今回のテーマはこちら。
業務内容にも不満はなし。
…でも、なんとなく「辞めたい」と思っちゃう。
これって変なことですか?
20代女性より
なるほど。
その気持ち、よくわかります。
人間関係良好。上司も優しい人ばかり。
私も一時期そんな職場にいましたが、ある日「このままでいいのか?」「本当に自分は必要とされているのか?」と思い悩むことがありました。
その経験から、ひとつ言わせてもらいましょう。
一度転職活動をしっかり行って、自分の本音や欲求を向き合った方がいいということです。
何も「今すぐ転職しろ!」と言いたいのではありません。
転職を考えることで「本当の自分に出会えるかもしれない」という可能性の話をしたいのです。
…というのも、現代の転職活動には「カウンセリング」「自己啓発」「意識向上」「自己実現」といった要素も重要視され、必ずしも「仕事を辞めるから転職する」という考えだけで行われるわけではありません。
言わば、このサイトのメインテーマでもある「自分の生き方を見つけ出す」にも通ずる悩みでもあるんです。
現代人の中には、
「言葉にできないけど、なんとなく辞めたい」
「モヤモヤした気持ちを上手く表現できない」
「自分の思ったことを上手く言い表せない」
…という方も少なくはないです。
やはり、一度きりの人生ですから、自分の納得の行く理想の仕事に出会いたいものですよね。
そこで今回は少し視点を変えて「いい人ばかりなのに辞めたい」心理について、考えていきましょう。
「辞めたい」という欲求を素直に受け止めることが大事
「職場がいい人ばかりなのに辞めたい」と感じている人は、まずは素直に自分の欲求を受け止めてください。
「職場環境もいい」
「人間関係も良好」
こんなにも恵まれた環境であるにも関わらず「辞めたい…」と感じてしまうということは、何かしらの問題を肌で感じているということです。
つまり、生理的な欲求です。
心のどこかでは「本当は辞めたい」「もっと別の仕事がしてみたい」と思っているはずなのです。
しかし、心のどこかで体の奥底からこみ上げてくる本音を無視し続けている。
「本当はあの上司や同僚の悪い面に気づいているのに”いい人”だと思い込みたい」
「職場環境はいいけど収入が低くくて、なかなか生活レベルが上がらない」
「より難易度の高い仕事を与えられず、やり甲斐を感じていない」
…といった、自分の本音に気づかないフリをしているだけなのかもしれません。
「いい人ばかり」が良い職場とは限らない
多くの人が「人間関係が良い=いい職場」と考えがちです。
しかし、本当にそうなのでしょうか?
社会人になるとわかりますが、やさしさや人の良さだけではやっていけないことも多々あります。
「心を鬼にする」
「泣いて馬謖を斬る」
こういったことわざもありますが、時として「嫌われ役」に徹っしなければならないこともあるのです。
そして、そういう「嫌われ役」ほど裏でいい仕事をしており、職場の良好な人間関係を保つ役割を果たしているのです。
逆に考えてみましょうか。
「嫌われ役」の存在しない職場は、何かの不和が生じた時、必ず誰かが本性を表して職場環境が壊れるリスクが潜んでいるとも言えるのです。
たとえば、人も良くて仕事もできる上司が退職した場合、内心では「ずるい」「上司がいなくなったら困る」と感じるはず。
そして職場環境は悪くなり、崩れるように周りもどんどん後を追うようにやめていくことになります。
関連:人が辞めていく会社の特徴と原因。この会社なんかおかしいと思ったらチェックしておきたい項目とは?
人の良さだけで職場環境が良くなるとは限らない
大人にもなると「人の良さだけではやっていけない」ということは、身を以て学べる事実です。
しかし、なまじ人間関係の良い職場に入社してしまうと、そういった「社会の荒波に飲まれる」という経験がないまま過ごすことになります。
また「人間関係は良いのに、待遇や給料は悪い職場」という状態は、十分にありえる事態です。
「仕事には適度なストレスも大事」とはよく言われますが、人間関係の良い職場とはそういったリスクもあることは知っておきましょう。
「お人好し」が揃うと馴れ合い・都合よく使われるリスクも…
また、人間関係のいい職場では「馴れ合い」や「都合よく使われる」リスクもあることは忘れてはなりません。
関連:職場の馴れ合いが気持ち悪い…仲良しごっこが嫌いと感じる人の心理とは?
「正直者はバカを見る」
「いい人ほど損をする」
こういった言葉もありますが、まさにその通りです。
「この職場はいい人たちばかりだから…」と思い、ついつい多くの仕事を引き受けるなど、都合よく使われていませんか?
しょせん、仕事での人間関係なんて、利害関係の一致でしか成り立たないものです。
利害が合わなくなれば、たちまち職場の人間関係は悪くなります。
そして何より、仕事に悪影響をもたらす「人の良さ」「人間関係の良好さ」は、百害あって一利なしです。
「他人のせい」にすることも大人の処世術
もし「今の会社がいい人ばかりで不満もない、だけど辞めたい」と考えているのであれば、いっそ思い切って性格を悪くして考えてみてください。
本当に、今の職場に不満はありませんか?
自分より仕事の出来ない人が自分よりも給料をもらっているとわかって、あなたは一切の不満を抱かずにいられますか?
同僚が裏でこっそり不正をしていて、その不正を「黙っておいてくれ」と頼まれ、その後に不正が発覚して会社の経営の危機になった時、その同僚から共犯者扱いされたとして、あなたは責任を追う覚悟はありますか?
「人がいい職場」というのは、常にそういった”大人の矛盾”や”人間の汚さ”が潜んでいる職場だとも言えるのです。
そういった「大人の汚さ」を見ないようにして「私の職場の人間はいい人」と無意識に思い込んでいるから、自分の心の底から湧いてくる「辞めたい」という本心を無理に押し込めようとしてしまう。
…一度、冷静に考えてみてください。
本当に、あなたの職場は”いい人ばかり”でしょうか?
都合よく笑顔で面倒な仕事を押しつけてきたり、裏ではコッソリ「あいつ使えねーな」と言っていない確信はありますか?
…一度、自分にしっかりと尋ねてみてください。
「辞めたい」と感じるのであれば、必ず何かしらの不満があるはずです。
時には思い切って「全部他人のせいだ!」と考えて、今の職場環境を冷静に見直しましょう。
関連:人のせいにして仕事辞めるのはあり?誰かのせいにして生きるのはかしこい処世術だと知っておこう!
自分で決められないなら、他人に相談しておこう
どうしても自分で辞めるかどうか決められないのであれば、一度思い切って第三者に相談してみることが大事です。
相談相手に「会社の上司や同僚」「親や家族、恋人や友人」を選ぶ人もいますが、やめた方がいいです。
なぜなら、会社の人間は立場上「辞めないで続けた方がいい」と言いますし、身内や友人も「辞めないで続けた方がいい(あなたのことを思っていっている)」など、余計なお節介で客観的なアドバイスはくれません。
日本人は宗教的にも「懺悔の告白」「罪を許してもらうための祈り」という文化がないので、他人に相談するのが苦手な人が多いんですよ。
ですが、日本でも今は「カウンセリング」で第三者に相談することで悩みが解決することも多いですので、仕事を辞めようか悩んでいるのであれば、プロに相談して決めることをオススメします。
第三者に相談することで、心がグッと楽になりますよ。
転職エージェントでカウンセリングしてもらおう
「職場がいい人ばかりなのに辞めたい…」と感じている人は、転職エージェントでプロのキャリアカウンセラーに相談することをオススメします。
転職エージェントは無料で利用できて、今後のキャリアプランニングの相談も気軽に出来るため、転職する気がなくても利用可能です。
プライバシーに配慮された個室での面談が行われるので、会社にバレることは一切ありません。
ただ、注意点がひとつ。
転職エージェントの中には転職を急かしてくる担当者もいるので、必ず「辞めようかどうか迷っている」と事前にスタンスをハッキリさせておくこと。
そうすることで、しっかり悩みを聞いてくれる担当者とマッチングする確率が高まるので、事前にしっかりと相談内容を伝えておくと、見当違いのアドバイスに嫌な思いをせずに済むでしょう。
転職エージェントでは自分に合った転職先の求人も教えてもらえるのですが、ここで今の自分の職場の年収の低さや待遇の悪さに気づき、転職を決意する人も少なくはありません。
また、転職先の人間関係や先輩の人柄も教えてくれるので、人間関係重視で転職したい人でも安心して利用できますね。
一方で良い人ばかりの職場に残り続けると、いざ経営が傾いてブラック企業となってしまった場合や、職場の誰かが本性を表して険悪になった場合、引くに引けない状況にもなります。
大人になると「人の良さ」「やさしさ」のだけではどうにもならない問題が増えてきます。
転職も会社から見れば「裏切り」と思われがちですが、会社を辞めることは法律上何の罪もありません。
「いい人ばかりなのに辞めたい」と感じているということは、あなたが「大人として成長している」ことでもあります。
ぜひ、勇気を持って転職エージェントを活用してみてください。