「今までほとんど褒められたことがない…」
「仕事で頑張っても褒められない…」
「私、こんなに頑張ってるんだから、もっとホメて!!」
そう悩んでいませんか?
仕事で必死に頑張って成果を出しても、誰からも見向きもされない、褒められないもしないというのは非常に辛いもので、仕事や人生におけるやる気やモチベーションの低下を招くものです。また、周囲からの応援や称賛が欠けていると、自己評価が低くなったり自信をなくし、どんなに才能がある人や努力した人も不貞腐れてしまい、本来の能力を発揮することなく埋もれてしまうこともあります。
褒められたいと思うことは自然な欲求で「承認欲求」とも呼ばれ、これは「他者から認められたい、自分を価値ある存在として認めたい」という願望であり「尊敬・自尊の欲求」とも呼ばれます。
昨今の人材マネジメントでは「自己効力感」や「モチベーション」という言葉も注目されていますが、良好な組織運営や仕事での成果を得るためには、適度に社員や部下の承認欲求を満たすことも大事だとされているのです。
ですから、周りに褒められない状況が続いており、そのことで悩んでいるのであれば、それは自分の仕事の仕方や周りの環境を見直すべきタイミングに来ている証拠なのかもしれません。
そこで本記事では、褒められない人の特徴を解説した上で、褒められない職場環境や周囲との人間関係の問題点、また褒められたり認められて仕事でより良い成果を出すためにはどうすればいいか、知りたい情報をまとめてお伝えしていきます。
褒められたことがない人の特徴とは?
教育課程で「出来て当たり前」を体験してきているから
最近の若者が褒められたがるのは、一重に「出来て当たり前」を経験してきているからでしょう。
今どき「大学に進学していて、英語も話せて、プログラミングも出来る人材」というのは「普通レベル」として扱われるぐらい、特別でもなんでもありません。
もちろん、それ以下の人材もたくさんいますが、上を見れば「その程度の人材もたくさんいる」ため、自分の価値を認めることが出来ないのです。
とくに教育課程では、出来る人ほど手がかからずに褒められない…というジレンマを経験することとなります。
たとえば、今までテストで0点だった人が30点取るようになれば褒められますが、最初から100点と取り続けている生徒は「出来て当たり前」という扱いをされ続けます。
そのまま、その生徒が有名大学に進学して大企業に務めたとしても、おそらくずっと他人からは「出来て当たり前」と思われる状態が続くでしょう。
そうなると、
「自分は人一倍苦労も努力もしてきたのに、誰も褒めても認めてもくれない」
「明らかに他人よりも仕事が出来るのに、不当に評価されている」
…と感じるようになってしまうわけです。
そして、こういう「出来て当たり前=優秀な人材」ほど、内々では不満を抱え込み、どこかで痺れを切らして辞めていくのが常です。
仕事・人生の価値観が「認められたい欲」に寄っているから
最近の若者は、仕事・人生の価値観が「認められたい欲(=承認欲求)」に寄りがちです。
理由としては、
- 金銭・経済的に豊かな日本なので、より高度な精神的な欲求を求めだす人が増えた
- 学生時代に勉強ばかりで自己表現が許されない反動で、仕事に自己実現を求めだす人が増えた
…など、社会的・文化的背景もありますので、これは仕方のないことです。
また、最近ではSNSで同年代の身近な成功者や目立つ人も増えてきたことも追い風です。
「自分も目立ちたい!」
「自分も社会的に評価されたい!」
「自分も仕事で大きな結果を出したい!」
…と感じる若者が増えるのも、なんら不思議ではありません。
誰もが「特別な人」になれる時代になった現代では「何者にもなれない自分」というのは、若者にとっては耐え難い苦痛なのです。
自分に自信が持てないから
最近の若者が褒められたがるのは、自分に自信が持てないからという理由も考えられます。
現在の日本では、社会人になるまで「自分自身の意志で人生の選択肢を決める」ことは、ほとんどありません。
世間的に言われる「普通の人」「優秀な人」「エリート」と言われる人物は、
「親の意向を尊重して安定したキャリアコースを歩む」
「世間体を気にして、大企業・公務員と言った”安定した人生”を選んでしまう」
…と言った人物像になるわけですが、実際のところは自分自身の意志で人生を歩んでいない人ばかりです。
ですので、世間体や安定性、社会的信用やステータスを得られたにも関わらずに「自分には大した成功体験はない…」と、自信が持てないわけです。
怒られたくないから
最近の若者が褒められたいのは、単に「怒られるよりは褒められた方がいい」からという理由もあります。
…というよりも、好き好んで怒られたい人は、そういないはずです。
とくに私も、以下のような「とりあえず怒って説教しておけばいいと思っているバカ」は、話を聞いてても疲れるので、仕事では相手にしたくありません。
- 理屈の伴わない、感情を吐き出すだけの恫喝(感情に身を任せているだけで冷静さが伴わない)
- 「なぜ?」と改善案・具体策を聞き出せない、一方的な言い分での理不尽な説教(怒るだけ怒って改善策は提示しない)
- 論点をすり替えて、自分の私情を仕事に絡めて説教してくる(公私の切り分けが出来ていない)
実際、私が経験してきた説教の中でも「それ、お前が文句言いたいだけだろ?」と感じるものもあれば、しっかりこちらを思って言ってくれている方もいました。
ハッキリ言って小学生時代の感受性でも「こいつ、自分が気に食わないからヒステリックに説教してるだけだろ…?」と見抜けます。
そういう「自分が気に食わないからイチャモンをつけてくる上司」と関わる無駄な苦労でストレスを抱えるぐらいなら、お互いを褒め合える職場の方が、仕事の生産性も上がると言えましょう。
本当の「褒められて伸びるタイプ」は自分で言わない
まず大前提ですが、褒められて伸びるタイプの人間は絶対に自分から「褒めて」とは言いません。
自分から言うタイプは、褒めても叱ってもどっちでもいい凡人タイプなので、サラっと流しておくべきです。
では、なぜ褒められて伸びるタイプが自分から言わないのかというと、基本的に他人を見下しているからです。
要は、天才肌タイプです。
その上で、負けず嫌いで他人から見下されることも嫌いなので、プライドが高く内面では高い競争心を秘めています。
「他人を見下している」とは決して悪いことではありません。
「褒められて伸びるタイプ」は能力のない人間が上に立つことに強い不満を感じている反面、自分よりも能力が高いと認めた人間であれば、内心で深い敬意を秘めるようになります。
とくに男は「自分より優秀な男」が好きですからね。
兄貴分、師匠、ライバル…など。
男性の中に眠る闘争本能は、自分と同等かそれ以上の同性が近くにいることで、呼び起こされるわけです。
「褒められて伸びるタイプ」のコンプレックスを知っておこう
「褒められて伸びるタイプ」が、なぜ天才肌タイプに多くなるかというと、答えは簡単です。
今まで、色々なことがとくに苦労もなくこなせてきたため、幼いころより褒められる経験に慣れていないのです。
また、あるいは褒められて伸びるタイプは、陰ですさまじい努力をしているにも関わらず、他人にその努力を見せていないため「天才」と勘違いされてしまう苦悩も経験しています。
そのため本人の「陰の努力」というのをしっかり見つけ出し、それとなく褒めておくと、上司としての信頼も得られることでしょう。
逆に、意識高い系の「見える努力」などを安易に評価してしまう上司は、褒められて伸びるタイプ以外の部下にも「上辺だけしか見ていない」と、不信感を抱かれることになりかねません。
「褒めること」を「甘やかす」と勘違いしているバカな上司も多いですが、
褒めること=コンプレックスの克服
…と考えれば、また違った考え方もできることでしょう。
部下の弱点を見抜き、しっかりフォローすることのひとつの方法が「褒める」ことなのです。
仕事で褒められるためにはどうすればいい?
自己アピールを適度にしておく
仕事で褒められるためには、自分から「やりたいこと」「目標」を口にして上司に伝えておくことが必要でしょう。
最近では「有言実行」の人材が好かれる傾向にあるので、日頃から目標を声に出しておくことも大事です。
どんなに優秀な人材がいい仕事をしていても、それが上司や同僚の目につかないのであれば、褒めてもらえないどころか「気づいてもらえない」こともありえるのです。
アピールするところではしっかり仕事をとっていかなければ、競争社会では埋もれてしまうのが常。
「誰か私の仕事の良さに気づいて…」と弱気にならず、時には強気に行くことも、褒めてもらうためには大事なことでしょう。
上司が「褒めるのが上手い」か見極めておく
仕事で褒められるかどうかは、上司の考え方や仕事の価値観、人事方針にも寄ります。
- アメとムチを使い分けて、ここぞという時に褒めてくれる上司
- お世辞ばかりでどうでもいいところで褒めて、肝心なところでは褒めてくれない上司
- 叩いてばかりで一切褒めない上司
自分が気持ちよく働けるかどうかはともかく「上司が部下を褒めるポイント」と「自分が褒められたい部分」がズレていると、人事評価や社内査定に響く可能性も出てきます。
また「口だけならなんとでも言える」ので、口頭の褒め言葉や賛辞だけでなく、もっと本質的な「自分の仕事ぶりは社内でしっかり評価されているのか?」を見極める必要があります。
本当にあなたの仕事ぶりが評価されているのであれば、社内の人間もわざわざ褒める必要すら感じていないのかもしれません。
逆に褒めてもらえないどころか、社内で邪険に扱われているのであれば、注意が必要です。
上司や人事もしょせんは”人”ですから、えこひいきや感情的な判断で、不当に部下を低く評価することだって十分ありえます。
その場合、仕事でどれだけ頑張っても「報われない…」と感じやすくなるので、転職を考えておくのも手でしょう。
「褒めて伸ばし合う社風」の会社で働く
自分が「褒められて伸びるタイプ」であると感じているのであれば、褒めて伸ばし合う会社への転職を考えるも手でしょう。
たとえば「Google」「リクルート」と言った一流の大企業では、社員同士が互いを褒め合う文化が根付いていることでも有名です。
また、最近の若手の多いベンチャー企業も、どちらかと言うと「社員同士で褒め合う社風」の会社が増えています。
逆に古風な会社ですと「ミスしたらねちねち責められる」「社員を褒める文化がない」という社風が多めです。
「褒められなくてもいい」と割り切る
仕事で褒められない場合は「褒められなくてもいい」と割り切るのも、堅実な考え方と言えます。
わざわざ、他人の仕事をこまめに観察して褒めてくれるほど、上司も同僚も暇ではありません。
それも仕事となると他人の評価なんかよりも「口は悪いけど金はしっかり払ってくれる取引先」「文句を言いつつもやるこはしっかりやる社員」の方が、行動で示している分、評価されます。
もちろん、給料はしっかりもらっていたとして、ボロクソ文句を言われ続けては人の心は離れていくのも事実です。
「ストレスは多いし、誰にも感謝も褒められもしないけど、高い給料で働くことに価値を感じる人」もいれば「低賃金だけど、ストレスは少ない仕事がいい」という人もいます。
それが、当たり前なのです。
そのあたりの仕事の価値観や欲求は「人による」としか言えないので、この機会に「自分にとって、本当に仕事で得たいものは?」と考えてみる機会にしてみるのもいいでしょう。
転職活動を通して褒められる仕事を見つけてみる
今の職場で褒められずに伸び悩んでいる方は、転職活動を通して褒められやすい職場を見つけてみるのも一つの手でしょう。
今の仕事で褒められずに伸び悩んでいる場合、今の会社の方針と自分が仕事で行っていることがズレていたり、あるいは会社が社員を褒めない社風で自信を失くしているだけなのかもしれません。
ですが、転職して社内環境や人間関係が変われば、自分の価値を正当に評価してもらえ、褒められたり的確なフィードバック・評価をもらいやすくなる可能性があります。