「うちの会社は人の入れ替わりが激しい…」
「人の出入りが多い会社で先行きが不安…」
「人の出入りが激しい職場なのでしわ寄せが自分に来る…」
このようにお悩みではありませんか?
日本では慢性的な人手不足が叫ばれ続けていますが、今や非正規雇用者が全体の4割にも上り、言ってしまえば「人を長く雇う気がない企業」と「長く続ける気がない労働者」が生まれやすい構造になってしまっています。
人の出入りが激しいような職場では、そのような「長く働けるような環境や構造ではない」という問題が潜んでいるものです。
たとえば、長年働いても昇給や出世が見込めなかったり、配置換えや昇進がないので他の大きな仕事が任せないため人材としても成長しにくいといった問題です。また、企業側の採用力の問題も考えられます。給料が低いので長く続く人材が応募してこない、未経験者人材も募集するしかない、雇用形態が派遣や契約などの非正規が大半、社内の労務が杜撰…などの要因が早期離職を招くと考えられます。
もし、読者がこのようなことに見覚えがあって今の職場に不安や疑問があるなら、それは今の会社の状況や自身のキャリアについて考え直すタイミングに来ているかもしれません。
そこで当記事では、人の入れ替わりが激しい会社の特徴とその原因について解説していきながら、そのような職場で働き続けるべきかどうかの判断ポイントまで、合わせてご紹介していきます。
人の入れ替わりが激しい会社の特徴
多くの業界や会社には、入社と退社が頻繁に行われるところがあります。しかし、その背後にはどのような特徴や原因が隠されているのでしょうか。
一般的に、人の出入りが激しい職場は特定の特性を持っています。以下、その主要な特徴をご紹介いたします。
研修や教育制度が不十分
新入社員が職場の流れや業務内容を理解するのに十分なサポートが得られないため、早期に退職を選択することが多いです。
非正規雇用者で現場を回している
人の入れ替わりの激しい会社は、そもそも「人が頻繁に辞めても問題ない経営の仕方」をしていることが多めです。
日本では終身雇用の考え方が根強いですが、バブル崩壊後の欧米化・資本競争の激化で、ビジネスライクに「人が頻繁に辞めても問題ない経営の仕方」をしている企業や業界が増えているのです。
人材使い捨て前提の経営をしている業界・職種の例
- アルバイトで現場を回している職場(小売、飲食業など)
- 派遣社員を導入している現場(サービス業、事務、工場、コールセンターなど)
- 独立・転職がしやすい職種(営業・IT系・WEB系など)
大企業や技術職、あるいは人材を大事にする会社であれば「社員を大事に育てよう」と考えていますが、そうでなければ「人が辞めたところでまた補充すれば問題ない」とドライな考えで経営されているわけですね。
当然、そういう会社ではどんなに頑張っても待遇が良くならないなど、社員の労働力を搾取しやすいように経営されています。
その事実もまた、人の入れ替わりが激しくなる原因なのです。
従業員数の少ない零細企業~中小企業
また、従業員の少ない会社では人の入れ替わりが激しい傾向があります。
逆に大手企業になって従業員数が増えるほど、人の入れ替わりが少なめになります。
これは厚生労働省が発表しているデータを見れば一目瞭然です。
【新規学卒就職者の事業所規模別就職後3年以内離職率】
[ 事業所規模 ]
■大学 ■高校 1,000 人以上
24.3 %
25.3 %
500 ~999人
29.8 %
32.9 %
100 ~499人
31.9 %
37.9 %
30 ~99人
38.8 %
47.1 %
5~29人
50.2 %
56.4 %
5人未満
59.1 %
64.0 %
これには、以下のような理由が考えられます。
- 従業員が少ないため、社風や人間関係の相性がハッキリ分かれる
- 下請け企業で経営が安定していないため、待遇や給料が安定しない
- 社長・経営者との距離感が近すぎて、相性がより大事になる
- 閉鎖的な職場なので風通しが悪く、社員のストレスが溜まりやすい
狭い職場になればなるほど、社員や経営者の悪い面が目につきやすくなる上に、大手企業ほど将来性も待遇も安定しないため、人の入れ替わりが激しくなりやすいと考えられます。
人を大事にしない
社員を大事にしない会社も、人の入れ替わりの激しい会社だと言えますね。
これは会社単位ではなく、職場単位で起こりやすい原因です。
たとえば、上司が「そんなこと出来て当たり前」「向いていない」「辞めたほうがいいよ」など、無神経なことを言ってくる場合。
ひどい場合には「死ね」「使えねえな」などの暴言が飛び交う職場もあり、職場いじめやハラスメント行為に発展することもあるので、そういう職場は早いうちに見切りをつけて、自分を大事にしてくれる会社を見つけましょう。
他人を辞めさせるような問題人物がいる
上司が部下を辞めさせるような性格だと、人の入れ替わりが激しくなりやすいです。
以下、部下を辞めさせやすい上司の特徴。
- 感情的ですぐ怒鳴る・怒るなど
- 完璧主義・潔癖症で部下のミスや仕事の内容に文句をつける
- 意識が高い・向上心バリバリの熱血系
- ハラスメント・いじめ行為など、人間性に問題あり
上の3者は「相性の問題」で済みますが、最後の「ハラスメント・いじめ」だけは逃げたほうがいいと断言できます。
日本の組織での仕事は「上司との相性で決まる」と言っても過言ではないので、上司と合わないなら辞めることを考えておきましょう。
頑張りが評価されない・給料が上がらない会社
人の入れ替わりの激しい会社は、仕事の成果や内容が評価されにくかったり、給料が上がらないなどの問題を抱えています。
最近の日本の会社では、あからさまな搾取や労働者不遇の経営が多いため、そういった会社ではすぐ人が離れていくのです。
人の入れ替わりが激しい会社が抱える問題とは?なぜ頻繁に社員が入れ替わるのか?
人の入れ替わりが激しい会社は、一見すると活気に溢れているように見えるかもしれません。しかし、その背後には様々な問題が隠れています。頻繁な人事の変動は、企業の安定性や持続可能性を揺るがす要因ともなり得るのです。では、実際にどのような問題が存在し、なぜそんな状況が生まれるのか。以下にその主要な理由を5つ挙げ、詳しく掘り下げてみましょう。
- そもそもの人員配置の変更や入れ替わりの激しい業界構造:
一部の業界ではプロジェクトベースの仕事が多く、それに伴い頻繁に人員の変動が必要とされる。このような構造的な要因で、社員の流動性が高まることがある。 - 派遣社員/アウトソーシングで人材をまかなっている現場だから:
コスト削減や柔軟な人員配置を目指して、正社員ではなく派遣や外部のパートナー企業を利用する会社が増えている。その結果、社員の入れ替わりが頻繁になる場合がある。 - 経営方針の不安定性や頻繁な方針転換:
会社の方針が頻繁に変わると、社員のモチベーションが低下し、新しい環境を求めて退職する人が増える可能性がある。 - 待遇や福利厚生の不十分さ:
待遇や福利厚生が競合他社に比べて劣っている場合、社員の満足度が低くなり、他社への移動が増えることが考えられる。 - 社内コミュニケーションの不足:
上層部と現場の意思疎通が取れていない場合や、社員同士のコミュニケーションが不足していると、不満が溜まりやすく、結果的に退職を選択する人が増える。
人の入れ替わりが頻繁な職場は、これらの問題を抱えていることが多いです。従業員としては、そのような環境で長く働くことのリスクを理解し、自身のキャリアプランに合わせて適切な選択をすることが求められます。
人の入れ替わりが激しい会社で働き続けるとどうなる?無理に続けるべき?
人の出入りが頻繁な会社で働くことは、個人のキャリアや心の健康にどのような影響をもたらすのでしょうか。一見すると、新しい風が吹き込むことで良い影響も期待できるかもしれませんが、その反面で様々なデメリットも伴います。頻繁な人事の変動は、組織の安定性や個人のキャリア形成にも影響を及ぼすことが考えられるのです。以下、具体的な影響やリスクを5つ挙げて詳しく見ていきましょう。
- 人間関係の構築が難しくなる:
頻繁にメンバーが変わることで、深い関係性や信頼関係を築くのが難しくなる。これは長期的なプロジェクトやチームワークにおいては大きな障壁となり得る。 - 業務のノウハウや経験が伝承されにくい:
経験豊富な社員が頻繁に退職すると、そのノウハウや経験を次世代の社員に伝える機会が減少し、組織全体のスキルレベルが低下する恐れがある。 - 安定したキャリア形成が困難:
人事が不安定な環境では、将来的なキャリアプランを立てることが難しく、自身の成長や昇進の道が不確かになることがある。 - モチベーションの低下やストレスの増加:
常に新しい人とのコミュニケーションや業務の調整を余儀なくされることで、ストレスが増加し、業務へのモチベーションが低下する可能性がある。 - 短期的な業務遂行に偏る:
頻繁な人の出入りがあると、長期的な視点での業務遂行やプロジェクトの推進が難しくなり、短期的な成果を求められる状況が続くことがある。
このような環境での勤務は、個人の成長やキャリアの安定性に影響を与える可能性が高いです。しかし、全ての人にとってデメリットばかりではなく、柔軟な考え方や変化への適応能力を養うチャンスとも言えます。そのため、我慢して働き続けるべきかどうかは、自身の価値観やキャリアビジョンに合わせて慎重に判断することが大切です。
人の入れ替わりが激しい職場から抜け出すために意識しておくべきこと
人の出入りが頻繁な職場には、それなりの魅力や学びもあるかもしれません。しかし、そのような環境に疲れを感じたり、自身の成長やキャリアを大切にしたい場合、新しい環境への移行を検討することも一つの選択です。そんな時、どうすればスムーズに次のステージへ進めるのでしょうか。以下、意識しておくべきポイントを5つ挙げてみました。
- スキルと経験の棚卸しをする:
これまでの職歴や経験、習得したスキルを明確にして、それを活かせる新しい環境や職種を探すことが重要です。 - ネットワーキングの活用:
既存の人脈や新しい人脈を築くことで、新しい職場や業界の情報を得やすくなります。人の薦めや紹介は、転職や新しいキャリアの道を開く鍵となることが多いです。 - 市場価値の認識:
自分自身の価値を正確に知ることで、適切な待遇やポジションを求めることができます。そのための業界情報や資格の取得など、自分をブラッシュアップすることも忘れずに。 - 転職活動の計画性:
無計画に動くのではなく、しっかりと計画を立てて転職活動を進めることで、無駄な動きを減らし、効率的に次のステップに進むことができます。 - メンタルのケアと自己啓発:
人の入れ替わりが激しい職場での経験は、精神的なストレスが溜まりやすいもの。定期的な自己ケアや新しいことを学ぶことで、自身の成長と同時に心のバランスを保つことが大切です。
転職やキャリアチェンジは大きな決断ですが、自身の未来をより良くするためのステップでもあります。変化を恐れず、自分の価値や目指すべき方向をしっかりと見定めることで、より良い環境での働き方を見つけることができるでしょう。