「取引先の担当者が高圧的でムカつく!」
「営業先の担当がいつも口が悪くてうざい!」
「取引先の相手が高圧的で精神的に参っている…」
仕事で最も気を使って疲れるのは、取引先の相手との対人関係でしょう。
なぜなら、取引とは利権に関する調整・交渉であり、話が破断となればそれは「戦争(=契約打ち切り)」になることもあるからです。
ですので、お互い笑顔を貼り付けながら、自社の利益のために腹のうちを探り合い、時にだまし合うことになるのです。
もちろん、良識のある大人や計算の出来るビジネスパーソンであれば、相手にケンカを売るような真似はしません。
仮に、相手の要求を一方的に飲まされて悔しくても、笑顔で相手に弱みを悟らせないのが鉄則。
ですが、中には取引先相手に平然とケンカを売ってくる人間も、意外と多い。
取引先とそういう付き合い方をするのは、3流ビジネスパーソン以下だと断言できます。
なぜなら、自分の態度が原因で取引の話が破断になれば、莫大な損失が出るわけですから、取引先相手にムカつく態度を取るのは損得勘定出来ないバカのする所業だと言えます。
ビジネス上、協力関係にある取引先と敵対するのは悪手でしかありません。
しかし悲しいことに、日本の会社には損得勘定が出来ないバカも多いので、
- 仕事だから嫌々取引先の対応をしている
- 取引が社運に大きな影響を及ぼすことを自覚していない
- 重要顧客に不快な思いをさせたら干される自覚がない
…という人間も、実に多いのです。
もし、あなたが取引先相手にムカついて殺したいと思っているのであれば、それはむしろ正常な証拠かもしれません。
当記事ではムカつく取引先の対応の仕方から、効果的なブチ切れ方まで、様々なテクニックをご紹介していきますので、ぜひ今後のご参考にしてください。
もくじ
取引先相手とは「友好的に」が原則
取引先相手にムカついている方に知っておいて欲しいことは、取引とは”あくまで友好的”にが大原則です。
別に「取引先と仲良くしろ」と言っているわけではありません。
取引において、相手に不快な顔を見せたら負けだという、当たり前の話をしているのです。
わかりやすく、政治で考えてみましょう。
他国の敵対関係にある政治家同士が、表面上ニコニコして悪手を交わすのは、あくまで友好的に接することが鉄則だと知っているからです。
これが両首脳が怒った状態で「お前の国ぶっ潰すぞ?戦争するぞ?あ?」みたいなヤンキーレベルの知性のないやりとりでは、品性の欠片もありませんよね。
ですので、両首脳とも敵国をぶっ潰したくてたまらないと思っていても、表面上は笑顔で仲良く振る舞うわけです。
もっとハッキリ言うと、ビジネスでは先に怒って感情を露わにした方が負けなのです
以下の記事でも、仕事でむやみ敵対するメリットがないという原則についてご紹介していますので、ぜひとも参考にしてみてください。
取引先相手に感情を表に出したら「負け」だと知っておこう
取引においては「先に怒ったほうが負け」というのは常識です。
それには「オラオラ交渉の対象になる=揚げ足を取られやすくなる」からという、交渉戦略上不利になりやすいという理由があります。
オラオラ交渉とは、わかりやすく言えば「オレの命令に従わなければ、どうなるかわかっているよな?」という、相手を威圧して従わせる交渉術のことです。
これは相手が露骨に嫌な態度を表に出してきて、ケンカを売ってきた場合、効果的に活用できます。
たとえば、相手が露骨に嫌味な態度を取ってくれば、
「あなた、ウチの商品をバカにしているんですか?」
「〇〇さんと申しましたね?あなたでは話になりません。他の担当者に替えてくれなければ、この商談は打ち切りで」
「その態度は私では話にならないということでしょうか?」
…など、相手の態度や対応をダシにして、取引の話を打ち切る方法が使えるからです。
そこからさらに、
「あなたのような人の話を真面目に聞かない相手では、今後の信頼関係にも不安が残ります。ウチの商品は提供できません」
「あなたのような理解力も愛嬌もない担当者を対応に出してくるなんて、ウチもずいぶんナメられたものですねぇ」
「私では話にならないというのでしょうか?であれば、今この場で社長をお呼びしても構いませんが、その場合は何時間も私とここで待っていただきますよ?」
…などと、相手を追い込ちをかけるための方便として使えるわけです。
要は「あなたの会社、ウチの会社をバカにしていますよね?こちら側は取引を今ここで打ち切ってもいいんですよ?」と、相手を威圧することが出来るのです。
ですので、先に相手が怒りを露わにすれば、こちらが勝ったも同然と思って、冷静に対処しましょう。
逆に相手があからさまに挑発してきている場合は「その手に乗るか」と受け流し、相手に隙を見せないことが大切なのです。
取引先との「力関係」がすべてを決める
ビジネスに関わらず、政治・外交では「取引先との力関係」が、すべてを左右します。
どういうことかと言うと、相手の力関係が大きければ大きいほど、理不尽な要求を呑まざるを得ない状況になりやすいのです。
たとえば、相手が大手企業であり、なおかつ自社がその大手企業としか取引が出来ない場合は、その会社の言いなりにならざるを得ないことになるのです。
逆に、その大手企業からの受注が50%以下である場合は、経営者が会社の業績を半分にする覚悟さえあれば、取引関係を打ち切ることも出来ます。
※実際は中小企業保護のための各種法案、契約書の内容、社内の人事、株式保有率など、複雑な力関係が及ぶことになるため、単純な取引関係だけでは会社間の力関係は測れません。
ですので、取引先と上手くやりつつ自社が優位に立つためには、取引先との力関係を完全に把握することが、非常に重要になるのです。
ムカつく取引先が自社より格下なら「本気で潰す気でやれ」
以上の前提を踏まえて考えてみましょう。
自社の力関係が上で取引で優位な立場の場合、取引先がムカつく態度をとってきたとします。
この場合、本気になれば相手の会社を潰す…とまでは行かずとも、大打撃を与えることが可能です。
たとえば、取引先の相手が自分に明らかに嫌な顔をしてナメた態度をとってきたとしましょう。
早い話、その担当者の個人名を名指しで出して、その会社の別の部署に掛け合えば、干すことも出来るのです。
例としましては、
「御社とは良好な取引関係を結びたいのですが、以前御社の〇〇部の△△さんに露骨に嫌な顔をされましてねぇ。暗に私はお呼びではないという態度で接されましてては、こちらの面子も丸つぶれというものですよ…。ああいうダメな社員を担当者につけるということは、御社も本気の取引ではないということですよね?」
…と、冷静に「あの無能担当者、干せよ」「もっと話のわかる担当者出さないと話に応じない」と威圧することが出来るのです。
ただし、この方法は明らかに自社が上の立場である場合、冗談抜きでムカつく担当者を潰しかねない方法ですので、出来れば使わないに越したことはありません。
なぜなら、交渉材料として「じゃあ、あの担当者を左遷させればいいんですね?」「他の担当者を出せば納得されるのですね?」と、直接利益につながらない落とし所を用意することにもなるからです。
また、自分自身が自社からノルマを課せられている場合、互いに禍根を残して取引が難航する恐れもあるため、自分にとっての利益にもつながりません。
なので、取引においては”友好的に”が大原則なのです。
ムカつく取引先が自社より格上なら「一杯食わせてやれ」
問題は、ムカつく取引先が自社より格上であり、露骨にナメた態度で高圧的に接してくる場合です。
これは、99%の日本の企業が中小企業以下になる構造上、多くの企業が当てはまると言ってもいいでしょう。
相手の自尊心を傷つけてやる方法
大企業に勤務しているだけで「自分はエライし、相手が言う通りにする」と思い込んでいるバカは、意外と多いです。
ですが、冷静に考えてください。
大企業の場合、部署が別れて融通が利かないため、取引先の担当者が大して決定権を持っていないことがほとんどです。
その場合、まずは相手の話を冷静に聞いて「こいつは、どれぐらい会社で決定権を持っているのだろうか?」を見極めてください。
そして、相手が大企業の肩書きを使って考えなしに高圧的になっているのであれば、以下のような方法で「お前は大したことない奴で、話にならん」と相手の自尊心を傷つけてやりましょう。
相手の自尊心を傷つけてやる交渉術
「御社の社員教育も地に墜ちたものですね…。これしきのことを何度言ってもわからないとは…(意訳:お前はバカだ)」
「あなたのような三流営業に、弊社との取引を打ち切る決定権などないとお見受けますが?(意訳:やってみろよ、ボケ)」
「それほどの決定権があるのでしたら、ぜひともお願いしたい案件の話があるのですが、あなたのような丁稚ごときに対応できるとは思えませんねぇ…(意訳:お前じゃ相手にならねぇよ、ガキが)」
以上の方法で相手が怒れば、あとは冒頭に紹介したように「相手が怒ったことをダシにして、こちらが有利に話を進める」という方法を使えばいいだけです。
ただ、やり方としては取引が難航する可能性もあるので、あくまで「相手から本音や情報(=弱み)を引き出す手段」に留めておきましょう。
思い通りにコトが運ぶと思うなよ?
ムカつく取引が力関係が上の場合も、まずは冷静に相手の話を聞いておくことが鉄則です。
多くの場合、相手が怒っている理由は言葉の意味どおりではなく、裏の意図が潜んでいます。
たとえば、取引が「値段が高い」とイチャモンをつけてきた場合で考えてみましょう。
その場合、相手が知りたいことは、
- 過去の値段と比べて値段が上がった理由か?
- 他の競合他社と比較する目的で聞いているのか?
- こちらのミスや不当な釣り上げを疑っているのか?
- 単に「値段が高い」と言えば、値段を下げてもらえると踏んでいるのか?
…など、様々な原因が考えられます。
相手が考えなしでケンカふっかけてくる考えなしのバカであれば、多くの場合は最後の「値段を下げる目的」で言っているだけの可能性があります。
ですが、その場合も冷静に、
「御社との競合である〇〇社にも納得していただいている額ですが?」
「弊社の競合である△△社と比べましても価格面では問題ないですが?」
「私の計算ミスや弊社のコストが不当だと申したいのでしょうか?」
…など、バカ正直に相手の質問に答えないで、探りを入れればいいのです。
相手が単に「イチャモンつけて値段を下げてやりたい」と思っているのであれば、こちらも徹底的に「その価格は適正ですし、その証拠も用意していますが?」と暗に示唆しておけばいいのです。
取引先との関係は非常に頭を使う仕事である
以上のように、取引先との交渉はもっとも総合的な判断力や機転の要される仕事であることが、おわかりいただけたかと思います。
ハッキリ言いまして「取引先がムカつく!」なんて低次元な感情で動く社会人は、自分側の思慮の浅さを恥じて戒めた方がいいので、この機会に考え方を改めてみるといいでしょう。
逆に「へえ、そんな考え方があるのか」「なるほど、面白そうだな」と思った方は、営業としても大成する素質があるので、この機会について交渉術についてもっと学んでみるといいかもしれません。
今回紹介した取引・交渉についての考え方は「原則立脚型交渉」として、非常に有名な考え方ですので、以下の著書などを参考にしてみるといいでしょう。
ムカつく取引先との関係に嫌われ続けるなら転職するのも手
もし、ムカつく取引先との関係に悩んでいて、上手くいかない方は転職を考えておくのも手でしょう。
理由としましては、
- 上司や先輩の営業レベルが低いので学べない
- オラオラ交渉しておけばいいと思っている社風(頭の悪い時代遅れのやり方)
- 会社の商品に魅力がない
- 取引先との力関係が明らかに弱く、理不尽な顧客ばかり
…など、自社の環境が営業として働くには終わっている環境なのかもしれません。
もちろん、今回紹介したような知恵を試してみて現状打破するべきですが、ちょっとの工夫ではどうしようもないこともあります。
その場合は、潔く転職して新しい会社で営業としてのスキルを磨く選択肢も考えておくといいでしょう。
転職するのであれば「転職エージェント」の利用がオススメです。
転職エージェントは自分に合った転職先を紹介してくれるサービスで、担当者も営業職に分類されるため、話がスムーズに進みやすいです。
また、取引先と上手く行かない原因について「今の会社に問題があるのか?」「自分の対応が悪いのか?」を客観的に評価してもらえるので、一度使っておくといいでしょう。