「男性は事務職に受からないとよく聞くけど本当なの?」
「男が事務職はダメ?情けないと思われる?」
「男性に事務職は難しいと言われる理由や根拠が知りたい…」
このようにお悩みではありませんか?
男性が事務職が不利かどうかで問われれば、そもそもの話として事務職全体が受かりにくいという話から始めなければなりません。
一般事務の有効求人倍率は低いことで有名で、令和5年1月時点の調査結果では「0.37倍(※出典)」と非常に低い水準で、これは応募者10人に対して3.7人分の求人しかない計算になります。よりわかりやすく説明すると、企業側が一般事務の求人を出して応募者10人が来たとしても受け入れられる採用人数は3.7人分しかないということです。つまり、他の6.3人は採用されないほどの人気職だということです。
この有効求人倍率が高い人気職であることに加え、事務職は派遣形態での雇用が主流であったり、慣習的に女性の採用を重視する企業が多かったり、事務関係の資格やスキルを持っている経験者が優先的に採用されるなど、未経験者にとっては不利な条件が多数あります。
ただ、だからといって「事務職自体」に男性がいないわけではない点には注意が必要です。たとえば、自衛官や地方公務員の事務職相当の職業であれば男性も多く見かけます。ただ、その場合は職業名や役職・部署名が「事務職」とはならないことが多いです。
何が言いたいかと言うと「事務職という名称で求人募集していないにも関わらず、実際の仕事内容は事務仕事相当の職業」と視野を広げれば、男性が事務仕事をできるチャンスはたくさんあると言うことです。
男性で「事務職に就きたい…」と漠然と考えている人は、事務職に固執しない柔軟な考え方をした方が、結果的に自分の望む仕事に就ける可能性が高くなるのです。
そこで当記事では、男性が事務職が受からない理由や背景を解説した上で、事務職に就きたいと考える男性が実際的には事務相当の仕事ができる他の職業例も交え、仕事選びに悩む読者にとって参考になりそうな情報をお伝えしていきます。
男性が事務職に受からない理由とは?
なぜ、男性は事務職に受からないのでしょうか?
考えられる理由はいくつかありますが、大きな要因としては「過去に女性が事務職として優先採用されてきた」という慣習的な側面があります。
また、事務職の仕事はマルチタスク(同時にいくつもの仕事を並行すること)となるので、シングルタスク(一つの作業に集中すること)が得意な男性には不向きと考えることもできます。
いずれにしても、事実として事務職の女性比率を見れば、採用に置いて性別による区別はあることは間違いないので、現実を知っておく意味でも男性が受かりにくい理由を抑えておきましょう。
事務職=女性のイメージが根強いため慣習的に女性が採用されやすい
世間的にも会社的にも「事務職=女の仕事」というイメージが強く、大きな企業では事務関係の部署に女性しかいない場合もあるぐらいです。それぐらい、事務職は女性の仕事として扱われています。
古風な企業ですと事務職は「結婚して途中で辞める(寿退社)人向けの仕事」として扱われていた歴史もあり、今でもそういった考えで事務職の採用は女性中心で行っている会社もあります。
また、近年では多くの事務職が正社員から派遣社員への雇用に変わっていますが、派遣社員の事務職も「結婚を見据えて緩く働きたい女性」「結婚後に職場に復帰したい女性」などの採用が主で「女性のための派遣事務」という風に扱われている側面は否めません。
「男女平等」とはあくまで建前であり、現実的にはこういった男女を分けて考えた採用が行われており、とくに事務職では女性の採用が優位であることは知っておいて損はないでしょう。
女性の多い事務職では男性は馴染めない可能性がある
女性が多い職場では、男性が馴染めない可能性や風紀を乱すことがあるため、採用されにくいという理由もあります。女性特有の人間関係の中では男性としては居心地が悪くなったり、男性の持つ強みが発揮しにくくなるなど、様々なデメリットがあるからです。
実際に女性の多い職場を経験してみればわかりますが「社内の同僚の愚痴(悪口や陰口)を延々聞かされる」「男性だからと言って面倒な仕事を押しつけられる」など、仮に男性が女性の多い事務職の職場に入れたとしても、入社後に負荷が大きくなってしまう事態も考えられます。
そうなると、負荷の大きい男性は短期で辞めてしまうリスクがあるのですから、企業側としても女性ばかりの事務職の職場での男性採用は控えたくなるわけです。
必ずしも読者の方が女性の多い職場に馴染めないと言いたいわけではありませんが、経験してみないとわからない「女性の多い職場のめんどくささ」がよくわからないのであれば、少なからず、今後の自分のキャリアのためにも女性ばかりの職場は避けておくべきでしょう。
事務職はマルチタスクが求められるので男性には不向きな面もある
事務職では「マルチタスク(平行して同時に多数の仕事をこなすこと)」がこなせる必要があるため「シングルタスク(一つの仕事に集中して取り組むこと)」が得意な男性には不向きという理由もあります。
これも男女差別になり得るので公には語られませんが、様々な調査結果としても社会慣習的にも、女性の方がマルチタスクを求められる事務の仕事は得意な可能性が高いです。たとえば、女性は同時に多くの家事をこなすことが得意ですが、男性は苦手なことが多いはずです。
事務職においても、常に多くの事務作業に加え、会社によっては客人・電話対応までこなさないとならないため、一つの作業に集中することが得意な男性にとっては事務職は不向きと言えるかもしれません。
男性が事務職に就くのはダメ?受からない?
「男性が事務職に就くことは可能か?」と問われれば、常識的に考えて可能です。
なぜなら、事実として事務職として働いている男性はたくさんいますから。
これは大手転職サイト「エン・ジャパン」の公式サイト内の回答がわかりやすいでしょう。
事務職といっても、その職種は多岐に渡ります。一般事務・営業事務・貿易事務などをはじめ、経理・総務・人事などの職種も、一般的に事務職と呼ばれます。 経理・総務・人事などの専門的な知識や経験を必要とする職種は、男性が活躍していることも多いようですが、一般事務・営業事務などの場合、やはり女性が採用されることが多いようです。
当サイトでも、あらゆる情報を集めて吟味しておりますが、上記と同じ結論です。
その理由も交えて、男性が事務職を目指す際に意識しておきたいことを説明していきます。
専門性について将来的な視野を持っておく
事務職に関わらず、長く働ける仕事を見つけ出すには「専門性」が欲しいところです。
とくに事務職は、それほど高いスキルを求められない分、派遣社員として採用している企業も増えています。
ですので、正社員として採用されるのであれば、専門性に関して身につけていく姿勢が大事です。
男性が未経験から事務職を目指す場合は「将来的に自分はどうなりたいのか?」「事務職としてどの分野を極めるか?」を意識しておくことは、必須でしょう。
逆にダメなのが「なんとなく楽そうだから事務職がいい…」「与えられた仕事を処理しておくだけでいいから…」という、受け身な理由で事務職を選ぶこと。
事務職は人気が高い分、企業側も「こいつは楽するためにウチに志望しているな…」と見抜くので、まず落とされます。
事務職として、女性との差別化をはかる
男性が事務職を目指すのであれば「女性との差別化」は必須でしょう。
「男女差別はよくない」とは言いますが、実際は企業側は人材採用で男女を別のものとして扱っています。
医大の入試でも女性の採用率を下げるなど、差別的なことをしているので、現実として「男女差別はある」と考えなければ、話になりません。
これは企業側からすれば、女性は「結婚して辞めるのでは…?」という不安があるからです。
事実、採用時に「結婚しても辞める気はないです」と言った女性が、仕事と家庭の両立が無理と現実を知って、辞めていくのですから。
ですので、企業からすれば女性を正社員として採用したくないのが本音です。
もちろん、男女共同参画社会の理念が普及しているので、そうじゃない企業もたくさんあります。
…が、日本社会の暗黙の了解として「男は仕事、女は家事」という差別的な意識がまだまだ根強く残っているので、そこは踏まえておかなければいけません。
そう考えると、男性が事務職として転職する場合は「正社員として、女性よりは辞めるリスクが低い」ことが、女性に対してのアドバンテージになります。
ですので、男性が事務職として転職する場合は「長く勤めてくれる事務職を探している会社」を見つけ出せば、企業側のニーズと一致します。
「事務+α」でマルチな仕事をする
事務職と言っても、事務の仕事しかしなくていいのは、業務範囲がしっかり大きめの中小企業以上の会社に限った話です。
従業員数の少ない中小企業クラスであれば、職種ごとに業務範囲がキッチリ分かれることは少なめです。
ですので、正社員の事務職として勤めていくのであれば、他の業務範囲の仕事も出来た方がいいに決まっています。
また、事務職自体が派遣社員に任せられることが多くなっている上に、事務の仕事自体が今後AIに奪われていくとも言われています。
そういった将来的な不安に備える意味でも、事務職以外のスキルも身につけるつもりで、転職活動に望みましょう。
楽するために事務職を選ぶなら派遣社員一択
仮に読者のあなたが「事務職ってなんか楽そうだから…」という理由で選んでいるのであれば、素直に派遣社員を選びましょう。
派遣社員や事務職が楽なわけではありませんが、正社員の他の仕事に比べればたしかに楽な部分はあります。
また、派遣社員自体、しっかりと職場や仕事を選べば、意図的に楽な仕事を選ぶことも可能です。
関連:あえて派遣社員を選ぶメリット!正社員が嫌なら派遣という働き方もありという事実
ただし、若いうちに派遣社員として楽な仕事を選び、経歴もスキルも身につけなければ、後々転職市場でも通用しない人材となり、取り返しのつかない事態になる恐れがあることは覚えておきましょう。
本当に男性が事務職に就く必要があるのか?
以上のように、男性が事務職に就ける可能性はいくらでもあります。
ですが、事務職自体「楽そうに思われている仕事」として人気が高いわりには、採用されにくく、将来性にも不安が残る仕事です。
関連:事務職をやめたほうがいい理由。転職で未経験から事務職を目指すデメリットとは?
もちろん、読者の方で「自分は事務職としての道を極めるんだ!」という覚悟を決めているのであれば、止めはしません。
ですが、もし仮に「なんとなく事務職は楽そう…」「事務なら自分でも出来そう」「事務職なら対人関係のストレスがない」という考えで選んでいるのであれば、一度冷静に考え直すべきです。
そういう方の場合は、単に「事務職以外に、自分の希望する条件を満たす仕事を知らないだけ」ですので、人材会社のプロに相談するなどして、仕事選びの視野を広げておくべきでしょう。
転職エージェントに相談して、自分に合った仕事を紹介してもらおう
男性で事務職を目指したい方は、素直に転職エージェントでプロのアドバイザーに相談して、オススメの転職先を紹介してもらうのが一番ですよ。
転職エージェントとは人材会社が運営する転職サポートサービスのことで、無料で利用できます。
当サイトでも記事制作するにあたって、色んな方の意見を参考にしておりますが、事務職を目指している人は「事務職ってなんか楽そう…」「自分には事務職しかない…」など、思い込みが強い人ばかりに感じます。
そういう人は、単に職業に関する知識が不足しているだけですので、仕事選びの視野を広げる意味でも、一度しっかりと転職のプロから話を聞いて「本当に自分は事務職を目指すべきか?」を考えておくと間違いないですよ。