地方はとにかく低賃金です。
ただでさえ平均収入の低い地方ですが、その地方内でもさらに収入差があります。
ひどい場合は、新卒後週6日勤務で手取り10万前後、そういうレベルの仕事も平然とまかり通っています。
ただ、地方は物価が低く、人とのつながりが強いため、その程度の手取りでもなんとか結婚して子育て出来る家庭も結構あります。
しかし、逆に言うと人とのつながりがないと、かなり貧しい生活を送らざるを得なくなります。
その証拠に、高齢独身者の自殺率は、地方になるほど高い倍率となっていきます。
そのため、独身者で田舎で薄給で仕事している人は、若いうちに年収の高い仕事に就いておかないと、マジで人生詰みます。
そこで今回は、地方でも比較的高年収で将来性のある仕事の選び方をご紹介いたします。
田舎の求人がひどいと感じる理由
まずは田舎の求人がひどいと感じる理由についてご紹介していきます。
低賃金の仕事ばかり
田舎の求人がひどい理由として、低賃金の仕事が多いことが挙げられるでしょう。
田舎の求人票を見てみると、以下のような低賃金の仕事が目立ちます。
- 最低賃金ギリギリの仕事
- 手取り10万円を切るような生活に不安の残る仕事
- 未経験からでも月給20万円を越える仕事がほとんどない
賃金の高い・低いは働く人自身の価値観ではありますが、田舎の求人では一人暮らしで最低限の生活を送れるかどうかも怪しいレベルで給料の低い仕事もあります。
そのような求人ばかりを見ていると、働く気力も失せて当然というものでしょう。
インフラ関連の仕事や大手チェーンの仕事ばかり
田舎の求人がひどい原因として、インフラ関連の仕事や大手チェーンの仕事ばかりという理由もあります。
インフラ関連の仕事とは、道路整備の仕事や水道局など、生活に必要なインフラを整えるための仕事のことです。
広い意味では、生活必需品を売っている大手スーパーやコンビニなどもインフラ関連の仕事と呼んでいいかもしれません。
インフラ関連の仕事や大手チェーンの仕事が悪いわけではありませんが、仕事の厳しさや忙しさを考えると、給料や待遇の割に合わないと思ってしまうはずでしょう。
会社の規模が小さく将来性に不安が残る
田舎には小規模な企業も存在しますが、有名ではない上に経営者も一代目であることが多いため、安定性や将来性に不安が残るという点があります。
また、大企業のように給料体制がしっかりしていないことが多く、中には手払いで給料が渡されるような会社もあり、いつ給与カットされるかわかったものではありません。
このような小さな会社で働く場合、定年退職後まで働き続ける前提で入社するのは非常に危険であり、転職すること前提で考えておいた方がいいでしょう。
魅力的な仕事が少ない
魅力的な仕事が少ないことも、田舎の求人がひどい理由の一つです。
具体的には、田舎の求人は以下のような仕事が大半で、若者にとってはいまいち魅力に欠けると言えます。
- 食品生産・加工などの一次産業
- インフラ関連の仕事や肉体労働
- 地味な製造業
- コールセンターなどの大企業の下請けの仕事
逆に派手で魅力的な広告業やエンタメ産業などは、本社も子会社も都市部に集中しており、田舎では実質的に選択不可能な業種も存在します。
また、求人票を作成して魅力的なキャッチコピーを考える人材会社や人材も、都市部に集中しているため、仮に田舎に魅力的な仕事があったとしても、紹介する人や会社がいないため、埋もれてしまうわけです。
なぜ地方の求人がひどいものばかりになる?
田舎の求人がひどくなる原因はどこにあるのでしょうか?それには大きく以下の3つの要因が考えられます。
- 金回りが悪い
- 優秀な人材が都市部に流れてしまう
- 求人情報が一部の会社やコネの中で埋もれている
それぞれ、詳しく解説していきます。
地方は金回りが悪いから
地方の仕事が低賃金になる原因は、都市部に比べてお金周りが悪いという単純な理由があります。
少し経済に詳しい方ならご存知でしょうが、食品や不動産などは都市部の方が地方よりも高い傾向がありますが、これは「相場」が決めるものです。
都市部であれば人件費=給料が高いため、地方よりも食品や賃貸不動産が高くても、問題なく売れるわけです。逆に言えば、全国一律で値段設定されている娯楽品などは、日本国内であれば一律同じ値段が設定されていることがほとんどです。
そうなると、相対的に地方の給料が安いように感じ、生活水準も下がることとなります。
また、企業からしても「地方であれば給料=人件費を下げられる」というメリットがあり、人件費カットの目的で下請けのコールセンターなどを地方に展開する企業も少なくありません。
いずれにしても「地方では人件費などの予算が安くで済む」という企業側の事情もあり、全体的に給料が下がるというのが、おおまかな経済の仕組みだと理解してもらえるとわかりやすいはずです。
優秀な人材が都市部に流れるから
地方では魅力的な求人が少ない上に低賃金ともなると、優秀な人材ほど選択肢の多い都市部に流れていくことになります。
そのため、優秀な人材が応募してくる魅力的な求人や高級な仕事が都市部に集中し、そうでない企業や人材は地方に流れる…という構造になるわけです。
決して「地方の人材が優秀ではない」というわけではありませんが、経済の構造や人の流れなど踏まえてみても、地方よりは都市部に優秀な人材も、その人材を集めるための魅力的な仕事も集中する事実は否定できないでしょう。
優良求人が埋もれるから
地方の求人がひどくなる理由に「良い仕事があっても情報が埋もれて表に出ないから」というものもあります。
優良求人ともなると、多くの場合は非公開求人や人脈づてに紹介されることが多く、仮に地方に良い求人があったとしても中々表に出てこなくなるわけです。
また、求人情報や掲載するメディアやサイトも会社が制作するわけですが、そのような情報会社も地方には不足しているため、中々良い求人にたどり着けないわけです。
このような事情も踏まえると、無料で誰でも使える求人サービスをだけを漁っても、ひどい求人ばかりが目について当たり前だとわかってくることでしょう。
地方でも高収入の仕事は何がある?
仕事を選ぶ際、様々な条件が気になることでしょうが、中でも「年収がどれだけ見込めるか?」「どうすればより給料の高い仕事に就けるか?」は一番気になる部分でしょう。
前述の通り、地方はお金回りが悪いため給料相場が下がりがちではありますが、その中でも都市部に負けない高級の見込める仕事も確かに存在します。
読者がここで紹介する仕事に就けるかどうかはわかりませんが、仕事を選ぶ際の参考にはなると思いますので、ぜひ参考にしてみてください。
地方銀行
地方で高級取りの仕事と言えば、地方銀行でしょう。地方銀行勤めの場合、30歳地点で年収500万に到達することもあり、地方の年収水準で言えばかなりの高年収だと言えます。
ですので、地方で高級取りの職業に就きたいなら、地方銀行の求人が出ていないかチェックしておくといいかもしれません。
ただし、マイナス金利や電子決済化などの影響で地方銀行は縮小が進んでおり、将来性にはやや疑問が残る点には注意です。
また、地方銀行で働くなら、ファイナンシャルプランナー等の資格やお金・金融に対する知識も求められるので、数字や経済に強いことも必要な適性であることは知っておきましょう。
法人営業
地方でも高年収となりやすい仕事が法人営業です。
法人営業とは、会社相手に営業して契約を取る仕事で、企業相手の取引が主となるので個別宅訪問の営業よりも難易度が上がると言えます。
法人営業の仕事は、役職さえつけば年収700万円に到達することもあり、採用後も「月収30万~」「初年度年収400万~」など、かなり条件も良いです。
また、営業の仕事では「成果報酬(インセンティブ)」という制度があり、営業成績によって年収が加算されるため、人によっては高級取りとなりやすいのがメリットです。
大手小売チェーンの店長
大手小売チェーンの店長も、比較的高年収の仕事だと言えます。
大手小売チェーン店の多くは、東証一部上場企業・大企業に属するため、給与ベースが全国ベースとなるため、地方の中でも高めの年収の求人が目立ちます。
とくに、
- ディスカウントストア
- アパレル
- ドラッグストア
- スーパー
などの店長クラスの仕事であれば、勤務状況や売上次第では地方でも年収500万以上に到達しやすい仕事なので、かなり高級取りの部類だと言えます。
その代わり、不定休や転勤などの激務になりやすく、店舗管理や売上管理など多岐にわたる仕事をこなす必要もある点には注意です。
WEB/IT業界全般
WEB/IT業界全般も、地方でも高級の見込める仕事の一つです。
求人条件を見ればわかりますが、地方でも都市部と同じ給料を見込めることも多いです。
ただ、地方のWEB/IT系の会社は小規模な企業や新規ベンチャーも多く、求人票も予算削減のためにネット広告やSNSで行っていることが目立つため、求人サイトでは目につかない傾向がある点には注意です。
地方で条件の良い会社を見つけるコツは?
ここまでは地方の求人がひどいと感じる理由やその原因、その中でも高級の見込める仕事についてご紹介してきましたが、最後に具体的に地方で仕事選び迷っている人がするべきことをご紹介していきます。
というのも、どれだけ地方で良い条件の求人を見つけたとしても、採用されるかどうかは別問題ですし、条件が良いからと言って仕事が厳しくて辞めてしまうようでは、元も子もありません。
大事なのは、ひどい求人ばかりの中から「自分に合った仕事を見つけ出す」ことです。
そこにたどり着くまでにはそれぞれに合わせた正解があり、どれか一つだけ行っておけばいいということは少なく、できる限り様々な方法を試してみて、色々な場所から仕事につながる情報を得る体制づくりをしておく必要があります。
そういったことも踏まえながら、ここで紹介する方法を試してみるといいでしょう。
下請け会社やインフラ関連の仕事は避ける
地方の賃金が低くなる原因として、大手の下請け会社になるコールセンターや工場、地方内で経済も仕事も回っているインフラ関連の仕事は、賃金が低かったり、待遇条件が悪くなりがちです。
ですので、下請け会社の求人やインフラ関連の仕事が目立つ求人媒体は避けておくといいでしょう。
ただ、インフラ関連の仕事自体は需要がなくなることは考えにくいので、条件に目を瞑れば安定性はそこそこある会社も多いです。
とくに地方の場合、職場の人間関係が良ければ意外に働きやすい会社もあったり、ハローワーク経由で職業訓練や資格取得さえしておけば入社もスムーズに進むこともあるため、自分が会社に求めることをしっかり考えた上で選択肢に入れてみてください。
本社が都市部にある会社に注目する
給料の高さや待遇条件の良い求人に期待するのであれば、本社が都市部にある企業を見つけ出すのがコツです。
というのも、世の中には「企業の名前を借りているだけの子会社や下請け企業」というものが存在し、たとえば携帯ショップなどは有名携帯会社の名前を借りているだけで、実際に経営している会社は下請け企業になります。
そうすると、本社勤めになる可能性はほぼゼロに近くなり、将来にも期待しにくくなるのです。
ですので、全国展開している企業の求人情報を見つけたら、以下の点は確認しておくといいでしょう。
- 求人を出している会社の名義は本社と同じものか?
- 実際に雇用契約を結ぶ会社は本社か?それともその事業所か?
- 雇用形態は正社員か?契約社員か?派遣社員ではないか?
このあたり、しっかりしている会社ほど細かい記載に注意を払っているので、見落としがなければ本社が都市部にある条件の良い会社が見つかるはずです。
もし、読者がいまいち実感できないのであれば「一つのコンビニでアルバイトするか?それとも、そのコンビニチェーン点を転々としながら働く本社所属扱いの社員になるか?」をイメージしてもらえるとわかると思います。
この場合、たとえ同じような現場仕事を行っているとしても、雇用契約によって仕事の意義や責任が変わってくるのです。
アルバイトの場合、会社の売上や経営に関して気にせずに現場の作業だけ行っておけば問題ありませんが、コンビニ店長であれば保守・管理などの社員の仕事もしなければいけません。
このように、雇用契約形態や所属している会社によって、そもそも振られる仕事や責任自体が変わると考えると、できる限り大きな会社に所属する形で仕事した方が、待遇も安定し、将来にも期待できるとわかってくるはずでしょう。
場所に縛られないIT/WEB系の会社も給料は高め
地方の会社であっても、ネットのおかげで場所にとらわれないで仕事のできるIT・WEB会社は賃金が高く、中には在宅ワークなどで柔軟に働けるような自由な職場も存在します。
とくに制作系のIT系企業は、会社の規模は小さいものの従業員数に対しての利益が高いため、会社が小さくても比較的安定している企業も少なくないです。
逆に、IT/WEB系の企業で大きな会社ほど、仕事量が多くて忙しい現場もあるぐらいです。そのため、IT/WEB系の会社を選ぶのであれば、大きすぎない会社を選ぶことが重要になってきます。
ただし、IT/WEB系のベンチャー企業は大きな会社ほど安定性があるわけではなく、業界の性質上、転職も盛んですので、入社後もスキルを身につけて様々な企業で働くキャリアになりやすい点には注意です。
都市部で働く選択肢も考えておく
そもそも「絶対に地方で働くべきなのか?」もよく考え、都市部で働く選択肢も考えておくことも大事でしょう。
前述の通り、都市部と地方では選べる求人の量が違うため、都市部で働く選択肢があるだけでグッと可能性が広がります。
引っ越しにかかる費用も20万~30万円ほどあれば余裕があると言えますし、仮に貯金がないなら都市部で賃貸物件だけ借りた上で、働きながら生活基盤を作り上げればいいだけの話です。
都市部に住んでしまえば、それだけ仕事の選択肢も仕事以外の選択肢も増えるため、地方のように求人探しに手間がかかることもなくなります。
もし、都市部に引っ越して働く意欲があるのであれば、後ほど紹介する転職エージェントでもネット経由で地方にいながら転職活動できるようになっているため、地方住みのデメリットを気にせずに仕事選びができるはずでしょう。
地方で優良求人を見つけ出すなら転職エージェントを使っておくこと
以上のような理由もあり、地方での求人探しはひどいと感じやすくなりがちです。
そのため、転職エージェントに登録しておき、非公開求人を紹介してもらえるようにしたり、キャリアアドバイザーから情報提供してもらった方が、より良い求人にたどり着ける可能性は上がるはずでしょう。
とくに、大手転職エージェントであれば有名企業や大企業の求人も多いため、給料の高い仕事を見つけたいなら登録しておくだけ損はありません。
大手転職エージェントでは全国区で求人を扱っており、電話面談やネットでの応募で済むため、事業所まで面談に行かずとも効率良く転職活動が進められます。
逆に、働きやすい中小企業や自分に合った職場環境を選びたいのであれば、中規模な転職エージェントで面談委時間をかけて、自分が就きたい仕事を見つけ出すのも一つの手です。
ただ、中規模の転職エージェントは都市部の求人紹介が主なので、使う場合は都市部に引っ越す見込みがある場合にはオススメです。