「今の職場に未来がないと感じる…」
「会社に将来性を感じない…」
「会社の先行きに不安を感じる…」
このようにお悩みではありませんか?
会社の将来性を高いレベルで見極めるためには、決算書を読んだり株価を調べるなど経営レベルの視点から分析することもあれば、現場レベルで不満や不正がはびこっており、世間体は良いものの内部はガタガタでどこかのタイミングで一気に組織崩壊していく…なんてこともあります。
今や大企業でも安泰とは言えず、大規模リストラが行われるような時代ですから、どのような会社も将来への不安は消せないものです。ただ少なからず、従業員にすら「この会社は未来がない」「将来性がない」と感じさせてしまうのであれば、それは企業として明確な指針が示せてなかったり、課題を先送りして放置しているなど、何かしらそう感じさせてしまう原因があるはずです。
もし、読者の方もそのように会社の先行きや将来性に不安を感じているのであれば、一度立ち止まって、客観的に今の自分が置かれている状況や、今後のキャリアについて見直すべきタイミングに来ているのかもしれません。
そこで当記事では、従業員目線で会社に未来がないと感じる要因をご紹介しつつ、業界・企業研究から俯瞰した目線でも会社の将来性を判断する方法もお伝えしながら、冷静に今の会社の将来性を見極めるための考え方をご紹介していきます。
将来性のない会社の特徴とは?【見極めるためのポイント/現場編】
業績が下がりっぱなしの斜陽産業・衰退業界
業績の下がっている企業は、将来性がないと言ってもいいでしょう。
冒頭にも挙げた通り、業界全体で業績が落ち続けている「斜陽産業」「衰退業界」は、これに該当します。
具体的な業種の例を挙げるのであれば、
- 印刷業界
- マスコミ業界(出版・テレビなど)
- 音楽業界
- 金融業界
…などは、IT化の影響で打撃を受けている業界だと言えます。
逆にIT業界は、業績が伸びている会社も多く、将来性のある「成長産業」だとも言えるでしょう。
成長しない会社
将来性のない会社と言えるのは、成長しない会社でしょう。
成長しない会社の特徴
- 新規開拓・事業拡大など、業績を伸ばすための戦略を行っていない
- 業務改善を行わない会社(不正の対処・残業の改善など)
- 無能な経営者・上司の入れ替えを行わない会社(ワンマン経営・一族経営など)
- 既得権益に群がっており、利益が利権頼みになっている業種・会社
国内のGDPが30年以上も横ばいの中、生き残っている会社や業界というのは、常に新しい事業に挑戦し続けており、小さなチャンスを引き寄せる努力を継続的に行っています。
逆に成長しない会社は「自分の会社は安泰だ」と思って慢心しているだけならまだしも、自社の危機をわかっているにも関わらず、何もしていない会社も多いです。
そういう会社は、
- 資金が足りない←株式・助成金などいくらでも資金調達方法はある
- 人手が足りない←人事がしっかり仕事していない・採用方法が悪い
- 優秀な人材が入ってこない←優秀な人材が進んで入社したくなるような魅力のある会社なのか?
…などの「やらない言い訳」だけはいっちょ前で、己の非を顧みることは決してありません。
また、俗に言う「老害」と呼ばれるような、昔の栄光にすがっているだけの上司や経営者がはびこる会社も、成長性がないと言えます。
会社の上層部の人間が老いていくように、会社も老いていくわけです。
社員を大事にしない
将来性のない会社は社員を大事にしません。
非正規の使い捨て人材を大量に雇うだけならともかく、ひどい場合には正社員にですらひどい仕打ちを与える企業も増えてきています。
企業、あるいは上司などの”リーダー”にとって、部下や従業員は”人材”ではなく”人財”と考えるべきです。
これは古今東西、数多くの成功哲学やビジネス書で当たり前のように語り継がれています。
かの有名戦国武将、武田信玄も「人は城、人は石垣、人は堀、情けは味方、仇は敵なり」という至言を残しており、現代でも多くの経営者やビジネスマンが教訓として参考にしています。
なぜ”人財”を大事にしないといけないのか?
答えは簡単です。
人の心は規則やお金、あるいは理屈だけでは動かないからです。
給料の低い会社であっても、社長や上司の人柄がよければ部下はついてきます。
会社の業績が落ちていようが、社長に熱意があればついてくる部下も大勢います。
逆に、どんなに利益を上げている大企業であろうと、非正規社員を使い倒して”人材”を大切にしない企業は、そのうち人が離れていきます。
とくに最近では、人材を奴隷同様に使い倒しているモラルのない企業が増えてきており、そういう会社は上司や経営者の性格も腐っていくものです。
企業側が就活生に「金さえもらえればいいという態度の学生は要らない」と求めるように、社員側も「給料だけ払っておけばいいと思っている企業には尽くしたくない」と求めるものなのですが、そこに気づかない上司や経営者も意外と多いものなのです。
労働時間が多すぎる
将来性のない会社は、単純に労働時間が長いです。とくにサービス残業を強要してくる会社や、月100時間以上の残業が当たり前の会社は労働法違反ですからね。そもそも、従業員に「時間や規則を守る」を徹底させているにも関わらず、会社側が法律も時間も守れないのであれば、説得力はゼロです。
厚生労働省の調べた、労働時間の平均データを見てみてください。
・平成28年度の平均勤労時間
月平均実労働時間:168.85時間
月平均残業時間:14.6時間
月平均出勤日数:20.1日
月 実労働時間(時間) 残業時間(時間) 出勤日数(日) 1月 156.4 14.1 18.6 2月 168.0 14.7 20.0 3月 170.7 15.2 20.4 4月 174.5 15.2 20.8 5月 163.1 14.1 19.5 6月 175.9 14.3 21.1 7月 171.8 14.4 20.6 8月 162.8 13.7 19.5 9月 169.5 14.6 20.3 10月 170.9 14.9 20.4 11月 172.4 15.3 20.6 12月 170.2 15.2 20.3
あなたの職場の労働時間は、平均の数倍以上じゃありませんか?
もしそうでしたら、あなたの今勤めている会社は労働時間を減らす気はありません。なぜなら、時間外労働をしなければ仕事が終わらないような慣習が、会社の全体に染み渡っているからです。残業を好きこのんで行っている社員や、残業を暗にうながす上司がたくさんいませんか?
残念ながら、そんな職場では働き方改革で法律が変わったところで、残業がなくなるわけがありません。仕事を効率よくこなせばこなすほど次の仕事が増え、ダラダラ仕事して残業代ドロボーした方がマシだからですね。
個人の意思どうこう関係なく、会社の社風や組織構造が残業を生み出してしまうわけです。本気で残業が嫌なら、プライベートと仕事のメリハリのしっかりした社風の会社に転職することを考えておきましょう。
人が辞めていく会社・人手不足が続く会社
人が次々に辞めていく会社や、人手不足が慢性的に続く会社も、将来性はないでしょう。
- 人がすぐ辞めるため、社員が育たない
- 人がすぐに入れ替わるため、未経験者ばかりで仕事の質が低下する
- 長く続ける社員も人手不足で業務不可が増え、精神・肉体ともにダメージを受けて退職しやすい
- 派遣制度の運用・外国人労働者受け入れなど、今後も会社側の負担が増えていく
人がすぐに辞めていく会社は、それだけ会社側にも問題がある証拠なのですが、なぜか会社側は改善しようともしません。
ひどい会社や人事であれば、
「最近の若者は根性がない」
「辞めていく奴は根性がない」
「辞めない奴だけ育てればいい」
…など、自分たちには非が一切ないと思っていることもあるので、見極めが必要でしょう。
事実、定着率の高い会社ではハラスメント対策なども精力的に行っており、ブラックな環境にならないために社員に教育や意識改革を促しております。
また、採用方法に関してもハローワークへの求人出稿だけでなく、転職エージェントや既卒・第二新卒向けの人材会社を使うなどして、出来るだけ長く働いてくれる人材を集める努力を行っています。
従業員・社員の質が低い会社
将来性の低い会社は、従業員や社員の質が低い会社でしょう。
職場というものは不思議なもので、同じレベルのもの同士が集まりやすい性質を持ちます。
2割ほどは「明らかにその集団の中で抜きん出ている者」と「他より劣っている者」に別れ、優秀な人は出世するかキャリアアップ転職し、無能な者はついていけずに脱落していきます。
また、最近では多くの企業が「派遣社員」「アルバイト」などで人件費を削減した結果、質の低い社員が育たないという事態に陥っています。
何かと話題になりやすい非正規雇用問題ではありますが、まったく成長性しない社員が増えやすいという構造上の問題を抱えているのは、間違いありません。
もちろん「自分は好き好んで派遣社員やアルバイトを選んでいる!」という方であれば、その価値観は否定しませんし、本来はそういった働き方を認めるための制度です。
しかし、現実として非正規雇用者は使い捨て可能な範囲の仕事しか任せられず、人件費の削減を目的で運用している企業がまだまだ多いのです。
ですので、仮に「自分はもっと成長したい」「大きな仕事を任せられたい」という意志がある方であれば、周りが低レベルな非正規ばかりの環境で働くことは、あまり将来性のある働き方とは言えないでしょう。
将来性の低い業界や会社が抱える問題点とは?【見極めるためのポイント/経営編】
多くの社員が自分の勤める会社の将来性について考えることがあります。特に経営の面で不安定なサインが見受けられる場合、その会社が長続きするのか不安に思うことも。以下の5つのポイントで、会社の将来性や経営状況を見極める手助けとなる指標をご紹介します。
- 収益構造の偏り:
一つの収益源に過度に依存している会社は、その収益源が失われた際のリスクが高まります。 - 経営陣の入れ替わりが激しい:
頻繁に経営陣が変わることは、経営方針の不安定さや社内の不協和音を示唆する可能性があります。 - 透明性の欠如:
決算報告や経営方針の公開が不透明であれば、隠された経営上の問題が潜んでいる可能性を考える必要があります。 - 技術革新や研究開発への投資の減少:
継続的な成長や競争力を維持するためには、技術や研究開発への投資は欠かせません。その減少は将来性の低下を予兆するかもしれません。 - 社員のモチベーション低下:
社員の士気やモチベーションが低下している場合、経営の問題や将来性の不安から来ている可能性があります。
このように、会社の経営状況や将来性を見極めるには、数字だけでなく、人の動きや情報の透明性など、様々な観点からの分析が必要です。
将来性がないと感じる会社で働き続けるリスクとは?無理に続けるべき?
「将来性のない会社」とのラベルが自身のキャリアにどう影響するのか、多くの方が感じる疑問でしょう。確かに、短期的には安定した収入を得ることができるかもしれませんが、長期的に見た場合、多くのリスクが潜んでいます。以下で、そのリスクや考慮点をいくつか解説します。
- キャリアの停滞:
長期間、将来性の低い企業で働くことで、専門スキルや経験が得られない可能性が高まり、キャリアアップが難しくなる可能性があります。 - 経済的リスク:
会社の経営状態が悪化すると、賃金のカットやボーナスの減少、最悪の場合は解雇というリスクが現実的に考えられます。 - 精神的ストレス:
会社の将来に不安を感じながら働くことは、精神的な負担となり、ストレスや不安を増大させる要因となり得ます。 - キャリアチャンスの逸失:
他の機会を逸してしまうリスクがあります。他の企業や業界でのチャンスを逃すことになりかねません。 - モチベーションの低下:
企業の将来性に対する不安は、日常の業務に対するモチベーションや意欲を低下させる可能性があります。
結論として、将来性のないと感じる会社での長期的な勤務はリスクが多いため、状況や自身のキャリアプランを再評価し、適切な判断を下すことが求められます。
将来性のない会社からは転職すべきか?
以上、将来性のない会社の特徴をご紹介してまいりました。
読者の中には「今の会社に先行きも将来性も感じないから、早めに転職活動を始めておきたい」という方も、少なくはないと思います。
ですが、将来性を理由に転職を考える場合は、慎重に行動すべきです。
それがなぜかと言うと、一社員が見ている「会社の先行き」と経営者が見ている「会社の先行き」は、天と地ほどの差があるからです。
もしかしたら、今の会社が将来性がなくて給料も低いと感じていても、数年後には業績が伸びて自分の給料も上がるかもしれません。
つまり、先のことは誰にもわからないのです。
それでも、一度会社に対して将来の不安を感じたら、中々取り払うのは難しいとは思います。
ですので、将来性のない会社から転職するにしても、以下の点には気をつけてみてください。
今の会社の「将来性」をしっかり把握しておく
会社の将来性に不安を感じて転職するのであれば、まずは今の会社の将来性をしっかりと把握しておかなければ、判断を誤ることになりかねません。
とくに、大企業や公務員クラスであれば、なんだかんだで将来性は他よりも高いと言えるので、安易に「大企業も今後は不安定」「これからはAIの時代だ」という煽りを真に受けるのは禁物です。
また「企業研究」「事業規模」「資本力(株式配当率、業績)」など、今の会社の経営状況をマクロな視点で把握しておくことも、将来性を見極めるために大事なことです。
転職先選びにしても「本当に今の会社よりも将来性があるのか?」と常に疑い続けて、シビアに判断しなければ、また将来性に不安の残る会社に入社してしまうことにもなりかねません。
転職活動を経て、今の会社の恵まれた環境や意外な将来性の高さに気づくこともありますので「転職しない」という選択肢も考慮しておくことも大事でしょう。
転職先の「将来性」もしっかり把握しておく
将来性を理由に転職するにしても、転職先の将来性が絶対に安定だと言うことは、まずありえません。
むしろ、中途採用者を求めている企業は、何かしら「裏」がありますので、冷静に見極めておく必要があります。
転職先の将来性を見極める要素の例
- 新規事業の開拓による採用募集なのか?
- 転職後のキャリアアップは見込めるか?
- 会社の過去の業績や成長率はどれほどか?
上記のような質問にしっかり答えられる転職先であれば、会社も将来を見越しての採用だと考えられますので、将来性はあると言えるでしょう。
逆に、
- 人手が足りないからとりあえず採用募集している
- 誰かが抜けた穴を補いたい(=何かしら社内に辞めたくなる理由がある)
- 自社で出来ない仕事を、他の会社の優秀な人材に丸投げしたい(=自社内でどうにかする気がない)
…などの意図で中途採用している場合は、会社側もそこまで考えていない可能性がありますので、注意が必要です。
いずれにせよ、会社の将来性を見極めるためには、自分の判断基準や総合的な知識も必要になってくるため、他人の判断基準をうのみにしてはならないということです。
当記事ですら、あくまで「判断基準のひとつ」ぐらいに疑って読むぐらいが、ちょうどいいでしょう。
転職活動を通して会社の将来性を見極めておく
会社の将来性に不安を感じてる方は、一度転職活動を通して、今の自分の経歴で通用する業界や職種、期待できる年収アップや職場環境の向上など、あらゆる可能性を考慮しておくことを推奨します。
というのも、昨今では、至る会社が従業員不足や非効率な経営による業務負担の増加など、真面目に一つの会社で働き続けるリスクが大きくなっているからです。よって、今の会社の先行きに不安を感じるのであれば、転職活動を早めに行っておくことは、自分自身の将来性を高める行為だと言えます。