・製造業に関わる肉体労働者を「ガテン系」と呼んだり、土木作業員として働く人を「土方(どかた)」と呼ぶこともあります。
とくに肉体労働が「ガテン系」呼ばれ出した背景には、当時「3K(きつい/汚い/危険)」と呼ばれていたイメージを、求人誌「ガテン」が「肉体労働は稼げる仕事」と良いイメージに変えていったという流れがあります。
しかし逆を言えば、多くの人から「きつい/汚い/危険」と思わており、実際にそのような現場や実態も多いというわけですから、辞めたいと感じる人や身体面で向いてないと感じる人が出てきても不思議なことではありません。
一方で、業界別の平均年収を見てみると「海運」「半導体・製造装置・材料」「建設」などの肉体労働者を多く抱える業種は平均年収800万以上、業界ランキングでもTOP10に含まれるなど、稼げる仕事である事実も無視できません。※出典:会社四季報 業界地図 2023年版
ここまでの情報を一旦まとめますと、
- 肉体労働は「ブルーカラー」「ガテン系」「土方」「3K」と呼ばれることもある
- とくに「3K」は「きつい/汚い/危険」と肉体労働の厳しさを物語っている
- 一方で「ガテン系」と呼ばれるプラスのイメージ通り業界単位で見ると年収が高い傾向にある
といった要素が、肉体労働を辞めたいと考えた時、今後のキャリアや転職先を考えていく上で重要になってきます。
また、結論から申し上げますと「肉体労働者の中でも技術力や専門性が高いなら同じ業種内でキャリアアップ転職する」方が頭脳労働に移行しつつ年収アップや待遇向上に期待できますし、もし技術力や専門性、あるいは勤務経歴が足りない場合は「若いうちに未経験職に転職して肉体労働から抜け出す」というのが現在の転職市場での現実的な選択肢となってきます。
前置きが長くなりましたが、当記事では上記に説明したことの理由や詳細について解説していきながら、肉体労働のきつい部分や向いてないと感じる部分、また、肉体労働を辞めたいと思った場合に考えておくべきことや転職の可能性まで、知っておきたい全知識をまとめてお届けしていきます。
肉体労働の辛い部分やきついと感じる瞬間
肉体労働は多くの人にとって体力を使う大変な仕事です。その辛さやきつさは以下のような瞬間に現れます。
長時間の重労働と体力的な限界
肉体労働の仕事では、長時間にわたって重い荷物を運んだり、体を使った作業を行うことがあります。連日の重労働は体力的な限界を感じさせることがあり、疲労や筋肉痛といった辛さを抱えることになります。
厳しい自然条件との戦い
屋外での肉体労働では、季節や天候に左右されることがあります。暑い夏の日差しや寒い冬の寒さ、雨や風といった自然条件との戦いも辛さの一つです。
単調な作業と精神的な疲労
肉体労働の中には反復的な作業や単調な動作が含まれることもあります。同じ動作を繰り返すことで精神的な疲労が溜まり、モチベーションの低下やストレスを感じることがあります。
体力勝負のガテン系のお仕事なので単純に”キツイ”
土方の仕事といえば、とにかく体力勝負。
体力のある若いうちならともかく、体力の衰えてくる30代以降になると、だんだんとつらく感じてくる仕事だと言えます。
もし、今20代の土方の仕事の方で「こんな仕事長く続けられる自信がない…」と悩んでいる方は、早めに転職を考えておくといいでしょう。
命の危険と背中合わせ
土方の中の職種・仕事内容にもよりますが、安全保障がしっかりしていない仕事ですと、命の危険とも隣り合わせの危険な仕事だとも言えます。
その上、特に給料が高いわけでもないから、嫌になっちゃいますよね。
その一方で、ホワイトカラーのサラリーマンは、命の危険もないキレイなオフィスで座っているだけで金がもらえます。
土方の仕事は人気がないので若手が不足している
土方の仕事を辞めたいのは、若手が不足しているからでしょう。
年寄りばかりの業界で古くさい慣習が多く、若者は土方の仕事にあまり興味を持ちません。
また、周りに若手がいないので刺激がなかったり、楽しくないと感じる方もいることでしょう。
そして冷静に考えていただきたいのが将来について。
今、人手不足の土方の仕事で働く若者は、中高年になった際は引退した先輩・上司の跡を継ぐことになるわけです。
しかし、その時には
- 人材不足がより深刻になる
- 外国人労働者の増加による若手教育が今以上に困難に
- 外資系企業の傘下として無茶な要求に応える
…など、今よりももっとひどい状況が予想されます。
少なからず「今の会社の上司や先輩が引退して、その後を引き継いで自分たちの世代だけでやっていけるか?」は、しっかり考えておきたいです。
ヤンキー上がりの気性の荒い人が多い
土方と言えば、ヤンキー上がりのの気性の荒い連中も結構多いです。
中には労働法も経営もまるで知らない上司や経営者がおり、ブラックな職場もあります。
ブラックなだけならともかく、中の人の性格が悪い場合は、パワハラ・暴力もあり得る世界です。
当サイトで得たパワハラ・ブラック企業に関する情報の中でも、土方系の仕事はひどい事例もありますので、身に覚えがあるのであれば辞めることを考えておくといいでしょう。
取引先が役所やヤクザなので独特の”掟”がある
土方の仕事は色々と裏があって「ゼネコン」「地域のお偉いさん」「地域のヤクザ」など、割と黒い関係や掟で成り立っている仕事であったりもします。
現場で働く作業員クラスだとそこまで気にしなくてもいいのですが、将来的に会社の経営にも関わるようになると、そういう大人の汚い面を見せつけられたり、あるいは大人のケンカで仕事を奪いあうことも予想されます。
ヤンキー上がりですと、そういったオラオラ系の交渉にも負けない強いメンタルを持てるでしょうが、そうでなければ精神的にもキツイです。
また、単純に仕事の対人関係でそういうストレスを抱えるぐらいなら、サラリーマンとして営業経験を積んだほうが給料にも経歴にもなりますので、若いうちに転職を考えておくのもありでしょう。
土方は馬鹿にされる
職業差別はいけないことですが、土方の仕事は馬鹿にされやすいです。
とくに今の日本人は大企業・公務員人気も高いので、大企業勤めや公務員の方がモテますし、将来性も安定しております。
キャリアを積んで転職するにしても、一般職経験があった方が有利になるため、将来性は上だと言えます。
土方の場合、資格をとったり技術を磨いて職人としての腕を上げるか、あるいは自営業として会社を経営するか…など、転職市場では通用しにくい経歴であることは知っておきたいものです。
肉体労働に向いてない人や辞めて良かったと思える人の特徴
次に、肉体労働に向いてない可能性が高い人や、辞めても後悔せずに良かったと思えるような人の特徴を紹介していきます。
ここで紹介する特徴はあくまで代表的な例や考え方の一つで、必ずしもすべての人に当てはまるわけではありません。最終的には読者自身の資質や適性によりますので、参考程度にお読みください。
高度な専門知識や技術を要求される仕事に興味がある人
肉体労働の仕事は体力を使うことが主となりますが、技術や知識を駆使する仕事に興味がある人にとっては物足りなさを感じることがあります。専門知識やスキルを活かした仕事に向いている可能性があります。
環境や条件に敏感でない人
屋外や厳しい自然条件の中で働く肉体労働の仕事は、環境や条件に敏感な人にとってストレスや不快感をもたらすことがあります。快適な環境や条件を求める人には向かないかもしれません。
精神的なやりがいやクリエイティブな仕事を求める人
肉体労働は主に体力を使う作業が中心ですが、精神的なやりがいや創造性を追求する仕事に魅力を感じる人には物足りなさを感じることがあります。自分のアイデアや才能を活かすことができる仕事を求める方が向いているかもしれません。
肉体労働の将来性は?無理に働き続けた末路はどうなる?
肉体労働の将来性や無理に働き続けた末路には以下のような課題や懸念が存在します。
肉体労働の価値の低下
肉体労働の将来性に関しては、自動化や技術の進歩により一部の肉体労働の仕事が減少しているという課題があります。
特に単純作業や重労働に関連する仕事は、派遣社員や外国人労働者へのアウトソーシングによる人材の低単価化や、機械やロボットによる代替が進んでいます。
そのため、将来的には肉体労働の需要が減少する可能性があります。
健康面の被害やリスク
無理に働き続けることで身体への負担や健康への影響が増加します。
長時間の重労働や過度の体力消耗は、身体的な疲労やケガのリスクを高めることがあります。
また、年齢を重ねるごとに回復力が低下するため、長期的な健康問題を引き起こす可能性もあります。
給与や待遇面の不満
肉体労働における給与や待遇の課題も存在します。
一部の肉体労働の仕事は低賃金であり、労働条件が厳しい場合もあります。
長時間労働や労働環境の改善が進まないなど、働く条件に不満を抱えることがあります。
肉体労働からの転職先の例やキャリアパス
肉体労働からの転職先やキャリアアップの例は以下のようなものがあります。
技術者や専門職への転身
肉体労働で培った技術や経験を活かして、技術者や専門職へ転身することができます。例えば、施工管理者や技術系の職種など、より高度なスキルや知識を求められる仕事に挑戦することができます。
サービス業や販売業への転身
肉体労働から、接客や販売などのサービス業や販売業への転身も考えられます。コミュニケーション能力や人と接するスキルを活かして、異なる業界で新たなキャリアを築くことができます。
資格取得や専門学校への進学
肉体労働とは異なる職業への転身を目指す場合、資格取得や専門学校への進学を検討することが重要です。例えば、介護や福祉、ITなど、社会的に需要の高い分野での専門知識やスキルを身につけることができます。
独立や起業
肉体労働からの転職先の一つとして、独立や起業を選ぶ道もあります。自分の経験や専門知識を活かして、独自のビジネスを立ち上げることで、自身のキャリアを築くことができます。
肉体労働を辞めたい時はどうする?退職理由の伝え方や転職方法は?
肉体労働に不満や感じて辞めたいと考えているなら、退職理由をあらかじめ考えた上で適切な相手に伝え、スムーズな退職手続きを行うことで円満な退職が行なえます。
また「辞める前から転職活動を行うか?」「辞めた後で転職活動を行うか?」によっても、退職のタイミングや方向性が変わってきます。
ここでは、仕事を辞めたい時の適切な行動方針や事前に知っておくべきことを解説していきます。ぜひ、ご自身のキャリア計画の参考にしてみてください。
辞める意向を直属の上司に伝える
辞める意思を決めたら、まずは直属の上司に退職意向をしっかりと伝えることが重要です。適切なタイミングで話し合いを行い、円満に退職手続きを進めることが求められます。
自身の年齢や経歴に合わせて転職の方向性を考えておく
肉体労働から転職する場合、自身の年齢や経歴に合わせて転職の方向性を考えておくことが重要です。自分が興味を持ち、スキルや経験を活かせる職種や業界を選ぶことで、転職先での成功確率が高まります。
必要に応じてスキルアップや資格取得をしておく
肉体労働から転職する際には、必要に応じてスキルアップや資格取得を積極的に行うことが求められます。自身の専門性や市場価値を高めるために、関連するスキルや資格を取得することで転職活動が有利になるでしょう。
有給休暇や失業保険など退職の際に得られるメリットを知っておく
肉体労働を辞める際には、有給休暇や失業保険などのメリットを上手に活用することも大切です。自身の権利や手続きについて正確に理解し、退職後の経済的な安定を確保するために適切な手続きを行いましょう。
転職サービスを利用してプロに相談する
以上のように、今の仕事を辞めて次の転職先で成功するためには、実に多くのことを考えて計画的に行動する必要があります。
そのため、転職サービスでプロに相談してサポートを受けることをオススメします。