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本当に離職率の高い業種・企業を見抜く方法。あなたのリサーチ力、大丈夫?

「本当に離職率の高い業界を知りたい…」

そうお考えの方は多いはずですよね。ネットでブラック企業の情報がオープンになった今、間違いのない就職・転職先選びにお悩みの方は多いことかと思います。

しかし、ネットに上がっている情報は感情の絡む「個人の感想」はともかく、大手の転職メディアでは「それ、どこ情報?具体的な数字は?」という信憑性の低い情報も出回っていますね。

参考例:
離職率が高い業界・企業の特徴と共通点、離職率が高まる理由|Mayonez
離職率が高い職場はココで見分けよう!社員がよく辞める会社の3つの特徴|みんなの転職「体験談」

これらの記事で挙げられている「特徴」「共通点」をすべてクリアしているような理想の職場なんて、実際問題ほとんど存在しません。そして、そんな職場でも定着率が高い企業はいくらでもあります。

さて、ここまで言われて、読者の皆さんはこうお考えではないでしょうか?

「じゃあ、本当に離職率が高い会社はどう見分ければいいんだよ!」

結論から言えば「本当に離職率が高い会社を見分ける方法」は存在しません。

なぜなら、企業側に離職率公開の義務はないから。そして、企業側が公表する離職率が真実かどうかは限らないから。極端な話が「自主都合退職者を離職者として扱わないで、会社都合での離職者のみカウントする」なんて方法をとることも可能ですからね。つまり、疑いだせばキリがないわけです。

結局の所、離職率が高い…というよりも、あなたが心の奥底で知りたいと願っている「自分でも辞めないで長く続けられるかどうか?」については、実際に入社して働いてみるまでわかりません。

ですが、やはり「自分でも続けられるという”確信”」は欲しいですよね。それは何もあなただけではなく、企業側も「この人ならウチで戦力として育ってくれるという”信頼”」が欲しいわけです。

そこで今回は少し視点を変えて「読者が離職しないで長く働けるかどうか」という意味での”離職率”について考えていきたいと思います。

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多くの企業は”離職率”を公開していない

まずあらかじめ言っておくと、多くの企業は離職率を公開していません。公開しているとしても「厚生労働省」「経済誌」「転職業者」といった”第三者による公表”という形をとっています。つまり、企業側からすれば離職率は積極的には公表したくない情報なのです。

ですので、ネットや本などで取得できる離職率は「あくまで第三者が公表している離職率」と踏まえておく必要があります。企業側としても「第三者が言っているだけで、そんなに離職率は高くない」という言い分が確保できるので、非常に都合がいいわけです。いい大人であれば、このあたりの”本音と建前”は事前に抑えておきましょう。

その点を踏まえた上で、離職率の高い業界・企業について考えていきます。

離職率の調べ方

一般の求職者が信頼性の高い離職率を調べるには、以下の方法が代表的です。

  • 厚生労働省(ハローワーク)のデータを参考にする(国の調査データ)
  • 「四季報就活生」などの経済誌を参考にする(出版社の独自調査データ)
  • 学校・転職業者のデータを参考にする(紹介実績)

離職率の情報源についての調べ方はこの記事で紹介しております。

関連:離職率と定着率の調べ方ガイド。数字から社内環境や人事状況を”読む”ためのコツ

離職率の高い業種は?

離職率の高い業種や企業を見ていますと、ざっくりと以下のような特徴が見受けられます。

  • 人員の入れ替わりが激しいことが前提の組織構造の業界(飲食・小売など)
  • 転職が盛んで、多様な働き方のしやすい業界(IT・WEB業界など)
  • 営業職などキャリアアップ転職が盛んな業界(商社・外資など)
  • 販路拡大が頭打ちで、成長限界を迎えている産業(食品・印刷など)
  • リストラ(組織再編)に伴い、一時的に離職率の上がっている会社(シャープ、東芝など)

離職率を参考にする際には「なぜ、離職率が高いのか?」を考え、自分の働き方に対する価値観に合った業種選びをすることが大切です。たとえば、離職率の高い小売・飲食業界であっても「独立(自営・開業)の勉強のために働いている」というのであれば、最初から辞めること前提で下積みできる業界だと、前向きに考えることができます。

また、新卒3年以内の離職率を見ればわかりますが、高卒の4割・大卒の3割ほどが離職しており、それに3年後以降の離職率を合わせると、実際には多くの人々が離職している事実が見えてきます。

しっかりと離職率のデータを分析するとわかってきますが、辞めないで一つの会社で働き続ける人のほうが珍しいぐらいなのです。

そういった点も踏まえ、当記事での離職率に関する分析をご参考いただけると幸いです。

※新卒3年以内の離職率は「厚生労働省公式ホームページ」を、3年後の離職率については「就職四季報 総合版」を参考にしています。

IT業界(WEB・ゲームなど)

また資料として使った「就職四季報」では大卒以上からの就職者を対象に集計しているため、高校・高専・専門卒の離職率とは乖離があることを留意しておきましょう。

IT業界の3年後離職率

【老舗通信業界(携帯会社)】

NTTドコモ…3%
KDDI…6.3%
ソフトバンク…12.7%

【大手グループのIT企業】

伊藤忠テクノソリューションズ…10%
日立システムズ…11.3%
SCSK…4.2%

【インターネット・WEB会社】

ネットワンシステムズ…17.0%
GMOインターネット…19.0%
トレンドマイクロ…13.3%

ゲーム業界

また、ソーシャルゲーム業界とコンシューマーゲーム業界の3年後離職率を比べてみますと、いかにソシャゲー業界の移り変わりが激しいかわかってきますね。

有名ソシャゲー会社の3年後離職率

mixi…26.9%
DeNA…33.7%
コロプラ…未公開
グリー…未公開

有名コンシューマーゲーム会社の3年後離職率

任天堂…0%
コナミ…未公開
バンダイナムコエンターテイメント…0%
スクウェアエニックス…30%
カプコン…非公開

商社

一般的にエリートイメージの強い大手の総合商社は、非常に定着率が高い傾向があります。

大手商社の3年後離職率

三菱商事…未公開
伊藤忠商事…6.7%
三井物産…6.5%
住友商事…2.7%
豊田通商…2.5%

しかし、この大手総合商社の離職率と比較してみますと、他の商社は離職率が比較的に高めである事実が見えてきますよ。

鉄鋼・工業・建材商社

ホンダトレーディング…22.2%
大同興行(鉄鋼商社)…37.5%
佐藤商事(金属商社)…25.0%
山善(機械・工具商社)…12.8%
ユアサ商事…16.7%
トラスコ中山…18.2%
日立ハイテクノロジーズ…14.3%
ダイワボウ情報システム…14.6%
菱電商事…15.6%
シークス…23.1%
サンワテクノス…15.6%
リョーサン…23.5%
新光商事…27.3%
伊藤忠建材…28.6%

食品商社

三菱食品…0%
伊藤忠食品…6.7%

加藤産業…25.0%
日本酒類販売…20.0%
旭食品…31.3%
スターゼン…29.6%
トーホー…28.6%
東京青果…31.3%
マルイチ産商…16.7%
カナカン…57.1%
東海澱粉…28.9%
シジシージャパン…33.3%

石油・燃料・ガス・繊維商社

ヤギ…20.0%
スタイレム(淀定大阪グループ)…25.0%
伊藤忠エネクス…20.8%
三愛石油…28.6%
巴商会…40.0%
オートバックスセブン…25.0%
ドウシシャ…18.2%

金融・銀行・保険業界

野村證券…未回答
日本生命保険…未回答
オリックス…5.3%
三菱東京UFJ銀行…7.2%
みずほフィナンシャルグループ…未回答
三井住友銀行…未回答
ゆうちょ銀行…14.6%
りそなホールディングス…13.1%

製造業(メーカー) ※事業再編・リストラに伴う離職

【国内大手メーカー】

シャープ…31.9%
富士通周辺機…66.7%
JVCケンウッド…20.0%
東芝テック…20.0%

【IT機器】

アイ・オー・データ機器…21.4%
バッファロー…25.8%

その他国内メーカー…5%前後
外資系メーカー…10%前後

生活用品(メーカー)

食品メーカー

伊藤園…22.3%
キーコーヒー…13.3%
雪印メグミルク…11.7%
ハウス食品グループ…13.9%
ホクト…17.2%
エスビー食品…15.8%
キッコーマン…12.0%
日本食研HD…27.2%
ケンコーマヨネーズ…28.6%
理研ビタミン…14.3%
日清食品…13.0%
伊藤ハム…12.5%
プリマハム…11.5%
丸大食品…16.7%
亀田製菓…14.7%
井村屋グループ…17.5%
日本製粉…14.3%
フジパングループ本社…17.6%
敷島製パン…16.7%
カネコ種苗…25.0%

【食品関連の製造業】

日油…20.0%
エフピコ…16.0%

印刷・紙・DTP業界

凸版印刷…8.8%
大日本印刷…8.9%
共同印刷…25.0%
図書印刷…20.0%

国際紙パルプ商事…23.3%
王子ホールディングス…13.3%
日本製紙…8.8%
レンゴー…16.7%

日本創発グループ

アパレル・繊維業界

東レ…10.3%
ワールド…42.9%
三陽商会…37.5%
クロスプラス…27.3%
ユニチカ…25.0%
グンゼ…19.0%
セーレン…16.0%
ワコール…13.3%
日東紡…20.0%
東海カーボン…16.7%

鉄鋼メーカー

東海カーボン…16.7%
三協立山…21.1%
文化シャッター…19.0%
アルインコ…26.7%
日立金属…16.7%
山陽特殊製鋼…16.7%
淀川製鋼所…23.5%

不動産・住宅業

大和ハウス工業…21.4%
積水ハウス…14.8%
大東建託…33.9%
住友林業…19.6%
旭化成…14.2%
レオパレス21…未回答(前回19.0%)
ミサワホーム…28.9%
パナホーム…16.7%
一条工務店…16.2%
三井ホーム…21.2%
日本ハウズイング…22.5%
スターツグループ…25.4%
積和不動産…18.4%

大手小売・サービス業全般

小売業は離職率のもっとも高い業界で、3年後離職率も平均25%を越えています。※就職四季報2019年版 1091ページ参照

百貨店

・三越伊勢丹…12.7%
・高島屋…27.5%
・大丸松坂屋百貨店…14.8%
・阪急阪神百貨店…18.9%
・近鉄百貨店…10.5%
・東急百貨店…18.8%
・小田急百貨店…7.1%
・松屋…25.0%
・丸井グループ…15.1%

関連:百貨店辞めたい…デパート勤務がしんどい理由や転職する際の注意は?

コンビニエンスストア

セブンイレブンジャパン…18.1%
ファミリーマート…20.8%
ローソン…33.3%
ミニストップ…未回答

スーパー

ユニー…14.3%
イズミ…未回答
平和堂…未回答
フジ…18.8%
ヨークベニマル…40.0%
ヤオコー…29.2%
サミット…26.1%
いなげや…23.3%
カスミ…25.6%
アクシアルリテイリンググループ…20.8%
マックスバリュー…62.5%
ベルク…22.8%
ヨークマート…46.5%
ユニバース…22.7%
関西スーパーマーケット…37.5%
ハローズ…19.5%
マミーマート…36.8%
スーパーアルプス…18.8%
ハートフレンド…未回答

ドラッグストア

サンドラッグ…28.7%
スギ薬局…20.5%
マツモトキヨシ…28.1%
ココカラファイン…未回答
キリン堂…24.1%
サッポロドラッグストアー…25.4%
日本調剤…23.7%
総合メディカル…16.8%

アパレル・衣料

ファーストリテイリンググループ(ユニクロなど)…未回答
しまむら…23.6%
ライトオン…未回答
チュチュアンナ…25.0%
ABCマート…26.8%
レリアン…39.5%
西松屋チェーン…10.5%
青山商事…26.7%
AOKIホールディングス…26.1%
コナカ…28.8%
ヴァンドームヤマダ…36.4%
ベルーナ…41.1%

飲食業

すかいらーく…33.7%
サイゼリヤ…44.4%
トリドールジャパン…32.4%
日本マクドナルド…44.1%
日本KFCホールディングス(ケンタッキー)…40.0%
モスフードサービス…20.7%
松屋フーズ…未回答
ドトールコーヒー…60.3%
大庄…48.8%
プレナス(ほっともっと)…29.0%
ロック・フィールド…32.6%

離職率の高い企業を避けるには?

さてさて。離職率の高い業種のデータをまとめたところで、最後に離職率の高い企業を避ける方法をご紹介していきます。…いえ、正確には「あなたが長く続けていける定着率の高い仕事の見つけ方」ですね。

極端な話、あなたにとっての離職率は「辞めれば100%」であり「辞めなければ0%」になるわけです。つまり、辞めなければあなたにとって離職率100%の会社が見つかると言えるのです。

そして、実は書類選考や面接が行われる本当の理由も「限りなく離職率0%に近い人材が欲しい」という、企業の理想を実現するためなんです。会社も本音で言えば「絶対に辞めないで成長してくれる人材」が欲しいわけですね。しかし、現実は残念ながらどんな優良企業であっても、一定数の離職者が出るのが実情です。

ですので、もしあなたが「離職率の低い企業を避けて、定着率の高い仕事に就きたい!」とお考えであれば、それはもう企業側としてもぜひとも招き入れたい人材であることを覚えておきましょう。あとは、自分に合った会社を見つけるだけで十分なんです。

第三機関で離職率を聞いておこう!

正確な離職率を知るのであれば、ハローワークや転職業者で聞いておくのが一番ですね。というのも、企業の部署ごとの離職率や自分と似た経歴の離職者数など、より自分に合った離職率を知ることが出来るからです。

たとえば、ある企業の離職率が高くても、フタを開けてみれば一部の部署でのみ離職者が多いだけであって、他の部署はかなり待遇も環境も良かった…なんてこともありえます。そういった「本当に自分に合った情報」を得るためには、より業界内情を知る人に話を聞くことが大切なんですよね。

この事実に気づかず、求人票の情報や広告ばかりをアテにしている人は、離職率の高い求人に惑わされ続けることになります。そうならないためにも、より自分に合った離職率の情報を得ることを意識しておきましょう。

あえて”離職率の高い企業に挑戦する”という選択肢も考えておこう!

あえて”離職率の高い業界・企業に挑戦してみる”という選択肢もおおいにありでしょう。なぜなら、離職率が高い分、長く続けられる人の人材価値は上がるからです。

たとえば、離職率30%以上の企業なんて長く働き続けるだけで上位7割の人材として高く評価されるわけです。普通の人であれば「3割も辞めるから自分も辞めていいや…」と考えてしまいがちです。しかし、ここで「いいや、3割も辞めるのであれば、残り7割になって会社に評価されるチャンスだぞ」と考えることも出来るわけですね。

実際、ここに気づかない人材はかなり多いんです。だから、最近の若い人はすぐに流されて辞めちゃう。「ピンチはチャンス」とはよく言ったものですよね。

あえて離職率の高い企業や業種を狙ってみることで、意外な天職に出会える可能性があるのです。

また、冒頭にお伝えした通り、離職率の高いイメージのある業界の中にも、いくらでも優良企業は存在します

たとえば、離職率の高いイメージのある「大手小売業」「アパレル業界」の2つの要素をもつ「しまむら」なんかは、ネット上でも「ホワイト企業」「従業員満足度が高い」とかなり評価が高いです。この「しまむら」の例のように「離職率の高い業界・企業だから…」という理由で応募すらしないのは、自分から優良企業と出会う機会をつぶしているようなものです。

「離職率が高いから、きっと自分も長く続かないや…」
「離職率が高い会社であれば、長く続けるだけで評価されるぞ!」

どちらの考えで転職先を選ぶかは、あなた次第ですよ。少なからず、後者のほうがチャンスは多くなるはずです。離職率に惑わされず、自分の直感を信じて応募してみることも大切ですよ。

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