「大企業勤めに向いていない…」
「大企業の仕事がつまらない…」
「大企業勤めの肩書きがくだらない…」
そう感じていませんか?
私も大企業勤めの友人と仕事の話になると「こいつ、つまんねえなあ…」「大企業勤めの肩書きと安定性のために色々犠牲にしてんな…」と思うことがよくあります。
もちろん、そういうつまんない人間が大企業勤めとして働いているからこそ、日本社会は回っている側面は否定しません。
しかしながら、大企業勤めで年収が上がる40代以降の人が、家庭持ちとなって「転職して挑戦したい」「自分の人生一体なんなんだ?」と悩んでいるという話を聞くと「もっと若いうちに、そういうことは考えておけよ」としか思わんのです。
というのも、一般的に大企業では、経団連によって年収ベースが定められている事情があり、年収が上がるのは40代以降です。
画像出典:会社四季報 業界地図 2019
で、いざ年収が上がって安定性も社会的地位も手に入れた時に、大企業勤めの人が「自分の欲しかったものは年収でも地位でもなかった」と気づいたとしても、中々身動きが取れないわけです。
では、40代で年収が上がって地位も固まったにも関わらずに「大企業に向いていない…」と感じてしまう人には、どのような特徴がるのでしょうか?
筆者が性格診断・大企業退職者のデータから集めた情報から、大企業に向いていない人をご紹介していきます。
大企業に向いていない人の特徴とは?
大企業に向いていない人にはどのような特徴があるのでしょうか?
私が仕事で関わった方や、集めたデータを基に、ご紹介していきます。
上の指示に疑問を感じたり納得がいかないことが多い
大企業に向いていない人といえば、上の疑問を感じたり納得がいかないことが多い人でしょう。
大企業のような大きな組織ともなると、いちいち下の社員にまで説明して回る暇がないので、指示や命令が理不尽でも従わなければなりません。
もちろん、大人になる過程で上の理不尽な指示を飲み込めるようにはなってきます。
ですが、あまりに上の指示や命令が理不尽で横暴であったり、明らかに間違った方針ですと、下で働く人は不満を抱えるものです。
「大人になる」ということが、上の指示・命令に黙って従って自分を失くしていくことだと信じているのであれば、大企業のような大きな組織勤めに向いているかもしれません。
逆に、上の明らかに間違った理不尽な指示や命令に逆らって一戦交えたい気持ちがあるなら、大企業に向いていないかもしれません。
マナーや慣習を守ることにストレスを感じる
大企業に向いていない人と言えば、マナーや慣習を守ることにストレスを感じる人でしょう。
筆者も様々なビジネスマナー本を読みながら「こんなしょーもねえこと律儀に守ってるなんて、窮屈だな…」としか感じません。
ビジネスマナーが守れている・守れていないだけで「こいつは仕事が出来る」「こいつは自分に敵意がある」「育ちが悪い」などと判断する人間、相手の力量や人格をマナーからでしか判断できない人としか思ってません。
実際、マナーが大事とされる大企業の就活では、ミスマッチ採用も一定数出ているわけなのですから、それだけ「マナーや形式だけでしか人を判断出来ない、無能人事」が多い証拠です。
もともと、マナーや慣習にはそこに至るまでの背景があり、相手に誠意を示すために使われるものですが、目的と手段が逆転してしまっていて、必死にマナーや慣習を守っているだけで本質的なことを理解していない人は多いです。
その結果、マナーを完璧に守っているにも関わらず態度が一切伴っていない「慇懃無礼」な奴が、大企業にはびこる結果になるのです。
「余計なことを話すな」という環境にストレスを感じる
大企業に向いていない人は「余計なことを話すな」という環境にストレスを感じる人でしょう。
大企業・公務員のような大きな組織の所属ともなると「余計なことを話さない能力」が重要になってきます。
私も、大企業勤め・公務員のような大きな組織で働いている人と仕事の話をしていると、余計なことを話さない能力は本当に上手いとは思います。
ですが、同時に「オフレコの場なんだから、自分の会社の愚痴や不満ぐらい言えよ」「経営者・役員クラスだけが握っている社内情報でもなければ、お前が思っているほどの秘匿情報じゃねーから」と、堅っ苦しい印象も受けます。
そういう人は、良くも悪くも「超真面目」です。
本音と建前を使い分けるのは大人には必要な能力ですが、それにしても本音をあまりに言わなすぎて当たり障りのないことを言わない人は、逆に「こいつ、建前しか喋ってないから信用出来ないわ」としか思いません。
そういう環境に息苦しさを感じるのであれば、大企業には向いていないと言えるかもしれません。
逆に、余計なことを話さないで上手く切り交わせるような人間だけが、役員クラスとして社内の秘密を握れる立場まで昇格出来るのです。
マニュアル作業・ルーチンワークが嫌い
マニュアル作業・ルーチンワークが嫌いな人も、大企業には向いていないかもしれません。
大企業の仕事のすべてがマニュアル作業・ルーチンワークというわけではありませんが、組織の構造上、下流の仕事ほど定形作業化しやすくなります。
ですので、大企業勤めでも若いうちは、大きな仕事など任せられずに地味なマニュアル作業・ルーチンワークの類を押し付けられることになりやすいのです。
少なからず、自分の権限や裁量で工夫したり、クリエイティビティを要される仕事を任される機会は、組織が大きくなればなるほど減ります。
さらに、大きな組織ほどお役所体質が強くなり、何かを行う度に上の判断や許可が必要となり、自分の意志なんてあってないようなものです。
挑戦心・向上心・上昇志向がある
大企業に向いていない人は、挑戦心・向上心・上昇志向がある人です。
大企業勤務の人なんて「いい大学出て、大きな企業で働いて将来の安定性が欲しい」「20代にして老後の安泰ばかりを考えている」という考え方の人間ばかりなので、挑戦心・向上心が高いわけがないのです。
また、仮に挑戦心・向上心・上昇志向がある人が大企業に就いたとしても「派閥争い」「社内政治」「タテ社会」「横並びの組織構造」などの組織構造がある以上、どこかで心を叩き折られてしまうものなのです。
協調性よりも個性が大事だと思っている
大企業に向いていない人は、協調性よりも個性が大事だと思っている人でしょう。
大企業での仕事は、個性なんて必要とされません。
また、横並びの組織ですので協調性の方が重んじられます。
たとえば、部活の延長線上のような運動会に参加しないことが社内評価に影響したり、サークルのノリみたいなイベント開催に労力を割いたり…。
大企業では、学生時代特有の協調性が重視されやすいのです。
それもそのはずで、大企業は社員が多い以上は、どうしても一人あたりの社員の比重や貢献度が小さくなるので、個性があっても埋もれたり霞んでしまいやすいのです。
まどろっこしい社内政治や派閥争いが苦手
大企業に向いていない人は、まどろっこしい社内政治や派閥争いが苦手な人でしょう。
大企業クラスともなると、下流・中流であれば部署間の派閥争いであったり、上流であれば経営者・株主・親会社などの複雑な政治的な思惑が絡みます。
そうなると、仕事の効率や生産性なんかよりも、相手に媚びたり忖度する能力のほうが重視されやすくなるわけです。
そういった社内政治や派閥争いに忖度したり、上手く切り交わしていく処世術に気をつかう仕事に面白さを感じるのであれば、将来的に大企業の役員になれるかもしれません。
テレビで大企業の経営者や政治家が謝罪会見をして干されるのを見る度に「こいつら大変だなあ」「しょうもないストレス負うぐらいなら、地位も立場も要らねえわ」という感じです。
減点方式の評価が苦手
大企業に向いていない人は、減点方式の評価が苦手な人でしょう。
大企業・公務員のような大きな組織になるほど「ミスをしない人材の方が優秀」「上に余計な仕事を持ち込まない事なかれ主義」という性質に陥りやすいです。
その結果、挑戦して失敗する有能な人材よりも、ミスをしない無能な人材の方が評価されやすくなるのです。
ミスをしない方法というのは実にシンプルで「一切、何もしなければいい」のです。
何もしなければミスはしませんし、言われたことだけをやっておけば、ミスをしても「指示した奴が悪い」で済みます。
そのため、大きな組織では「大したことがないのに、なぜか出世している無能な上司」が一定数紛れ込みます。
減点方式の評価が重視されている組織では、挑戦しない人材・有能だけど手を抜いている人材の方が上に上がりやすいので、どちらにも該当しない人は息苦しく感じるはずでしょう。
地位やステータスよりも自分の能力に価値を求める
大企業に向いていない人は、地位やステータスよりも自分の能力に価値を求める人でしょう。
「大企業勤め」「有名企業勤め」という肩書きやステータス目当てで大企業を目指した人もいるでしょうが、実社会では大してそんなものは評価されません。
少なからず、大企業内で働いているうちはそんなものは周りも全員持ってるので、無意味です。
だいたい、コンビニバイトですら名目上は「大企業勤め」と名乗れる時点で、大した価値はありません。
それなりに社会経験がある相手と関わるようになると「その人の能力や人格に社会的ステータスは関係ない」とわかっているので、大企業勤めの肩書きだけでは通用しなくなります。
せいぜい、大企業勤めのブランドは、世間知らずなミーハーな小市民に「すごい!」「お金持ってそう!」と思われる程度のステータスにしかありません。
自分の能力や人格面に価値を感じて欲しいと思っているのであれば、大企業勤めの地位やステータスと天秤にかけてみるといいでしょう。
大企業がつまらない・くだらないと感じているのであれば、転職活動を始めておこう
以上、大企業に向いていない人の特徴をご紹介してきました。
日本の就活市場では、大企業・有名企業のブランド力や安定性ばかりが重視されていますが、それに流されて大企業に就いてしまい、自分を押し殺してしまっている人が多いように感じます。
冒頭にもお伝えした通り、大企業勤めでも年収が上がるのは40代以降の話であり、それも今は終身雇用制が崩れているので、将来はどうなるかわかったものではありません。
もちろん、大企業のつまらない仕事に耐えて、社内政治や派閥争いを切り抜けて、役員クラスとして高級取りになって、経営状況が悪くなった時に責任を取らされてスケープゴートになる事態に怯えながら定年退職まで働きたいのであれば、大企業で勤め続けるべきでしょう。
ですが、もしそうでなければ「大企業に向いていないかも…」と思い悩んでいるうちに、一度転職活動をしてみて、本当に自分が大企業で働き続けるべきかどうか判断しておきましょう。
大企業からの転職なら転職エージェントに相談しておこう
大企業に向いていないと感じていたり、大企業の仕事をつまらない・くだらないと感じているのであれば、まずは転職エージェントに相談してプロから意見を聞いてみるといいですよ。
転職エージェントは無料で使え、自分に合った求人を紹介してくれます。
大企業勤務から転職エージェントを使う際に気をつけておきたいことは、
- 大企業からの転職を成功させて人の事例をたくさん聞いておく
- 将来的な昇給などを考慮した上で転職を検討する
- 「大企業の安定性か?」「ベンチャー企業の挑戦心か?」をハッキリさせる
…など、大企業勤めの地位や安定性を捨ててまで、転職する必要があるのかを自分の中でハッキリさせるということです。
大企業勤めの将来性と安定性を天秤にかける以上、慎重に転職活動した方が後悔せずに済むはずですので、場合によっては複数の転職エージェントや多くの担当者から意見を聞くなどして、冷静に判断しましょう。