「求人サイトを見てもブラックな条件しか見つからない…」
「自分はブラック企業にしか採用されないように感じる…」
「転職サービスを利用してもブラックな仕事ばかり紹介される…」
このようにお悩みではありませんか?
就職や転職を検討する際に、多くの人が不安に感じるのがブラック企業へ入社してしまわないかどうかという点です。
ブラック企業は人によって定義も印象も変わるかもしれませんが、一般的には「労働環境が悪く健康面の心配がある」「給料が低すぎる」「休日が少なく残業が多い」「会社や仕事内容に魅力を感じない」「将来性が低い」「上司の人格や社内風土に問題があり過剰なストレスを負うリスクがある」といった要素が揃えば揃うほど、ブラック企業だと思われやすい傾向にあります。
こういったブラック企業の可能性を疑うような求人サイトばかりが目についたり、またブラックな求人を出しているような企業からしか採用されない方には、一定の共通点や傾向があるように思えます。
文中でもご紹介していきますが「登録なしで誰でも利用できる求人サイトを使っている」「転職サイト登録時に受けの良い職歴やスキルを記載していない」といった条件に当てはまるほど、誰でも採用されるようなブラックだと感じる求人ばかりが送られてきやすい傾向にあります。
逆に、経歴やスキルが足りていない人であっても、転職市場や会社に評価されるスキルや自己PRを登録情報や職務経歴書に記載しておくだけで、紹介される求人がワンランク上のものになる…ということは珍しくありません。
ですので、転職活動をするにあたって「ブラック企業しかない…」という固定観念にとらわれることなく、しっかりとした情報収集や選考のための丁寧な手順を行うことで、多くの人が理想の職場を見つけることができます。
当記事では、ブラック企業しかないと感じている方が陥りがちな過ちを確認した上で、具体的に行っておくべきこと、また、事前にブラック企業を見分けてより良い条件で働ける企業を見つけ出すコツなど、まとめて知りたい情報をお伝えしていきます。
転職求人のブラック企業しかないと感じる人が陥りがちな注意点
まずは冒頭でご紹介したように、ブラック企業しか見つからない・採用されないと感じてる人が陥りがちな共通点や傾向についてご紹介していきます。
これらは、転職活動に関する知識や人材業界・採用企業側の知識がないうちは誰もが陥りがちなミスですが、知っておいて改善していくだけでも優良求人に出会える確率が高まります。ぜひ、読者自身の状況や求人探し・求人応募のやり方を見直す意味でも、参考にしてみてください。
登録不要の無料求人検索サービスを主に活用している
通常、多くの転職サイトやエージェント系サービスでは、自分の個人情報から経歴・スキルの情報の入力が必須なことに加え、職務経歴書のアップロードもできる形式のものがほとんどです。あるいは、エージェント系のサービスなら初回面談でおおよその経歴や求人条件を聞き出して、そこから自分に合った求人紹介や担当者につないでくれる流れとなります。
これは、人材をスカウトしている人材会社側が企業が求めている人材を効率よく見つけ出すためです。ですので、企業側からアプローチされるような経歴やスキルを明記していたり、職務経歴書の多くの実績を記入している人ほど、優良求人の紹介が届く可能性が上がります。
一方で、登録不要の求人検索サービス、代表的なものとしては「ハローワーク」「Indeed」などで求人情報を閲覧しているだけだと、自分で選んで探しているように見えて、実際には企業側から優良求人を紹介される機会を失うこととなります。
そうなると「誰でも閲覧できる求人情報=採用相手は誰でも良い求人」ばかりしか見つからないことになりがちなので、結果としてブラック企業だと感じる求人情報ばかりが目につくこととなるのです。
本人の職歴やスキル、自己PRが不足している
前述の通り、登録が必要な転職サイト・転職エージェントでは、本人が入力した職歴やスキルをもとに求人情報が紹介され、中には非公開求人や企業人事からの直接スカウトを受け取れることもあります。
ですので、転職サイトやエージェントでブラックでない優良求人を受け取るためには、本人の職歴・スキル、自己PRがほぼ必須レベルだと言えます。
ここで注意したいのは、どれだけ職歴やスキルがあったり、それ以外の性格面での魅力や学生時代の勉強した基礎的な素養があっても、登録情報として提出しなければ、職歴のない人間として見られてしまうという点です。
つまり、実際に職歴やスキルが備わっていることと、それを自己PRとして登録している転職サイトやエージェントにしっかりと明文化してアピールできていることは、まったくの別問題だということです。
よく「転職サイトに登録してもブラック企業ばかり…」という評判を聞きますが、大半の方が「登録して終わり」という状態のまま利用してしまっていることで、これは未経験者向けの誰でも応募すれば一定数採用されてしまうよう企業ばかりの紹介になってしまっているからです。
とくに大手転職サービスほど、登録情報や職務経歴書から機械的にキーワードを選出して送られてくる求人が決まるため、登録情報の職歴やスキルの記載が少ないほどブラックな求人が送られてきやすくなる傾向にあります。
目先の給料額や待遇ばかりにこだわっており、仕事内容や会社を見ていない
求人情報を探す上で、誰もが給料額や待遇条件(労働時間や残業時間、福利厚生の有無など)は気にするものかと思います。もちろん、昨今では不当に社員や労働者をコキ使うブラックな会社も多いわけですから、そういった条件はしっかり見ておくに越したことはありません。
ですが、給料額や待遇ばかりにこだわってしまうと、知らぬ間に理想とする条件が高くなりすぎてしまい、自分の身の丈に合わない求人ばかりを追い求めがちになります。
とくに職歴不足となりやすい20代前半の第二新卒・既卒層は、給与面や待遇面よりは「その会社で長く続けられるか?」「仕事内容に適性があると言えるか?」といった就職後のポテンシャルや成長性について考えた方が、長く働ける職場と出会いやすいです。
こういった心理状態に陥ると、今後は逆に「楽に稼げる仕事」「未経験でも可能」「アットホームな職場」といった求人のキャッチコピー部分が魅力的に感じてしまい、肝心な「どういった仕事内容か?」「どういった会社でどんな社員が集まるか?」といった目線が抜け落ちがちになります。
残念ながら、まともに求人情報を記載していても人が集まらない企業ほどポジティブな側面ばかり強調する傾向にあり、仕事内容や会社組織の方針よりも「楽に稼げる」「未経験でも即日採用」「アットホームな職場」といった情報ばかりを全面に押し出すため、無意識にそういった求人ばかり選んでないか見直してみましょう。
また、目先の給料額ばかり見た場合、思わぬ賞与(ボーナス)や昇給、インセンティブ(成果報酬、成績に応じた給与アップ)といった年収が上がる要因や、住宅費手当てといった実質的な生活費負担の軽減といった要素を見落としがちになり、どれだけ会社側が従業員のために負担を背負ってくれるているかの視点が抜け落ちやすくなります。
ネットの口コミ情報を過信しており、リアルな情報を得ていない
昨今、インターネットの発達により、検索すれば至るところで会社のリアルな口コミ情報が見つかりやすくなっており、YouTubeなどでは「元〇〇(会社名や職業名)」を名乗る人物が業界や企業の裏話を暴露するようなコンテンツ内容も増えています。
こういった情報は参考にならないわけではありませんしすべて嘘とも限りませんが、過信しすぎは禁物です。なぜなら、辞めた会社に対してはネガティブな印象が残るため悪い側面ばかり書かれやすくなりがちだからです。
また、在職中の人の情報でも、愚痴吐きの場として2ch・5chのような匿名掲示板からTwitterのようなSNSを活用している人も多数いますが、これらの情報も実態よりだいぶネガティブな側面が強調されたり企業や業界に批判的な物の見方が多くなりやすい傾向にあります。
こうして考えると、ネットの情報や口コミはネガティブな側面が強調されがちで偏よりやすいため、まるですべての企業や業界がブラックに思えてしまうようになるなど、過信は禁物です。
とくに主語が大きな批判、たとえば「大企業はブラックばかりだ」という意見は、仮にその人が過去勤めていた大企業がブラックで事実であったとしても、その他大勢が働いてる大企業がブラックではない可能性を見落とすことになってしまいます。
後ほど紹介しますが、ビジネス経験や転職経験などが多くなるほど「リアルで会った時の印象やコミュニケーション面での価値観で選ぶ」「会社全体の雰囲気や社員の人柄や考え方で選ぶ」という傾向が強くなります。
それだけ、リアルで得られる情報やそこで感じた直感というものは、文字だけの機械的な求人情報よりも実態に近い情報が得られるものです。
過去の学歴や職歴、資格やスキルに固執して可能性を見落としている
ブラック企業ばかりしか見つからない状態から抜け出すためには職歴やスキルのアピールが重要であることはお伝えした通りですが、逆に職歴やスキルに固執するあまりブラック企業にしか受からないという逆転現象も見受けられます。
これはなぜ起こるかと言うと、業界そのものが構造上ブラックな働き方をせざる得ない職場が多いことや、職種自体が賃金が上がりにくいことや待遇向上が実現しにくい構造にあるなど、元の経歴をスキルに固執することがかえってブラックな職場に就く確率を上げてしまっているからです。
具体的には、構造的にブラックな職場になりやすい業界・業種としては「不動産」「ブライダル・ウェディング」「出版・印刷」「飲食」「ホテル」「小売・コンビニ」「携帯代理店」などの対個人営業や接客業、職種・職業としては「看護師」「保育士」「介護職員」などの福祉職などは、離職率が高いことや業界構造上賃上げや仕事の効率化が難しく、今までの経歴や資格から同業種・職種に転職するとブラックな職場環境に当たりやすいと言えます。
また、ホワイトなイメージのあるIT・WEB系でも「SES(システムエンジニアリングサービス)」「SIer(システムインテグレーター)」「プログラマー・ITエンジニア」「クリエイター(WEBデザイナー・イラストレーター、ゲームクリエイターなど)」も、待遇の良い会社とそうでない会社とで落差の激しい印象にあります。
ブラックじゃない仕事や求人を見つけ出すコツ
ここからは出来る限りブラック企業に当たらないよう、事前に行っておくべきことや見分けるコツをご紹介していきます。
ただ、確実にブラック企業を見抜く方法は存在しませんし、会社というものは業績や職場の上司の采配次第でも働きやすさは変わりますので、あくまで参考程度に留め、最後は自分の感覚や判断基準を信じることが大事だと心得ておくといいでしょう。
自分にとっての「ブラック企業」の定義や条件を明確にしておく
そもそもが「ブラック企業」という言葉が非常に曖昧なものです。
しかも、世の中にはあからさまにブラックな職場で残業ばかりの状態で叩くことにやり甲斐を感じる人や、低賃金でも責任が軽いことや楽な仕事ばかりなのが理由で、満足度が高い人もたくさんいます。
そう考えると「何が自分にとってブラックな仕事だと感じるか?」を明確にしておくことで、求人に求める条件もハッキリし、自分が求めている職場環境もハッキリしていくことでしょう。
転職フェアや企業説明会などに参加したり、面接時に積極的に質問を行う
求人情報やネットの口コミ情報だけでは、実態に近い企業情報が得られないのは既に解説した通りです。
自分にとって働きやすいブラックじゃない職場かどうかというのは、リアルで得た社員の人柄から仕事に対する価値観、面接時に面接官から受けた印象や話しやすさ、会社の中の雰囲気などを通して得た感覚や印象の方が、情報としての価値や信頼性は高いことの方が多いです。
また、求人情報だけでわからないことや判断に困ることは、面接前やメールで確認したり、面接時に質問することで、より自分が興味関心を持っているアピールにもなり、実際に働くに当たっての不安や疑問を埋めた状態で採用される結果にもつながります。
さらに、面接時に答えにくい質問をはぐらかすような企業は、それだけで「転職サイトに出している求人情報をちゃんと把握していない人が面接を行っている」「採用者の質問を甘く見ている」「採用後の定着や教育について真剣に考えていない」など、得られる情報も多くブラックな職場に就くのを未然に避けるきっかけとなるので、行っておくだけ損はないです。
企業研究を事前にしっかり行っておく
読者の中には「企業説明会や面接時の質問が思いつかない」という方も多いかと思いますが、その質問を思いつくためにもやっておきたいのが「企業研究」です。
企業研究といっても慣れないうちは難しいでしょうから、企業ホームページを詳しく閲覧したり、従業員数や事業内容、代表取締役の来歴を見るなどして、気になった点をメモしておくだけでも効果的でしょう。
そうでなくても、シンプルに入社した後の仕事イメージをしておくだけでも有効です。
たとえば「この仕事にこういうスキルは役に立ちますか?」「この仕事を続ける上で評価される資格や専門知識はありますか?」と具体性の伴う質問が行なえるだけでも、企業側に「この人は入社した後のことをしっかり考えている人だ」と意欲を示すことができます。
そのためには、求人情報や企業ホームページから「この会社や求人はどういった仕事内容を行うのだろう?」と興味関心を持って調べるだけでも、事前にブラックな職場に入社してしまうリスクを下げることができます。
転職エージェントを有効活用してブラックでない企業を見つけ出す
ブラック企業を見分けるためには、転職エージェントを有効活用することも重要です。
前述の通り、多くの優良求人は転職サービスに登録して職歴やスキルをしっかり明記して提出したり、初回面談で今までの経歴や希望する求人を具体的に伝えることで、より良い求人を紹介してもらえる確率が上がります。
大手転職エージェントでは求人情報に企業分析レポートが付いてることもあるので、そういった情報を細かく見ることや、担当者が業界内情に詳しいこともあるので質問することでより実態に近い情報を得るといった取り組みも効果的です。
また、文中でもご紹介した通り、20代であれば未経験職へのキャリアチェンジも行いやすいため「既卒・第二新卒などの20代向け就職支援サービス」も活用するなどして、より自分に合った転職サービスを探すことも大事です。
ブラック企業を避けて理想の働き方を実現するには、職歴やスキルがあるだけではなく「転職サービスを有効活用してどれだけ多くの情報を集めたりエージェント担当者や企業人事との面接を経験してきたか?」「転職サービスでどれだけ相性の良い担当者や会社と出会えて自分に合った求人提案やサポートを受けられるか?」といったことも大切です。
とくに昨今、転職が当たり前の時代になりつつあるのですから、転職エージェントを通して常日頃よりキャリアを意識したり転職活動に慣れてノウハウを吸収したり情報量が増えることで、ブラック企業しか見つからない現状を打破できる可能性は上がると言えるでしょう。
ぜひ、本記事で紹介したことを意識しながら、転職エージェントを有効活用してみてください。