「なぜかいつも嫌な仕事ばかり回ってくる…」
「自分ばかり雑用を押し付けられる…」
「めんどくさい仕事ばかり任せられる…」
「職場で損な役回りばかりが押し付けられる…」
このようにお悩みではありませんか?
職場ではなぜか嫌な仕事や雑用ばかり押し付けられる人がいます。
そのような人は、良い言い方をすれば「頼られている」とも言えますが、悪い言い方をすれば「都合よく使える奴」とも言えます。捉え方次第ではなんでも卒なくこなせる優秀な人材だと評価されてるとも思えますし、聞き分けが良いから都合よくなんでも頼まれているだけとも受け取れます。
しかし、上の意図や評価がどうであれ、当人が「押し付けられている」と感じているのであれば、それは上司の頼み方が悪いのであったり、周りと比べて過剰に仕事を押し付けているなど、何かしら不公平さを感じさせる原因があるはずです。
また、仮に嫌な仕事や面倒な仕事を率先して引き受けたとしても、それが評価につながらなかったり、昇給や昇進などに反映されないのであれば、やらない方がマシと思うのが当たり前の人間心理というものです。
もし読者の方が、嫌な仕事や面倒な仕事ばかり振られると感じており、そのことに不平不満が溜まっているのであれば、一度冷静に職場での立ち回りや仕事の仕方を見直すべきタイミングに来ているのかもしれません。
そこで当記事では、嫌な仕事を振られやすい人の特徴や理由、また嫌な仕事を押し付けてくる側の心理をご紹介した上で、そのような状況にどう対応して立ち回るべきか、様々なヒントをご提供していきます。
嫌な仕事を押し付けられる人の特徴は?なぜ面倒な仕事ばかり振られるのか?
他の同僚よりも面倒な仕事を振られる頻度が高いと感じる場合、その背後には様々な要因が考えられます。
下に、嫌な仕事や負担の大きいタスクが振られやすい人の特徴と、その理由に関する考察を挙げてみましょう。
- 過去の成功体験:
以前に難しい仕事を成功させた経験があり、その実績から信頼を勝ち得ているため、新たな困難なタスクが振られやすい。 - 「NO」と言えない性格:
振られた仕事を断りにくい性格のため、他の人が避けるようなタスクが自分に集中してしまう。 - 能力の高さ:
能力やスキルが高く、多岐にわたる仕事をこなせるため、難易度の高いタスクや多くの仕事が振られることがある。 - コミュニケーション不足:
自分のキャパシティや仕事の優先順位について上司や同僚と十分にコミュニケーションを取っていないため、無理な仕事が振られることがある。 - 周りの認識や評価の歪み:
職場内での自分のポジショニングや評価が正確でない、または自分の能力を過小評価している他のスタッフから簡単に仕事を振られやすくなっている。
嫌な仕事や難しい仕事が振られることは、時に自分のスキルや経験を高めるチャンスとも言えますが、過度な負担は長期的に疲弊を招くことも。自分のキャパシティを理解し、必要な時には適切なフィードバックやコミュニケーションを心がけることが大切です。
無駄な仕事を率先して請け負ってしまう
仕事で損をしてしまう人は、無駄な仕事を率先して引き受けてしまいます。
・無駄な仕事を引き受けてしまう人の例
- 誰も見ていない細かい作業にこだわる←当然、誰からも評価されない
- 雑用ばかり押し付けられる←大きな仕事を任せてもらえない
- 嫌な仕事でも率先して引き受ける←誰もやりたくない仕事ばかりが回ってくる
- 頼まれたら断れない←自分の時間を奪われることになる
無駄な仕事を率先して引き受けると「頼れる人」と思われがちです。
しかし、肝心なことは任せられないで損な役回りを演じることになります。
最初は「頼られる」ことに心地よさを感じます。
が、次第に自分が「都合のいい人」である事実に薄々気づき始めるわけですね。
そして気づいた時には「頼まれたら断れない」状態、いわゆる「八方美人」になってしまうわけです。
仕事はボランティアではありません。
無駄な仕事ばかりを押し付けられていては、いつまでも損な思いをし続ける結果になります。
「他人に認められたい」と思っている
仕事で損する人は「他人に認められたい!」という欲求を強く抱いています。
そして、その欲求を原動力に仕事をしている傾向があります。
・他人に認められたい欲で仕事している人の動機
「憧れの上司や先輩に認められたい!」
「誰かに私の頑張りを認めて欲しい!」
「真面目にやっておけば、いつか誰かが評価してくれる」
こういった「認められたい!」「評価されたい!」という欲求を”自己承認欲求”といいます。
とくに最近の若者は、給料や出世よりも「やり甲斐」「自己実現」を仕事に求める傾向があり、その中の一つに「誰かに認められたい!」という欲求も存在します。
本人は自分の承認欲求に気づけていないために、いつまで経っても見当違いの努力をしてしまい、他人に認められません。その結果「どうして私は評価されないのだろう?」という不満を抱えてしまう結果になるのです。
「他人に嫌われたくない」と思っている
仕事で損ばかりしてしまう人は「他人に嫌われたくない」と思っています。
他人に嫌われたくないがために、無駄な仕事ばかり引き受けてしまうわけですね。
実は「嫌われたくない」という心理は「自信の無さ」の現れです。
自分の意志や判断基準がないがために「他人に嫌われない=無難な選択肢」をとってしまうのです。
・「他人に嫌われたくない人」が仕事で上手く行かない具体例
- 指示された仕事を律儀にすべてこなそうとしてしまう→結果、要領よく仕事をこなせない
- 誘われたイベントに断れずに参加してしまう→結果、自分の時間がなくなる
- 他人の意見に反論できない→結果、他人から「意志のない、受け身な人」と思われる
こうして見てみると、以下に「他人に嫌われたくない」という理由で仕事するのが損であるかがわかりますね。
また「他人に嫌われたくない」という心理は「他人から評価されたい」という欲求も含んでおり、仕事での目的や本質を見失う原因ともなるのです。
やりたくない仕事ばかり回ってくる職場の問題点:雑用や損な役回りばかりになる構造
嫌な仕事ばかり押し付けられると感じる場合、必ずしも本人だけに問題があるとは限りません。
職場環境によっては「働き者が雑用ばかり押し付けられる」「なんでも卒なくこなせるばかりに面倒事ばかりに巻き込まれる」という状況になっている可能性も考えられます。
そこでこの項目では、特定の人物にめんどくさい仕事ばかり押し付けられる背景について、職場環境や会社の組織風土といった「企業側の問題」の観点から、お伝えしていきます。
率先して動く人が損しやすい職場環境
第一に考えられる原因が「率先して動く人ほど損しやすい職場環境」になっているという状況です。
たとえば、アルバイトの人間がどれだけ周りより必死に働いても、周りと給料が変わらないというような状況では、ダラダラ働いた方が得という状況になってしまいます。
率先して提案したら面倒な仕事を任される割に、失敗すれば責任を追求されて一人だけ批判されるような職場環境も当てはまります。そのような職場は部下の自発性に依存してしまっているのですが、上が責任を回避するようでは、下も率先して動く気も失せてしまうというものです。
このように、率先して働く者が損する仕組みになってしまっている職場環境は珍しくなく、至るところで見受けられます。
率先して嫌な仕事も引き受けることで、上司の評価が上がったり、自身の成長につながることもあるので、それ自体は良いことではあります。
ですが、あまりに自分一人だけ嫌な仕事を押し付けられるていると感じているのであれば、社内環境を見直して自分だけ割を食っていないか確かめておくべきでしょう。
助け合いの精神がなく自分の仕事しかしない人が多い
助け合いの精神がなく自分の仕事しかしない人が多い職場環境も、真面目な人ほど嫌な仕事ばかり押し付けられやすいと言えます。
そもそも、そういう職場環境では貧乏くじを誰かに引かせることが当たり前の状況と化しているため、嫌な仕事を誰かが引き受けてくれるまで誰もやらないという状況が発生しやすいのです。
職場の人間に助け合いの精神があるかないかを確かめるために、一番手っ取り早い方法が「自分が忙しく手に負えないほどの仕事を抱えているにも関わらず、暇な人が手伝ってくれるか否か?」を確認してみることです。
助け合いの精神が自然に根付いてる職場では、忙しい人に対して手伝ってくれる人がいるものですし、そうでなくてもその後のフォローや進歩状況を確認するなど、一人に抱えさせすぎないように気配りされるはずです。
先に紹介した「率先して動く人が損しやすい職場環境」と合わさる場合も考えられます。
率先して動く人が批判されたり仕事量を増やされる職場では、率先して動く人を助けること自体が損な行為となるのです。
この場合、率先して動く人を冷ややかな目で見ている人が多かったり、批判する人がいるなど、決して良い職場環境とは言えないでしょう。
余計な仕事を増やす人がいる
余計な仕事を増やす人がいる職場環境でも、嫌な仕事を押し付けられやすくなります。
とくに上司が思いつきで仕事を増やすような人であったり、指示がコロコロ変わるような職場環境では、真面目な部下ほど雑用を押し付けられやすくなります。
そういう職場環境の場合、そもそも上司が仕事の工数や負荷を計算できていない可能性が非常に高いです。
少なからず、仕事を増やす際に実際に行うべきかどうかを部下と相談して決めることなく、一方的に増やすような職場環境であれば、実際に仕事を行う部下の意見を聞かずに負荷を増やしているだけなのですから、あまり良い上司とは言えないでしょう。
社会にはそういった上の理不尽な指示に従う必要もありますが、社員全体だけでなく自分一人にしわ寄せが来るようでしたら、それは雑用を嫌な顔せず引き受けてくれる相手に甘えているだけなので、雑用を振る側にも問題があると考えるべきです。
仕事の量をしっかり管理できていない
自分自身が仕事の量を管理して他人に伝えていなかったり、上司(マネージャー)側が仕事の量をしっかりと管理できていないことも、雑用ばかり押し付けられる原因かもしれません。
たとえば、仕事の量が可視化されてないで、その日の気分や状況によって仕事量が変わるような職場があったとします。
そのような職場は、働き者によって支えられていても、現場にいない上の目線からすれば「誰がどれだけの量働いたか?」がタイムカードなどの出勤記録からしか判断できません。
これが頭を使う仕事でかかる時間が予測しにくい仕事ですと、なおさら他人がどれだけの量の仕事をこなしたか判断しにくくなります。
たとえば、事前調査に時間を費やしが報告書を一日かけて仕上げたとしても、相手にとっては「1時間で終わる作業」と思われており、そのせいで雑用を増やされているのかもしれません。
どのケースにしても、自分自身の仕事の量を他人が判断できていなかったり、低く見積もられていることが原因だと考えられます。
職場全体で誰かの頑張りに依存しすぎていないか、また、仕事の量を全体でしっかり管理して役割分担できているか、見直す必要があるでしょう。
面倒な仕事を押し付けられる人は評価されない?無理に働き続けるべき?その末路は?
面倒な仕事を押し付けられることは、多くの人にとってストレスの原因となります。その背後には様々な要因が考えられますが、常に困難なタスクばかりを引き受けることが必ずしも自分の評価を高めるとは限りません。以下に、この問題についての考察を挙げてみましょう。
- 仕事を増やされるばかりで一向に楽にならない:
常に新しいタスクや責任を増やされ、休息やリカバリーの時間が確保できないと、疲労やストレスが積み重なるリスクが高まる。 - 評価されずに昇給・昇進機会が得られない:
努力や成果が正当に評価されず、キャリアの進展が停滞してしまうことで、モチベーションの低下や不満が募るかもしれない。 - スキルや専門性が身につかない:
一方的な仕事内容や単調なタスクの繰り返しにより、新しいスキルや知識の習得が困難となり、キャリアの幅を広げるチャンスを逃す可能性がある。 - 仕事を抱え込むことで対人関係が悪化する:
常に忙しい状態やストレスが高まることで、同僚や上司とのコミュニケーションがおろそかになり、人間関係が悪化するリスクがある。 - キャパオーバーで心身ともに壊れるリスクが高まる:
継続的な過重労働やストレスは、心身の健康を損ない、病気やうつ症状を引き起こす危険性が増大する。
面倒な仕事を押し付けられることは、その人の能力や信頼性を試すためのテストとして振られることもあるかもしれません。しかし、そのような仕事の取り組み方や量、頻度が自分のキャパシティを超えてしまう場合は、健康やキャリアのためにも、適切なフィードバックやコミュニケーションを行うことが求められます。
嫌な仕事ばかり回ってくる状態から抜け出すために意識しておくべきこと
ここからは、嫌な仕事や雑用を押し付けられないための処世術や立ち回りについてご紹介していきます。
無駄な仕事や利益にならない頼み事は安請け合いしない
雑用のような無駄な仕事や自分の利益にならない頼み事は安請け合いせず、断りましょう。
面倒な仕事ばかり押し付けられるように人は断ることに抵抗がありかもしれませんが、断固たる姿勢で「できません」「やりません」と断っておくことで、周りも本当に必要なことしか頼んでこなくなるので、最終的には自分にとって必要な仕事や相手だけが自然と寄ってくるようになります。
大変な仕事を引き受ける時は必ず交渉に持ち込む
嫌な仕事や面倒で大変な仕事を引き受ける際には、まず断るのが基本ではありますが、どうしても引き受けざるを得ない時は「交渉に持ち込む」というのが鉄則です。
たとえば、出張や転勤などの話が出た時は、その分の手当てを出さないのであれば引き受けないと要求するといった形です。
これも案外、ダメ元で条件付きで請け負うと打診すると、あっさり相手側が動いてくれることが多いです。また、このように「条件付きなら請ける」という交渉が通じない相手に関しては、自分を都合よくこき使うことしか考えてない相手だと見分けられるので、距離を置くべき人物だと判断しやすくなります。
認められるために仕事しない
若いうちは、自分の能力を評価してもらうためであったり、昇進や出世、実績のためについつい張り切りがちです。そういった態度は、短期的には評価されたり上司に気に入られる要因となりますが、長期的に見れば嫌な仕事を押し付けられるだけの「都合の良い人」となってしまうリスクもあります。
しかし、真に評価される人は、誰かに評価されようと努力されずとも勝手に評価されるものです。
たとえば、普段はぼーっとしていてもいざという時に頼りになる人は何もせずとも周りに相談されるものですし、本当の実力者は何かを頼む側も丁重かつ慎重に仕事を振るものです。
責任範囲が明確でない仕事では過度に責任を背負わない
組織や集団においては、必ずと言っていいほど「誰の責任か?」といった責任追及が起こります。これは責任範囲が明確でないことや、誰が責任を取るか決まってないことから生じることです。
たとえば、誰かが職場を辞めたとして、辞めた当人が悪いのか、それとも上司が悪いのかは、どちらにも非はあるでしょうし、そもそも採用した人間が悪い可能性もあります。
また、誰が悪いかどうかを最終的に決めるのは社内規則や契約書、法律などの明確化された共通のルールですが、往々にしてその場の雰囲気や周りの意見などで「誰が悪いかの犯人探し」が行われがちです。
おそらく、嫌な仕事を押し付けられるような人は責任感が人一倍強く、大半のことは要領よく行えるかと思いますが、それが裏目に出て「失敗して責任を取りたくない人」や「責任感がなく人任せな人」に都合よく使われているのでしょう。
もちろん、責任感があって何でも要領よくこなせることは良いことですが、自分が潰れるほどに責任を背負い込む必要はありません。責任範囲が明確でない仕事は、無理に引き受ける必要はないでしょう。
面倒な仕事をこなしたことが正当に評価される会社に転職する
上記のような処世術や考え方は、あくまで社内環境がまともであったり、会社や上司が無責任に下に押し付けてくるような会社でないことが前提となります。
しかし、残念なことに多くの企業では「社員になんでも押し付けていいと考えている経営陣」や「部下になんでも押し付けて責任を取らない上司」「下請け企業やコンサル先に任せっぱなしの大企業」など、他力本願で何でも面倒事はすべて他人に押し付けるのが当たり前になっている企業や人もたくさんいます。
そういった環境で知恵を絞ったところで、周りの人間や組織風土自体が変わるわけではありません。また、面倒事ばかり押し付けられる人が正当に評価されず、面倒事を他人に押し付けてばかりの人が評価されるような職場は会社自体が終わっていると言えます。
そういった会社では責任感の強い人や率先して仕事を引き受ける人ほど、割りを食って損をしやすいので、正当に評価してもらえるような職場環境への転職も考えておくべきでしょう。
転職を検討するなら必ず転職支援サービスを活用しておこう
嫌な仕事を押し付けられるのは職場環境の問題もあり、そのことで評価されてない・割りを食っていると感じるのであれば、余裕があるうちに転職サービスに登録しておき、転職活動を始めておくに越したことはないでしょう。
文中でも何度か解説している通り、嫌な仕事を日頃より押し付けられている人は会社に都合よくコキ使われて年収も待遇も向上しない…なんてことはよくある話です。そのまま働き続けても心身ともに消耗するだけですので、転職を考えておくに越したことはないでしょう。